日本でも企業買収・事業譲渡が一般化しつつある近年。
個人が会社を買う「個人M&A」が注目されています。
しかし、会社よりも資金力の劣った個人が会社を買うには、どのような方法があるのでしょうか。
本記事では、個人が会社を買う3つの方法と、おすすめのマッチングサイトを紹介します。
起業や事業拡大をご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 1 近年増加している個人M&Aとは?
- 2 個人M&Aが増加した2つの理由
- 3 数百万円で買える会社の特徴
- 4 個人で会社を買う3つの方法
- 5 1.金融機関・公的機関に相談
- 6 2.M&A仲介会社を利用
- 7 3.マッチングサイトを利用
- 8 個人でも会社を買えるおすすめマッチングサイト10選
- 9 TRANBI(トランビ)
- 10 M&A PARK(エムアンドエーパーク)
- 11 Batonz(バトンズ)
- 12 M&Aナビ
- 13 SPEED M&A(スピードエムアンドエー)
- 14 M&A Cloud(クラウド)
- 15 FUNDBOOK(ファンドブック)
- 16 M&Aプラス
- 17 MAfolova(マフォロバ)
- 18 事業承継マッチング支援
- 19 【注意】M&Aマッチングサイトは交渉難易度が高め
- 20 会社を買うのが不安ならM&A仲介会社を検討しよう
近年増加している個人M&Aとは?
そもそもM&Aとは、「Mergers and Acquisitions」の略で、企業の合併・買収を指します。
以前は大企業同士でおこなわれるケースが一般的でしたが、近年では後継者問題の解決や短期的な事業拡大の手段として、中小企業の間でもおこなわれるようになりました。
また、M&Aが一般化しつつある近年では、個人が企業を買収する個人M&Aが注目を集めています。
本章では、個人M&Aが増加した理由と、買収しやすい会社の特徴を紹介します。
個人M&Aが増加した2つの理由
個人で会社を買う人が増加した主な理由は、下記の2つです。
- 後継者問題の解決策として会社売却を検討する経営者が増加した
- 個人でも会社を買いやすい環境が整った
1つ目の理由は、会社の売却を検討する売り手側の理由です。
近年、少子高齢化の影響で、後継者問題を抱える中小企業が増加しています。
以前であれば、廃業を選択するケースが一般的でしたが、従業員の雇用や取引先との契約など、多くの懸念材料がありました。
そこで、会社をそのままの状態で第三者へ譲渡する、会社売却を検討する経営者が増加しています。
2つ目の理由は、M&Aが一般化し、個人でも会社を買いやすい環境が整ったためです。
先述のとおり、一昔前のM&Aは大企業同士でおこなわれるケースが一般的でした。
しかし近年では、中小企業や小規模事業者間での取引も活発化しています。
これに伴い、小規模なM&Aを専門に扱う仲介会社や、マッチングサイトが増加。
個人でも会社を買いやすい環境が、形成されつつあります。
数百万円で買える会社の特徴
個人で会社を買う場合、目安となる取引金額が300万円〜500万円です。
300万円〜500万円で買える会社は、主に下記の業種が多く見られます。
- 飲食業
- 小売業
- エステ・サロン業
- FC店
- 製造業
- 訪問介護事業
- 宿泊業
会社を買う場合の取引金額は、売り手・買い手の交渉によって決まるため、上記に該当しない場合もあります。
ただ、大まかな傾向としては、従業員が少ない会社や個人経営の会社などが500万円以下で売りに出されています。
個人で会社を買う3つの方法
個人が会社を買うには、具体的にどのような方法をとれば良いのでしょうか。
個人M&Aの方法は、主に下記3つが挙げられます。
- 金融機関・公的機関に相談
- M&A仲介会社を利用
- マッチングサイトを利用
上記3つについて、順に紹介します。
1.金融機関・公的機関に相談
1つ目は、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などに相談する方法です。
金融機関の主業務は融資への対応ですが、中にはM&Aチームを抱え、仲介事業をおこなっているケースもあります。
また、信用金庫は地元企業との関わりが深いため、事業継承を検討している企業を打診してくれやすいのです。
ただし、金融機関のM&A仲介事業は、規模の大きな取引を好む傾向があります。
場合によっては、予算との折り合いがつかないケースもあるため、注意が必要です。
2.M&A仲介会社を利用
2つ目は、M&A仲介会社を利用する方法です。
