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決算から読み解くエヌビディアの業況は?財務体質や今後の動きも解説

エヌビディアはアメリカに本社を置くテクノロジー企業です。

GPUやAI、自動運転などの最先端分野でサービスを提供しています。

アメリカ株式市場で広く使われるS&P500の銘柄に選ばれていることで有名です。

エヌビディアは上場企業の義務として、決算書を公開しており、エヌビディアの経営成績、財務状況などを深く理解することができます。

この記事では、決算書を基にエヌビディアの業況や財務体質などを解説します。

決算で見るエヌビディア

エヌビディアはアメリカカリフォルニア州の企業ですが、NASDAQ市場に上場しています。

アメリカでは証券取引委員会(SEC)の規制に従い、上場企業には決算の開示義務があるのです。

したがって、エヌビディアの決算書はインターネットで閲覧することが可能です。

エヌビディアは自社のホームページで決算書を公開しています。

決算書から分かるエヌビディアの事業構造

エヌビディアは年次報告書だけでなく、四半期決算や報道資料などを公開しています。

直近の2022年期の年次報告書によれば、事業区分は以下のとおりです。

  • Date Center
  • Gaming
  • Professional Visualization
  • Automotive

Date Centerは主に機械学習やチャットボットなどのAI関連サービスや企業向けのクラウドサービスなどで構成されています。

Gamingは主にPC向けのゲーム事業で、最近ではeスポーツ市場へ参画しています。ゲームソフトだけではなく、ゲーム会社向けのグラフィック技術やCG技術などに注力している点が特徴です。

Professional Visualizationは、エヌビディアがソフトウェアの供給業者に対して、デザインやデジタルコンテンツ制作などの分野で生産性向上やデザインの精度を上げるサービスを提供しています。

Automotiveは、単なる自動車ではなくAIを活用した完全自動車サービスです。

自動車メーカー、サプライヤー、研究機関などのパートナーと協力し、自動車向けのAIシステムを開発・展開しています。

直近決算期の業況

エヌビディアの通期の業況を確認しましょう。

2022年期の年次報告書によれば、主な指標は以下のとおりです。

  • 売上高…259億ドル(前年同期比+61%)
  • 営業利益…100億ドル(前年同期比+122%)
  • 税引後当期純利益…98億ドル(前年同期比+125%)

売上高259億ドルは1ドル132円で円換算すると約3兆4,200億円です。

日本では三菱重工業や富士通、東芝などと同程度の規模と言えます。

売上高から当期純利益まで大幅な増収増益だったようです。

Automotiveを除くすべての事業区分で過去最高益を記録したことが要因です。

2022年度は米中貿易摩擦によるサプライチェーンの混乱やアフターコロナの原材料の高騰などがありましたが、それらのマイナス要因にもかかわらず売上総利益率も64.9%に拡大しています。

事業ごとに業績を見てみると、Gamingでは、エヌビディアのCPUであるGeForceGPUの売上が好調だったので、前年同期比61%増の125億ドルでした。

Date Centerは、自然言語処理などのAIやクラウドコンピューティング向けのNVIDIA AmpereアーキテクチャGPUが好調だったので、前年同期比58%増の106億ドルでした。

Professional Visualizationは、リモートワークをサポートする製品や3Dデザインなどが好調だったので、前年同期比100%増の21億ドルとなりました。

エヌビディアの今後

エヌビディアは、年次報告書のほかに四半期決算も公開しています。

2023年期第4四半期決算では、四半期単体の決算と2023年度通期の決算を知ることができます。
これによれば、第4四半期の決算は以下のとおりでした。

  • 売上高…60.1億ドル(前年同期比▲21%)
  • 営業利益…12.5億ドル(前年同期比▲58%)
  • 税引後当期純利益…14.1億ドル(前年同期比▲53%)

また、通期の決算は以下のとおりです。

  • 売上高…269億ドル(前年同期比+3%)
  • 営業利益…42億ドル(前年同期比▲58%)
  • 税引後当期純利益…43億ドル(前年同期比▲55%)

売上、利益ともに過去最高を記録した2022年度決算と比べると、利益面で見劣りするものの、売上高は過去最高を更新しています。

四半期決算では、来期の計画に触れるのが一般的です。

エヌビディアも2024年期の第1四半期の計画について掲載しています。

これによれば、2024年期の第1四半期は売上高65億円です。

2023年は第1四半期の売上高が82億円ですので、17億円減少する見込みです。

しかし、2022年は第1四半期の売上高が56億円でしたので、例年並み水準とも言えます。

ここで注意するべきなのはあくまでも「計画」であって「目標」ではないということです。

エヌビディアのような上場企業は株主への説明責任として計画値を公表しているので、単に野心的な数値を公表するのではなく、自社の経営環境や事業の状況を踏まえた現実的な数値が求められます。

