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AIで動く自動運転タクシーWaymoとは?メリットやデメリットについて解説

自動運転タクシーのWaymoが、現在注目されています。移動手段の利便性向上が期待される一方で、「本当に安全なの?」「仕組みはどうなっているの?」といった疑問や不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

本記事では、自動運転タクシーのメリットとデメリットを分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

自動運転タクシーWaymoが目指すものとは?

目標

運転席に人がいない自動運転タクシーが普及しつつあります。

まだ日本では珍しいですが、海外ではアプリを使って乗車している人たちがいます。

自動運転タクシーを始めた企業はどのような企業なのでしょうか。

Waymoという会社

Waymoは、自動運転タクシーを商業目的として運営している会社です。

最近では日本でもタクシーを呼ぶ時にアプリで配車してもらうことが主流となってきました。

Waymoは配車サービスに加えて、無人運転で目的地まで行けるというのが特徴となっています。

運転席に人がいない、システムで運転するタクシーとなっています。

車両にはさまざまなシステムが搭載されていて、レーダーで車体の周りを検知してシステムを使って運転を行います。

Waymoの語源はモビリティの新たな方法、Way forward in mobilityであり、人やモノを安全かつ簡単に移動できることを目標としています。

Waymoが目標としていること

2018年にアリゾナ州のフェニックスで全米初となる自動運転タクシーを導入しました。

現在フェニックスの他にもテキサス州やオースティンでもサービスを開始しており、サンフランシスコでも多くの車両が走っています。

コストを下げるために中国や韓国の企業と提携して新しい世代の車両を作るなど、より一般的に普及できるように考えています。

2026年にはフロリダ州の大都市マイアミでの運用を開始する予定であり、ジョージア州アトランタでも開始予定です。

順調にサービス拡大をしているといえます。

Waymoの車両は、ジャガーのプレミアムEVを使ったI-PACEに乗ることができます。

I-PACEは、完全電気自動車なので環境にも配慮した車両だといえます。

Googleとの関係

2009年にGoogleの自動運転車の開発企業が誕生して、2016年にそこから分社化したのがWaymoです。

Googleの自動運転の開発は人工知能AIや音声認識などを使って次世代の技術開発を行うものとして進められてきました。

ハンドルもペダルもないソフトウェアとセンサーによって自動制御できる自動車の開発を目指して2014年には2人乗りタイプのプロトタイプを発表しました。

しかしハンドルのない新しい車の自力生産の計画に現実性がないと考える派と車両丸ごとを開発したいと考える派との間に対立の動きがありました。

Googleは自動車メーカーとの提携により伝統的な機能を備えた自動運転車の開発に踏み切るという現実路線を考えるようになりました。

そのためGoogleは自動運転車の開発事業から撤退して、Waymoが誕生したということです。

分社化についての記事を読む

Alphabetという会社

2015年にGoogleの持株会社として設立されました。

アメリカ合衆国の多国籍、多業種からなる複合的な企業です。

事業内容としてはテクノロジー、生命科学、投資、研究などがあり、子会社にはGoogle、Calio、GV、X、GoogleFiber、SidewalkLabs、Verilyがあり、Alphabetはこれらの親会社でもあります。

Calicoは、2013年に不老不死を目指して設立されました。

がんやアルツハイマーの加齢に関連する疾患と長寿との実現を目指して薬の開発に投資しています。

GVは投資部門でUber、Slackなど多くの企業に投資しています。

Google Fiberは、1GB以上の超高速インターネットとテレビを提供しています。

Sidewalk Labは、都市改革に注力しテクノロジーを使って都市を改善することを模索しています。

Verilyはヘルスケア部門として病気の予防や研究をしています。

主な研究内容としては血糖値の測定ができるスマートコンタクトやパーキンソン病の人が使えるように安定機能を備えた食器などがあります。

XはGoogleの施設によって行われるプロジェクトであり、その中でも8つのプロジェクトに分かれています。

WaymoはXの一部のプロジェクトとして開発研究されてきました。

自動運転タクシーについて

アプリ

Waymoについては安全なのかどうかが気になるところだと思います。

Waymoとスイスの大手再保険会社のスイス・リーは、人間のドライバーの運転よりも大幅に安全であると発表したことを報告しています。

Waymoは無人運転での研究をカリフォルニア州サンフランシスコとアリゾナ州フェニックスでの380万マイルを超える走行において行いました。

人身事故はゼロ、物損事故も大幅に減少したと報告しました。

Waymoとスイス・リーは2022年に提携して自動車運転の安全性を評価するためのリスク評価方法とアプローチを進めてきました。

運転手がいないのに安全なのか?