M&A仲介会社はその名の通り、売り手・買い手の間に入り、取引をサポートする会社。
両者のマッチングから、クローズ後の統合作業までをサポートするケースが一般的です。
M&A仲介会社は大きな企業ネットワークを抱えているため、条件に適した会社を紹介してもられるでしょう。
また、弁護士やFPなど、各分野に精通した専門家が在籍しているため、手厚いサポートが期待できます。
3.マッチングサイトを利用
3つ目は、マッチングサイトを利用する方法です。
マッチングサイトとは、会社売却を検討する売り手と、会社買収を検討する買い手をマッチングさせるためのサイトです。
インターネット上で案件を探せるため、国内外の候補企業を検討できます。
また、双方合意の元、交渉を進める際にも、オンライン上でやりとりができるため、地理的影響を受ける心配がありません。
公開案件を無料で閲覧できるサイトもあるため、一度確認してみてはいかがでしょうか。
個人でも会社を買えるおすすめマッチングサイト10選
個人でも会社を買えるおすすめマッチングサイトは、下記の10サイトです。
- TRANBI
- M&A PARK(エムアンドエーパーク)
- Batonz(バトンズ)
- M&Aナビ
- SPEED M&A(スピードエムアンドエー)
- M&A Cloud(クラウド)
- FUNDBOOK(ファンドブック)
- M&Aプラス
- MAfolova(マフォロバ)
- 事業承継マッチング支援
各マッチングサイトの特徴と料金を、順に紹介します。
TRANBI(トランビ)
運営会社 | 株式会社トランビ |
会員数 | 104,571名 |
案件数 | 2,000件以上 |
売り手の料金 | 無料 |
買い手の料金 | TRANBIエントリー:1,078円/月 閲覧のみ TRANBIベーシック:4,378円/月 500万円以下の案件交渉 TRANBIビジネス:10,780円/月3,000万円以内の案件交渉 TRANBIエンタープライズ:21,780円/月無制限で交渉可能 |
- 個人・中小企業のためのイノベーションプラットフォーム
- 「Gomez M&Aプラットフォームサイトランキング2021」で総合1位を獲得
- 未経験者によるM&A成約率は75 %以上
- 100万円の少額案件も多数存在
M&A PARK(エムアンドエーパーク)
運営会社 | 株式会社エムアンドエーパーク |
会員数 | 非公開(国内外29カ国の経営者とマッチング可能) |
案件数 | 非公開 |
売り手の料金 | 無料 |
買い手の料金 | エントリープラン:3,279円/月 39,336円/年 500万円以内の譲渡案件 スタンダードプラン:8,778円/月 105,336円/年3,000万円以内の譲渡案件 プレミアムプラン:16,280円/月 195,360円/年すべての譲渡案件 |
- アジア最大級の会員制オンラインマッチングサイト
- 国内外のM&A案件を保有
- 専門家によるサポート体制も充実
Batonz(バトンズ)
運営会社 | 株式会社バトンズ |
会員数 | 13万社以上 |
案件数 | 常時7,000件以上の案件 |
売り手の料金 | 無料 |
買い手の料金 | 成約価額の2% 最低利用料金25万円 |
- 成約実績No.1のM&A・事業承継支援サイト
- 常時7,000件以上の案件を掲載
- 3,772もの企業が提携し、強固なネットワークを構築
- セミナー・コラムでM&A情報を積極的に提供
M&Aナビ
運営会社 | 株式会社M&Aナビ |
会員数 | 5,000社以上 |
案件数 | 未公開(平均で16社の買収オファーが届く) |
売り手の料金 | 無料 |
買い手の料金 | 無料 |
- 中小企業に特化したM&Aマッチングサイト
- サービス料・手数料・各種費用無料
- オンライン上でマッチング〜交渉が完結
SPEED M&A(スピードエムアンドエー)
運営会社 | 株式会社スピードM&A |
会員数 | 非公開(登録数10,000件突破) |
案件数 | 2,000件以上 |
売り手の料金 | 無料 |
買い手の料金 |
|
- 国内最大級のM&Aマッチングプラットフォーム
- 売り手と買い手が直接交渉するため、短期間での成約が可能
- 譲渡価格100万円〜1億円の小規模の案件から50億円超の大規模案件まで対応
- 秘密保持契約の締結機能を搭載した豊富なチャット機能を完備
M&A Cloud(クラウド)
運営会社 | 株式会社M&Aクラウド |
会員数 | 非公開 |
案件数 | 総M&A件数482件 総出資件数371件 |
売り手の料金 | 無料 |
買い手の料金 | 非公開 |
