事業を畳むといった大きな決断に際し、何から手をつければ良いのか、費用はいくらかかるのかなど、不安を感じている方は少なくありません。廃業手続きは複雑で、聞き慣れない言葉も多く、一人で進めるのは大変です。
本記事では、廃業に関する法務・税務の知識がない方でも、手続きの全体像をスムーズに理解できるよう、一つひとつ丁寧に解説します。最後まで読めば、廃業手続きの具体的な流れや必要な費用、書類の提出先まで、あらゆる疑問が解消できます。
手続きの漏れやミスによる将来のトラブルを避け、安心して次の人生へと歩みを進めるための手引きとしてご活用ください。
目次
- 1 廃業手続きの基本と倒産・休業との違い
- 2 廃業:経営者の意思で計画的に事業を終えること(状態)
- 3 倒産・破産:債務超過で事業継続が不可能な状態
- 4 休業:法人格を残したまま事業を一時的にストップした状態
- 5 法人の廃業手続きの全手順(解散から清算結了まで)
- 6 フェーズ1:会社の事業活動を停止する解散手続き
- 7 1. 株主総会での解散決議と清算人の選任
- 8 2. 法務局への解散・清算人登記(2週間以内)
- 9 3. 税務署・自治体などへの解散届の提出
- 10 4. 解散確定申告
- 11 フェーズ2:会社を法的に消滅させる清算手続き
- 12 1. 財産目録・貸借対照表の作成と株主総会での承認
- 13 2. 債権者保護手続き(官報公告・個別催告)
- 14 3. 債権の回収・債務の弁済・残余財産の分配
- 15 4. 決算報告書の作成と株主総会での承認
- 16 5. 法務局への清算結了登記
- 17 6. 清算確定申告
- 18 法人の廃業手続きにかかる費用|相場と内訳を完全解説
- 19 登記費用(登録免許税):41,000円
- 20 官報公告掲載料:約40,000円
- 21 専門家への依頼費用:どこまで任せるかで大きく変動
- 22 廃業手続きは自分でできる?専門家への依頼も賢い選択
- 23 自分で手続きを行う場合と専門家に依頼する場合|メリット・デメリット比較表
- 24 相談先ごとの役割と依頼できること
- 25 司法書士:登記手続きの専門家
- 26 税理士:税務申告・財務整理の専門家
- 27 弁護士:法的トラブル・債務整理の専門家
- 28 廃業は最終手段|事業と従業員を守るための代替案も検討しよう
- 29 選択肢1:M&A(事業譲渡・株式譲渡)で第三者に事業を託す
- 30 選択肢2:親族・従業員への事業承継
- 31 選択肢3:事業再開の可能性を残す休眠会社の選択
- 32 まとめ:廃業手続きを確実に進め、新たな一歩を踏み出そう
廃業手続きの基本と倒産・休業との違い
事業をやめる決断には、いくつかの選択肢があります。廃業や倒産、休業は混同されがちですが、意味合いや法的な手続きはまったく異なります。
自身の状況に合った最適な選択をするためにも、それぞれの言葉の定義を正確に理解しましょう。
廃業:経営者の意思で計画的に事業を終えること(状態)
廃業とは、経営者の自主的な判断によって、事業活動を完全に停止し、事業を終了させる手続きのことです。後継者不足や経営者の高齢化、事業の将来性などを考慮し、会社の資産が負債を上回っている資産超過の状態で計画的に行われるのが一般的です。
倒産とは異なり、ネガティブなイメージが少なく、関係者への影響を最小限に抑えながら事業を畳めます。
廃業のメリットは、以下のとおりです。
- 計画的に事業を終了できる
- 関係者への影響を最小限に抑えられる
- 比較的、精神的な負担が少ない
一方で、廃業には以下のようなデメリットもあります。
- 手続きに手間と費用がかかる
- 事業の再開が難しい
倒産・破産:債務超過で事業継続が不可能な状態
倒産とは、会社の経営が行き詰まり、負債が資産を上回る債務超過の状態に陥り、事業の継続が困難になることを指します。倒産には、裁判所を介して法的に手続きを進める法的整理(破産、特別清算など)と、裁判所を介さずに債権者との話し合いで進める私的整理があります。
一般的に倒産と聞いてイメージされる破産は、会社の財産をすべて換価し、債権者に公平に分配することで会社を消滅させる手続きです。廃業が自主的・計画的な終了であるのに対し、倒産は経済的に破綻した結果、やむを得ず事業を終了させる点で大きく異なります。
倒産のメリットは、以下のとおりです。
- 債務から解放される
一方で、倒産には以下のようなデメリットもあります。
- 社会的信用を失う
- 経営者の精神的な負担が大きい
- 手続きが複雑で時間もかかる
休業:法人格を残したまま事業を一時的にストップした状態
休業(休眠)とは、会社の法人格は残したまま、一時的に事業活動を休止することです。税務署や自治体に異動届出書を提出すると、休業(休眠)の手続きが完了します。
将来的に事業を再開する可能性がある場合や、廃業手続きにかかる費用や手間をかけずに一時的に事業を休みたい場合に選択されます。ただし、事業を行っていなくても法人住民税の均等割(最低でも年間7万円程度)の支払い義務は原則として残ります。
また、最後の登記から12年が経過すると自動的に解散したとみなされる、みなし解散のリスクもあるため注意が必要です。
休業のメリットは、以下のとおりです。
- 事業を再開できる可能性がある
- 手続きが比較的簡単
休業には、以下のようなデメリットもあります。
- 法人住民税の支払い義務が残る
- みなし解散のリスクがある
事業を終了する際には、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを十分に理解したうえで、専門家(税理士、弁護士など)への相談をおすすめします。また、従業員の雇用保険や退職金、取引先との契約など、考慮すべき事項は多岐にわたります。
