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TOBされそうな会社とは?特徴や事例、狙うメリットなどを解説

あなたの会社がTOB(株式公開買付)されるリスクを感じていませんか?

TOBは、企業の独立性に大きな影響を与えるため、適切な対策を講じなければ突然の買収によって経営方針が変わる可能性があります。

対策を怠ってしまうと、企業の価値が低下し、最悪の場合、意図しない形で買収されるため危険です。

この記事では、TOBされやすい企業の特徴や兆候を解説し、リスクを減少させるための具体的な対策を紹介します。

この記事を読むことで、TOBのリスクを事前に察知し、適切な防衛策を実施する方法がわかります。

また、具体的な事例を通じて、どのような対策が効果的かを理解し、経営陣や主要株主を説得するための戦略も学べるのです。

企業の独立性を守るために、TOBに対する知識と対策をしっかりと身につけましょう。

TOBされそうな会社の特徴・共通点

TOB(株式公開買付)されそうな会社には、いくつかの共通した特徴があります。

TOBされそうな会社の特徴を理解することで、自社がTOBの対象となる可能性が高いかを見極められます。

下記では、TOBされそうな会社の特徴・共通点を詳しく解説します。

EV/EBITDA倍率が低い

TOBされやすい会社の特徴の一つは、EV/EBITDA倍率が低いことです。

EV/EBITDA倍率とは、企業価値(EV)を税引前利益(EBITDA)で割った値で、数値が低いほど比較的割安な会社と評価されます。

例えば、EV/EBITDA倍率が業界平均よりも低い場合、その会社は市場で過小評価されている可能性があります。

投資家はEV/EBITDA倍率が低い企業を見つけ出し、適切な投資戦略を立てることが多いことから、TOBの対象となりやすいです。

企業が親子関係にある

企業が親子関係にあると会社がTOBされやすいです。

親子関係の会社は資本的なつながりが強いため、買収のハードルが低くなるからです。

TOBされやすいのに親子関係になるメリットは以下のとおりです。

  • 経営の効率化や意思決定が早い
  • グループ全体でのシナジー効果を高められる
  • 経営資源の最適に配分できる

自社が親子関係にある会社があるのかどうか確認しましょう。

TOBをするだけの資金力がない

TOBを実行するためには十分な資金力が必要なため、TOBされそうな会社は他社を買収する余裕がない場合が多いです。また、資金力のない会社は、株式市場での信用も低いです。

逆に、大手企業や金融機関は、資金力を背景にTOBを実施するケースが多いです。

例えば、ソニーがSFH(ソニーフィナンシャルホールディングス)を完全子会社化するために、豊富な資金を活用して戦略的な買収を進めました。

資金力がある企業は、次のようなメリットがあります。

  • 大規模な買収ができる
  • 株式市場での信用が高い
  • 多額の資金調達が簡単にできる

TOBを実施するための資金力がある企業は、買収の機会を逃さずに活用できるため、TOBを成功させる可能性が高いです。

資金力がない企業は、買収に対する防衛策を検討する必要があります。

TOBとは?

TOB(株式公開買付)とは、企業が市場に出ている株式を公開して買い取ることを指します。

しかし、TOBの目的や種類、実施のルールなど不透明な部分が多いため、下記で詳しく解説します。

TOBの目的

TOBの目的は、会社の経営権を迅速かつ確実に取得することです。

買収側の会社は買収先の会社の経営資源や市場シェアを手に入れられるため、自社の成長戦略を加速させられます。

TOBをする具体的な目的は以下のとおりです。

  • 経営権の確保:経営に対する影響力を強化するため
  • シナジー効果の追求:買収によって事業の統合効果を高めるため
  • 市場シェアの拡大:競合他社を買収して市場での地位を強化するため

具体的なTOBの例でいうと、ソフトバンクはボーダフォン日本法人の株式をTOBで取得し、携帯電話事業への参入を成功させました。

TOBは、経営権の確保やシナジー効果の追求、市場シェアの拡大ができるため、迅速な企業成長が図れるでしょう。

TOBの種類

TOBには、「友好的TOB」「敵対的TOB」の2種類があります。

友好的TOBは、買収対象の企業と事前に合意することで、円満に進められる買収方法です。一方、敵対的TOBは、買収対象企業の同意を得ずに実施されるため、対立が生じることがあります。

