イーロンマスクの宇宙開発事業スペースXは今後株式上場するのか?スペースXとスターリンクの関係って何?宇宙開発事業って何をするの?このような疑問について解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 1 スペースX上場予定があるのかを検証する
- 2 各通信社のスペースXの上場について
- 3 スターリンクの上場
- 4 スペースX自社株式の売却について
- 5 会社分割について
- 6 スペースXという会社
- 7 スペースXはどのような会社なのか?
- 8 スペースXの目的を知る
- 9 資金源となるものはなに?
- 10 スペースXの実績
- 11 スペースXは非公開会社
- 12 公開会社と非公開会社の違い
- 13 非公開会社
- 14 公開会社
- 15 スペースXの企業価値
- 16 企業の評価額
- 17 トランプ政権によるイーロンマスクの影響力
- 18 イーロンマスクが見ている先にあるもの
- 19 地球規模で考える
- 20 楽観主義で行く
- 21 民間宇宙開発事業
- 22 ホリエモンのインターステラ
- 23 株式会社アストロスケール
- 24 スペースXの今度の発展に期待
スペースX上場予定があるのかを検証する
イーロンマスクが宇宙開発事業を展開しているスペースXですが、この会社は非公開会社であり上場はしていません。
評価額は3500億ドル、約53兆円であり世界最大の非上場企業です。
上場すれば株式の購入など、宇宙開発事業に関わることも期待できます。
今後上場の予定があるのかどうかを検証していきます。
各通信社のスペースXの上場について
CNBCのインタビューでスペースXに投資をしている投資会社バロンキャピタルのロナルドバロンは、スターリンクの事業が順調に進んだ段階でIPO株式上場を行うと予測しました。
また宇宙衛星業界のコンサルティング企業ユーロコンサルは、2023年スターリンクの収益はスペースXの収益の40%以上にも相当していると推定しました。
各社通信会社もスペースXの上場については言及せず、スターリンクの株式上場に関してだけ予測しています。
現時点ではスペースXの上場はスターリンクの上場だということができますが、この先スターリンクが上場となればスペースXも上場する可能性はないとはいえません。
スペースXとスターリンクとはどのような事業でしょうか。
スターリンクの上場
スターリンクは、スペースXが手がける衛星通信サービスを提供している事業です。
イーロンマスクは高速インターネットをどこにいても使えるようにとの思いで始めました。
山間部など通信が通ってないところでもインターネットが使えるようにすることで、ウクライナにサービスを提供しました。
スターリンクの事業をスペースXから分割して独立した会社として株式の公開や上場をする予定です。
スペースX自社株式の売却について
スペースXは非上場企業のため、株式を半年ごとに投資家や従業員に売却をしています。
発行済み株式を1株あたり100ドル前後で売却をしているようですが、イーロンマスクは追加資本目的ではなく株式は買い戻すとツイッターで発信しました。
非公開会社のため従業員などの持株を株式公開買付けとして買い取ることで、従業員はその株式の対価を得ることができます。
会社分割について
スペースXはスターリンクを会社分割して上場しようと考えていますが、会社分割とはどういうことを意味するのでしょうか。
例えば一方の会社の財産や事業の全部や一部を別の会社に包括的に承継させて、ひとつの会社として独立させることがあります。
このような場合のことを事業譲渡などと言われますが、事業譲渡と会社分割もまた違ったものになります。
会社分割の場合は必ずしも事業の譲渡ではなく、その事業に関しての権利義務の全部または一部となります。
会社分割によって会社の財産や事業を譲渡した側は消滅するように思えますが、譲渡した会社は消滅することはなくそのまま会社として継続します。
会社分割する側の会社は株式会社または合同会社に限られます。
会社分割をした会社は譲渡された会社から分割の対価を交付され、これは会社分割後も会社分割をした側の株主の地位や責任財産の額に変動はないということを意味します。
分割の対価が譲渡される側の株式である場合、対価として交付された株式の剰余金の配当をすることで対価を取得することもできます。
この場合、会社分割をした側は譲渡された側の株主となることができるということになります。
また雇用契約も分割契約と同時に承継することができます。
会社分割をする側の会社で雇用されていた人たちを譲渡される側の会社で雇用をするということも自由契約で定めることができます。
会社分割をする場合の対価を何にするかとういうのは契約によって定められるので、その柔軟性が認められます。
対価を金銭交付とするのか、株式とするのか、または親会社の株式とするのかなど柔軟性が認められています。
これは会社分割をする側の会社が今ある既存の会社に会社分割をする場合に限られます。
新たに会社を新設して会社分割をする場合には、対価の柔軟性は認められていません。
イーロンマスクはこのスペースXからスターリンクへの会社分割をして、スターリンクを独立した会社として上場しようと考えているようです。
スペースXという会社
イーロンマスクが宇宙開発事業として始めたスペースXという会社はどのような事業を行っているのでしょうか。
スペースXはどのような会社なのか?