スイス・リーによると60万件を超える請求と1250億マイルを超えるデータに基づく基準での調査した結果、人間のドライバーと比較して物的損害賠償請求の頻度を76%削減できたとしています。

身体障害の請求においては人間のドライバーでは100万マイルあたり1.11件だったとしているのでWaymoの自動運転の人身事故はゼロというのは安全性を考えるうえで重要な結果だといえます。

AIによる運転技術はどこまでできるか

Waymoの自動運転システムは第5世代Waymo Driverと発表されました。

また2024年8月19日には、さらなる自動運転システムの解像度をあげることや移動範囲、計算能力など極端な気象条件下でもより正確にナビゲーションが可能になる第6世代を発表しました。

この第6世代であるWaymo Driverは現段階ではテスト中であり、近い将来提供される予定です。

車両に搭載されたセンサーで先行車両や歩行者、バイクや障害物などを認知して判断し走行するようになっています。

アプリによる配車ができる

Waymo oneというアプリをダウンロードして配車します。

Uberの配車サービスのようにアプリで呼んで配車し、乗車位置と降車位置をアプリで指定しておきます。

乗車位置は呼んだ場所の周辺の安全性の高いところをWaymoが決めてそこに停まります。

運転手が乗っていないのでドアのロックはアプリで解除し、シートベルトを締めてディスプレイのスタートボタンを押します。

安全を考慮し、まだ高速道路には対応しておらず一般道路や市内での活用が多いようです。

Waymo自動車が持つ技術

どのように

運転手がいない、システムで運転する仕組みということがわかりました。

どのようなシステムの構造になっているのでしょうか。

レーザーで認識する仕組み

車両にはLidarというレーザーが搭載されています。

車両からレーザーを発信して、そのレーザーが物体から跳ね返る時間を測定し車両周辺の3Dの画像を作り上げます。

それを元に車両周辺には何があるのかを把握します。

人工知能搭載だからできること

レーダーを使って電磁波により物体の距離感や速度などの重要な情報を自動運転システムへ送信します。

カメラやLidarは天気や外部環境に大きく影響を受けますが、レーダーは影響を受けることは少なく、雨や霧や雪の中でも有効です。

過酷な環境下でも耐え正常に動作するようにする必要があるので、耐久性の実験では車両の全寿命期間にわたって、このような実験を繰り返しました。

車両のコンポーネント(システムを構成する部分)を紫外線にさらし、強力なウォータージェットで攻撃して塩分を含んだ霧でチャンバーを腐食させ、強力な振動で揺さぶります。

