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提携と連携の違いは?企業における事業的視点から徹底解説!

異なる複数の企業が協力する手法として、「提携」「連携」という言葉をよく耳にします。

この二つの用語は表面上似ているように思えますが、それぞれの意味と役割は異なり、その違いを理解することは、ビジネスシーンにおいて非常に重要です。

この記事では、企業における提携と連携の違い、種類、メリットとデメリット、一連の流れまで網羅的に解説します。

 

提携と連携の違い

提携と連携、これら二つの言葉はビジネスシーンで頻繁に使用されますが、違いを曖昧に理解している人は多くいます。

実際には、提携と連携は大きく異なる点があります

提携とは

提携は、互いに補完関係にある異なる企業が、特定のプロジェクトやビジネス領域で力を合わせることを指します。

資本提携や技術提携などがあり、一般的には正式な契約によって結ばれます

提携の目的は、新しい市場への進出、新技術の開発、製品ラインアップの強化など多岐にわたる点が特徴です。

資本連携の例として、大手自動車メーカーとバッテリーメーカーの提携が挙げられます。

自動車メーカーは電気自動車の開発を加速させるために、高性能バッテリーの供給確保が欠かせません。

このため、バッテリーメーカーとの資本提携を通じて、技術の共有や研究開発の協力が行われます。

技術提携の例では、IT企業が人工知能(AI)技術を持つスタートアップ企業と提携するケースが考えられます。

こういった技術提携により、双方の技術や知識を組み合わせ、新しいサービスや製品の開発が可能です。

このように提携は、相互の技術やリソースを生かして、より大きな目標を達成するための戦略的手段として利用されます。

連携とは

一方、連携は正式な契約に基づかないことが多く、共通の目的や課題解決のために協力する関係を指します。

連携は、企業間だけでなく、政府機関や非営利団体など異なるセクターの組織が参加することもあり、資本や技術の交換よりも、情報共有やノウハウの交換が主な目的となることが多いです。

たとえば、プラスチック廃棄物の削減に向けて、異業種の企業が集まり、リサイクル技術の開発や回収システムの構築を共同で行うプロジェクトなどが連携にあたります。

他にも、食品廃棄を減らすために、食品メーカーや小売業者、NPO法人が連携するケースが考えられます。

連携においては、特定の技術や資本を注ぐよりも、共通の目標達成のための協力体制が取れる点が特徴です

 

業務提携・連携の種類(手法)

企業間の業務提携や連携は、目的や必要に応じて多様な形で展開されます。

販売提携・連携

販売提携・連携は、企業が自社の商品やサービスをより広い市場に提供するために、他の企業と協力する手法です。

代表的なものとして代理店契約フランチャイズ契約販売店契約などがあげられます。

生産提携・連携

生産提携・連携は、製品の製造過程において、コスト削減や生産効率の向上を目的として、他社と協力する手法です。

たとえば、複数の企業が共同で原材料を大量購入することにより、コストを削減できます。

また、生産設備の共有や特定の部品の共同開発なども生産提携の一例です。

技術提携・連携

技術提携・連携は、新技術の開発や既存技術の改善を目的として、他社との協力関係を築く手法です。

共同研究開発プロジェクトや、特許技術の共有、技術移転などが含まれ、研究開発に多大な時間とコストがかかる業界では、この手法が採用されるケースが多くあります。

資本提携

資本提携は、企業間で株式やその他の資本関連の権利を交換し、経済的な結びつきを強化する手法です。

資本提携によって、長期的な協力関係を構築し、相互の事業拡大や安定化を目指します。

一般的に資本提携は正式な契約にもとづいて行われるため、連携という用語を使用することはありません。

 

提携と連携のメリット4選

企業間の提携や連携がもたらすメリットは多岐にわたります。

ここでは、提携と連携が企業にもたらす主な4つのメリットを解説します。

経営状況の改善

提携や連携は、経営状況を改善するための有効な手段であり、新しい市場への進出や、新製品の開発において、資本や人員などのリソースを効率的に活用できます。

たとえば、マーケティング活動の連携により、広告費用を抑えつつ効果を最大化できます。

また、新製品開発の技術提携により、開発期間の短縮やコスト削減が可能です。

他企業との関係構築

提携や連携により、他の企業と深い関係を築くことができます。

これは、ビジネス環境が急速に変化する現代において、非常に価値のあることです。

企業間の結びつきは、将来的な共同事業の可能性を広げるだけでなく、情報共有や支援のネットワークを強化します。

さらに、強固なパートナーシップは、競合他社との差別化要因ともなり得ます。

リスクの低減

新市場への進出や大規模なプロジェクトを進める際、単独で行うよりも提携や連携によってリスクを分散できます。

共同で事業を進めることで、失敗した場合の負担を軽減し、予期せぬ問題への対応能力も向上します。

たとえば、海外市場へ進出する際に現地の企業と連携することで、文化的な障壁や法規制への適応を容易にし、事業リスクを低減させることが可能です。

分野強化と補充

提携や連携を通じて、企業は自社の弱点を補強し、強みをさらに強化できます。

技術提携によって、自社では不足している技術力を持つ企業と協力することで、製品やサービスの品質を向上させることが可能になります。

また、異業種間の連携によって新たなビジネスモデルを生み出すこともあり、企業の成長に新たな道を開くことができます。

 