それぞれの特徴を以下にまとめます。

種類特徴企業例
友好的TOB
  • 買収対象企業と事前に合意する
  • スムーズな経営統合ができる
  • 株主や従業員の理解を得やすい
  • NTTとNTTドコモ
敵対的TOB
  • 買収対象企業の同意なしに実施する
  • 反発や対抗措置が予想される
  • 迅速な経営権取得が目的とされる
  • 村上ファンドと阪神電鉄

企業の状況や戦略に応じて、適切なTOBの種類を選ぶことが重要です。

TOB実施のルール

TOBを実施するには、いくつかのルールを遵守する必要があります。

TOB実施のルールを守ることで、透明性を確保して投資家の利益を保護する公平な取引が実現されます。

TOB実施のルールは次のとおりです。

  • 事前公告:TOBを開始する前に公告を行い、投資家に通知する
  • 買付期間:買付期間は20営業日以上60営業日以内とする
  • 最低買付株数:買付予定株数の2/3以上の株式を取得することを目指す
  • 決済方法:公開買付者はTOB終了後に確実に代金を支払う

上記の手続きを適切に行うことで、円滑な買収が実現します。

TOBのルールを遵守することは、公正な市場環境を維持するために重要です。

TOB価格よりも株価が上回る理由

TOB価格よりも株価が上回る理由は、いくつかの要因に起因します。

投資家はTOBが発表されると、TOBを利用して利益を得ようとするため、株式の需要が高まり株価が上昇することがよくあります。

TOB価格よりも株価が上回る要因は以下のとおりです。

  • 期待感:投資家はTOB価格以上での買収を期待する
  • 対抗TOB:他の企業が対抗TOBを実施する可能性がある
  • 経営陣の反応:買収対象企業の経営陣がTOBを拒否する

上記の要因を理解することで、TOBに関連する株式市場の動きを把握しやすくなるでしょう。

TOBされそうな会社を狙うメリット・デメリット

TOB(株式公開買付)されそうな会社を狙うことには、メリットとデメリットの両方があります。

メリットとデメリットがあることを理解しておくことで、TOBに対する防衛策を練ることができるでしょう。

下記では、TOBされそうな会社を狙う具体的なメリットとデメリットについて詳しく解説します。

メリット①:買付価格付近で売却できる

TOBされそうな会社を狙う大きなメリットは、買付価格付近で株式を売却できることです。

TOBが発表されると、通常、買付価格は市場価格よりも高めに設定されるため、投資家にとっては株価が上昇し利益を確保しやすくなります。

具体的な例として、ソフトバンクがボーダフォン日本法人を買収した際、TOB価格が市場価格を上回っていたため、多くの株主が利益を得られました。

TOBされそうな会社を狙うことで、投資家は買付価格付近で株式を売却できるため、確実な利益を得ることが可能です。

デメリット①:TOBがされない可能性がある

TOBされそうな会社を狙うデメリットの一つは、TOBが実施されない可能性があることです。

TOBが行われない場合、期待していた株価上昇が実現せずに株価が下落することがあります。

TOBがされない場合は主に次のとおりです。

  • 買収撤回:買収企業が計画を撤回する場合
  • 条件未達成:買付条件が満たされず、TOBが成立しない場合
  • 市場環境の変化:経済状況や市場環境の変動により、買収が見送られる場合

TOBを発表しても買収が成立しないと、株価が元の水準に戻るか、さらに下落する可能性があります。

TOBが実施されないリスクを理解することで、適切な対策を講じましょう。

デメリット②:市場価格より高く買い取らないといけない

TOBされそうな会社を狙うとなると、市場価格より高く買い取らないといけません。

特に、TOBが期待される会社の株価は発表前に上昇することが多いため、市場価格が割高になることが避けられません。

価格に関する主なデメリットは以下のようなものがあります。

  • コスト増加:市場価格よりも高い価格で株を購入する必要があるため、投資コストが増える
  • 利益減少:高値で買った株が思うように値上がりしなかった場合、期待していた利益が減少する
  • 資金拘束:高い価格で株を買うことで、他の投資に回す資金が拘束される

