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株式譲渡契約書に印紙は必要?金額や注意点、割印の押し方を解説

株式譲渡契約書に印紙が必要かどうか、またその金額について疑問を持つ方も多いでしょう。

株式譲渡を検討している会社は、印紙の取り扱いを把握することは重要です。

本記事では、株式譲渡契約書における印紙の基本的な要件や金額、注意点について解説します。

個人間での譲渡や電子契約といった具体的なケースにおける印紙税の取り扱いなど、よくある疑問点もQ&A形式で紹介します。

円滑な株式譲渡手続きを進めるためにも、ぜひ本記事で必要な情報を正確に理解していただければ幸いです。

株式譲渡契約書とは?

株式譲渡契約書とは、株式の売買や譲渡に関する条件を定めた法的な文書で、株式の所有権を一方から他方に移転することを正式に確認するための契約です。

株式譲渡に関する詳細な内容を記載し、譲渡当事者間の合意を証明する役割を果たします。

株式譲渡契約書に記載される主な内容は以下のとおりです。

  • 譲渡対象となる株式の詳細:譲渡する株式の種類や株数、譲渡先の株主情報(譲渡人と譲受人)、譲渡価格など
  • 譲渡条件:譲渡価格の支払い方法や譲渡に付随する条件(支払い期限、分割払いの有無など)
  • 保証事項:株式の譲渡に際しての保証事項(譲渡する株式に負債や制約がないことの確認など)
  • 譲渡の実行方法:株式の引き渡し時期や方法、譲渡の効力発生日など
  • 契約の解除や違反に対する対応:万が一契約が守られない場合の対応策や契約解除の条件

株式譲渡契約書を作成することで、取引が正式に記録として残り、今後のトラブルを避けるための法的な証拠となります。

株式譲渡契約書に印紙は必要?

株式譲渡契約書には、原則として印紙は必要ありません。

印紙税法で定められた課税対象の文書には印紙を貼ることが義務付けられていましたが、1989年4月以降、株式譲渡契約書は印紙税が不要な書類となりました。

原則として印紙税は不要ですが、例外的に必要となるケースも存在します。

株式譲渡契約書が、印紙税法上の課税文書に該当する内容を含んでいる場合です。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • 金銭消費貸借契約と一体になっている場合:株式譲渡と同時に金銭の貸し借りが発生する場合、その部分に対して印紙税が課税される可能性がある
  • 不動産の譲渡に関する契約と一体になっている場合:株式譲渡と同時に不動産の譲渡も行う場合、不動産譲渡に関する部分に対して印紙税が課税される可能性がある

株式譲渡契約書に他の課税文書に該当する内容が含まれている場合は、税務の専門家である税理士に相談し、印紙税の要否を確認することをおすすめします。

株式譲渡契約書に貼る印紙の金額

株式譲渡契約書に貼る印紙の金額は、譲渡する株式の売買金額によって決まります。

印紙税は譲渡金額に基づいて計算されるため、契約書に記載された譲渡額が大きければ、その分印紙税額も高くなるため注意が必要です。

受取金額に応じた印紙税額は以下のとおりです。

記載された受取金額印紙税額
5万円未満非課税
5万円以上 100万円以下200円
100万円超 200万円以下400円
200万円超 300万円以下600円
300万円超 500万円以下1,000円
500万円超 1,000万円以下2,000円
1,000万円超 2,000万円以下4,000円
2,000万円超 3,000万円以下6,000円
3,000万円超 5,000万円以下1万円
5,000万円超 1億円以下2万円
1億円超 2億円以下4万円
2億円超 3億円以下6万円
3億円超 5億円以下10万円
5億円超 10億円以下15万円
10億円を超えるもの20万円
受取金額の記載のないもの200円

参照:印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁

株式譲渡契約書作成に関する印紙の貼り方・割印の押し方

株式譲渡契約書を作成に関する、印紙の貼り方と割印の押し方の具体的な注意点を解説します。

法的効力を確保するために必要不可欠な手順であるため、正確に行いましょう。

印紙の正しい貼り方

印紙は、契約書の所定の場所に貼り付けます。

契約書の表紙または冒頭部分に、印紙を貼るためのスペースが設けられているのが一般的です。

場所が指定されていない場合は、契約書の右上部に貼りましょう。

印紙の向きに特に決まりはありませんが、通常は印紙の額面が読めるように、正立させて貼ります。

丁寧に、まっすぐ貼り付けるように心がけましょう。

割印の正しい押し方

株式譲渡契約書では、印紙の貼付とともに割印も必要です。

割印は、印紙が再利用されるのを防ぐために、印紙と契約書の両方にかかるように押印します。

割印は契約当事者全員が、それぞれの印鑑で行うのが原則です。

割印に使用する印鑑は、実印である必要はありません。

認印でも構いませんが、シャチハタなどのスタンプ印は使用できません。

契約書に押印した印鑑と同じものを使用するのが一般的です。

株式譲渡手続きを行う際に必要な書類

株式譲渡手続きを行う際には、いくつかの重要な書類が必要です。

具体的な書類について説明します。

株式譲渡契約書

株式譲渡契約書は、売り手と買い手が合意した内容を記録し、法的な効力を持つ重要な文書です。

契約書には、譲渡する株式数や譲渡価格、譲渡日、その他の条件などが詳細に記載されます。

譲渡の意思表示が明記され、双方が署名・押印をすることで正式に契約が成立します。

譲渡後にトラブルを防ぎ、後々の証拠としても機能するため、契約書は2部作成して双方がそれぞれ1部を保管しましょう。

株券(株式証書)

