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Web制作会社のM&Aやメリット、今後の展望を解説

現在、世界のWebサイトの数は17億を超えています。多くのWebサイトがWeb制作会社によるものです。しかし、近年のWebサイト立ち上げの件数は停滞している傾向にあります。

こうした中でWeb制作会社のM&Aが増加傾向にあります。理由は、IT技術の発展とともに急速に成長したWeb制作会社が、常に後継者問題や人材不足を抱えているからと言えるでしょう。

Web制作会社の今後の展望はどうなるのでしょうか?事業の詳細や会社の特徴と併せて考察していきます。

Web制作会社のM&Aとは

Web制作会社は、企業のコーポレートサイトやECサイトなど、Webサイトを制作することがメインの仕事です。その他にも、アプリやWeb広告の制作、SNS運用などを含むWebマーケティングなど、インターネット上で展開されるコンテンツに関連したサービスを提供している会社もあります。

Web制作会社は、後継者のいない中小企業が多い、慢性的な人材不足から従業員の確保が難しいなどの問題をかかえる会社が多いのが現状です。こうした状況の中で、M&Aを検討する経営者が多くなってきています。

Web制作業界の動向

Web制作業界の動向はどうでしょうか?業界の市場規模やビジネスモデルを見てみましょう。

Web制作業界とは

Web制作の業界は、WebサイトやWebサービスを制作する会社です。1990年代以降、インターネットサービスの普及とともに出来上がった新しい業界です。

現在、インターネットなしでは私達の日常生活は成り立ちません。こうした中でインターネットの発展を支えたのがWeb業界でした。その歴史は20年程度しかありませんが、私達の暮らしやビジネスのあり方を大きく変えた業界と言えるでしょう。

ウェブ制作とはウェブサイトを制作するだけでなく、インターネット上のSNSアプリとウェブサイトを連携させたり、Eコマースやソーシャルゲーム、Web広告などWebサービスを提供するビジネスモデルもあります。

Web制作業界の市場規模

ウェブ業界における2020年の合計売上は、約1兆9256億円です。前年比を10.1%も増加しており、急速に拡大していることがわかります。今後もIT技術の進歩と共に発展していく業界と言えるでしょう。

しかし、こうした中で、慢性的な人材不足が発生しています。働く人々の負担が増え、長時間労働を強いられることも少なく有りません。

出典:特定サービス産業動態統計調査

Web制作業界のビジネスモデル

Web制作の業界では、IT技術の発展とともに新たなビジネスモデルが続々と誕生しています。WebサイトやWebサービスの一部を広告のスペースとして販売して広告料を得る広告モデルや、サービスや商品をユーザーに継続的に使い続けてもらい、月々に決まった利用料を支払ってもらい売上を建てていくサブスクリプションモデルなどさまざまなものがあります。

そのほかにも、不用品の売買や、宿泊先の提供など、ユーザーが個人間でコミュニケーションを取るプためのラットフォームを提供するマッチングモデルなど近年Web業界で急速に発展したビジネスモデルです。

Web制作会社のM&Aにおける売却側のメリット

次に、Web制作会社のM&Aに対する売却側のメリットについて紹介します。メリットは以下の3点です詳しく見ていきましょう。

  1. 従業員の雇用を継続できる
  2. 売却益や譲渡益を得られる
  3. 経営や後継者問題の不安が解消する

従業員の雇用を継続できる

Web制作会社がM&Aをすることの最も大きなメリットは、従業員の雇用を継続できる点にあるのではないでしょうか?もしも、M&Aではなく廃業を選択した場合、従業員の雇用が失われ、その家族は露頭に迷うこととなります。そして、経営者は次の転職先を一緒に探すことになるでしょう。

しかし、M&Aをすることで従業員の雇用は継続され、生活が守られます。

売却益や譲渡益を得られる

M&Aで会社を売却することにより売却主は売却益譲渡益を得られます。まとまった資金が入れば精神的にも余裕が生まれ、この先のことも落ち着いて考えられるかもしれません。その資金を生かして新たなビジネスを考えたり、老後の退職金に充てたりする事もできます。

経営や後継者問題の不安が解消する

近年、中小企業では後継者不足の問題が多く起こっており、Web制作会社もその例外ではありません。M&Aにより売却先を見つけられれば、常につきまとう経営や後継者の問題から解放され不安を解消できるでしょう。

Web制作会社のM&Aにおける売却相場

次に、Web制作会社におけるM&Aの売却相場について解説します。売却の相場を知っておくことで安い金額で買収されてしまうリスクを防げます。

Web制作会社の売却相場は、時価純資産と営業利益の2〜5年ほどを合わせたものです。

相場 = ( 時価純資産 + 営業利益 × 2〜5年 )

この数値は、中小企業の売却額を算出する際にM&A仲介業者で一般的に用いられる算出方法です。

この数値に、事業規模や実績、買い手企業の望むシナジー効果なども考慮されて売却額を算出します。そのため、一概に何円ほどで売却できると判断するのが難しくなります。

【業界の展望】Web制作における需要と業界の展望

最後に、Web制作における需要と業界の展望について紹介します。Webサイトは飽和状態にあり新規案件は減少しています。さらに、技術の発展で誰でも簡単にWebサイトが作れるようになるでしょう。そのような中でWeb制作会社は、どのような施策をすればいいのでしょうか?