提携と連携のデメリット3選

企業間の提携や連携は多くのメリットをもたらす一方で、デメリットも存在します。

これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、損失を最小限に抑え、企業提携を成功に導くことができます。

技術流出の可能性

提携や連携により、自社の核となる技術やノウハウを他社と共有する場合があるため、技術力の向上や新製品開発を促進できる一方で、技術流出のリスクも伴います。

特に、競合他社との提携では、技術が流出し競争上の優位性を失う可能性があります。

対策としては、提携契約において知的財産の保護を厳格に定め、秘密保持契約(NDA)を結ぶことが重要です。

経営介入の可能性

提携先からの資本投入を受けることで、経営に対する介入を許してしまう可能性があるため、企業の自主性や独立性を損なうことにつながりかねません。

経営介入を防ぐためには、提携先との間で明確な役割分担や権限の範囲を定めた契約書を事前に準備し、合意することが必要です。

契約解消の可能性

提携や連携は、予期せぬ事態により解消されることがあります。

市場環境の変化、提携先の経営状況の悪化、戦略的方向性の相違などが原因で、合意した目的を達成できない場合があります。

契約解消により、投資した時間や資源が無駄になるだけでなく、計画していたビジネスチャンスを失うこともあります。

提携や連携を進める際には、リスク管理の観点から、定期的な見直しや、契約解消時の条件を明確にすることが望ましいです。

 

提携・連携を行う流れ

提携や連携を成功させるためには、事前の準備と計画が不可欠です。

目的や手法によって必要なステップは異なりますが、ここでは基本的な流れについて解説します。

ステップ1:目的・戦略計画

最初のステップとして、提携や連携により、何を達成したいのか、どのような成果を期待しているのかを明確に定義します。

また、提携や連携によって解決しようとしている課題が何かを具体的に特定することも重要です。

この段階で、企業の長期的なビジョンとの整合性も確認しておきましょう。

ステップ2:提携企業の選定

目的と戦略計画が定まったら、次は提携する企業の選定に移ります。

選定においては、相互のビジネスモデル、企業文化、市場での立ち位置など、さまざまな要素を考慮に入れます。

また、選定にあたっては、将来的なビジョンの共有や相互の信頼関係の構築が成功の鍵となります。

ステップ3:秘密保持契約・条件交渉

提携先が決定したら、具体的な交渉に入ります。

まずは秘密保持契約(NDA)の締結を行い、双方の情報を守りながら、提携の条件について議論します。

この段階で、提携の範囲、期間、役割分担、財務面での取り決めなど、具体的な条件を詰めていきます。

ステップ4:デューディリジェンス

条件交渉が一定の合意に達したら、デューディリジェンス(適切な企業調査)を行います。

提携先企業の財務状況、法務リスク、技術的な能力などを詳細に調査し、提携によって期待される成果が実現可能かを確認するための重要なプロセスです。

このステップで明らかになったリスクに基づき、必要に応じて条件の再交渉が行われます。

ステップ5:最終交渉・契約締結

全ての調査が終了し、双方が提携の条件に同意したら、最終的な契約締結に進みます。

契約書には、提携の詳細条件、実行計画、解決策、責任範囲などを明記します。

契約書が双方の合意のもとで署名されれば、正式に提携が成立し、具体的な実行フェーズに移ります。

 

提携・連携を行う際の注意点

提携や連携を進めるにあたっては、注意すべきポイントがあります。

トラブルを未然に防ぎ、双方にとって有益な関係を築くための注意点を解説します。

業務配分、権利帰属を明確にする

提携や連携を行う際には、各企業の担当する業務範囲や、生み出される成果物に対する権利帰属を事前に明確にしておくことが重要です。

これには、共同で行うプロジェクトの具体的な役割分担、期待される成果、それに伴う利益の配分や、発生した知的財産の取り扱いについて詳細に定めることが含まれます。

契約書にこれらの項目を明記し、双方の合意のもとで署名することで、後のトラブルを防ぐことができます。

情報管理を明確にする

提携や連携の過程で共有される情報には、機密性が高いものも多く含まれます。

そのため、どの情報を共有し、どのように管理するかを厳密に定義する必要があります。

秘密保持契約(NDA)の締結は基本中の基本であり、共有される情報の範囲、保管方法、第三者への開示禁止事項などを具体的に規定します。

また、プロジェクト終了後の情報の扱いについても、契約で明確にしておくことが望ましいです。

 

事前準備や契約締結は、時間と労力を要する作業ですが、将来的なトラブルを回避し、双方にとって最大の成果を生み出すためには欠かせないプロセスです。

提携や連携を検討する際には、これらのポイントに十分注意を払い、成功に導くための準備を忘れないようにしましょう。

 

まとめ

本記事では、企業提携と連携の違い、それぞれの種類、メリットとデメリット、そして成功に導くための流れと注意点について詳しく解説しました。

企業間の提携・連携は、新たなビジネス機会を開拓し、競争力を強化するための重要な戦略です。しかし、そのプロセスは複雑であるため、適切なパートナー選びが成功の鍵となります。

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