クラウドサービスとは、インターネットに接続して必要なサービスを受けることです。データベースやソフトウェア、アプリケーションなど、必要に応じてさまざまなITサービスを利用できます。
ユーザーは、クラウドサービスに接続するだけでサービスを利用できるため、ハードウェアを購入したり、ソフトウェアをパソコンにインストールしたりする必要がなくなりました。
今回の記事では、クラウドサービスを提供する会社の特徴やサービス、選び方について紹介します。
目次
- 1 クラウドサービスとは?
- 2 三大クラウドサービス会社
- 3 Google Cloud Platform(GCP)
- 4 Amazon Web Services(AWS)
- 5 Microsoft Azure(Azure)
- 6 クラウドサービス会社を選ぶポイント
- 7 コンピューターの性能
- 8 ストレージ
- 9 データ解析
- 10 リージョン設定の違い
- 11 料金形体
- 12 無料枠の違い
- 13 大手3社以外でおすすめのクラウドサービス会社
- 14 box(ボックス)
- 15 Dropbox Business(ドロップボックスビジネス)
- 16 Bizストレージ ファイルシェア
- 17 ALTUS(アルタス)
- 18 GigaCC ASP(ギガシーシーエーエスピー)
- 19 クラウドサービスは自社の環境を把握して選ぼう
クラウドサービスとは?
クラウドサービスとは、一般にクラウドストレージサービスのことを指します。クラウドとはクラウドコンピューティングのことでサーバーやストレージ、ソフトウェアを持っていなくても、インターネットを通じて必要なサービスを受けられる考え方です。
クラウドサービスが利用される以前は、必要なソフトウェアをインストールしたり、ハードウェアを購入したりして利用していました。
具体的な例として、メールソフトがあります。以前は、メールを送る場合にOutlookなどのメールソフトをパソコンにインストールし、環境を構築することでメールが送れる環境になっていました。会社などで使用する場合には、システム担当者がこの作業をしていたため、馴染みがないかもしれませんね。
しかし、クラウドサービスを利用すれば、そのサービスにつなぐだけでメールが使えるようになり、インストールや環境構築の必要なくなります。
三大クラウドサービス会社
クラウドサービスは、Microsoft、Amazon、Googleの三社が独占しています。それぞれのクラウドサービス名は以下の通りです。
- Google Cloud Platform(GCP)
- Amazon Web Services(AWS)
- Microsoft Azure(Azure)
この項では、会社別にそれぞれのサービスを見ていきましょう。
Google Cloud Platform(GCP)
検索エンジンで有名なGoogleが提供するクラウドサービスはGoogle Cloud Platformという名で、GCPと呼ばれています。さまざまなプラットフォームを提供していて、法人のユーザーからも多く使用されています。
GmailやGoogleMapなど、幅広いサービスで構築されているため、トータル的に使用しやすく、データ分析もしやすい環境が特徴的です。
Amazon Web Services(AWS)
AmazonのクラウドサービスはAWSと呼ばれています。三社の中でも一早くクラウドサービスを始め、利用率も1番多いとも言われています。1度は耳にしたことがある方も多いかもしれません。
AWSは、アプリケーションの開発を実施しやすい点と、ハードウェアの基板設計をしやすいことから、ハードウェアの価格交渉をしやすくなっています。
Microsoft Azure(Azure)
Windowsが提供するAzureは、Windowsを使用している企業が、違和感なく使いやすい仕様となっています。そのため、Windowsを導入している多くの企業に採用されています。
Azure Stackというクラウドプラットフォームを使用することで、だれにでもオープンな環境であるパブリッククラウド環境と、ソフトウェアを自社で運用するオンプレミス環境を1つの画面で管理できるのが特徴的です。
クラウドサービス会社を選ぶポイント
次に、クラウドサービスの会社を選ぶ際のポイントについて紹介します。以下の点からそれぞれ見てみましょう。
- コンピューターの性能
- ストレージ
- データ解析
- リージョン設定の違い
- 料金形体
- 無料枠の違い
コンピューターの性能
クラウドは、インターネットに接続して利用するコンピューターです。これをクラウドサーバーと呼び、各社とも特徴や名称が異なります。
AWSの「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」と、Azureの「Virtual Machines」は、コア数、メモリ、ディスクが予め設定された複数のプランになっています。その中から自社に合うものを選択するシステムです。
GCPの「Compute Engine」は、それぞれのツールをカスタムにより設定していきます。ストレージやメモリ、CPUそれぞれを個別で選びオリジナルな環境を構築できます。
ストレージ
ストレージは、プランにより使用制限のあるものと無制限で使用できる場合に分かれます。
AWSで使用されているストレージはS3と呼ばれており、堅牢度99.99%のセキュリティーの高さが特徴です。Azureは、Microsoftのソフトを使用している企業であれば、クラウド上で簡単に使用できます。
