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飲食店M&Aの料金相場やメリット・ポイントを徹底解説。

「飲食店を売却したい」とお考えの方に検討してほしいのがM&Aの手法です。

M&Aは、合併や買収、提携などで買い手企業が売り手企業を買い取り、2社が1つになることを指し、飲食業界でも近年注目されている手法です。中でも飲食店のM&Aは、飲食店を経営したいと考える人から見て、新しい店舗を開店させるよりも低予算で済むなど、メリットが多くあります。

今回の記事では、M&Aで飲食店の譲渡を検討されるオーナーの方々に向けて、飲食業界での成功事例と合わせて、料金相場やメリット、ポイントを解説します。

飲食店におけるM&Aとは?

飲食店を譲渡したいと考えるなら、M&Aを検討してみてはいかがでしょうか?飲食店のM&Aは、開店費用の節約など、買い手側に大きなメリットがあるため、買い手企業が見つかりやすいと言って良いでしょう。

通常、飲食店を撤退させる場合、物件は居抜きでの売却が多い傾向にあります。居抜きとは、家具や什器、設備を残したまま売却することを指します。

M&Aはそれに加えて、お店の業種やコンセプトなども残したまま引き継げるため、買い手側と売り手側、双方に多くのメリットが生まれます。

飲食店M&A、売却の料金相場は?

中小企業庁が発行する「経営者のための事業継承マニュアル」では、飲食店を売却するときの相場は、以下の計算式で算出したものが目安とされています。

時価純資産 + 営業利益3年分

例えば、時価純資産が200万円で、3年間の営業利益の平均が100万円の場合、売却額の相場は200万円+300万円=500万円ということになります。

出典:経営者のための事業承継マニュアル(中小企業庁)

さらに、この計算式以外にも、飲食店の相場を決定する要素があります。

  • 売上
  • 立地
  • 知名度
  • 財務状況
  • ブランド力
  • 店舗数や従業員数などの規模

これらに加え、今後の成長率や利益率も含めて売却額を決定するため、一概に相場を表すのは難しい場合もあります。

売却価格の相場を知りたい場合には、似ている事例を探してみることをおすすめします。会社の規模や業績、従業員の数、M&Aの目的など、自社と似ている会社と比べると見えてくるものがあるでしょう。

飲食店M&Aのメリット

飲食店をM&Aで売却するメリットは、主に3つです。

  • 後継者不足の解消
  • 売却利益を得られる
  • 撤退金額を節約できる

後継者不足の解消は、どの業種でも得られるM&Aの大きなメリットです。親戚や社内に後継者がいない場合や、身内に店舗を継がせたくないが、お店を閉店させたくないと思う場合などに、M&Aでこの問題を解決できるでしょう。

M&Aで店舗を売却して、利益を受け取ることも可能です。ここで得た利益は、会社の利益にしたり、自身の退職金に当てたりできます。

また、飲食店の店舗退去時に必要となる資金を節約することもできます。通常、飲食店を撤退させる際は、スケルトン工事で元に戻すことになっています。しかし、他社にM&Aで売却する場合には、工事の必要がなく、そのまま店舗を明け渡せるので、大きな節約になるでしょう。

飲食店M&Aのデメリット

飲食店のM&Aのデメリットは、店舗を売却したくても、売却先の相手が見つからない場合がある点です。

また、売却先が見つかったとしても、希望の条件で売却できないこともあるでしょう。売却の条件は、買い手企業との交渉で決定します。買い手側は、なるべく安い金額で買収したいと考えるため、希望の値段とかけ離れていると、値下げを交渉されたり、場合によっては買収候補から外されたりしてしまいます。

なるべく希望の条件で売却できよう、時間に余裕を持って買い手企業を探すことを心がけましょう。

飲食店M&Aの流れ

この項では、飲食店をM&Aで売却する流れを解説します。

  1. 売却準備
  2. 買い手との交渉・契約
  3. 売却成立

1つずつ詳しく見ていきましょう。

売却準備

まずは、売却の目的を明確にします。

自身が引退するため、ほかの事業に専念するためなど、売却の理由により、どのような企業に売却するべきか、どのくらいの金額で売却できればいいのか、大まかな見通しを立てます。

社内で目的が整理できたら、M&Aをサポートしてくれる業者と契約しましょう。M&Aは、高度な知識や経験を必要とするため、専門的な知識のある人材にサポートしてもらうことをおすすめします。

飲食店のM&Aの実績が豊富な企業と契約し、契約書の作成や買い手企業との交渉をサポートしてもらいましょう。

買い手とのマッチング・交渉

準備が整い次第、買い手企業のマッチングに入ります。

売却先は、契約した仲介業者に探してもらうのが一般的です。どのくらいの金額で、どのくらいの時期までに売却したいのかなど、出来る限り細かい希望を伝えましょう。

その後、マッチングした相手と顔合わせの場を設け、金額や時期の交渉を進めます。

契約とデューデリジェンス

契約には、売却に合意したことを示す基本合意契約と、調査や手続きが終了したあとに交わす店舗資産譲渡契約があります。

交渉の後、売却が決定したら、基本合意書を締結します。基本合意書には、後のトラブルにならないよう、交渉で双方が同意した条件や交渉期間を記載します。

基本合意書を締結したあと、買い手企業は売り手企業に対して、デューデリジェンス(DD)を実施します。デューデリジェンス(DD)は、専門企業に依頼して、売り手企業の債務や財務、法務面においてのリスクを調査するものです。このとき、売り手企業は調査に全面的に協力する必要があります。