スペースXは人類を火星に届けることを目的に2002年に設立されました。
地球を放っておけばいずれ人類が住めなくなる日がくると不安になるよりも、他の惑星と行き来ができるようにすればいいと考えました。
そうなれば人類の可能性が広がるのではないかと考え、人類を火星へ移動させることを目的にロケット開発することになりました。
スペースXの目的を知る
目的は火星に人類を届けることですが、それだけでは収益になりません。
スペースXは宇宙に物資を届けるなどの宇宙ビジネスをしています。
スペースXの特徴としては再利用可能なロケットということです。
日本のJAXAも宇宙に物資を届けたりしていますが、地球に持ち帰ることができません。
それらは全て大気圏に突入するときに燃えてしまうからです。
また地球の周りにはたくさんの衛星機材が飛んでいて、それらを宇宙に届けるためにはロケットに積んで宇宙へ運ぶ必要があります。
そのような気象衛星や通信衛星、軍事的なものまでスペースXは担っています。
スペースXは従来の宇宙ロケットよりも大幅なコストカットにより多くの会社からの注文を受けています。
資金源となるものはなに?
スペースXの収益の40%以上がスターリンクからの売り上げだとコンサル会社はいいました。
イーロンマスクの夢は火星に人類を届けることであり、火星に行くのにはお金がかかります。
しかしこの夢を追うために現実的な事業計画を組み合わせるのがイーロンマスクの考え方です。
このためスペースXには資金源となるものが必要でした。
どのような技術開発を行うのかまたどのように火星を開拓して行くのかなど、技術者を集めて火星開拓検討会を毎週開きました。
各国政府からの衛星を打ち上げるための委託とすることに加えて、火星でもインターネットを使えるようにしようと考えました。
インターネットの市場規模は年間1兆ドルになり、その3%を獲得できれば300億ドルになります。
NASAの予算以上になることを思案して、スターリンクをはじめました。
これがスペースXのロケット作りの資金源となっています。
スペースXの実績
民間企業として初めて有人ロケットを国際宇宙ステーションに到達させました。
再利用可能なロケットを製造したのは、世界で初めてです。
最初のロケットファルコン1の打ち上げを4回目で成功させています。
最初の打ち上げでは準備が整わず、翌日に持ち越しとなりましたが翌日は雨となりました。
また燃料タンクの設定ができておらず、エンジンのシステムにも問題があり打ち上げ中止となりました。
その後の打ち上げでは断熱材がはがれて、エンジンが制御不能となり墜落してしまいました。
改良されたファルコン1はエンジントラブルにより失敗しましたが、このとき高度300kmまで到達しました
イーロンマスクは「今回の結果は失望なんかではない、それどころかとてもハッピーだ」と発言しました。
新たに作られたエンジンを積み込み3度目の挑戦をしましたが、エンジンの切り離しが上手くいかずに失敗しました。
4回目の挑戦で2008年9月に成功させ、「今日は人生最高の日だ」と喜び、「ことわざにもあるように4回目の正直だ」と世間を驚かせました。
この時ロケット打ち上げに費やしたのは100億です。
スペースXは非公開会社
スペースXが上場するかどうか気になるのは、非公開会社であるということが大きな原因だといえます。
非公開会社の場合、会社の状況の把握が外部からは分かりづらくなります。
スペースXが非公開会社であるには、どのような理由があるのでしょうか。
公開会社と非公開会社の違い
株式会社は必ず公開会社にしなければいけないという決まりはありません。
資本金が5億以上の大会社であっても、非公開会社は多くあります。
非公開会社
会社が発行する株式のすべてが譲渡制限株式である場合、非公開会社となります。
