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「合意」「同意」の意味の違いとは?シーン別の使い分けも解説

合意と同意は、日常生活やビジネスシーンで頻繁に使う言葉ですが、 明確な違いの説明を求められると答えられない人が多いのではないでしょうか。

どちらも賛成や承諾を表す言葉ですが、 ニュアンスや使い方が異なり、 間違って使うと相手に誤解を与えてしまう可能性も。

本記事では、合意と同意の意味の違いや具体的なシーン別の使い分けを解説します。

類似語との違いや、 相手に合意や同意を求める際のポイント・よくある誤用例なども、あわせてご覧ください。

「合意」「同意」「承諾」「了承」の意味の違い

合意と同意は、どちらも賛成や承諾を表す言葉ですが、意味合いや使い方が異なります。

さらに、承諾や了承といった類似語もあり、混同しやすいかもしれません。

本章では、合意・同意・承諾・了承の意味の違いを解説します。

他人の行為に賛成の意思を表示する合意

合意とは、複数の人が互いに意見を出して話し合った結果、全員が同じ意見になることを指します。

合意は、契約や交渉など、複数の当事者が関わる場面でよく用いられます。

重要なのは、それぞれの意見を調整し、全員が納得した上で同じ結論に至るというプロセスです。

ビジネスシーンにおける契約交渉では、双方が条件を提示して交渉を重ねた結果、最終的に契約内容について合意するというように使われます。

合意は、互いが対等な立場で意見を出し合い、双方が納得できるようコミュニケーションを積み重ねることが重要です。

当事者全員の意見が一致する同意

同意とは、ある意見や提案に対して、賛成の意思を示すことです。

合意と似ていますが、より個人的な判断や承諾の意味合いが強く、相手の提案や行動を認める際に用いられます。

たとえば、アンケート調査への協力依頼・個人情報の利用規約などへの同意といった、特定の行為や提案に対して許可を与えるような場面で使われます。

同意は、提案や依頼などに対して、相手の言い分を理解・納得した上で同じ意見を持つという意味合いで使用されます。

「承諾」「了承」と「合意」「同意」との違い

承諾と了承も、合意や同意と似た意味を持つ言葉ですが、ニュアンスが異なります。

  • 承諾:相手の要求や提案を受け入れることを意味します。契約書などでは同意と同じ意味で使われるケースもあり、具体的な合意の文脈で多く用いられます。
  • 了承:事情を理解した上で、納得することを意味します。ビジネスシーンでは、上司が部下の提案を了承するなど、目上の人が目下の人に対して多用されます。

承諾・了承・合意・同意は、相手との関係性や状況によって使い分けましょう。

意味ニュアンス使われる場面
合意複数の人が話し合い、互いに意見を出し合った結果、全員が同じ意見になること意見の調整・相互の納得契約・交渉
同意ある意見や提案に対して、賛成の意思を示すこと個人的な判断・承諾アンケート・規約
承諾相手の要求や提案を受け入れること許可・容認契約・依頼
了承事情を理解した上で、納得すること理解・納得社内手続き・業務連絡

【ケース別】合意と同意のシーン別使い分け

合意と同意は、どちらも賛成や承諾を表す言葉ですが、使用される場面によって適切な使い分けが必要です。

本章では、具体的なケースを想定して、合意と同意の使い分けを解説します。

契約・取引では合意

契約や取引においては、当事者間での意見の一致、つまり合意が不可欠です。

契約は、当事者双方の意思表示が合致することで成立するため、合意は契約の根幹をなす要素と言えます。

たとえば、不動産売買契約・業務委託契約・秘密保持契約など、あらゆる契約において合意は重要です。

契約書においては、各条項について当事者間の合意が形成されていることを明確にする必要があります。

契約書内での合意は具体的な条項として明記されるため、拘束力が非常に強く、合意内容に反すると契約違反の対象になる可能性があると考えられます。

個人情報・プライバシーに関しては同意

個人情報やプライバシーに関わる事柄については、本人の自由な意思に基づく同意が必要です。

個人情報やプライバシーに関しては個人情報保護法などの法律によって定められており、企業や組織は個人情報を取得・利用する際に、本人から明確な同意を得なければなりません。