株券または株式証書は、株主が所有している株式を証明するための書類です。

対象の会社が株券を発行している場合、株式の譲渡はその株券を譲渡人が譲受人に引き渡すことによって効力が生じます(会社法137条)。

株券は譲渡される株式の所有権を証明するものであり、譲渡手続きにおいて重要な役割を果たします。

株主名簿の変更届出書

株式の譲渡が行われただけでは、会社の株主名簿上の名義は変わりません。

新しい株主(譲受人)が会社に対して、株主名簿の名義を自分に書き換えるよう請求するための書類が必要です。

会社または名義書換代理人が株主名簿の記載を変更します。

請求書は会社所定の書式がある場合が多いです。

印鑑証明書(譲渡人・譲受人のもの)

株式譲渡には、譲渡人と譲受人の印鑑証明書が必要です。

株主名簿名義書換請求書や株式譲渡契約書に押印された印影が、本人のものであることを証明するために必要となります。

通常、発行から3ヶ月以内に発行されたものが有効です。

株式譲渡契約書の印紙に関するQ&A

株式譲渡契約書の印紙に関するよくある質問にお答えします。

株式譲渡契約書に印紙を貼り忘れた場合はどうすれば良いですか?

株式譲渡契約書に印紙を貼り忘れた場合、本来納付すべき印紙税額に加え、過怠税が徴収される可能性があります。

税務署の調査で指摘を受ける前に、自主的に税務署に申告し、不足分の印紙税と過怠税を納付しましょう。

過怠税の額は、本来納付すべき印紙税額の3倍相当ですが、自主的に申告した場合は軽減されることがあります。

意図的に印紙税を脱税したと判断された場合は、さらに重い罰則が科される可能性があるため、速やかに対応しましょう。

電子契約の場合、印紙は必要ですか?

電子契約の場合、原則として印紙税は不要です。

印紙税は紙の文書に課税される税金であるため、電子的に作成・締結された契約書には課税されません。

ただし、契約内容を印刷して紙の文書として保管する場合、その文書に印紙税が課税されるかどうかは契約内容によって判断する必要があります。

印紙の金額を間違えてしまった場合はどうすれば良いですか?

貼付した印紙の金額が不足していた場合、不足分の印紙を追加で貼付し、消印(割印)する必要があります。

過大に印紙を貼ってしまった場合は、税務署に「印紙税過誤納確認申請書」を提出すれば、還付を受けることが可能です。

ただし、申請には誤って貼付した印紙が貼られた契約書などの原本が必要です。

還付を受けるには期限がありますので、速やかに手続きを行いましょう。

割印は誰が押す必要がありますか?

割印は、契約当事者全員がそれぞれの印鑑で押すことが一般的です。

印紙と文書の両方にかかるように割印を押すことで、印紙の再利用を防ぐ役割があります。

契約書が複数枚にわたる場合は、各ページに契印(割印)を押すことで、文書の一体性を示せます。

海外の会社との株式譲渡契約の場合、印紙税はどうなりますか?

海外の会社との株式譲渡契約の場合、契約書が日本国内で作成されたかどうか、契約の履行地が日本国内かどうかによって印紙税の課税の有無が異なります。

一般的に契約書が日本国外で作成され、契約の履行も日本国外で行われる場合は、印紙税は課税されません。

しかし、契約書が日本国内で作成された場合や契約の履行の一部が日本国内で行われる場合は、印紙税が課税される可能性があります。

具体的な判断は、税理士や税務署に相談してみてください。

株式譲渡契約書や印紙の心配事は専門家に相談して解決しよう

株式譲渡契約書に関連する印紙税や手続きについて法的な知識が不十分な場合、誤った手続きや予想外のトラブルに繋がることがあります。

印紙の貼り方や必要な金額を誤れば、後々追加の税金や罰則を受ける可能性が高いです。

事業譲渡や株式譲渡は、金額や契約内容が大きいため、正確な手続きが求められます。

弁護士や税理士などの専門家は、契約書の作成や印紙税の正しい処理方法について豊富な知識を持っています。

もし心配な点があれば、早めに専門家にアドバイスを求めて、確実に手続きを進めるようにしましょう。

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