スペースXはこの非公開会社に当たるため、株式を上場して一般公開していません。
非公開会社の株式は株主総会の決議を得なければ譲渡することができません。
中小企業などの多くは非公開会社から始まり公開会社となることが多く、資本調達が目的ではなく株主間の人的信頼関係が基盤となっています。
取締役会の設置も必要なく、柔軟な機関設定を行うことができます。
誰が何株所有しているのかを把握できるので、株式の流通を抑えることができます。
取締役の任期を最長10年まで伸ばすことができるため、安定した経営をすることができます。
株式の売却によって資金調達することが限られますが、会社の承認を得られればできます。
公開会社
会社が発行する株式のすべてに譲渡制限が付されていない、またはその一部にしか付されていない場合は公開会社となります。
公開会社は株式を自由に譲渡することができますが、制約が多く誰が何株所有しているかなどの把握するため費用がかかり、また取締役会や監査役会の設置や管理に費用がかかります。
会社の株式を売却して外部から資金を調達することができます。
証券会社に上場している会社は公開会社となります。
スペースXの企業価値
ロケットの製造や宇宙ビジネスを展開するスペースXですが、企業としての価値はどのくらいなのでしょうか。
企業価値とは、事業から創出される価値のことをいいます。
会社の静態的な純資産価値のあるものだけではなく、会社の超過収益力を表すのれんや、貸借対照表に計上されない無形資産や知的財産なども含めた価値のことをいいます。
企業の評価額
ブルームバーグ社によると、企業価値は約3500億ドル約53兆円になると報じられました。
1株あたりの価格は185ドルで、以前の評価額112ドルよりも上がっています。
株式公開している大企業などと肩を並べるくらいの企業価値となりました。
スペースXの企業価値の上昇からモルガン・スタンレーは保有株を所有して売却したくない従業員向けに特別融資プログラムを開始しました。
このプログラムに参加するには50万ドルほどのスペースXの株式を保有していることが条件となります。
この企業価値の上昇により、より多くの従業員が対象となります。
トランプ政権によるイーロンマスクの影響力
トランプ政権において政府効率化省を新設し、トップをイーロンマスクにすると発表しました。
イーロンマスクは大統領選でトランプ政権に巨額の献金をしました。
この取り組みは政府の官僚主義を廃止し、過度な規制を削減して無駄な支出を減らすことで連邦政府機関を再構築するものです。
イーロンマスクはツイッターを買収後、大胆なリストラを行うなど実績があります。
政府外からの助言や指導を行い行政管理予算局を通じて大規模な構造改革を実施することを目的として、政府の諮問機関のような役割を果たすと予想されています。
イーロンマスクに対して利益相反行為にならないように、規制の適用を回避したものだといえます。
スペースXは行政からの委託事業も多く、政府効率化省のトップとして行政との関わりがあるとなればイーロンマスクの影響は今後も益々大きくなるといえます。
イーロンマスクが見ている先にあるもの
イーロンマスクが展開するのは1つの企業だけではありません。
業種の違う企業を展開するのはどうしてなのでしょうか。
地球規模で考える
スペースXは火星に人類を届けるために、ロケット開発へと乗り出した民間企業です。
地球が住めなくなったとき、もうひとつの惑星があれば人類が生き延びることができるのではないかと考えました。
また他にもテスラという電気自動車の開発もしています。
再生可能エネルギーを使うように推し進めるなど、環境に対して対策を取ることを重要だとしています。
人類が火星に住むこと、これがイーロンマスクが目指しているところです。
