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会社を売る方法とは?相場やメリットやデメリットを解説!

会社を売ることは、第三者に会社を譲り渡す行為です。創業者や経営者にとって、今まで大切に育ててきた会社を手放す大きな決断と言えるでしょう。

会社を売るには、経営者・会社・従業員それぞれにメリットやデメリットが生じますが、実際にどのようなことが起こるのでしょうか?それらを理解することで、M&Aによる会社売却が成功しやすくなるでしょう。

今回の記事では、会社を売ることに焦点を当て、ポイントやメリット・デメリットとM&Aで会社を売るための方法や必要な書類について解説します。会社を売る際の費用相場についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

会社を売る方法とは?

会社を売ることは、会社を第三者に譲り渡す売り渡す行為です。

会社を売るときの主な方法は、会社全体を売却する株式譲渡と、特定の事業を売却する事業譲渡があります。他にも、MBOと呼ばれる、親族や従業員に会社を売却するマネジメントバイアウトや、他社との合併や吸収の方法もあります。

会社を売ることは大きなメリットがありますが、デメリットがあるのも事実です。また、経営陣が変わることで、従業員にも影響を及ぼすでしょう。

具体的にどのような影響があるのでしょうか?次の項で詳しく見ていきましょう。

会社を売る理由とは?メリットについて解説!

経営者が会社を売る理由は、6つのメリットがあるからと考えられます。ここでは、会社を売るメリットについて売り手企業の目線で詳しく紹介します。

会社の名前を残し引き継げる

第三者に会社を譲る際は、会社の名前を残して事業を引き継ぎます。

今まで努力して存続させた会社を第三者に手渡すのは、寂しいかもしれません。しかし、名前を残すことで、これからも会社を存続させられます。

株主が売却利益を得られる

第三者が自社を評価してくれた場合、株式を買い取ってもらう形で、会社を売渡します。

株主や創業者は、株式の売却利益を受け取れます。売却益は退職金として受け取り、肩の荷を下ろしたセカンドライフを送れるでしょう。

今まで使っていた物件や機械もそのまま引き渡せるため、廃棄費用などもかからず、廃業して精算する費用も節約できます。

会社を倒産させないで済む

株式譲渡で会社を譲るときには、株式と合わせて負債も引き継ぐ形になります。

事業譲渡では、現金化できる事業を選び、譲渡することで、現金収入を得て、負債を返済できます。

財政難で倒産や廃業の危機にあっても、会社を売ることを選ぶと、倒産を防ぐことにつながるでしょう。

個人保証を解除できる

個人保証とは、担保や信用力が不十分な際に、個人が保証人となる制度です。企業が借り入れをする場合には、創業者が保証人となるケースが多くあります。

会社を売ると、条件により個人保証を一定期間解除できます。M&Aの契約内容によっては、買い手企業が連帯保証を引き継ぐため、売り手企業の代表者は個人保証を解除されます。

出典:経営者保証に関するガイドライン|中小企業庁

時間の余裕ができる

会社を売り、引退すると、時間に余裕ができます。

経営者の方の中には、今まで仕事一筋で来られた方も多いと思います。会社を売ることは、家族との時間や、自分自身のために自由な時間を使う良い機会となるでしょう。

従業員にキャリアアップの機会を与えられる

自社を廃業させると従業員は職を失いますが、会社を売った場合には、務めている従業員は買収先企業の従業員となります。

他社に会社を売ることは、従業員の雇用を守ることになり、従業員は今までとほぼ変わらない雇用形態で働けるため、大きな安心感を与えられるでしょう。

買収されたあとの会社は、基本的に大きくなり成長していくため、従業員のスキルアップキャリアアップにつながる可能性が高まります。

福利厚生も充実するため、従業員にとっては、嬉しい選択となるでしょう。

会社を売るデメリット

会社を売ることは多くのメリットがある反面、デメリットもあります。一つずつ詳しくみていきましょう。

同一のビジネスを一定期間できなくなる

事業譲渡には、会社法21条の競業避止義務で、20年間は譲渡した同一の事業をしてはいけない規定があります。

M&A取引でも、買い手企業との取り決めで、競合になる事業をしないように定められるケースもあります。

出典:競業避止義務契約の有効性について|経済産業省

会社を売った後も一定期間拘束される

会社を売った後、買い手企業は、取引先や従業員と再契約します。このとき、売り手企業の創業者からの引き継ぎや協力が必要です。

その他、業務の引き継ぎなどもあり、会社を売ってからも一定期間、会社に残り拘束されます。

長いときには、数年間の時間が必要な場合もあります。

会社を売った喪失感がある

今まで手塩に掛けて育てた会社を売ると、経営者が抱く喪失感は決して小さなものではありません。

特に、引き継ぎ後に会社を去るのは、大きな喪失感があり、人生のやりがいをなくしてしまう経営者もたくさんいます。

会社を売ったあとに何をするのか、予め考えておくと、人生の次のステップへスムーズに進めるでしょう。

買い手企業と揉めてしまう可能性がある

会社を売る際には、買い手企業と売手企業、2つの文化の違う会社が1つの会社となるため、リスクがないとは言い切れません。買い手企業とうまくコミュニケーションが取れずに、揉めてしまう可能性もあります。

