実は、日本最大級のフリマアプリ「メルカリ」を運営している株式会社メルカリ(以下では「メルカリ」と表記)を携帯3大キャリアの一角の「docomo」を運営しているNTTドコモ(以下では「ドコモ」と表記)が業務提携していました。
近年、どの業界でも企業間の業務提携が増えているなかで、
- ドコモが業務提携したメルカリを運営している会社はどんな会社なのか?
- 両社の業務提携の目的は何か?
- ドコモとメルカリの本当の狙いは何か?
など疑問に思う方が多いです。
そこでこの記事では、ドコモとメルカリの企業概要や業務提携目的、両社の本当の狙いなどをM&A×ITに強みを持つM&A会社が解説します。
具体的には、
- ドコモがメルカリを業務提携した理由
- メルカリを運営している会社の概要
- メルカリが業務提携を受け入れた理由
などを解説していきます。
この記事を読むことで、ドコモとメルカリの本当の狙いが分かります。
目次
ドコモがメルカリを業務提携した3つの理由
「ドコモがメルカリを業務提携してメリットがあるのか?」と思う方が多くいます。
そこでドコモとメルカリが手を組んだ理由を下記で3つ解説します。
①ポイント経済圏の獲得
ドコモがメルカリを業務提携した理由の1つ目はポイント経済圏の強化です。
メルカリIDとdアカウントを連携させることで、メルカリを利用する際にdポイントが利用できる可能性があります。
具体的には、これまでメルカリで買い物をする際にメルペイでの支払いが主流でしたが、dポイントで支払えるようになるかもしれないということです。
現状のドコモはdポイントを利用できる加盟店が少ないので、利用できる加盟店を増やすためにも業務提携は有効な手段です。
②優良データが手に入る
ドコモがメルカリを業務提携した理由の2つ目は、顧客の優良データが手に入れられることです。
dポイント経済圏を獲得することで新規顧客やリピーターが残す買い物内容やどんな人が買ったかなどの正確なデータが取れるからです。
例えば、メルカリで購入した商品や購入した人の年代、購入してないけどカートに入れている商品など「どんな人がどんな商品を買ったのかor買ってないのか」のデータを多く取れることでデータの正確性が上がります。
ドコモが二次流通市場(中古品市場)をリードするメルカリと手を組むことで、高額商品を購入してくれるかもしれない「優良顧客リスト」が手に入ります。このリストは喉から手が出るほどほしい企業が多いです。
③若年層の顧客拡大
ドコモがメルカリを業務提携した理由の3つ目は、若年層の顧客を拡大させるためです。
メルカリは若年層の顧客からの支持が強いからです。
ドコモは全世代の顧客を抑えつつも若年層の利用者は少ない傾向です。
反対にメルカリはシニア層の獲得が課題で若年層には支持されています。
メルカリを業務提携することでお互い足りない層を補い合えるので、ドコモはさらなる若年層の強化になります。
ドコモと手を組んだ「メルカリ」とは
出典:株式会社メルカリ
「ドコモに業務提携されたメルカリはどんな会社なのか?」疑問に思っている方が多いです。
そこで下記ではメルカリの会社概要やサービス、企業理念を解説します。
会社概要
メルカリは新たに価値を生み出すマーケットプレイスを創るために創業されました。
テクノロジーの力で誰でも世界とつながり、誰でも簡単に買いたいモノを買える社会を実現させていきます。
以下にメルカリの会社概要を示します。
設立 | 2013年2月1日 |
資本金 | 40,110百万円(2019年6月末時点) |
事業内容 | フリマアプリ(メルカリ)の企画・開発・運用 |
本社所在地 | 〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー |
サービス概要
メルカリは個人が取引できるマーケットプレイスを主に展開しており、誰でもスマートフォンで簡単に不用品や中古品を販売できます。
メルカリで培った技術や顧客、情報をもとにさまざまなサービスを展開しています。
以下にメルカリが展開するサービスを紹介します。
マーケットプレイス事業 | ・メルカリ:個人の顧客に向けてオールジャンルの商品を取り扱う ・メルカリShops:BtoC向けに商品を取り扱う |
フィンテック事業 | ・メルペイ:スマホ決済サービス ・メルコイン:暗号資産・NFTに関するサービス |
米国事業 | ・Mercari:米国向けのCtoCマーケットプレイス |
企業理念
