システム開発会社を含むIT業界は今後ますます伸びていくと予想されています。
しかし、いまだに課題も多く存在しており、それらを解決するために多くの企業が対策を行っています。それらの課題を解決するためには、今回ご紹介するM&Aは有効な手段です。
本記事では、システム開発会社の概要から、M&AするうえでのメリットやM&Aを成功させるためのポイントについて解説していきます。
目次
- 1 システム開発会社の概要
- 2 システム開発会社とは
- 3 システム開発会社の現状
- 4 システム開発会社を売却するメリット
- 5 事業を継承することができる
- 6 売却・譲渡益の取得に繋がる
- 7 エンジニアへの教育の質が向上する
- 8 システム開発会社を買収するメリット
- 9 優秀なエンジニアを獲得できる
- 10 システムの開発業務を自社で行える
- 11 短期間で事業を成長させることができる
- 12 システム開発会社のM&A・売却価格の計算方法
- 13 コストアプローチ
- 14 インカムアプローチ
- 15 マーケットアプローチ
- 16 システム開発会社のM&A・売却の成功ポイント
- 17 他者にはない、自社の強みをアピールする
- 18 専門家やアドバイザーに相談する
- 19 優秀な技術者をより多く確保しておく
- 20 システム開発会社に関するトレンドを把握しておく
- 21 売却後の従業員の流出対策をしておく
- 22 まとめ:M&Aのポイントを押させてシステム開発会社を売却しよう
システム開発会社の概要
システム開発会社という言葉は聞いたことある人も多いと思いますが、幅広く定義されていることも多いため、ここでシステム開発会社の概要について解説しておきます。
システム開発会社とは
システム開発会社と聞くと、「Webサイトを構築している会社」「プラグラムを作っている会社」といったイメージを持つ人も多いですが、実はそれらを行うだけがシステム開発会社ではありません。
多くの企業が、「既存の業務の効率化したい」「新しいサービスを提供したい」といった課題を抱えています。
そういった課題をプラグラムなどを用いて解決する会社のことをシステム開発会社と呼ぶのです。
システム開発会社の現状
システム開発会社の現状として、一番注目すべきなのは今後、IT業界での人材需要が増え続けると予想されているにもかかわらず、エンジニア数が不足している点でしょう。
そのため多くの企業が、人材不足の解消や優秀な人材を確保するために、さまざまな手段を用いています。そしてその手段の1つがM&Aです。
たとえ自社で人材を確保しても教育が困難という課題もありますが、M&Aで優秀な人材を確保できれば、その課題も解決できるため、近年注目を集めています。
システム開発会社を売却するメリット
システム開発会社を売却するメリットは複数あります。システム開発会社の売却のメリットを最大限に享受するためにも、ぜひ知っておいてください。
事業を継承することができる
事業を継承できることは、システム開発会社を売却するメリットでしょう。多くのシステム開発会社は、全産業と比較しても、後継者不在率が高くなっています。
経営は好調にもかかわらず、後継者がいないことを理由に廃業してしまうのは非常にもったいないことです。しかし、M&Aによる売却であれば、後継者が不在の状態でも売却することができます。
もし、後継者が不在で悩みを抱えているのであれば、自分の利益や雇用している従業員を守るためにも、取引先に迷惑をかけないためにも、M&Aによる売却を検討してみてください。
売却・譲渡益の取得に繋がる
売却額は企業によりますが、巨額の売却益を獲得することができます。売却価格の計算方法については後述しているので、そちらを確認してください。
しかし、一般的には、「時価純資産+営業利益×2〜5年」や「エンジニアの価値単価×エンジニアの人数」で売却されることも多いので、自社の売却益の概算を出してみるのも良いかもしれません。
エンジニアへの教育の質が向上する
M&Aによってシステム開発会社の傘下に参入すると、エンジニアへの教育の質が向上するケースが多々あります。理由は、基本的には売却先企業に優秀なエンジニアが多く在籍しており、最新技術やノウハウなど、さまざまなリソースが充実しているからです。
また大手企業の傘下に入ることで、給与面、福利厚生面などが充実するケースもあります。待遇が良くなるとエンジニアのモチベーションの維持や、離職率の低下に繋がるので大変魅力的です。
システム開発会社を買収するメリット
ここからは、システム開発会社を買収するメリットについて解説していきます。買収を検討している人は十分に理解しておいてください。
優秀なエンジニアを獲得できる
システム会社を買収することで、優秀なエンジニアを獲得することができます。システム開発業界は今後も伸びていくと予想されている反面、エンジニアは不足しているのが現状です。
事業が伸び続けている企業に在籍している優秀なエンジニアを引き継ぐことができれば、自社に大きな恩恵を与えてくれるでしょう。
システムの開発業務を自社で行える
システム開発会社を買収するメリットとして、システムの開発業務を自社で行えるというものがあります。すべての業務を内製化することで管理が容易になり、最短かつ安価で対応ができるようになります。
また、システムを運用するうえで障害が発生したり、修正が必要になったりすることがあります。そんな中で毎回、下請けの企業に依頼をしていては、余計なコストがかかるだけでなく、対応がどうしても遅れてしまいます。