価格のデメリットを回避するためには、以下の対策が有効です。

  • 適切な購入時期の見極め:市場価格が急騰する前に購入する
  • リスク分散:一つの銘柄に集中せず、複数の投資先に分散する
  • 損切りラインの設定:株価が一定以上下落した場合に早期に売却するルールを設ける

市場価格より高く買い取らないといけないことを念頭に置いて、適切な対策を講じることが重要です。

保有している株がTOBされる場合は?

保有している株がTOB(株式公開買付)の対象となった場合、投資家にはいくつかの選択肢があり、どのように対応するかによって得られる利益やリスクが変わります。

下記では、保有している株がTOBされる場合の選択肢について詳しく解説します。

保有する

保有している株がTOBされる場合の選択肢として、株をそのまま保有するやり方があります。

株をそのまま保有すると、TOB後に企業の業績が改善する見込みがある場合、将来的な株価上昇を期待できます。

株をそのまま保有する具体的な理由は以下のとおりです。

  • 長期的な成長期待:TOB後に企業の収益性や市場シェアが向上する
  • 配当収入の確保:配当金を継続して受け取れる
  • 経営改善の期待:新しい経営陣の下で、企業の効率化や改革が進む

一方で、以下のようなリスクも考慮する必要があります。

  • 株価の変動リスク:TOBが失敗した場合や市場環境の悪化により、株価が下落する
  • 機会損失:他の投資機会を逃す

株をそのまま保有する選択は、長期的な視点での成長を期待する場合には有効となるでしょう。

市場売却する

保有している株がTOBされる場合の選択肢として、市場で高値で売却する方法があります。

なぜなら、TOBが発表されると株価が上昇することが多いからです。

他に市場で売却する理由は次のとおりです。

  • 迅速な現金化:株式をすぐに現金化でき、他の投資に資金を回せる
  • リスクの軽減:TOBが失敗するリスクや株価の変動リスクを避けられる

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 将来的な利益の放棄:TOB後に企業の株価がさらに上昇する可能性を逃す
  • 取引コスト:売却に伴う手数料が発生する

投資家は市場の動向を注視し、適切なタイミングで売却することで、利益を最大化させましょう。

TOBに応募する

保有している株がTOBされる場合、TOBに応募する選択肢があります。

TOB価格が市場価格よりも高い場合、事前に提示された価格で確実に株式を売却できるため有利です。

TOBに応募する理由は以下のとおりです。

  • 確実な売却:提示された価格で確実に売却できる
  • プレミアム価格:通常TOB価格は市場価格よりも高く設定されるため、高値で売却できる
  • 手間の軽減:応募手続きのみで済む

TOBに応募することは、投資家にとってリスクを抑えた売却方法です。

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 将来の利益機会の放棄:TOB後に株価がさらに上昇する可能性を逃す
  • 応募手続きの手間:応募手続きに時間や労力がかかる

応募する前には、提示されたTOB価格と市場価格を比較し、最適な選択を行いましょう。

TOBの知識をつけてTOBされそうな会社から脱却しよう!

TOBの知識を身につけることは、企業がTOBの対象となるリスクを回避することにつながります。

TOBされそうな会社には共通する特徴があるため、理解し対策を講じることでTOBのリスクを軽減できます。

共通している特徴は以下のとおりです。

  • EV/EBITDA倍率が低い
  • 企業が親子関係にある
  • TOBをするだけの資金力がない

TOBされるリスクを減らすには、株主価値の増加やグループ全体のシナジー効果の向上、市場でのポジション強化などの対策を講じることが重要です。

TOBの知識を深めて適切な戦略を立てることで、企業は安定した経営を維持し、株主価値を最大化できます。

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