契約した内容と解釈が異なっていたなどで、M&A実行後にトラブルになる事例もあり、これらを防ぐためには、契約前に双方で入念に話し合う必要があるでしょう。

従業員のモチベーションを低下させる恐れがある

業務内容の変更や組織変更で、従業員には少なからず、負担をかけてしまいます。買収先の企業の社風や人間関係などで、就業意欲がなくなってしまうことも考えられるでしょう。

会社を売るには、従業員のモチベーションを上げる事例も多くありますが、低下させてしまう可能性もあります。

そのため、会社売る際は、従業員に丁寧に説明して、売却後にメンタル面を配慮することが大切です。

会社を売ると社員はどうなるのか?

会社を売るときに一番気になるのは、会社に残る社員の事ではないでしょうか。会社を売り社員の雇用が維持される場合と、リストラされる場合についてそれぞれ把握しましょう。

社員の雇用は維持される場合が多い

会社を売ったとしても多くの場合、社員の雇用は維持されます。理由は以下の通りです。

  • 買い手企業が人材確保を理由に会社を買収することが多いため
  • 会社を売ったあとも従業員の雇用契約は維持されることが多く、簡単にリストラできない

さらに、会社を売る際の条件に従業員の雇用維持を入れることで、それを前提で売却を進めていくことができ、会社を売ったあとも買い手企業は従業員の流出を防ぐための対策をしてくれるでしょう。

社員がリストラされるケースもある

しかし、中には、会社を売ったあとに社員がリストラされてしまうケースもあります。例えば、買収後に経営が悪化してしまう点です。この場合、人員削減が必要になったりリストラされてしまいます。

もう一つは、買収後の新しい会社で、人間関係が上手くいかなかったり、会社の制度ややり方順応できない場合などがあります。この場合、法律上の解雇が難しいため、自主退職を進められたり、降格などで待遇を悪化させたりして、遠回しにリストラにさせようとするケースが多くなります。

会社を売る際の費用相場

会社を売ることはメリットが多くありますが、費用相場はどのくらいなのでしょうか?会社の売却額は、買い手企業が算出した評価から、双方の話し合いで決定します。

売却額を算出するには様々な方法がありますが、大まかな相場を知りたいときには、貸借対照表に記載されている、現在保有する純資産の金額が相場になるため、確認してみましょう。

実際は、純資産に加え、会社の将来性や保有資産を含め、決められた計算方法で算出します。正確な費用相場を知りたいときには、専門家への依頼をおすすめします。

会社を売るポイント

この項では、会社を売るポイントについて解説します。売却先を探す前にポイントを理解すると、より良い買い手と出会える・高価な額で会社を売れるなどのメリットがあります。

一つずつ詳しく見ていきましょう。

ポイント1:会社を売る目的を明確化する

まずは、会社をどのように売るのかを明確にしましょう。

例えば、自社の技術やサービスを残して売りたいなら、条件を限定し、その希望を叶えてくれる買い手を根気強く探す必要があります。

信頼できる企業や人に自社を託したいなら、多くの売却先候補と面談を重ねて、良い先を見つける必要があります。そのためには、紹介先をたくさん持っているM&A仲介業者に依頼するなどの方法を検討します。

このように、会社を売る目的により、買い手の探し方が異なるため、行動する前に今一度目的を明確にすることをおすすめします。

ポイント2:的確な時期に会社を売る

会社の売却額は、売手企業と買い手企業が協議を重ねて決定します。

そのため、今後の成長率が低い企業や、すでに成長期を終えた企業は、買い手企業にとって魅力が低くなり、低い金額を提示される、もしくは買い手が見つからないこともあります。

会社を一番高い値段で売却できるのは、事業が好調なときです。良い金額で売却したい場合は、会社が成長中であり、事業が好調なときに狙いを定めて決断することが重要です。

会社の業績がこれ以上悪くなる前に、タイミングを見計らい会社を売るという選択肢もあります。

会社の業績は、経営者の努力だけでどうにかなるものではありません。法改正や天災など、予期せぬ出来事で一気に業績不振になる恐れもあります。

後悔しないためにも、会社を売る時期を逃さず的確に決定しましょう。

ポイント3:自社分析を怠らない

より良い結果で会社を売るためには、自社を徹底的に分析して、客観的な弱みと強みを把握し、捉え直しましょう。

競合他社よりも優れている強みや保持している経営資源、成長性や利益を取れる高い技術など、ニーズのある経営資源は、自社のアピールポイントとなります。

自社の特徴を整理し、明確に把握すると、買い手企業に自社を強くアピールできます。

ポイント4:アーンアウト条項を作る

アーンアウト条項とは、M&Aの実行後、買い手企業が売り手企業の経営者に、取得対価として予め決めておいた額を支払っていく仕組みです。

取得対価は一定期間内で、売却した企業や事業の目標が達成されるごとに支払われます。

売却後も経営に協力するなどの条件を提示される場合もありますが、より良い形で会社を売却するための選択肢として考えられるでしょう。

関連記事:アーンアウトとは?M&Aにおける売り手側のメリット・デメリットを解説

ポイント5:買い手を見極める

買い手を見極めるのも、会社を売ることを成功させる大切なポイントです。

経営者の考え方や企業の経営理念、企業文化や業界内での評判を調べてみると良いでしょう。

その上で、M&A後の方針や自社との相性はどうか、シナジー効果が十分に発揮できるかなどを見極めましょう。

シナジー効果は、売り手企業・買い手企業双方共に重要なポイントになります。自社が合併・吸収されたあとに、自社単独だけではなし得なかった何かを得られるでしょうか?