加えて数週間にわたって加熱及び冷凍をします。

その結果を分析して設計を改善します。

何台ものカメラで車体の周りを見ている

Waymoが使用している車両はJaguar I-PACEsといいます。

この車両には29台のカメラが搭載されていて、車両周辺の360度を認識できる仕組みです。

また数百メートル離れた場所からでも信号や工事現場などを把握することができます。

快適な車内で過ごすことができる

車内にはディスプレイが搭載されており、車内に乗車後はディスプレイのスタートボタンを押すと発車します。

また音楽を聞いたり、車内の温度調節もディスプレイから行います。

運転手がいないので完全なプライベート空間だといえます。

好きな音楽や好きな温度調整をしてリラックスして過ごすことができます。

価格も特別高いというわけではなく、Uberなどとほぼ同じのようです。

CNBCの記事によるとサンフランシスコでは約300台のWaymoが配車されているようです。

観光地や市内での利用が多いといえます。

CNBCの記事を読む

Waymoが使えるようになるまでに実施したこと

ポイント

自動運転車を公道で走らせようと思ったときに必要になってくるのが安全性です。

快適な自動運転車での生活ができるように、法律による規制が必要となります。

法制度を整える

WaymoはGoogleから分社化された会社です。

Waymoになる前Googleは公道での自動車の実験走行を受け入れてもらうために、米国のネバタ州でロビー活動を行いました。

その後ネバダ州は法律案を受け入れ2011年6月29日に可決、2012年3月1日から施行されました。

Googleが初代自動運転車として改造したトヨタのプリウスに米国の陸運局は自動運転車専用のライセンスを付与しました。

それから、2012年4月にはカリフォルニアのジェリー・ブラウン知事がGoogle本社で法案に署名をしたことでカリフォルニアでも実装実験が可能となりました。

またWaymoはミシガン州経済開発公社(MEDC)から自動運転車を製造する承認を得て、パートナー企業の車両を自動運転車にする工場を所持しています。

Waymoは車両に搭載するハードウェアとソフトウェアを自社で開発しており、これをパートナー企業の車両に載せて自動運転車両を製造しています。

レベルの違い

自動運転車両を公道で走らせるためには、基準をクリアする必要があります。

道路交通法にはどのようなレベルがあるのでしょうか。

アメリカでは各州ごとに独自の法制度があります。

このため自動運転車両に関して州ごとに要件が異なってくるので米国統一ルールとして連邦法の制定が検討されています。

しかしまだ連邦法の制定には至らず、米国運輸局が発するガイドラインを指針としているようです。

州の法律によって許可しているところや、州の知事令として許可を出しているところなど州によっても異なっています。

自動運転車両が完全にシステムに任せて公道を走れるようになるのはレベル4からとなります。

Waymoはレベル4の許可を取って走行しています。

レベル別の内容と主に誰が主体となるのかを記載しています。

レベル0運転者が全ての運転をする運転者
レベル1システムが縦方向または横方向など限定的に運転を実行できる運転者
レベル2システムが縦方向及び横方向の限定的な運転を実行できる運転者
レベル3システムが運転の動的操作を限定的に実行できるが作動が困難になった場合は運転者が応対するシステム

運転者

レベル4システムが全ての動的操作を実行でき困難になった場合の応対を限定領域において実行できるシステム
レベル5システムが全ての動的操作及び困難になった場合の応対を無制限に実行できるシステム

Waymoのサービスを提供している国

Waymo はアメリカ国内で利用可能なエリアを拡大しています。

サンフランシスコやフェニックス、ロサンゼルスで一般公開されています。

アプリをダウンロードすればすぐにWaymo に乗ることができます。

また2024年9月13日Uberとの提携によって2025年からテキサス州オースティンとジョージア州アトランタでUberのアプリを使った配車サービスも実施する予定です。

2024年12月5日Waymoはフロリダ州マイアミにもサービスを拡大することを発表しました。

Mooveとの新しい車両パートナー契約により2026年にサービスを開始できるようにすると報告しました。

Mooveはラゴス、イバダン、アクラ、ケープタウン、ヨハネスブルグ、ナイロビ、ドバイ、ハイデラバード、バンガロール、ムンバイ、ロンドンに拠点を置く、配車サービスの企業です。

このようにWaymoはサービスを拡大しています。

Waymoを使うとどうなるのか?