ビルダーやCMSなどの簡単にWebサイトを構築できるツールはまだまだ開発される

ジャストシステムが開発・販売しているホームページビルダーは、1994年にバージョン1.0が登場しており、2020年4月にはホームページビルダー22が発売されています。

このシステムは、初心者でも簡単にホームページを構築・管理できるように開発されています。今後もバージョンアップを繰り返しながら、より簡単に、ホームページが作れるように進化し続けるでしょう。

全世界で3分の1以上のWebサイトが使用されていると言われているWordPressは、2003年に初版がリリースされてから、現在もアップデートを繰り返しており、利便性はかなり向上しています。さらに、テーマと呼ばれるテンプレートはWordPressで公開されているだけでも7,500種類もリリースされていて、CMSの中では一強と言われています。

今後、Webの需要が続く限り、これらのようなビルダーやCMSだけではなく、他のWebサイト構築ツールやアプリは開発されると考えられます。現在でも、WIXやjimdoのように初心者でも割と簡単にホームページを開設することはできます。さらに、簡単に実現できる新しいプログラム言語の開発やAIの発達などにより、遠くない将来にはwordやexcel、power pointと同じような感覚でWebサイトを作る時代が来るはずです。

コーポレートサイトは飽和状態。Webアプリもスマホアプリに

総務省が実施している「通信利用動向調査」の中で、企業のホームページ開設状況を公開しています。それによると、2016年は87.8%の企業が自社のホームページを開設していることがわかりました。

この割合はここ数年は大きな変化はなく、90%弱で推移しています。統計を開始した2001年は77.7%で増加傾向にはありますが、現在のホームページ開設率9割が限度だと考えられます。100%に近づかない理由は、ホームページを必要としない小規模の企業などが、InstagramやFacebookなどのSNSを通した情報発信で完結させているからです。

コーポレートサイトは飽和状態にある上に、Web作成会社に依頼しなくても自社で対応できるようになってきているので、これから先はWeb制作会社にとって新規案件の獲得は難しくなっていくでしょう。Webアプリにおいても、現在はスマートフォンユーザーが増え、Webではなくスマホアプリの方が圧倒的に需要が高くなっているためWebアプリの開発件数も以前より落ちています。

予想通りにWeb制作会社の数は減少し続ける

このように、Webサイト、Webアプリのニーズが減少してくると簡単に予想されるこの業界において、国内で17,000社もあると言われるWeb制作会社は間違いなく減少し続けます。似たような業種の歴史で言えば、印刷会社に近いかもしれません。

印刷会社はバブル期には13兆円産業でしたが、インターネット化とペーパーレス化により市場縮小が顕著に進んできました。現在は、5兆円程度まで落ち込んでいると言われています。Web制作の市場も同じようにして、今後は規模が縮小していくでしょう。

仕事自体がなくなるということは考えにくいのですが、Web制作会社で働きたい人が減少して人材不足が予想されます。その結果、小規模のWeb制作会社の廃業や、比較的大手であっても黒字倒産も有り得る話かもしれません。いずれにせよ、Web制作だけでの存続は厳しくなり、小規模Web制作会社が淘汰され新規参入も減少していくと考えられます。

クライアントの業務に深く関わり、有益な提案が必要になる

新規案件が取れなくなるWeb制作会社が生き残るために最も必要なことは、クライアントの業務に深く関わっていくことです。

SEOや効果的なデザインの変更などは以前から商品として提案されてきていますが、Webサイトをもっと有益に活用させるための広告の提案など、クライアントにとってメリットのある商品を案内することで活路を見出します。つまり、今後はコンサルの性格を持ったWeb制作会社が生き残る時代になると言えそうです。

例えば、以下のよう例が挙げられます。

– SNSを活用してより幅広い層に商品をPRする提案
– Google広告だけでなく、アフィリエイト広告やテレビや新聞などの他媒体での広告の提案
– 採用サイトを開設するだけでなく、人材派遣会社とのマッチングの提案
– 業務の委託に有効な補助金や助成金の提案

など、クライアントの業務に深く関わることによって、ノウハウがあれば様々な提案ができます。

会社の規模に関係なく、このような提案力が求められる時代になっていくでしょう。既に現在、ひとつの業種に特化したコーポレートサイトを構築するWeb制作会社も見かけるようになりました。実績が多いほど、その業種のターゲット層やユーザー動向などを熟知しているため他のWeb制作会社よりも優れた企画・提案ができるのが魅力です。

新規参入が少なくなり業界全体が縮小化しているWeb制作業界ですが、今後は「技術・開発」「デザイン・創造力」「企画・提案・コンサルティング」のいずれかで強みがないと小規模のWeb制作会社は生きていけないでしょう。

Web制作会社のM&Aは活況!売却を成功させよう

Web制作会社のM&Aをすることのメリットや今後の展望を解説しました。今回の記事のポイントは以下の通りです。

  • Web制作業界の歴史は20年ほどと比較的新しく、IT技術とともに急速に発展した業界である
  • 現在のWebサイト作成は飽和状態に近く、Web制作会社は他社との差別化が急務である
  • Web制作会社は後継者不足や人手不足からM&Aは活状化しており、今後も件数の増加が予測される

M&Aの実施を検討する際は、M&Aの仲介会社に依頼することが成功への近道になります。

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