ファンドは、資産を集めて専門の投資家が運用する仕組みです。
近年ではファンドを使って資金調達や事業の再編を行う企業も多く、ファンドの種類や仕組みを知っておくとM&Aの選択肢を広げられます。
企業のお金を運用・管理をしている方がファンドを知らないと、最適な資金調達方法を見逃したり、ファンドを利用する際のリスクを正しく判断できなかったりして、危険が降りかかる可能性が高くなります。
この記事では、ファンドの基本から投資信託との違いや代表的なファンドの種類までわかりやすく解説します。
最後まで読むことで、ファンドを活用する際のメリット・デメリットや、貴社に最適なファンド選びのポイントがわかります。
M&Aにおける資金調達や戦略的なパートナーシップをより効果的に活用できるようになりましょう。
目次
- 1 ファンドとは?
- 2 投資ファンドの意味と仕組み
- 3 公募型と私募型ファンドの違い
- 4 ファンドと投資信託の違い
- 5 ファンドの主な種類3つ
- 6 インデックスファンド
- 7 バランスファンド
- 8 アクティブファンド
- 9 ファンドを活用するメリット
- 10 少額から投資を始められる
- 11 投資のリスクを軽減できる
- 12 運用をプロの投資家に任せられる
- 13 ファンドを活用するデメリット
- 14 運用手数料がかかる
- 15 元本が保証されていない
- 16 投資するハードルが高い
- 17 ファンド選びをする前に決めること
- 18 投資スタイルを決める
- 19 投資の金額・期間を決める
- 20 リスク許容範囲を決める
- 21 ファンドの代表銘柄ランキング
- 22 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 23 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 24 楽天・S&P500インデックス・ファンド
- 25 ファンドを活用して資金調達からシナジー創出しよう!
ファンドとは?
ファンドとは、投資家から集めた資金を元に、株式や債券、不動産などに投資し利益を分配する金融商品です。
ファンドは個人が一人で行う投資に比べて、プロの運用者がリスクを分散しながら効率的に資産運用を行うことが特徴です。
ここでは、投資ファンドの意味や仕組み、公募型と私募型の違いを詳しく解説します。
投資ファンドの意味と仕組み
投資ファンドとは、投資家から集めた資金を元手に、株式や債券、不動産、デリバティブなどさまざまな金融商品に投資し運用益を投資家に還元する仕組みです。
ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、リスク管理を行い資産運用を最適化するため、個人投資家では難しい投資分散や高度な運用戦略を活用できます。
ファンドの投資先となる企業にとっては、資金提供だけでなく経営支援などのサポートを受けられるメリットもあります。
投資ファンドは、投資家と企業の双方に利益をもたらすWin-Winな仕組みです。
公募型と私募型ファンドの違い
公募型ファンドと私募型ファンドの違いは、資金を集める対象や投資額です。
- 公募型ファンド:不特定多数の投資家から資金を集めて運用する形式(ex.投資信託)
投資信託は、国内外の株式や不動産、債券など多様な商品に少額から投資でき、銀行や証券会社で簡単に購入できます。
- 私募型ファンド:限定された投資家から資金を集める形式(ex.プライベートファンド)
大口の機関投資家や少数の個人投資家(49人以下)を対象にしています。
公募型は個人の投資家が少額から投資できる反面、私募型は限られた投資家が比較的大きな金額の投資をするのが特徴です。
ファンドと投資信託の違い
ファンドと投資信託は混同されがちですが、明確な違いがあります。
- ファンド:特定の目的のために資金を集めて管理・運用する仕組み
- 投資信託:資産運用を目的としてプロの運用者が投資家の代わりに資金を運用し、成果を投資家に還元する金融商品
つまり、投資信託はファンドの一種であり、私たち個人に身近な投資手段ということです。
投資信託は、誰でも簡単に参加できるファンドです。
ファンドの主な種類3つ
ファンドにはさまざまな種類がありますが、主に3つのタイプがよく知られています。
それぞれ異なる投資戦略を持ち、投資家のニーズに応じた運用方法が採用されています。
ここでは、数あるファンドの中からよく知られているタイプを3つ詳しく解説します。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500など、特定の指数(インデックス)に連動して運用されるファンドです。個別の銘柄選びをせずに、広範な市場に投資することができます。
代表的な指数には、日経平均株価やTOPIX、NYダウ、ナスダック指数などがあります。
インデックスファンドの大きなメリットは、少額で分散投資ができる点です。市場平均を超えるリターンは期待できませんが、分散投資による安定した運用が可能です。