十分に検討してみましょう。

ポイント6:信頼できる仲介業者を見つける

会社を売る実務は多岐に渡り、法律会計などの専門的な知識を必要とします。自分の力だけで実行するのは難しく、M&Aの仲介業者などに依頼するのが一般的です。

業者により、サービス内容や価格が異なりますが、自社の事業内容と相性が良く、信頼できる仲介業者を見つけるのが大切です。

会社を売るときに必要な書類

実際に会社を得るときには、どのような書類が必要なのでしょうか。

基本的に必要な書類をこの章で紹介しますが、会社の状況やスキームにより異なることもあります。それ以外の書類については専門家の指示に従うようにしましょう。

譲渡関係の書類

メインとなるのは、株式の譲渡関係の書類です。

  • 株式譲渡契約書
  • 株式譲渡承認請求書
  • 株式譲渡承認通知書
  • 株式名義書換請求書
  • 株主名簿
  • 株主名義記載事項証明書

株式が上場している上場会社の場合は、株式譲渡契約書が主な書類となりますが、未上場株式の場合にはそれ以下の書類が必要になります。

譲渡の承認関係の書類

会社を売る際には、取締役会や株主総会で譲渡の承認を得ます。どちらで承認を得るかにより、必要な書類が異なります。

株主総会で承認を得る場合には、「株主総会の招集通知」と「株主総会議事録等」が必要です。取締役会で承認を得るときには「取締役会議事録等」を用意します。

デューデリジェンス関係の書類

買い手がデューデリジェンスを実施する際には、合わせて以下の書類も必要です。

  • 登記簿謄本
  • 定款
  • 会計書類

デューデリジェンスのスキームに入った際に、すぐに提出できるよう準備をしておきましょう。

M&Aで会社を売るまでの流れ

次にM&Aで会社を得るまでの流れを見てみましょう。

M&Aの専門企業と契約する

まずは、M&Aの専門企業と契約します。専門企業では、これまでの経験や知識を生かして自社では見つけられない買い手を紹介してもらえたり、買い手企業との面談や交渉に同行したりしてくれます。

M&Aの専門企業には、アドバイザリー会社仲介業者の2種類があります。

アドバイザリー会社は税務や法務など、M&Aにおける専門的なことを相談できます。さらに、資金調達や今後のスケジュールなど様々なことを相談できる特徴があります。

依頼者の利益を最大限に考慮し、M&Aを実施する前にどうすれば良いか相談できる点が大きな特徴です。

仲介業者は、売り手企業と買い手企業、双方と契約を結び、報酬も双方から入ります。買い手企業と売り手企業、それぞれの立場に立ち、妥協点を見つけていくため、短期間での成立を目指せます。そのため、M&Aの売買に関する情報を多く持ち合わせています。

どちらの会社のほうが自社にあっているのか、気になった会社と面談し、決めてみることをおすすめします。

事前調査の実施

事前調査とは契約したM&Aの専門企業による調査です。この調査の目的は、会社の情報を整理することと、より高い売却額で会社を売るためにできることがないかどうかを見つけることです。

希望売却額や、売却までの期間に希望がある場合にはこのときに伝えるようにします。

買い手を探す

次に買い手企業の抽出と選定に入ります。候補先を10社ほどにしぼりリスト化します。その企業へM&Aを打診し、売却の関心の有無を確認します。興味のある買い手企業の候補には、守秘義務契約を締結した上で、売り手企業の社名が公開されます。

買い手と交渉する

買収に興味のある企業は、意向表明書を提出します。その中から買い手企業の交渉相手を選び、交渉をすすめていきます。

多くの場合、一社と独占的に交渉します。売り手企業は、交渉を始めた買い手企業からデューデリジェンスを受けることとなります。

デューデリジェンスとは、対象となる企業の財務状況や価値、リスクを調査することです。ここで、買い手企業の候補は、売り手企業にリスクや問題がないかなどを確認して、交渉をすすめていきます。

売買契約を結ぶ

デューデリジェンスが終了し、交渉をすすめます。交渉はお互いのM&A専門企業同士が実施したり、双方のトップ同士の面談などを得て進められます。

双方が売却額に同意したところで株式の売買契約を結びます。

会社を売る場合はM&Aの専門企業に依頼しよう

会社を売るのは、決断する経営者だけでなく、従業員やその家族の生活をも左右する大きな決断です。正しい知識を身に着けて決断に踏み切る必要があります。

M&Aは専門的な知識や経験により結果が変わります。よりよい結果で会社を売却するためにはM&Aの専門企業へ依頼しましょう。

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