スピーディーに問題に対応するためにも、業務を内製化することをおすすめします。
短期間で事業を成長させることができる
システム開発会社をM&Aすることで、短期間で事業を成長させることができます。
IT業界は今後成長が見込まれていますが、スピードが命なので、ゆっくりと新規事業を始めていてはトレンドに乗り遅れています。
スピードやコストを削減して、短期間で事業を成長させていきましょう。
システム開発会社のM&A・売却価格の計算方法
ここからは、システム開発会社のM&A・売却価格の計算方法について解説していきます。詳細はアドバイザーなどの詳しい人に相談するのが理想ですが、自分でもどのような売却方法があるのか知っておいた方がいいでしょう。
コストアプローチ
コストアプローチとは、評価対象の企業の現在の純資産をもとに企業価値を算出する方法です。
コストアプローチでは、財務諸表をもとに売却価格を算出するので、客観性や信頼性の高い算出が可能になります。ただし、将来的な収益性を反映できない点には注意が必要です。
インカムアプローチ
インカムアプローチとは、評価対象の企業を将来にわたるキャッシュフローなどをもとに、売却価格を算出する方法です。
インカムアプローチでは、将来的なキャッシュフローをもとに売却価格を算出するので、今後の収益性に期待できる場合にはおすすめです。しかし、売り手側の企業が作成するため客観性が不十分になるという危険性があります。
マーケットアプローチ
マーケットアプローチとは、評価対象の企業がおかれている市場で行われている取引などのもとに売却価格を算出する方法です。
マーケットアプローチには、類似企業の取引などを参考に売却価格を算出するため、システム開発会社の価値を正確に評価することができます。一方で評価対象企業の独自の強みを反映しにくいという点には気をつける必要があります。
システム開発会社のM&A・売却の成功ポイント
システム開発会社のM&A・売却を成功させるためにはいくつかのポイントがあります。決して簡単なものではありませんが、大きな取引だからこそ慎重に行う必要があります。
そこで、システム開発会社のM&A・売却の成功ポイントをご紹介します。
他者にはない、自社の強みをアピールする
システム開発会社をM&A・売却をする際は、競合と比較して自社の強みを明確にしておき、適切にアピールしましょう。
強みが不明瞭で買収するメリットが分かりにくい企業はなかなか売却できません。そのため、競合がどのようなアピールをしているのかを分析して、他者にはないアピールポイントや買収するメリットを提供できるようにしておきましょう。
専門家やアドバイザーに相談する
システム開発会社のM&A・売却を確実に成功させるために、専門家やアドバイザーに相談してみましょう。
M&A・売却をするためには必要な手続きが多く、自分1人でこなすのは非常に困難です。
後から公開しないようにするためにも、自分一人で突き進めないように気をつけてください。
優秀な技術者をより多く確保しておく
システム開発会社の売却を成功させたいなら、優秀な技術者を少しでも多く確保しておきましょう。先述の通り、システム開発業界全体で人手不足や教育が問題視されているため、どの企業も優秀な技術者を求めています。
そのため、優秀な技術者を多く雇用しているシステム開発会社は、比較的高額で取引される傾向にあります。
優秀な技術者は一朝一夕で手に入るものでは無いため、売却を検討しているのなら、早い段階で対策しておきましょう。
システム開発会社に関するトレンドを把握しておく
システム開発会社のトレンドを把握しておくことで、システム開発会社のM&A・売却の成功確率が高まるでしょう。
M&Aによる売却価格は、その時の市場の状況やトレンドなどによって大きく左右されることがあります。業界自体が盛り上がっていれば需要も高まるため、売却額は高まります。
しかし、当然ながらタイミングがズレてしまうだけで、同じ条件でも低い売却額で取引をすることになります。
M&Aや売却を成功させるためにも、市場の状況やトレンドを把握して適切なタイミングで売却できるようにしておきましょう。
売却後の従業員の流出対策をしておく
売却後の従業員流出は徹底的にしておきましょう。多くのシステム開発会社は優秀なエンジニアを獲得し、専門的な技術や知識、ノウハウを求めて買収しようとしています。
にもかかわらず、M&Aが実施されると労働環境の変化などによって生じた不満やストレスで、離職者が増えるケースがあります。
この場合、システム会社を買収するメリットが小さくなってしまうので、離職を防ぐための対策を考える必要があります。それを適切にアピールすることができれば、売却成功に役立つはずです。
まとめ:M&Aのポイントを押させてシステム開発会社を売却しよう
この記事では、システム開発会社をM&AするメリットやM&Aを成功させるためのコツについて解説してきました。
IT業界は今後もますますの成長が予想されていますが、課題も数多く存在している状況です。それらの課題を解決するために適切なM&Aを行うことは1つの手です。
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株式会社パラダイムシフトは、IT領域特化型M&Aアドバイザリーであり、システム開発会社のM&Aについても豊富な知見があります。