スペースXの公開株式買付を行った後でも株式は回収すると発言していることから、イーロンマスクの目的は資本を集めることではありません。
世界の億万長者としてランキングされるような実績のある起業家なので資本が目的ではないというのは納得できます。
しかしイーロンマスクも全てが順調だったわけではありません。
楽観主義で行く
ロケット第一号のファルコンも何度も打ち上げをして失敗を繰り返し挑戦してきました。
しかし、失敗してもそれはイーロンマスクにとって失敗ではありません。
その失敗は成功するための材料になるのです。
繰り返し挑戦し、何億ものお金を使って実践しています。
スペースXにおいても、地球が住めなければ火星に行けばいいという発想が先にあります。
できないことはできるようにすればいい、そのような考え方の人だから実現できたのでしょうか。
民間宇宙開発事業
イーロンマスクのスペースXが展開する宇宙開発事業について解説してきました。
日本にも宇宙開発に向けて取り組んでいる会社があります。
ホリエモンのインターステラ
ホリエモンとして有名な堀江貴文さんが手がけるインターステラテクノロジズ株式会社という企業があります。
堀江さんは昔から宇宙に興味がありました。
ある時アニメ制作会社のガイナックスから1人乗り用の宇宙船を作ってくれないかと声がかかりました。
ガイナックスの言っていることを実現するにはロケットエンジンが必要だと思い、ロシアのエンジンを製造しているメーカーに問い合わせました。
しかしエンジンだけは売ってはもらえませんでした。
イーロンマスクも事業を展開する前にロシアにロケットを買いに行っていますが、交渉価格が高すぎて買いませんでした。
ロケットエンジンの技術は宇宙開発事業を行うにあたって自分たちで持っておかなければならないと考えました。
そこから堀江さんはエンジン開発に挑戦することになります。
最初は小さなお風呂場からの実験でしたが、今では北海道にある大きな会社です。
宇宙には惑星がたくさんあって、そこには生命体がいる。
行ってみたい、見てみたい、もっと遠くへ行ってみたいそのような思いから始まっているようです。
インターステラは自社でロケットの開発や製造を行っており、地球から宇宙への輸送サービスを展開していきます。
株式会社アストロスケール
日本の東京に本社を置く、株式会社アストロスケールホールディングスは、宇宙ゴミの除去を行っています。
アストロスケールの宇宙機は、JAXAなどに採用されています。
日本の他にも米国、英国、フランス、などグローバル展開をしています。
文部省は宇宙ゴミの除去支援に追加支援として63億1000万円を追加します。
23年9月アストロスケールを補助事業に採択しました。
スペースXの今度の発展に期待
このように宇宙開発事業は、さまざまな分野があることがわかりました。
スペースXの目標は火星に住むことです。
火星での生活はどうするのかなど他にも問題があるようですが、地球に住めなくなることが実際に起きたとき私たちはどこへ行くのでしょうか。
スペースXや日本の宇宙開発企業のような存在がなければ、次の選択肢を選ぶことすらもできないということです。
これだけ残された課題が多いということは、スペースXが衛星通信事業のスターリンクを独立させて、非公開会社である理由は他にもあるかもしれません。
地球と宇宙を行き来する、または宇宙に住むことは人類の可能性が広がります。
火星に住めるように宇宙を整えてくれることを今後のスペースXに期待します。
M&AアドバイザリーとしてM&Aに関連する一連のアドバイスと契約成立までの取りまとめ役を担っている「株式会社パラダイムシフト」は、2011年の設立以来豊富な知識や経験のもとIT領域に力を入れ、経営に関するサポートやアドバイスを実施しています。
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