- 最近CyberAjent(サイバーエージェント)が買収したのはどんな会社
- 以前あったサイバーエージェントの買収危機はどういったものだったのか
- 既存事業で敵なしの状態でもM&Aをする必要があるのか
こんな疑問はありませんか?
サイバーエージェントの買収を検索しても情報がバラバラで欲しい情報が1記事にまとまっていないのが検索結果の現状です。
しかしサバーエージェントの買収に関する情報は、新規・既存事業の両方を伸ばしたい大手から中小企業と幅広い業界にとって知っておいたほうがいい情報です。
この記事では、これまでバラバラに検索結果に出てきていたサイバーエージェントの買収に関する情報をまとめただけでなく、ある事業で敵なしの会社でもM&Aを積極的に取り組む必要性を解説しています。
具体的には、
- サイバーエージェントが買収した「BABEL LABEL」とは?
- サイバーエージェントが映像会社を買収した理由
- BABEL LABELがサイバーエージェントの買収を受け入れた理由
- なぜサーバーエージェントがM&Aに積極的になったのか?
- サイバーエージェントの最近の投資実績一例
などを解説しています。
目次
- 1 サイバーエージェントが日本の映像制作会社「BABEL LABEL」を連結子会社化
- 2 サイバーエージェントが買収した「BABEL LABEL」とは?
- 3 会社概要
- 4 所属クリエーター・制作作品
- 5 サイバーエージェントが映像会社を買収した理由
- 6 ①投資資金が潤沢になった
- 7 ②メディア事業発展への期待
- 8 BABEL LABELがサイバーエージェントの買収を受け入れた理由
- 9 ①制作資金を投入できる
- 10 ②クリエイティブに集中できる
- 11 なぜサーバーエージェントがM&Aに積極的になったのか?
- 12 バブル崩壊後の成功体験があったため
- 13 既存事業を継続的に成長させるため
- 14 買収後のサイバーエージェントの業績見通し(2022年度)
- 15 サイバーエージェントの投資実績一例
- 16 サイバーエージェントが日本の映像会社BABEL LABELを買収!まとめ
サイバーエージェントが日本の映像制作会社「BABEL LABEL」を連結子会社化
サイバーエージェントは2021年12月に日本屈指の映像クリエーター集団「株式会社BABEL LABEL(バベルレーベル)」の発行株式の大多数を取得し、2022年1月に連結子会社化を発表しました。
日本を代表するコンテンツスタジオと連携して、バベルレーベルと日本初の映像コンテンツを制作する共通目的達成を目指していきます。
サーバーエージェントは映像会社を買収することで、映画やドラマ制作の強化、映像コンテンツの輸出などで海外進出を狙っています。
サイバーエージェントが買収した「BABEL LABEL」とは?
出典:BABEL LABEL
サイバーエージェントとともに世界を目指す「BABEL LABEL(バベルレーベル)」とは一体どんな会社なのでしょうか。
下記で会社概要と所属クリエーターや制作作品を紹介します。
会社概要
BABEL LABEL(バベルレーベル)は、映像メディアの企画・制作・納品などをひとつの場所であらゆるサービスを受けられる新しい映像提供スタイルを提案する映像特化ディレクター集団です。
ベーベルラベルの会社概要を以下の表に示します。
会社名 | 株式会社BABEL LABEL |
本社所在地 | 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町19-1 |
発足 | 2010年 |
配給先 | 映画、テレビドラマ、配信ドラマ、MV、舞台 |
実績 | 第43回日本アカデミー賞主要3冠を含む6部門受賞 ADFEST2021 「絶メシロード」PR部門、Media部門、Branded Entertainment部門【ブロンズ賞】 |
その他事業 | WORKSHOP:俳優と監督が表現の追求をする演技ワークショップ BABEL BAR:飲酒シーンの撮影などにも使えるカフェバースタジオを運営 |
所属クリエーター・制作作品
以下の表でバベルレーベルに所属しているクリエーターと制作作品の一例を紹介します。