メリットデメリット

新しく始まった自動運転車両を使うと、どのように生活に変化があるのでしょうか。

運転手のいない配車サービスと聞くと少し戸惑ってしまうかもしれません。

メリットやデメリットも含めて今後サービスを使うときに役立ててください。

メリット

まず運転手がいないということで完全にプライベートな空間であるといえます。

目的地までもアプリで指定すると連れて行ってくれるので、道順を指定したり車内で気を遣うこともありません。

車内は適温に保たれ、好きな音楽を聞いて目的地まで行くことができます。

また車がジャガー製というところから、乗り心地はかなり良いものと考えられます。

デメリット

Waymoはレベル4に相当するので、限定的な場所でしか走行することができません。

高速道路や空港への乗り入れがまだできません。

今後そのような取り組みもされるようですが、現段階ではまだ高速道路には乗れません。

無理な追い越しなどはしないので安全性を優先した走行をします。

急いでいる時にはデメリットとなるかもしれません。

新しい提携先企業

提携先企業

Waymo はジャガーの車両を使って配車サービスを始めました。

しかし、ジャガーのような高級車は皆が購入できるものではありません。

更に車両台数を増やすうえでもコストがかかってしまいます。

Waymoは提携先を増やして拡大しています。

韓国の企業

2024年10月4日韓国のHyundai Motor Companyは、Waymoと複数年にわたり提携することを発表しました。

Hyundaiは1967年に設立され世界200カ国以上で事業を展開しており12万人以上の従業員を雇用しています。

世界的な環境問題などに取り組み、電気自動車や水素自動車の開発など自動車メーカーからスマートモビリティソリューションへの実現に取り組んでいる企業です。

自動運転、ロボティクス、先進航空モビリティなど導入してAIの活用を通じて技術の進歩を追求しています。

電気自動車のSUV「IONIQ5」にWaymoの完全自動車のシステムである運転技術を搭載することで自動運転車両を製造します。

車両にはハードウェアや電動ドアなどの追加機能を搭載して、2025年後半頃から路上運転を開始する予定です。

その後、Waymo Oneの拡大と共にWaymo One対応のIONIQ5を量産していく計画のようです。

中国の企業

中国のGeely Automobile Holdingsは中国の自動車製造企業です。

1997年に自動車生産のために設立され、2002年7月にはGeely International Corporationを設立して2003年には自動車の輸出を開始しました。

その中のブランドの一つとして、Zeekrがあります。

Zeekrは2021年に設立され、プレミアムセグメントの電気自動車の開発や製造販売を行っています。

2021年12月ZeekrはWaymoと提携することを発表しました。

他社の自動運転タクシー

イーロンマスク

自動運転タクシーは、Waymoの他にも製造している企業があります。

近未来の活動に向けて、どのような取り組みがあるのでしょうか。

テスラのロボタクシー

イーロンマスクがCEOである電気自動車のテスラが2024年10月10日、カリフォルニア州バーバンクの映画スタジオでイベントを行いました。

ロボタクシーと大型の電気自動車Robovanを発表しました。

ロボタクシーは2ドアのセダンで、ハンドルやペダルもないワイヤレス充電が可能な自動運転車を2027年までに生産を開始するとしました。

Robovanは最大20名もの移動を可能にする車両で、人以外にも荷物の輸送などにも役に立ちそうな大型車両です。

団体での移動や輸送のコストを下げたい場合に需要があるとしています。

また車両以外にもテスラの技術で開発した人型ロボットのオプティマスも発表し、人の生活をロボットが助けるという近未来の形を発表しました。

ベビーシッターの役割や犬の散歩、買い物の手伝いなど人に代わって作業ができるようプログラムされているようです。

将来2万ドルから3万ドルで購入できるようです。

手の届くような価格になれば、人口減少にも対応したロボットとの生活も可能となり、新しい未来が想像できます。

このようにイーロンマスクはプログラムやシステムを使って自動運転タクシーや大型トラックを製造しています。

自動運転タクシーWaymoが生み出す新しい未来

自動運転タクシーについて、Waymoがどのような取り組みをしてきたのかを解説しました。

Waymoが作るシステムの搭載によって車両が自動運転タクシーとして新しく製造されるということでした。

WaymoはGoogleからの分社化された企業であることもわかりました。

国によっても州によっても規制されるレベルの違いから、まだ高速道路には乗れないことやデメリットもあります。

しかし将来の人口減少なども考えると、これからの新しい交通手段となり幅広い世代が利用することでしょう。

また商用利用や大型車両の出現により、新しい仕事の形が生まれるのかもしれません。

新しい配車サービスや交通手段によって、生活がより快適になることを期待できます。

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