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登記懈怠と過料とは?用語の意味や対処方法を解説

登記懈怠とは、登記を申請する必要があるにもかかわらず、行為を怠ることです。登記懈怠となると、会社の代表者へ罰則としてペナルティが課される場合があり、これを過料と呼びます。

過料は、登記懈怠となった全員が課されるものではなく、裁判所から過料通知が届いた人が支払わなければなりません。

今回の記事では、登記懈怠や過料について詳しく解説し、過料通知が届いた際の対処方法について解説します。

登記懈怠(とうきけたい)とは

登記懈怠(とうきけたい)とは、会社が本来すべき登記の申請をせずに放置することを指します。

登記制度とは、信用の観点から登記内容に変更が生じた場合、速やかに届け出ることが義務付けられており、登記申請は変更事項が発生した2週間以内に申請する必要があります。

会社を経営していると、様々な変更点ができてきます。その中には、登記の変更申請が必要となるものも含まれますが、どの項目で必要なのか毎回確認するわけにはいきません。

しかし、変更事項の中に登記申請が必要な項目があり、それを申告しないと登記懈怠の状態となってしまうのです。

登記申請が必要なケース

登記懈怠にならないためには、どのような項目で登記の変更申請が必要なのか、ある程度把握しておくことをおすすめします。

この項では、具体的にどのような場面で登記申請が必要なのか、以下のそれぞれの場面に分けて説明していきます。

  • 会社設立
  • 役員の変更
  • 会社名、所在地の変更
  • 事業目的の変更

会社設立

登記申請の中でも代表的なものの一つで、怠る人はほとんどいないでしょう。新たに法人として会社を設立した場合には登記申請をします。

役員の変更

会社の役員の情報において、変更が生じた場合にも登記申請が必要です。役員の就任・辞任だけでなく、同じ役員の氏名や住所の変更の際にも登記申請が必要です。

役員の変更を怠ったことにより登記懈怠となるケースが多いので注意が必要です。

株式会社の役員には任期があります。そのため、役員の変更がない場合でも任期を過ぎたら株主総会で再任する必要があります。これを重任登記と呼びます。

重任登記の放置も登記懈怠の対象となります。そのため、役員に変更はないので登記申請の必要はないと思い込みそのまま放置してしまうと登記懈怠になってしまいます。

会社名、所在地の変更

会社の名称が変更になった場合にも登記申請が必要です。本店や本社の移転で住所が変更になった際も申請が必要となるため忘れないようにしましょう。

事業目的の変更

普段の業務が忙しいと見落としがちですが、会社の事業内容や目的が変更になった際にも登記申請が必要になります。

登記懈怠のペナルティ

登記懈怠をすると過料解散登記などのペナルティが発生することもあります。この項では、それぞれのペナルティについて詳しく解説します。

過料

過料とは、登記懈怠により受ける罰金のことです。登記懈怠が判明した場合には、裁判所から100万円以下の罰金が処される可能性があります。通常、登記申請は2週間以内にしなければならない決まりになっていますが、それを過ぎると過料の対象となります。

解散登記

解散登記とは、最後に登記した日から12年経過した株式会社が法務局の登記官の職権により解散させられてしまうことです。

解散登記を防ぐためには、管轄の法務局へ事業を廃止していない旨を届け出る必要があります。

登記懈怠の過料とは

この項では、前述の過料についてさらに詳しく紹介します。紹介するのは以下の項目です。

  • 過料の実態
  • 過料の相場
  • 過料通知が来た場合の対処
  • 過料を支払うのは誰の義務なのか
  • 過料の制裁は逃れられるか

過料の実態

過料は登記申請を2週間放置して、15日目に課せられるというわけではありません。その実態と対象は非常に曖昧なもので、必ずしも2週間放置した全ての会社が課せられるわけでもありません。

数年放置しても過料が課せられない場合もあれば、数ヶ月放置しただけで課せられる場合まで、さまざまなケースがあります。

法務省のノルマで、毎年一定数の会社が過料に課せられているといううわさもあります。

過料の相場

過料の相場についてもさまざまなケースがあります。金額は登記懈怠の期間によって裁判所が最終決定します。金額の相場において、満額の100万円を課されるケースは少なく、数万円〜数十万円が中心のようですが明確な基準が提示されているわけではありません。

しかし、登記懈怠の期間が長ければ長いほど、過料の金額が大きくなる傾向があります。そのため、期日の超過や申請していない事項に気がついた場合、速やかに登記の変更申請を実施しましょう。

過料通知が来た場合の対処

過料は登記官が裁判所に申告し、裁判所から当事者へ過料決定という文書が通知されます。過料は行政罰であり刑罰ではないため前科にはなりません。

過料通知が来てから一週間以内であれば異議を申し立てることもできますがおすすめはできません。万が一、異議を申し立てる場合には、その理由を述べた陳述書と、その内容を裏付ける証拠書類を提出します。

しかし、これらの書類を揃えるには、専門知識を有するため、弁護士などに依頼する必要があります。長い時間や大きな労力を要するので、よっぽどの正統な理由がない限りは運が良くなかったと割り切り、支払うことをおすすめします。

過料を支払うのは誰の義務なのか

登記懈怠のあった場合、過料はその会社の代表者にあるとされています。代表者が複数いる場合には、各代表者が登記懈怠の責任を負います。

なお、代表権を持たない取締役には登記申請の権限がないため、過料の対象にはなりません。

過料の制裁は逃れられるか

過料通知をもらった人の中には、登記申請を怠ったわけではなく、申請しなければいけないと知らなかったという人がほとんどです。このような場合には、過料を見逃してほしい、逃れたいという気持ちになると思います。

しかし、登記懈怠は会社法上で定められているため、故意がなくとも制裁を逃れることはできません。

過料が決定した場合、後日、納付書が届くので支払うようにしましょう。

登記懈怠はならないようにすることが重要

今回の記事では、登記懈怠や過料について解説しました。

登記懈怠とは、登記の変更申請を怠ることで、これにより過料などのペナルティが課されることがあります。

登記の変更申請には、さまざまな項目が該当するため、全ての項目を把握するのは難しいでしょう。大企業の法務部がある企業ならともかく、中小企業で社長一人が管理している場合は尚更です。

しかし、登記懈怠で過料の通知が来てからでは、事態を覆すことはできません。そのため、登記懈怠とならないように対策を練っておく必要性があるります。

万が一、過料通知が届いた場合には、速やかに支払うようにしましょう。

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