デューデリジェンス(DD)は飲食店に限らず、全てのM&Aで実施されます。この調査でなんらかの問題が発生した場合には、売却額の減額や再交渉が必要になります。

本契約と売却成立

デューデリジェンス(DD)で問題がなければ、本契約を交わします。

具体的には、店舗資産譲渡契約を締結します。店舗資産譲渡契約は、譲渡する設備や備品のリストなど、店舗を譲渡するための資産についての条件を決める契約です。

そのほか、店舗が賃貸の場合には、賃貸オーナーとの契約を解除する手続きを実施します。

飲食店M&Aを成功させるポイント

次に、飲食店のM&Aを成功させるポイントについて紹介します。

プロセスを明確化し、買い手をイメージする

第一に大切なことは、どうしてM&Aをするのか、M&Aで会社を売却したあとどうするのか、ビジョンを明確にすることです。これにより、M&A成功までのプロセスも明確になり、どのような相手に買収してもらいたいかをイメージしやすくなるでしょう。

目的やプロセスが明確でないと、希望の金額で売却できなかったり、売却先が見つからなかったりするなど、満足いかない結果になってしまう可能性があります。

希望や条件をはっきりさせて、M&Aをサポートしてくれる仲介業者に詳細を伝えられるようにしましょう。

早い段階でM&Aを考える

M&Aでお店を売却するのには、手続きや引き継ぎ作業なども考えて1年ほどの期間を見ておくのが妥当です。条件に合う売却先を見つけるためには、さらに期間が必要です。

時間にはゆとりを持ち、専門家と入念な打ち合わせをするようにしましょう。

買い手企業の教育も視野に入れる

小規模のM&A取引の場合、買い手企業(個人)の教育も視野に入れます。お店が買い手に渡ってからも、今まで来客してくれていた顧客が継続して来てくれるかもしれません。このときに、自分が経営していたときと同様のパフォーマンスができるようにしておくことが必要です。

個人事業などの小規模なM&Aでは、個人の特色が出やすくなります。経営者が変わってもそれまで来てくれたお客様に満足してもらえるよう、買い手企業の教育や引き継ぎをしっかり実施しましょう。

飲食店M&Aの事例5選

この項では、飲食店のM&Aに成功した事例について紹介します。

株式会社コロワイド

居酒屋のチェーン店「土間土間」や「しゃぶしゃぶ温野菜」、「牛角」を経営展開する株式会社コロワイドは、「フレッシュネスバーガー」を経営する株式会社フレッシュネスを完全子会社化しました。

株式会社コロワイドは、原料の調達や物流、商品開発など、飲食店を運営するための一連のシステムを保有しています。そのため、商品開発から販売までを低コスト且つ、スピーディーに実現できます。

既存のフレッシュネスバーガーの店舗にもこの強みを活かし、新規客層の獲得につながりました。

株式会社ジョースマイル

株式会社ジョースマイルは、熊本県内に複数の店舗を展開する飲食チェーンの企業です。2019年にSFPホールディングスとM&Aを実施し、連結子会社となりました。同社は「磯丸水産」などの居酒屋を全国に展開している企業です。

地方展開をメインに活動する株式会社ジョースマイルが、全国展開をしているSFPホールディングスとM&Aを実施したことで、全国展開のノウハウを得ることに成功しました。

株式会社プレナス

「やよい軒」や「ホットモット」を展開する株式会社プレナスは、2016年に宮島醤油フレーバー株式会社の株式の過半数を取得。以降、同社の調味料を店舗で使用しています。

これにより、生産コスト削減に成功し、生産や物流面において、さらなる利益拡大を目指しています。

ゼンショーホールディングス

「すき家」、「なか卯」、「ココス」などを展開する外食企業の大手、ゼンショーホールディングスは2018年、アメリカやカナダなどで持ち帰り寿司の店舗を展開する「アドバンスド・フレッシュ・コンセプツ」を子会社化しました。

同社の店舗数は、アメリカやカナダに展開され4000店舗以上にのぼります。これらを傘下に取り込むことで、海外事業の強化に成功しました。

力の源ホールディングス

ラーメン店の「一風堂」を展開する力の源ホールディングスは、2017年に子会社を通じて、インドネシアの飲食企業PT. IPPUDO CATERING INDONESIAの株式を取得しました。力の源ホールディングスは、海外展開に強い企業です。このM&Aにより、インドネシアでの展開を強化し、海外展開をさらに加速させたと言えるでしょう。

飲食店のM&Aは買い手の見極めが大切

今回の記事では、飲食店のM&Aについて、成功事例の紹介と合わせて料金相場やメリット・ポイントを解説しました。

飲食店のM&Aは、買い手企業にもメリットが多いため、条件に見合う相手も見つけやすいでしょう。売却金額の相場は、飲食店のさまざまな要素から決定されるため、一概に表すのは難しいです。そのため、同じ規模や条件の成功事例を探すと分かりやすくなります。

希望の条件に合う相手を見つけるためには、時間に余裕を持ち、信頼できる専門業者に依頼するのがおすすめです。

パラダイムシフトは2011年の設立以来、豊富な知識や経験のもとIT領域に力を入れ、経営に関するサポートやアドバイスを実施しています。

M&Aで自社を売却したいと考える経営者や担当者の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。