発行済株式とは、会社がすでに発行している株式の数を示しています。発行済株式を知ることで時価総額やEPSなど、企業の経営に関する様々な数値を算出することができます。
今回の記事では、発行済株式の意味に触れながら、これに関係する数値についても紹介していきます。
目次
発行済株式とは?
まずは発行済み株式が何のことを指すのか説明します。
発行済株式とは、予め定款に定めている株式数のうち、会社がすでに発行した株式総数のことです。普通株式を発行している会社では、発行済株式数は上場株式数と一致しているのが通常です。
発行済み株式総数は登記において記載する必要があり、発起人はその持ち株数を記載します。
また、株式を発行している企業では予め、発行可能株式総数が決められており、発行済株式はこれを上回ることはありません。
発行済株式の調べ方
発行済み株式の調べ方にはいくつかの方法があります。この章ではその調べ方について紹介します。
証券会社で調べる
発行済株式数は証券会社のWebサイト上で調べることができます。通常、個別銘柄の欄に発行済株式数が記載されていたり、上場株式数として記載されている場合もあります。
四季報で調べる
四季報でも発行済株式数を調べることができます。四季報は雑誌とオンラインがあり、それぞれ、個別の企業ごとに業種や企業の特徴、上場年月などが記載されています。
四季報のWebサイトでは、有料プランに登録すると発行済株式数を閲覧することが可能です。
発行済株式総数と発行可能株式総数の関係性
次に発行可能株式総数の意味と、発行済株式総数の関係性について解説します。
発行可能株式総数とは
発行可能株式総数は、会社が発行できる株式の上限数を指します。発行済株式総数と同様、登記の際に記載する必要があり、会社はここで定めた株式数までしか発行することができません。
発行可能株式数を決めずに、会社が制限なく株式を発行した場合、すでに株式を持っている株主が不利益を被る可能性があります。
そのため、予め発行可能株式数を決めて、この程度まで株式を発行する可能性があるということを株主に示し株主を保護します。
発行済株式総数との関係性
発行可能株式数と発行済株式総数の関係性については、発行できる株式とすでに発行した株式ということになります。
そのため、発行可能株式数から発行済株式総数を差し引くと、その会社があとどの位の株式を発行できるのかわかるということになります。
発行済株式で決まる時価総額について
次に、発行済株式数と関係性の深い時価総額について解説します。
時価総額とは
時価総額は、その企業の規模や企業価値、将来性などを示しています。
時価総額が高い企業は発行済株式数と市場株価も高く、価値のある企業として認知されます。
さらに、時価総額はM&Aの際にも買収総額の目安に利用されたり、株式市場全体の規模を示す金額として用いられたりします。
時価総額の計算方法
時価総額の計算方法は以下の通りです。
【時価総額(円)】 = 【株価】 × 【発行済株式数】
株価においては、時価総額を計算するときの市場における株価を使用します。発行済株式数においてはその時点で発行されている株式数を使用します。
時価総額でわかること
時価総額は、高ければ高いほど、その企業にとってのメリットが多くなります。
具体的には、企業価値が高くなり信頼されやすくなったり、資金調達しやすくなったりして経営が安定するなどです。
また、時価総額を出すことで、同業他社の時価総額を算出して規模感を把握したり、自社と比較して立ち位置を把握したりすることもできます。
発行済株式とEPSについて
最後に、発行済株式とEPS の関係について解説します。
EPSとは
EPSとは一株あたりの純利益を示す数値です。
EPSは、発行済株式数や当期純利益によって上下します。当期利益とは、企業の1年間の利益から経費や税金などすべての必要経費を差し引いたものです。
当期純利益が増加すると、多くの場合でEPSも増加し、発行済株式数が減少するとEPSは増加します。
EPSの計算方法
EPSの計算式は以下の通りで計算できます。
【EPS(円)】=【当期純利益】÷【発行済株式総数】
当期純利益を発行済株式総数で割ることで算出できます。
EPSでわかること
EPSは、その数値をみることで企業の稼ぐ力がわかります。
EPSが高い企業は稼ぐ力(利益性)も高く、EPSが低い企業は稼ぐ力が弱いということになり、投資をする際の判断材料となります。
発行済株式からは企業の経営状況がわかる
今回の記事では、発行済株式の意味とこれに関係する数値について解説しました。
発行済株式は企業がすでに発行した株式の数です。発行済株式を用いて、企業の時価総額やEPS(一株あたりの純利益)を算出してその企業の価値を見ることができます。
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