バランスファンド
バランスファンドとは、国内外の株式や債券、不動産投資信託(REIT)など、複数の金融資産に分散投資するファンドです。
特定の資産に偏らないため、リスクを軽減しながら安定した運用が可能です。特に、投資初心者に向いており、長期的な資産形成を目指す場合に適しています。
ただし、投資先の変更はファンド運用者に任せる形となり、自ら調整できない点やリターンが高くないことがデメリットとして挙げられます。
アクティブファンド
アクティブファンドとは、市場平均指数を上回る運用成果を目指すファンドです。
インデックスファンドが市場平均と同じ動きをするのに対して、アクティブファンドではファンドマネージャーが特定の銘柄を厳選し、集中投資することで高いリターンを狙います。
平均以上の利益を得られる可能性がありますが、逆に市場平均を下回るリスクも伴います。また、運用に手間がかかるため、インデックスファンドに比べて手数料が高くなる傾向があるのもデメリットです。
ファンドを活用するメリット
ファンドを活用することは、投資家にとってさまざまなメリットがあります。
ここでは、ファンドを活用する代表的なメリット3つ挙げて詳しく解説します。
少額から投資を始められる
ファンドの活用するメリットの一つは、少額から投資を始められることです。
株式を購入する際は通常100株単位で取引されるため、1株1,000円の場合でも10万円の資金が必要です。
しかし、ファンドの一種である投資信託では、基準価格が1万口あたりで設定されており、1万口で1万円前後のものが多いためより少額の資金で購入が可能です。
少額でもできる投資ということで、特に若い世代や投資初心者でも手軽に始められることが魅力です。
投資のリスクを軽減できる
ファンドを活用することで、投資のリスクを軽減できます。
投資の基本は資産を複数の商品に分けてリスクを分散させることですが、個人投資家が自分だけで分散投資を行うには、かなりの資金が必要です。
一方、ファンドでは多くの投資家から集めた資金をまとめ、さまざまな資産に分散して運用するため、特定の投資対象が値下がりしても他の資産で損失をカバーできます。
ファンドは、リスクを効果的に抑えることが可能なのです。
運用をプロの投資家に任せられる
ファンドを活用するメリットは、運用をプロの投資家に任せられるからです。
個人が投資に必要な知識や手法を身につけるのは難しく、タイミングを見計らうのも大変です。
しかし、ファンドでは経験豊富なファンドマネージャーが運用を担当するため、投資家は運用プロセスに深く関わる必要がありません。さらに、個人では手に入れにくい海外の株式や特殊な金融商品にも投資できる点もメリットです。
専門家に任せることで安心して資産運用ができるでしょう。
ファンドを活用するデメリット
ファンドを活用するとさまざまなメリットはありますが、もちろんデメリットもあります。
投資ファンドを活用する前には、ファンドのリスクや負担を理解しておくことも大切です。
ここからは、ファンドを活用するデメリットを3つ挙げて詳しく解説します。
運用手数料がかかる
ファンドを活用するデメリットは、運用手数料がかかることです。
投資ファンドでは、購入時や運用期間中、解約時に手数料が発生します。
- 投資信託:購入時手数料(0~3.3%)
- 信託報酬:0.1~3%
- 信託財産留保額:0~0.5%
手数料の引き下げが進んでいますが、依然として費用がかかることは注意が必要です。
ヘッジファンドでは、運用資産の2%を報酬として支払い、値上がり益の20%を成功報酬として支払う「2の20」という形態が一般的になっています。
元本が保証されていない
元本が保証されていないことも、ファンドを活用するデメリットの一つです。
市場の動きは、経済状況や政治情勢など多くの要因で変動するため、ファンドの運用成績によっては利益が得られます。一方、元本が減少する「元本割れ」のリスクもあります。
特に、投資信託などでは購入時よりも大幅に値下がりする可能性があるため、リスクをしっかり理解しておきましょう。
ファンドを購入する際には、最大でどのくらいの損失を被る可能性があるのかを確認する必要があります。
投資するハードルが高い
ファンドの中には、投資のハードルが高いものもあります。
投資信託は100円から始められる手軽さが魅力ですが、私募ファンドの一種であるヘッジファンドは、主に富裕層向けの投資商品です。
ヘッジファンドへの投資には最低でも1,000万円の余剰資金が必要とされており、一般的な投資家には手が届きにくいのが現状です。さらに、海外のヘッジファンドでは10万ドル(約1億円)以上の資金が必要な場合もあります。
高利回りが期待できるファンドがある一方で、誰でも簡単に投資できるわけではないのです。
ファンド選びをする前に決めること
ファンドを選ぶ前にあることを事前に決めておくことで、安心して資産運用に取り組めます。
ここでは、ファンドを選ぶ前に事前に決めることを3つ解説します。