- 買い手が取引条件・投資実績を公開し、ミスマッチを防止
- 仲介業者を介さず、スピーディーな取引を実現
- 着手金・成約手数料などすべて無料
- 買収案件のみならず投資案件も多数存在
FUNDBOOK(ファンドブック)
運営会社 | 株式会社FUNDBOOK |
会員数 | 登録者数約4,500社 |
案件数 | 非公開 |
売り手の料金 | 5億円以下:2,500万円 5億円〜10億円以下:4% 10億円〜50億円以下:3% 50億円〜100億円以下:2% 100億円〜:1% |
買い手の料金 | 5億円以下:2,500万円 5億円〜10億円以下:4% 10億円〜50億円以下:3% 50億円〜100億円以下:2% 100億円〜:1% |
- M&A仲介会社が運営するマッチングサイト
- 厳しい審査をクリアした優良案件のみを紹介
- 仲介会社ならではの手厚いサポート体制が充実
- 厳重なセキュリティ体制で外部への情報漏洩を防止
M&Aプラス
運営会社 | デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 |
会員数 | 非公開 |
案件数 | 非公開 |
売り手の料金 | スタンダード会員:登録料20万円 1アカウント1万円/月 プロフェッショナル会員:登録料20万円 1アカウント1万円/月 アクティブ会員:登録料20万円 1アカウント5万円/月 |
買い手の料金 | スタンダード会員:登録料20万円 1アカウント1万円/月 プロフェッショナル会員:登録料20万円 1アカウント1万円/月 アクティブ会員:登録料20万円 1アカウント5万円/月 |
- 中堅・中小企業向けのマッチングサイト
- 厳正な入会審査で信頼できる会員のみが入会可能
- 取引にはファイナンシャルアドバイザー(FA)の無料サポートが付帯
MAfolova(マフォロバ)
運営会社 | マフォロバ株式会社(MAfolova inc.) |
会員数 | 非公開(登録企業数8,200社) |
案件数 | 非公開(アドバイザー300社以上) |
売り手の料金 | 無料 |
買い手の料金 | 企業買収総額の1.5%または100万円のいずれか高い金額 |
- 人材総合サービス「エン・ジャパン」が運営するマッチングサイト
- 高い匿名性を誇り、第三者への情報漏洩を防止
- 全国に8,200社以上の候補企業が点在
- 運営の介入はなく、中立・公正な立場でサポート
事業承継マッチング支援
運営会社 | 日本政策金融公庫 国民生活事業本部 |
会員数 | 非公開 |
案件数 | 非公開 |
売り手の料金 | 無料 |
買い手の料金 | 無料 |
- 財務省所菅の日本政策金融公庫が運営
- 個人でも買いやすい、小規模事業者が9割
- 日本公庫の専門担当者がマッチングをサポート
【注意】M&Aマッチングサイトは交渉難易度が高め
M&Aマッチングサイトは、候補企業とのマッチングを得意とする一方で、交渉難易度が高い傾向があります。
中には、専門家によるサポートサービスを提供するサイトもありますが、マッチングサポートやレンスポンスサービスなど、部分的なサポートが多くみられます。
実際の交渉や各種法令への配慮は、自分でおこなわなければならないため、会社買収の経験・知識が少ない場合には注意が必要です。
そのため、会社を買うことに不安を抱いている方は、相談〜成約までを一貫してサポートしてくれるM&A仲介会社がおすすめです。
ヒアリング結果をもとに、候補企業とのマッチングも受けられるため、意向に沿ったM&Aを実現できるでしょう。
会社を買うのが不安ならM&A仲介会社を検討しよう
本記事では、個人が会社を買う3つの方法と、おすすめのマッチングサイトを紹介しました。
マッチングサイトは、インターネット上で案件を探せるため、国内外の候補企業を検討できます。
一方、交渉の大部分を自分で進めなければならないため、難易度が高い傾向があります。
相談〜成約までの一貫したサポートを受けたい方は、M&A仲介会社に相談すると良いでしょう。
個人M&Aで実現するサラリーマン起業については、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:副業から社長業へ!個人M&Aで実現するサラリーマン起業について解説します! | SPJ
M&Aのおすすめマッチングサイトは、こちらの記事でも詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:M&Aマッチングサイトのおすすめ11選を徹底比較!特徴や選び方のポイントを解説 |Utilly(ユーティリー)