映画 | 余命10年:藤井道人 DIVOC-12:藤井道人、志自岐希生、林田浩川 空はどこにある:山浦未陽 脳の疫病:中嶋将人 私、糖尿病ですって!:澤口明宏 |
テレビドラマ | 八月は夜のバッティングセンターで。(テレビ東京) お耳に合いましたら。(テレビ東京) 農家のミカタ(テレビ東京) 真夜中にハロー!(テレビ東京) |
配信ドラマ | 箱庭のレミング(ABEMA):藤井道人、山口健人、下田彦太 |
MV | ポルノグラフィティ「Ohhh!!! HANABI」 ナオト・インティライミ「未来へ」 |
舞台 | 少年たちの密室 男達の楽園-NEXT STAGE |
サイバーエージェントが映像会社を買収した理由
出典:CyberAgent
サイバーエージェントはもともと自前主義、新卒採用主義の会社でM&Aに積極的ではありませんでした。しかし、最近はバベルレーベル以外にもスポーツやエンターテインメント業界などに積極的に投資しています。
ではなぜ、バベルレーベルを買収をしようと思ったのか下記で2つの理由を解説します。
①投資資金が潤沢になった
サイバーエージェントがバベルレーベルの買収に踏み切った一つ目の理由は、投資に回す資金が潤ったからです。
投資資金が潤った理由としては、スマホゲーム「ウマ娘 プリティダービー」の大ヒットで業績を非常に好調したのが起因しています。
「ウマ娘 プリティダービー」の具体的な収益は、App StoreとGoogle Playでの収益で約522億円以上で2021年通年で首位を獲得しています。
2021年度のサイバーエージェントの売上はほぼ「ウマ娘」と言っても過言ではない数字です。
この収益があってこそ投資に回す資金があると言えます。
②メディア事業発展への期待
サイバーエージェントがバベルレーベルを買収した二つ目の理由は、サイバーエージェントが運営しているメディア「ABEMA」などのメディア事業を発展させられる期待があるからです。
バベルレーベルには、Netflixで配信された米倉涼子主演「新聞記者」などの人気作品を配給しているクリエーターたちが所属おり、現状のコンテンツのブラッシュアップや新たなコンテンツのクオリティアップを図ることができます。
また、現状のメディア事業はコンテンツをほぼ外注化しているため、優秀なクリエーター集団を買収することでコンテンツの内製化できるのはサイバーエージェントにとって大きな魅力です。
BABEL LABELがサイバーエージェントの買収を受け入れた理由
上述している内容でサイバーエージェントがBABEL LABEL(バベルレーベル)を買収する理由は理解できました。
しかし、バベルレーベル側にも買収を受け入れる理由があるはずです。
下記ではバベルレーベルがサイバーエージェントの買収を受け入れた2つの理由を解説します。
①制作資金を投入できる
バベルレーベルがサイバーエージェントの買収を受け入れた一つ目の理由は、作品に多くの制作資金を投入できるからです。
コンテンツビジネスの中に身を置くバベルレーベルは、一気に世界に発信できるコンテンツビジネスの可能性を日々肌で感じるとともに「製作費」という高い壁も顕著に感じています。
世界各国で視聴されるような良い作品を生み出すには、制作費をかけなければならないのです。
製作費の壁に直面していたバベルレーベルにサイバーエージェントの買収話は、大きな制作費を獲得できてクリエイティビティーが発揮できる良い機会だったのです。
②クリエイティブに集中できる
バベルレーベルがサイバーエージェントの買収を受け入れた二つ目の理由は、得意分野のすみ分けができてクリエイティブに集中できるからです。
経営面ではサイバーエージェントに頼れる環境ができて、優秀なクリエイター集団がクリエイティブに集中しやすくなります。
映像コンテンツで世界に打って出るには経営手腕も一流であることが求められる時代なので、経営が得意なサイバーエージェントに任せるのが得策と考えたのでしょう。
「経営面はサイバーエージェント、コンテンツ制作はベーベルラベル」
このすみ分けができることが今回の買収を受け入れるに至った最大の理由です。
なぜサーバーエージェントがM&Aに積極的になったのか?
