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スタートアップ向けピッチ資料の作り方!日本で有効な構成要素10選

ピッチ資料は、主にスタートアップ企業で、効率的に人材獲得や資金調達をするために作れます。

スタートアップ企業にとって、順調に事業を進めるためにもピッチ資料は重要です。そのため、どのようなピッチ資料を作成すればよいかお悩みの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、人材獲得や資金調達に効果的なピッチ資料の作り方を解説します。日本のスタートアップ企業におすすめのピッチ資料の構成要素10選も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ピッチ資料とは?

そもそもピッチとは、端的なプレゼンテーションを指します。

主に、創業間もないスタートアップ企業や新規事業の資金調達に用いられます

自社についての知識を持たない人に、自社の強みや事業概要、マーケット詳細などを端的に伝え、何らかのアクションを起こさせるための手段です。

資金調達以外にも、下記を目的としたピッチがおこなわれます。

  • 営業用ピッチ
  • 人材獲得ピッチ
  • 広報用ピッチ
  • アライアンスピッチ

本章では、ピッチの概要とプレゼンテーションとの違いを紹介します。

プレゼンテーションとの違い

プレゼンテーションとは、聴衆に情報を提示し、理解・共感を得るための手段

その後、聴衆に何らかの行動を起こしてもらうことが目的です。

情報を提示し、理解・共感を得て行動を促す点では、ピッチと同義の用語です。

実際、明確な区分があるわけではありませんが、ビジネスシーンでは下記の棲み分けをされています。

  • プレゼンテーション:成熟したビジネスにおいて、情報をじっくりと提示
  • ピッチ:スタートアップ事業・企業において、端的に情報を提示

プレゼンテーションをおこなうのは、ビジネスが軌道に乗っている企業が一般的です。

また、数十分ほどかけ、じっくりと情報を提示する点が特徴です。

一方、ピッチはスタートアップなど、ビジネスが軌道に乗る前の企業が実施します。

時間もプレゼンテーションより短く、数分程度で相手の決断を引き出す点が特徴です。

ピッチ資料の作り方

いきなりピッチ資料の内容をつめても、うまくいかないケースがほとんど。

ピッチ資料を作る際は、下記4つの手順で作成するのがおすすめです。

  • ターゲットを明確にする
  • ピッチ資料の構成を立てる
  • ピッチ資料の内容を作り込む
  • 対象者の心をつかむデザインを検討

本章では、上記4つの手順を紹介します。

ターゲットを明確にする

ピッチは短い時間で共感を生み、聴衆者に行動を起こさせなければなりません

ターゲットが定まっていないと、ピッチの内容がぶれ、共感・行動に繋がりにくくなります。

そのため、ピッチのターゲットを設定し、「誰に」「何をして欲しいのか」を明確にすると良いでしょう。

たとえば資金調達が目的であれば、ピッチのターゲットはエンジェル投資家や投資ファンドなどです。

また、より詳細な年代や思想、自社との関係性なども設定すると、具体的なピッチ資料が作成できます。

ピッチ資料の構成を立てる

続いて、ピッチ資料の全体像をつかむため、構成を作成します

いきなりピッチ資料の内容を作り込む方が多く見られますが、何事も準備が欠かせません。

仮に、初めから具体的な内容を作り込んでしまうと、方向性を見失いやすく、修正が多くなるでしょう。

そのため、まずは骨組みとなる構成を作成し、ピッチの目的に適した方向性になっているかを精査することが重要です。

ピッチ資料の内容を作り込む

構成が完成したら、いよいよピッチ資料の内容を作り込みます

ピッチのような限られた時間で共感を得る場合は、ストーリー性が重要です。

たとえば、「あなたがどのような経緯でそのビジネスに至ったのか」、「なぜあなたでなければならないのか」、「ビジネスを通しどのように課題を解決していくのか」などです。

ストーリー性のあるピッチ資料は、聞き手に想いを届けやすく、共感されやすいといわれています。

対象者の心を掴むデザインを検討

最後に、ピッチ資料のデザインを検討します。

基本的にはシンプルなデザインが好ましいですが、企業・ブランドイメージを反映させたものも良いでしょう。

ピッチ資料のデザインによって、聞き手が抱くイメージが異なるため、予め設定した目的に即したデザインを検討してください。

【日本のスタートアップ向け】ピッチ資料の構成要素10選

ピッチ資料の主な構成要素は、下記の10種類です。

  • 表紙
  • ターゲット層
  • 社会課題・コンセプト
  • 課題の解決・ミッション
  • 市場の概要
  • 商品やサービス紹介
  • 競合状況
  • ビジネスプラン
  • 経営チーム
  • ピッチの目的