投資スタイルを決める
ファンド選びの第一歩は、自分に合った投資スタイルを決めることです。
まず「なぜ投資を始めるのか」、目的を明確にすることが重要です。
投資の目的は人それぞれで、老後の資金準備や安定した収益の確保、余裕資金の運用など、ライフステージや資産状況に応じて異なります。
例えば、「30年後の退職までに2,000万円を貯めたい」や「10年後にマイホームの頭金1,000万円を用意したい」などの具体的な目標を設定することで、必要なリターンや投資額が見えてきます。
投資の金額・期間を決める
ファンド選びの前には、まず投資金額と期間を決めましょう。
投資金額は、手元に必要な資金を差し引いた余剰資金から算出するのが基本です。例えば、退職金を全額投資に充てると、老後の生活に支障が出る可能性があるからです。
投資期間も目的に応じて設定する必要があります。若い人は長期投資を視野に入れられるため、リスクを許容しやすいですが、年配者は短期でリスクを避けるのが賢明です。
投資金額と期間をしっかり決めておくことで、自分のリスク許容範囲内で投資ができます。
リスク許容範囲を決める
ファンド選びを行う際には、投資のリスク許容範囲を決めることがとても重要です。
投資のリスクとは利益や損失の変動幅を指しており、どの程度のリスクを受け入れられるかは、投資家の年齢やライフステージによって異なります。
- 20代:長期的な投資を行えるため、一時的な損失を無視してリスクを積極的に取れる
- 30~40代:結婚や妊娠、マイホーム購入などのお金がかかるイベントが多いため、リスクとリターンのバランスを意識する
- 50代以降:安全性を重視した運用が求められるためリスクを抑える
自分はどのステージなのか考えた上でファンド選びをしましょう。
ファンドの代表銘柄ランキング
ファンドには多くの金融商品がありますが、なかでも人気が高く多くの投資家に支持されている銘柄がいくつかあります。
ここからは、ファンドで人気のある代表的な銘柄を紹介します。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、S&P500指数に連動するインデックスファンドの代表的な銘柄です。米国の主要な約500社に投資することで、中長期的な経済成長を狙います。
S&P500指数は、米国株式市場における時価総額の約80%をカバーしており、アメリカ経済全体の動向を反映する指標です。
米国の成長を支える多くの企業に分散投資ができるため、リスクを抑えながら安定したリターンを期待できます。
米国株に興味がある投資家にとって、手軽に米国市場にアクセスできる魅力的な銘柄です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、世界中の先進国および新興国の株式に分散投資できるインデックスファンドです。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動しており、日本を含む多くの国の経済成長に幅広く投資します。
1つのファンドで全世界の株式市場の成長を取り込めるため、リスク分散が効いた運用が可能です。
為替ヘッジは行わないため為替変動の影響も受けますが、長期的な視野で安定した資産成長を目指す投資家にとって魅力的です。
楽天・S&P500インデックス・ファンド
「楽天・S&P500インデックス・ファンド」は、低コストで米国株に投資できるインデックスファンドです。
S&P500インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指し、米国の主要500社の株式に分散投資を行います。
マザーファンドを通じて米国株式のETFや株価指数先物取引を活用しているため、ベンチマークとの高い連動性を維持します。
為替ヘッジは行わず、米国株市場の動向と為替リスクを直接反映させた運用が特徴です。
ファンドを活用して資金調達からシナジー創出しよう!
ファンドを活用することで、M&Aにおける資金調達やシナジーの創出が効果的に進められます。
ファンドは、企業買収のための資金を確保するだけでなく、M&A後の事業成長や業務効率化を促進する役割も果たしてくれます。
例えば、成長段階の企業がファンドを通じて他社を買収することで、経営資源の統合や事業規模の拡大、新市場参入の機会などが得られます。
M&Aにファンドを活用することで、資金調達からシナジーを最大化させられるのです。
M&AアドバイザリーとしてM&Aに関連する一連のアドバイスと契約成立までの取りまとめ役を担っている「株式会社パラダイムシフト」は、2011年の設立以来豊富な知識や経験のもとIT領域に力を入れ、経営に関するサポートやアドバイスを実施しています。
パラダイムシフトが選ばれる4つの特徴
- IT領域に特化したM&Aアドバイザリー
- IT業界の豊富な情報力
- 「納得感」と「満足感」の高いサービス
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