たとえば、Webサイトの会員登録・アンケートへの回答・サービス利用規約など、様々な場面で同意が求められます。

個人情報の取り扱いに関する同意は、口頭だけでなく、書面や電磁的な方法で行われることもあります。

Webサイト上では「同意する」ボタンをクリックしたり、チェックボックスにチェックを入れたりすることで同意の意思表示を行うのが一般的です。

社内手続き・業務連絡では了承

了承は、社内手続きや業務連絡における決定事項や指示内容の伝達に対して、納得して承知する意味合いで用いられます。

たとえば、上司が部下に対して「〇〇の件、了承しました」と伝える場合は、上司が部下の提案や申請内容を承知・承認したことを意味します。

業務連絡において「〇〇の件、ご担当者は〇〇さんに決定しました。ご了承ください」と伝える場合は、関係者に対して担当者決定の周知と理解を求める意味合いを持ちます。

同意と合意を求める際の4つのポイント

相手に気持ちよく同意や合意をしてもらうためには、単に要求を伝えるだけでなく、相手の立場や状況を考慮したコミュニケーションが大切です。

本章では、同意と合意を求める際の4つのポイントを解説します。

丁寧な言葉遣いと説明

同意や合意を求める際は、命令口調や高圧的な態度は避け、相手に敬意を払う姿勢が大切です。

なぜ同意や合意が必要なのかなどの理由や背景を丁寧に説明するのが、相手の理解と納得を得やすくなるポイントです。

提案内容のメリットのみでなく、デメリットを包み隠さず伝えることも重要です。

立場・状況に合わせた適切な表現を選ぶ

上司や取引先など、目上の人に同意を求める場合は謙譲語を用いた「~していただけますでしょうか」「~お願いできますでしょうか」といった表現が適切です。

一方、同僚や部下など、親しい間柄であればフランクに「~してくれる?」「~お願いできる?」といった表現でも問題ありません。

ただし、相手が不快に感じる可能性のある表現は避けましょう。

相手の意思を尊重

同意や合意を求める際は、相手の意見や疑問に耳を傾け、丁寧に答えるようにしましょう。

「もしご不明な点があれば、遠慮なくお尋ねください」「ご希望に沿わない場合は、お気軽にお申し付けください」といった言葉を添えることで、相手は安心して意思表示できます。

返信期限の設定とリマインド

合意や同意に返信期限を設定するメリットは、期日内の回答を促進できる点です。

ただし、相手に余計なプレッシャーを与えないためにも、ある程度の余裕を持った期日を設定しましょう。

期限が近づいても返信がない場合は、リマインドメールを送ることを検討します。

リマインドメールを送る際は「お忙しいところ恐縮ですが」「念のためご連絡いたしました」といった言葉を添え、催促するような印象を与えないように注意が必要です。

合意と同意に関する誤用事例

合意と同意は、使用する場面を間違えると、相手に不快感を与えたり、誤解を生じさせたりする可能性があります。

本章では、具体的な誤用例と修正例を解説します。

契約書における誤用例

契約書は、当事者間の権利義務を明確にするための重要な書類です。

そのため、合意と同意の使い分けは特に重要になります。

誤用例甲は、乙が提示した条件に同意し、本契約を締結する。
修正例甲は、乙が提示した条件に合意し、本契約を締結する

契約は、当事者間の相互の意思表示によって成立するものです。

そのため、一方的な同意ではなく、双方が納得したという意味合いを持つ合意を用いるのが適切です。

契約書は法的効力のある合意書なのに対して、同意という表現を用いてしまった場合は、本来の効力を発揮できないリスクが生じます。

合意と同意の違いの理解を深めて、正しい文書作成を心がけましょう。

なお、合意書と同意書の違いは「合意書・同意書の法的効力とは?作成・利用時の注意点を解説」をご覧ください。

メール・ビジネス文書における誤用例

ビジネスシーンでは、社内外とのコミュニケーションにおいて、正確な言葉遣いが求められます。

メールやビジネス文書における合意と同意の誤用例を見てみましょう。

誤用例今回のプロジェクト計画について、皆様の合意を頂ければ幸いです。
修正例今回のプロジェクト計画について、皆様の同意を頂ければ幸いです。

プロジェクト計画に対する賛成を求める場合は、個々の賛同を得るという意味合いで同意を使用するのが適切です。

合意は、複数の関係者が集まって協議し、最終的な結論を出すような場面で使われます。

次は、個人情報に関する文書の誤用例です。

誤用例上記内容で合意頂けるよう、よろしくお願いいたします。(個人情報取り扱いに関するメール)
修正例上記内容で同意頂けるよう、よろしくお願いいたします。(個人情報取り扱いに関するメール)

個人情報の取り扱いについては、個人の意思に基づいた承諾が必要なため、同意を使用するのが適切です。

合意と同意の類義語・関連語一覧

下記は、合意と同意の類義語や関連語の一覧です。

言葉意味・ニュアンス合意同意との関連性
承諾(しょうだく)相手の要求や提案を受け入れること。同意に近いが、目上の人からの依頼や指示に対して使うことが多い。
了承(りょうしょう)事情を理解した上で、認めること。同意に近いが、軽い許可や確認の意味合いが強い。社内手続きや業務連絡でよく使われる。
承認(しょうにん)正当なものとして認めること。権限のある者が許可すること。同意に近いが、組織や団体における正式な手続きを経て許可する場合に使う。
賛成(さんせい)意見や提案に賛同すること。同意とほぼ同じ意味で使えるが、同意よりも肯定的な意味合いが強い。
容認(ようにん)好ましくないことを、やむを得ず認めること。同意とは異なり、積極的に賛成するわけではないが、許可するというニュアンスが含まれる。
協定(きょうてい)複数の当事者が、ある事項について合意し、取り決めること。合意の結果として結ばれる文書や行為を指す。
契約(けいやく)当事者間の合意に基づいて、法律上の権利義務を発生させる行為。合意がなければ成立しない。
アグリーメント(agreement)英語の「agreement」をカタカナ表記した言葉で、合意、協定、契約などの意味を持つ。合意の英訳として用いられることが多い。
コンセンサス(consensus)複数の人の意見が一致すること。合意を得るためのプロセスや、その結果として得られる意見の一致を指す。

合意・同意に加えて、上記の類義語や関連語の理解を深めることで、より適切かつスムーズなコミュニケーションの促進につながります。

合意と同意の適切な使い分けで円滑なコミュニケーションを実現しよう

本記事では、合意と同意の違いや使い分ける方法などを解説しました。

合意と同意は、不動産契約・会社分割など、重要性の高い場面で用いられることもあります。

合意と同意の違いと意味を理解し、適切で円滑なコミュニケーションの実現につなげましょう。

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