サイバーエージェント創業当時は、何事も自社で行う自前主義と元来あった採用力を活かした新卒主義でした。しかし、最近はスポーツやエンターテインメント事業などに積極的に投資するようになりました。
そこで下記では、サイバーエージェントがM&Aに積極的になった理由について解説します。
バブル崩壊後の成功体験があったため
サイバーエージェントがM&Aに積極的になっている理由は、バブル崩壊後の暗黒時代を救ったのがM&A(業務提携)だったからです。サーバーエージェントの過去を紐解いていくと見えてきます。
サイバーエージェントは2000年に史上最年少上場で注目も浴びるも、バブル崩壊により赤字続きで株価が伸び悩んでいる時期がありました。
具体的にはキャッシュ180億円保有しているにも関わらず、時価総額約90億まで下がる現象が起きたのです。
当時は現在の事業のほかにも高収益なビジネスモデルを構築、メディアを立ち上げて奮闘し売上は上がっていたが、先行投資していたため赤字続きでした。
メディアからも大バッシングを受けて心身ともに追い詰められていきました。
しかし、ある方の言葉で自身を奮い立たせたサイバーエージェントは楽天株式会社と資本提携(M&A)後黒字転換を果たします。
サイバーエージェントはM&Aで暗黒時代から脱出した成功体験があったからこそ、現在の積極的な投資ができているのです。
既存事業を継続的に成長させるため
サイバーエージェントがM&Aに積極的になっているもう一つの理由は、既存事業を継続的に成長させるためです。
すでにサイバーエージェントはゲーム事業だけでなくインターネット広告事業や「ABEMA」などのメディア事業、すなわち既存事業で敵なしの状態です。
そこでサイバーエージェントがとる今後の具体的には方針は、新規事業の獲得や海外進出につながる事業展開です。
そのために現在のサイバーエージェントは、M&Aに積極的に取り組むことで既存事業を継続的に成長させられる環境を整えようとしているのです。
買収後のサイバーエージェントの業績見通し(2022年度)
サイバーエージェントは2022年7月27日に2022年度の業績見通しを発表しました。
- 売上高:7000億円(同5.0%増)
- 営業利益:700億円(同32.9%減)
- 経常利益:700億円(同33.1%減)
- 最終利益:250億円(同39.8%減)
サイバーエージェントの投資実績一例
以下の表で最近のサーバーエージェントの投資実績の一例を紹介します。
時期 | 投資先 | ジャンル |
2017年1月 | DDTプロレスリング(グループ参画) | プロレス |
2018年10月 | FC町田ゼルビア(グループ参画) | サッカー |
2020年1月 | プロレスリング・ノア(グループ参画) | プロレス |
2021年5月 | エイベックス(筆頭株主) | エンターテインメント |
2021年7月 | 競技麻雀店「オクタゴン」(運営譲受) | 競技麻雀 |
2021年7月 | リアルゲイト(グループ参画) | 不動産 |
2022年1月 | BABEL LABEL(グループ参画) | 映像制作 |
サイバーエージェントが日本の映像会社BABEL LABELを買収!まとめ
創業当時は自前主義、新卒主義だったサイバーエージェントが積極的にM&Aをしていくことで事業を加速させています。
サーバーエージェントは今回の買収で「ABEMA」を中心としたメディア事業に日本屈指のクリエーター集団を組み合わせることで、新規事業の獲得もしくは海外進出を共通目標として新たなビジョンを開拓しました。
確立した既存事業がある会社が継続的に成長していくには、サイバーエージェントのようにM&Aを積極的に活用して思い切った挑戦をしていく必要があります。
M&Aは両社の方向性が合う場合において新規・既存事業を加速させられる万能な施策となりえるでしょう。
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