より訴求力の高いピッチ資料を作成するには、上記の要素を目的に合わせて取捨選択することが重要です。

本章では各構成要素を順に紹介します。

構成1.表紙

1つ目の構成要素は、ピッチ資料の冒頭に挿入する表紙です。

事業名や社名のみを記載したピッチ資料を見かけますが、初めて目にした人からすると、印象に残りづらい傾向があります。

そのため、単に事業名・社名を掲載するのではなく、自社のロゴやブランドカラーを前面に打ち出し、インパクトのある表紙を心がけると良いでしょう。

構成2.ターゲット層

2つ目の構成要素は、自社のビジネスにおけるターゲットです。

ピッチで紹介するビジネスは「誰をターゲットとしているのかを説明します。

特にターゲットは、緻密に設定することが重要です。

ターゲットがぶれてしまうと、ピッチ資料全体の説得力が低下する恐れがあるため。

どのような経緯でそのターゲットを設定したのか、根拠を交えながら説明することを心がけてください。

構成3.社会課題・コンセプト

3つ目の構成要素は、社会課題・コンセプトです。

具体的には、自社のビジネスで、ターゲットが抱えるどのような課題を解決するのかを説明します。

また、「なぜその課題を解決するのか」を盛り込むと、熱意が伝わりやすいピッチになるでしょう。

実績が少ないスタートアップ企業のピッチでは、いかに熱意を伝えられるかが重要です。

課題に実体験を結びつけることで、より熱意が伝わりやすいピッチ資料に仕上がります。

構成4.課題の解決・ミッション

4つ目の構成要素は、自社ビジネスによる課題の解決・ミッションです。

先ほど紹介した課題に対し、自社の商品・サービスがどのような解決策を提示できるのかを説明します。

言い換えれば、顧客へ提供する価値です。

資金調達の場合、特に注視される項目のため、ターゲットとのズレがないか、十分な根拠は示せているかなどに注意が必要です。

構成5.市場の概要

5つ目の構成要素は、参入市場の概要です。

ピッチ資料で取り上げているビジネスがどの市場を目指すのか、どの程度の規模があるのかを説明します。

全く新しい市場を目指す場合は、不確実性が高いため、補完できるだけの根拠を固めることが重要です。

一方、すでに形成された市場を目指す場合は、先行企業への優位性を提示する必要があります。

市場の状況ごとに求められる情報が異なるため、聞き手の立場に立ってピッチ資料を作成すると良いでしょう。

構成6.商品やサービス紹介

6つ目の構成要素は、自社の商品やサービスの紹介です。

商品・サービスの説明では、言語による紹介のみならず、デモ動画や試作品を用いるのがおすすめ。

実際に体感したり、手に取ったりすることで、具体的なイメージを掴みやすいため、聴衆が行動を起こしやすくなります。

構成7.競合状況

7つ目の構成要素は、競合状況

先ほど紹介した市場の概要と類似しますが、ここで説明するのはよりミクロな、競合企業との比較情報です。

たとえば、競合企業の価格帯や提供商品、販路、仕入れ先と自社を比較した場合、どのような点で優位性を確立できるのかなどです。

他社との比較では、ポジショニングマップが活用されます。

視覚的に競合との比較情報を視覚的に把握できるため、ぜひ活用してみてください。

構成8.ビジネスプラン

8つ目の構成要素はビジネスプランです。

ビジネスプランは口頭で説明されても全体像を把握しづらいため、図型などを用いて視覚的に説明することが重要です。

また、ピッチの時間は限られているため、要点のみに絞って説明すると良いでしょう。

構成9.経営チーム

9つ目の構成要素は、自社の経営チームについてです。

スタートアップ企業では経営者の熱量のみならず、他の運営メンバーの熱量も重要です。

ビジネスプランを実行する際は、経営者と運営メンバーが一丸となって取り組まなければならないため。

仮に、経営者と運営チームとで温度差がある場合は、人間関係などのトラブルが生じる恐れがあり、投資リスクが大きいと判断されます。

そのため、ピッチでは、経営者と運営チームの足並みが揃っていることを積極的にアピールするのが大切です。

構成10.ピッチの目的

10つ目の構成要素は、ピッチの実施目的です。

ピッチを開催した目的が資金調達の場合、調達希望金額や使い道などを明確にする必要があります。

投資家としても、希望金額や用途が曖昧では不安を感じやすくなります

そのため、ピッチの目的をできるだけ詳細に説明することが大切です。

スタートアップのピッチに欠かせない2つのポイント

スタートアップ企業がピッチを成功させるには、下記2つのポイントが大切です。

  • 熱意・熱量を伝える
  • ピッチ前後の行動を検討する

それぞれ順に紹介します。

熱意・熱量を伝える

1つ目のポイントは、ビジネスに欠ける熱意・熱量を伝えることです。

実績が少ないスタートアップ企業では、「自分こそがこのビジネスを成功させる」という想いが評価されやすい傾向があります。

もちろん、ビジネスプランの完成度や実現度も重要な評価対象ですが、ゼロから1を作り出すには、多くの障害を乗り越えなければならないため、経営者と運営チームの熱意が重視されます。

たとえどんなにうまく事業を説明できたとしても、ピッチ資料の内容や完成度から熱意は伝わるでしょう。

資金調達や人材獲得などの目的を達成するためにも、自身の想いを前面に打ち出すことをおすすめします。

ピッチ前後の行動を検討する

2つ目のポイントは、ピッチ前後の行動を検討することです。

たとえば、ピッチ前には投資家の情報を集め、その投資家に合わせたピッチ資料を作成するなどです。

投資家も人間ですから、当然ひとりひとり評価基準が異なります。

どのような点を主に評価するのかを事前に把握し、それに即した資料を作成できれば、出資を受けやすくなるでしょう。

また、ピッチ後には、積極的にコンタクトを取るのもひとつの手です。

良好な関係性を構築できれば、ビジネスをおこなう上で手助けしてくれるかもしれません。

スタートアップ企業がピッチに取り組む際は、前後の行動も考え、ビジネスの成功率を高めることが大切です。

訴求力の高いピッチ資料を作成し、資金調達を成功させよう

本記事では、目標達成に効果的なピッチ資料の作り方について、構成要素と作成ポイントを交えて紹介しました。

ピッチ資料の作成手順は下記の通りです。

  • ターゲットを明確にする
  • ピッチ資料の構成を立てる
  • ピッチ資料の内容を作り込む
  • 対象者の心をつかむデザインを検討

ピッチを通して自社の商品や事業プランをうまく伝えられれば、資金・人材などの資源獲得につながります。

訴求力の高いピッチ資料を作成し、ピッチの目標を達成してみてください。