GCPのGoogle Cloud Storageは、高速で無制限のストレージを活用できる点が強みです。
データ解析
ビッグデータの分析基盤として使われることの多いクラウドは、データ解析のためのツールが搭載されています。
中でもGCPは特徴的で、AIを搭載した様々なAPIを提供しており、機械学習を活用したデータ解析にも貢献しています。
AWSが提供するRedshiftは、大きなデータでも対応できるため、他の2社にくらべて、細かい管理が必要ありません。
リージョン設定の違い
リージョンとは、データセンターの数で、クラウドの拠点となる場所です。多いほど、通信が安定して通信の遅延も少なくなります。
AWSは、日本国内で3箇所、AzureとGCPは2箇所です。
料金形体
料金形体は三社とも、使用した分のみの支払いが発生する仕組みとなっています。AzureとAWSは1時間単位で課金されるのに対し、GCPは分単位での課金制です。
また、三社とも長期利用における割引があります。GCPは自動で割引が適用されるのに対して、AzureとAWSは、契約の段階で長期利用を申し出る必要があります。
無料枠の違い
三社とも、登録してアカウントを発行すれば、すぐに無料でインターネットに接続できるようになっています。
利用料が発生するのは、クラウドやデータベースを使用したときです。GCPとAWSは12ヶ月分の無料枠があり、Azureは1ヶ月分の無料枠が用意されています。
大手3社以外でおすすめのクラウドサービス会社
次に、三大クラウドサービス会社以外でのおすすめサービスを紹介します。紹介するのは以下の5つです。
- box(ボックス)
- Dropbox Business(ドロップボックスビジネス)
- Bizストレージ ファイルシェア
- ALTUS(アルタス)
- GigaCC ASP(ギガシーシーエーエスピー)
詳しく見ていきましょう。
box(ボックス)
boxは、世界レベルのシェアを誇るクラウドサービスです。さまざまなデバイスで資料の閲覧や編集などができるため、スマートフォンやタブレットなどでも簡単に仕事ができるようになります。業務上のタスクや進捗の管理などもシンプルな操作で実行できるのが特徴です。
※料金は要問い合わせ
Dropbox Business(ドロップボックスビジネス)
Dropbox Businessは、Dropboxが提供する法人向けのクラウドサービスです。Dropboxは、個人向けに無料のオンラインストレージサービスを提供しており、ご存知の方も多いと思います。
主に法人向けに提供されているDropbox Businessは、バックアップツールとしても利用されるほか、ファイルやドキュメントの共有なども簡単にできるのがメリットです。
プラン | 月額利用料 |
Standard | 1ユーザー1360円〜 |
Advanced | 1ユーザー2400円〜 |
Bizストレージ ファイルシェア
Bizストレージ ファイルシェアは、NTTコミュニケーションズが提供する、企業向けのファイル転送サービスです。ユーザー間で大量のファイルを安定的に転送できます。NTTのセキュリティーシステムと連動しており、安全性について信頼できる点がメリットです。
月額1650円で1万人まで使うことができます。
ALTUS(アルタス)
ALTUSはGMOが提供するクラウドサーバーです。Pleskというサーバー管理ツールを使用することでサーバー運用の負担を減らします。リモートデスクトップの構築や、Webの高速化が簡単にできます。
サーバーの構成により、BasicとIsokate2種類のプランがあり、リソース単位で料金が発生する仕組みです。
プラン | 月額利用料 |
Basic | 1650円〜 |
Isolate | 2387円〜 |
※詳しい利用料金は問い合わせが必要。
GigaCC ASP(ギガシーシーエーエスピー)
GigaCC ASPは、ギガファイル便で有名な日本ワムネットが提供するクラウドサービスです。小規模な企業から規模の大きな企業まで対応できるプランが用意されています。
クラウドサービスとしてだけでなく、ファイルの転送・共有から、セキュリティ機能、外部システム連携機能の他、テレワーク支援などが用意されています。業務効率化のためのさまざまな機能を使用できる点が強みです。
プラン | 月額利用料 |
Basic | 必要に応じた使用料+月額利用料 |
Advanced | 25,000円+月額利用料 |
Premium | 42,000円+月額利用料 |
※初期費用は5万円
クラウドサービスは自社の環境を把握して選ぼう
今回の記事ではクラウドサービスについて、オススメの会社や選び方のポイントについて紹介しました。
クラウドサービスの会社は、三大クラウドサービス会社としてGoogleのGCP、AmazonのAWS、MicrosoftのAzureが独占している状況です。しかし、この三社以外にも企業で利用できる クラウドサービスを提供する会社は多くあります。
自社の予算や使用目的を明確にしてどのサービスを利用するのか無料のお試しサービスなどを活用しながら決めていくのがお勧めです。
パラダイムシフトは2011年の設立以来、豊富な知識や経験のもとIT領域に力を入れ、経営に関するサポートやアドバイスを実施しています。
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