メルカリが掲げている企業理念は「Mission・Values」の2つです。
それぞれの内容を以下に示します。
Mission | 創業者の山田慎太郎氏が抱いた「限りある資源を循環させ、より豊かな社会を作りたい。」を実現できる社会を生きる |
Values | Go Bold「大胆にやろう」 大きなインパクト与えるために数多くのトライ・アンド・エラーを繰り返して大胆なチャレンジをするAll for One「全ては成功のために」 大きな成功をえるためには成功するために何が必要で何を求められているのかを考え抜き最大限のパフォーマンスを発揮してミッション達成を目指すBe a Pro「プロフェッショナルであれ」 プロフェッショナルとして高い専門性を持ち学びを怠らない姿勢でミッション達成を目指す |
メルカリが業務提携を受け入れた2つの理由
ドコモはメルカリを業務提携してポイント経済圏や優良データの獲得、若年層の顧客拡大ができますが、メルカリは業務提携に合意してどのようなメリットがあるのでしょうか。
そこで下記ではメルカリがドコモの業務提携を受け入れた2つの理由を解説します。
①シニア層の顧客獲得
メルカリが業務提携を受け入れた1つ目の理由が、シニア層の顧客拡大ができるからです。
ドコモがメルカリを業務提携できる理由のひとつとして「若年層の顧客獲得」があるように、メルカリはドコモが多く抱えるシニア層の顧客にもサービスをリーチすることができます。
メルカリのサービスは若年層には幅広く知られてますが、まだまだシニア層には届いていない可能性が高いです。
メリカリとしてはシニア層の顧客拡大は大きな課題だったので業務提携で解決できます。
②スマホ決済サービス「メルペイ」の強化
メルカリが業務提携を受け入れた2つ目の理由が、スマホ決済サービス「メルペイ」が強化できるからです。
ドコモの業務提携を受け入れたことで「d払い」の電子マネー/ポイント残高を連携させることができる上に加盟店の共通化を進められます。
メルカリIDとdアカウントが連携できるとメルカリで買い物したユーザーにdポイントが付与されてd払いができるお店の利用数が増えます。
メルカリ側としてもdポイントが付与される付加価値がついたことで、出品者が増える可能性があるのでサービスの発展につながります。
メルカリはOrigamiを買収していた!
メルカリはドコモとの業務提携劇がフィーチャーされていますが、実は2020年に「Origami」というスマート決済サービス「Origami Pay(オリガミペイ)」を展開する金融プラットフォームの企画・運営をする会社の全株式を取得して子会社化していました。
Origamiの買収は独自の価値提供が狙いで、Origami Payとメルペイを統合して中小事業者へのメルペイの導入を図りました。
メルカリは競争が激化するスマホ決済サービス市場の加速に焦りながらも、ドコモとの業務提携劇前に一手を打っていました。
ドコモとメルカリの本当の狙いはライバルに対抗するため!?
ドコモとメルカリの業務提携についてそれぞれのメリットを先述しましたが、実は両社の狙いは「ヤフーとLINE」「KDDIとローソン」というライバルに対抗するためです。
ドコモとメルカリのサービス規模が統合するとユーザー数、利用総額などでZホールディングスとLINEの経営統合やKDDIとローソンの連携に十分備えられます。
メルカリの執行役員は会見でもライバルの影響を受けていると明言している通り、競合も強固な基盤を築いているので厳しい戦いになります。
まとめ:競争が激化するスマホ決済サービスの鍵は「M&A」
メルカリは、ドコモの業務提携を受け入れることで競争が激化するスマホ決済サービスの再編を狙っています。
対してドコモは、メルカリと手を組むことでdポイント経済圏や優良データの獲得、若年層の顧客拡大ができます。
メルカリは2013年に新たに価値を生み出すマーケットプレイスを創るために創業されました。
テクノロジーの力で誰でも世界とつながり、誰でも簡単に買いたいモノを買える社会を実現させるのが目標です。
ドコモの業務提携を受け入れることでメルカリが掲げる目標に大きく近づけます。
ドコモとメルカリやヤフーとLINE、KDDIとローソン、3つのライバル同士がどのような戦いを繰り広げて陣地を広げていくのか、今後の展開に注目が集まります。
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