エヌビディアの直近四半期決算

上記のとおり、エヌビディアは通期のみならず、四半期決算を公表しています。

上場企業としての法的義務を果たすためですが、株主への説明責任を果たすためにかなり詳細な決算情報が公表されているのです。

直近四半期決算である2023年期第4四半期の決算から分かるエヌビディアの業況や最新のニュースについて分析します。

直近四半期決算の業況

2023年期第4四半期の業況は以下のとおりでした。

  • 売上高…60.1億ドル(前年同期比▲21%)
  • 営業利益…12.5億ドル(前年同期比▲58%)
  • 税引後当期純利益…14.1億ドル(前年同期比▲53%)

4つある事業のうち大きな影響を与えたのはGaming事業とData Center事業です。

Gaming事業は減収の主な要因となりました。

前年同期比で46%の減少幅を記録しています。

しかし、決算によれば、これは在庫調整分を反映したものです。

NVIDIAの新世代グラボ「GeForce RTX」は好調に推移し、また 約400のゲームを揃えており、売上は堅調に推移しているようです。

Data Center事業は11%の増加幅を記録し、エヌビディアの収益に大きく貢献しました。

これはクラウドサービスプロバイダー(CSP)顧客の収益増加が主因ですが、背景にはコロナ禍によるクラウド化の流れがあると予想されます。

このようにして見ると、エヌビディアの直近四半期決算は前年同期比で悪化したものの、要因はGaming事業の在庫調整にあり、実態は好調に推移していることが分かります。

直近四半期決算のニュース

通常の決算書では業績や来期の予測値など定数面の説明に終始することが多いですが、エヌビディアは自社について最新のニュースを掲載している点が独特です。

決算書で公表されるニュースが株価に影響を与えることもあるでしょう。

エヌビディアが公表したニュースで興味深いものをご紹介しましょう。

このニュースは台湾の鴻海と自動車分野で協業したことです。

鴻海といえば経営危機に陥ったシャープの筆頭株主になったことで知られています。

エヌビディアと鴻海が協業して、自動運転のプラットフォームを設立しました。

エヌビディアは自動運転車向けにNVIDIA DRIVE Orinというスーパーコンピューターを開発していました。

これは毎秒1兆回の演算を行うAIコックピットです。

このNVIDIA DRIVE Orinをベースとして、鴻海はElectronic Control Unit、通称ECUを生産します。
ECUはエンジン制御を行う電子システムであり、自動車に欠かせない装置です。

エヌビディアの最新技術を用いて、鴻海が自動車の最も重要な装置を生産することを意味しており、両社は高い次元で協業することが分かります。

決算から分かるエヌビディアの財務体質

決算書といえば銀行などの金融機関が企業の財務体質を図る資料として使うことが知られています。
決算内容からエヌビディアの財務体質の特徴を考えます。

安定した収益

決算書でエヌビディアの過去6年の売上高を見てみましょう。

  • 2023年期…269億ドル
  • 2022年期…259億ドル
  • 2021年期…166億ドル
  • 2020年期…109億ドル
  • 2019年期…117億ドル
  • 2018年期…117億ドル

2018年期から2020年期にかけて横ばいで推移する時期もあったものの、2023年度に過去最高を記録しています。

IT分野、特にAIや自動運転など比較的新しい市場で事業を展開しながら、安定して高い収益を記録していることは特筆すべき点です。

収益は安定しつつ、高い成長を記録し、減収の時でも減少幅が小さいので、安定した収益を持つ企業と言えるでしょう。

高い成長性

2022年度に過去最高となる売上、利益を更新していることからも高い成長性が窺えます。

エヌビディアはGPU市場で高い地位を保持しており、コンピューターゲーム、AI、自動運転など成長分野で事業を成長させています。

製品の多くは高付加価値製品ですので、純利益率が高く、着実に利益を積み上げています。

販管費も多いですが、多くは研究開発に費やされているようです。

自動運転やロボット技術など将来成長が期待される分野に多額の投資を行い、その投資によってさらに増収増益を記録するという好循環ができていると言えます。

健全な財務体質

財務体質について概要を確認しましょう。

2022年度決算によれば、総資産441億ドル、総負債175億ドル、純資産266億ドルです。

自己資本比率は60%を記録し、自己資金が潤沢にあることが分かります。

総負債175億ドルのうち銀行長期借入は110億ドルのみであり、残りは主に買掛金やリース債務です。

約20億ドルのキャッシュを保有しているキャッシュリッチでもあります。

純資産266億ドルの内訳を見ると、内部留保が162億ドルと60%を占めます。

内部留保は利益の積みあがったものです。

エヌビディアは事業で莫大な利益を生み出し、社内に利益を蓄積しています。

不況への耐久性も万全であり、財務体質は極めて健全だと言えるでしょう。

今後も注目されるエヌビディアの決算

この記事では、エヌビディアの決算を基に経営成績、財務状況などを解説しました。

エヌビディアの決算書は会社の将来を左右するようなニュースが掲載されているなど独特な要素があります。

安定した収益や高い成長性、健全な財務体質を誇るエヌビディアの決算内容は日本の中小企業が鏡とするものではないでしょうか。

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