- なぜアクセンチュアはALBERTを買収したのか?
- アクセンチュアはどんな会社なのか?
- アクセンチュアはどんな会社を買収してきたのか?
世界最大級の総合コンサルティングファーム「アクセンチュア」は、2005年に設立された日本の情報技術企業「ALBERT(アルベルト)」を550億円で買収したことを2022年11月15日に発表しました。
当時のアクセンチュアが、日本のスタートアップ企業を買収した金額として過去最大です。
ここで疑問なのが、なぜ世界のアクセンチュアが当時最大の買収金額を払ってでも小さい島国のスタートアップ企業を買収したのでしょうか。
そこには”ある狙い”があったのです。
この記事では、アクセンチュアの買収についてもっと知りたい事業を営んでいる方のために、M&Aアドバイザリーとして日本を代表する企業やベンチャー企業にM&Aに関連する一連のアドバイスと契約成立までの取りまとめ役を担ってきた「株式会社パラダイムシフト」が、アクセンチュアがALBERTを買収した狙いやアクセンチュアについて、アクセンチュアの買収企業一覧などを解説します。
具体的には、
- アクセンチュアはAI企業ALBERT(アルベルト)を買収
- アクセンチュアがALBERTを買収した狙いは「AI事業の強化」
- アクセンチュアは人々と企業の進化を促す会社
- アクセンチュアの買収企業一覧と概要
を解説します。
この記事を読むことで、アクセンチュアとALBERTの買収話が把握でき、世界的企業がどのような方針をとっているのかが分かります。
目次
アクセンチュアはAI企業ALBERT(アルベルト)を買収
アクセンチュアは2022年11月15日に、日本のAI企業「ALBERT(アルベルト)」を買収したことを発表しました。
買収額は550億円で、アクセンチュアによる日本のスタートアップ企業の買収としては過去最大となりました。
ALBERTは、2005年に設立されたAI技術ベンチャー企業です。
ビッグデータの解析やAIアルゴリズムの開発、AI活用コンサルティングなどを手掛けており、トヨタ自動車や東京海上日動火災保険など多くの大手企業にサービスを提供しています。
アクセンチュアは今回の買収により、AI技術やデータサイエンスの分野における競争力を強化しました。
ALBERTが持つ顧客基盤や人材にもアクセスできるようになり、事業拡大につなげることが期待されます。
アクセンチュアは、今後もAIやデータサイエンスの分野に積極的に投資していく方針で、今回の買収はその一環と位置づけられています。
アクセンチュアがALBERTを買収した狙いは「AI事業の強化」
アクセンチュアがALBERTを買収した狙いは、AI事業の強化です。
ALBERTは、AI技術の開発やAI活用コンサルティングを得意とする企業です。
アクセンチュアはALBERTの技術や人材を活用することでAI事業を強化し、顧客への提供価値を高めることを目指しています。
アクセンチュアがALBERTを買収することで期待される効果は以下の通りです。
- AI技術やデータサイエンスの分野における競争力の強化
- ALBERTが持つ顧客基盤や人材へのアクセス
- AI事業の拡大
アクセンチュアは人々と企業の進化を促す会社
AI事業を強化したいアクセンチュアはどのような会社なのでしょうか。
アクセンチュアの会社概要や事業内容、企業理念、最新業績と業績予想を解説します。
会社概要
アクセンチュアの会社概要は以下の通りです。
会社名 | アクセンチュア |
本社所在地 | アイルランド・ダブリン |
創業 | 1953年 |
設立 | 1989年 |
従業員数 | 738,000人(2022年8月時点) |
売上高 | 616億米ドル(2022年8月時点) |
主要拠点 | 49カ国 200都市以上 |
主要顧客 | フォーチュン500社のうち89社、同500社の3/4以上の企業 |
主要な受賞歴 |
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事業内容
アクセンチュアの事業内容は以下の通りです。
事業領域 | 概要 |
ストラテジー&コンサルティング | 戦略策定、経営改革、事業開発などのコンサルティングサービスを提供する。 |
テクノロジー | システム開発、インフラ構築、アプリケーション開発などのテクノロジーサービスを提供する。 |
オペレーションズ | 業務プロセスの改善、アウトソーシング、コスト削減などのオペレーションズサービスを提供する。 |
インダストリーX | 製造業、流通業、ヘルスケアなどの業界に特化したコンサルティング、テクノロジー、オペレーションズサービスを提供する。 |
アクセンチュア・ソング | デジタルマーケティング、クリエイティブ、メディアなどのサービスを提供する。 |
アクセンチュアは、これらの領域を組み合わせて、顧客のビジネス変革を支援しています。
企業理念
アクセンチュアの企業理念は以下の通りです。
テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ未来を実現すること。 |
アクセンチュアの企業理念は、アクセンチュアがテクノロジーだけでなく、人間の創意工夫も重視していることを意味しています。
アクセンチュアは、テクノロジーと人間の力を組み合わせることで、顧客のビジネス変革を支援しています。
最新業績と業績予想
アクセンチュアの2022年12月期決算(最新決算)は以下の通りです。
売上高 | 616億米ドル(8兆3618億9200万円) | 前期比7.3%増 |
営業利益 | 136億米ドル(1兆8461億3200万円) | 前期比12.0%増 |
純利益 | 112億米ドル(1兆5203億4400万円) | 前期比10.9%増 |
アクセンチュアの業績好調は、デジタルトランスフォーメーション、AI、データサイエンス、クラウドコンピューティングなどの分野への投資が奏功したことが要因です。
アクセンチュアの2023年3月期業績予想は以下の通りです。
売上高 | 650億米ドル(8兆8234億2500万円) | 前期比6.8%増 |
営業利益 | 140億米ドル(1兆9004億3000万円) | 前期比9.5%増 |
純利益 | 115億米ドル(1兆5610億6750万円) | 前期比8.3%増 |
ただし、業績予想はあくまで予想です。
世界経済の成長鈍化や地政学的リスク、為替変動などのリスクにさらされる可能性は十分あります。
アクセンチュアはこれらのリスクを管理し、業績予想を達成していくことが課題となります。
アクセンチュアの買収企業一覧と概要
アクセンチュアがこれまで買収した企業一覧の一例と概要は以下の通りです。
買収企業名 | 概要 |
Blue Wolf | セキュリティサービスのポートフォリオを強化 |
Clearswift | 情報セキュリティサービスのポートフォリオを強化 |
Cognizant | ITサービスのポートフォリオを強化し、アジア太平洋地域での事業を拡大 |
Everis | ITサービスのポートフォリオを強化し、南アメリカでの事業を拡大 |
Fjord | デザイン思考とサービスデザインの能力を強化 |
IDOM | エンジニアリング、設計、建設サービスのポートフォリオを強化 |
KANA Software | カスタマーサービスサービスのポートフォリオを強化 |
LiquidHub | デジタルマーケティング、クリエイティブ、メディアサービスのポートフォリオを強化 |
Logica | ITサービスのポートフォリオを強化し、ヨーロッパでの事業を拡大 |
Modis | エンジニアリング、科学、テクノロジーサービスのポートフォリオを強化 |
NorthgateArinso | コールセンターサービスのポートフォリオを強化 |
アクセンチュアはこれまでに1,000社以上の企業を買収してきました。
これらの買収によりアクセンチュアは、事業を拡大し顧客基盤を拡大できます。
アクセンチュアは今後も積極的に買収を行い、事業拡大を図っていく方針です。
まとめ:アクセンチュアがDXコンサルの存在感増す!買収で手に入れた2つの成長材料
新型コロナウイルス流行を機にあらゆる業界でデジタル化の波が押し寄せたことで、デジタル化に取り組む企業が急増しました。
アクセンチュアは、企業のデジタル化のニーズをくみ取るかたちでALBERTなどデジタルに強みを持った企業とM&Aすることで「DXコンサル」としての存在感も強めています。
具体的には関西電力と「K4 Digital(ケイフォー デジタル)」設立や資生堂と「資生堂インタラクティブビューティー」、味の素と「味の素デジタルビジネスパートナー」など、大企業と合弁会社を立ち上げてデジタル化を支援しています。
デジタルマーケティングやデジタル化のコンサルをするにあたり、デジタルの知識やノウハウを持っている人材は必要不可欠なのです。
アクセンチュアがALBERTを買収したのも、統計学や金融工学、宇宙物理学などのデータサイエンティスト、人工知能(AI)関連領域の専門性を持つ人材を獲得するためです。
さらに、異なる事業を展開する会社を買収することで、企業から受注するコンサルメニューを増やすことができます。
今回のアクセンチュアの買収話だけではなく、M&Aは強化したい事業の人材を獲得でき展開するサービスを増やすこともできる、一石二鳥の成長戦略です。
M&AアドバイザリーとしてM&Aに関連する一連のアドバイスと契約成立までの取りまとめ役を担っている「株式会社パラダイムシフト」は、2011年の設立以来豊富な知識や経験のもとIT領域に力を入れ、経営に関するサポートやアドバイスを実施しています。
パラダイムシフトが選ばれる4つの特徴
- IT領域に特化したM&Aアドバイザリー
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