計画的に進めることで、関係者への影響を最小限に抑え、円滑な事業の終了を目指しましょう。
| 項目 | 廃業(通常清算) | 倒産(破産) | 休業(休眠) |
|---|---|---|---|
| 目的 | 経営者の意思による計画的な事業の終了 | 債務超過による事業継続の断念 | 一時的な事業活動の停止 |
| 財務状況 | 資産超過(資産>負債) | 債務超過(資産<負債) | 問わない |
| 法人格 | 消滅する | 消滅する | 存続する |
| 手続き | 解散・清算手続き | 破産手続き(裁判所が関与) | 異動届出書の提出 |
| イメージ | 比較的ニュートラル | ネガティブ | ニュートラル |
| 事業再開 | 不可 | 不可 | 可能 |
法人の廃業手続きの全手順(解散から清算結了まで)
法人の廃業手続きは、大きく分けて2つのフェーズで進められます。前半が会社の事業活動を停止させる解散手続き、後半が会社の法人格を完全に消滅させる清算手続きです。
本章では、会社の資産で負債をすべて支払える通常清算を前提に、手続きの全体像をステップごとに詳しく解説します。
フェーズ1:会社の事業活動を停止する解散手続き
解散手続きは、会社の営業活動を正式に終了させ、清算手続きに入るための準備段階です。この段階では、まだ会社の法人格は存続しています。
解散手続きを円滑に進めるためには、正確な理解と準備が不可欠です。
1. 株主総会での解散決議と清算人の選任
まず、株主総会を招集し、会社の解散を決定します。解散は会社の根幹に関わる重要な決定であるため、議決権の過半数を有する株主が出席し、議決権の3分の2以上の賛成が必要な特別決議が求められます。
株主総会の招集通知は、株主に対して十分な期間(通常は2週間前)をもって発送しなければなりません。招集通知には、解散議案の内容を明確に記載し、株主が判断するための十分な情報の提供が重要です。
株主総会で、解散後の清算手続きを担当する清算人も同時に選任するのが一般的です。通常は、会社の事情にもっとも詳しい代表取締役が清算人に就任します。
清算人は、解散後の会社の財産を管理し、債務を弁済する責任を負います。そのため、清算人の選任は慎重に行わなければなりません。
取締役が清算人になる場合が多いですが、弁護士や税理士などの専門家への選任も可能です。
2. 法務局への解散・清算人登記(2週間以内)
株主総会で解散が決議された日から2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局へ解散登記と清算人選任登記を申請しなければなりません。この登記を怠ると、過料が科される可能性があるため、期限は必ず守りましょう。
登記申請には、株主総会議事録、解散決定通知書、清算人の就任承諾書などの書類が必要です。これらの書類は、法務局のWebサイトでダウンロードできるテンプレートを利用するか、専門家に作成を依頼するのが一般的です。
登記が完了すると、会社の登記簿謄本には解散の旨が記載され、対外的に会社が解散したことが公示されます。
解散登記と清算人選任登記は、同時に申請することが一般的ですが、別々の申請も可能です。ただし、清算人選任登記は、解散登記が完了していなければ申請できません。
| 登記の種類 | 提出期限 | 提出先 | 必要な登録免許税 |
|---|---|---|---|
| 解散登記 | 解散日から2週間以内 | 本店所在地を管轄する法務局 | 30,000円 |
| 清算人選任登記 | 解散日から2週間以内 | 本店所在地を管轄する法務局 | 9,000円 |
3. 税務署・自治体などへの解散届の提出
法務局への登記と並行して、税務署や都道府県税事務所、市町村役場など、関係各所へ会社が解散したことを届け出る必要があります。提出先によって書類の様式や提出期限が異なるため、事前に確認が必要です。
各官公庁への届出は、会社の状況によって必要な書類が異なる場合があります。事前に各官公庁のWebサイトを確認するか、電話で問い合わせて、必要な書類と提出期限を確認しましょう。
また、従業員を雇用していた場合は、社会保険や労働保険に関する手続きも必要です。
社会保険・労働保険の手続きは、専門家(社会保険労務士など)への依頼も可能です。手続きが複雑な場合や、時間に余裕がない場合は、専門家の利用を検討しましょう。
| 提出先 | 主な提出書類 | 提出期限の目安 |
|---|---|---|
| 税務署 | 異動届出書、給与支払事務所等の廃止届出書など | 事由発生後、速やかに |
| 都道府県税事務所 | 異動届出書(事業廃止届) | 自治体により異なる |
| 市町村役場 | 異動届出書(事業廃止届) | 自治体により異なる |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届 | 事実発生から5日以内 |
| ハローワーク | 雇用保険適用事業所廃止届 | 事実発生から10日以内 |
| 労働基準監督署 | 労働保険確定保険料申告書 | 事業廃止から50日以内 |
4. 解散確定申告
会社の事業年度の開始日から解散日までの期間を1つの事業年度とみなし、その期間の所得に対する法人税などの確定申告を行います。これを解散確定申告と呼びます。
提出期限は、解散日の翌日から2カ月以内です。
解散確定申告は、通常の確定申告と同様に、税理士に依頼できます。税務に関する専門知識が必要となるため、専門家の利用を検討しましょう。
フェーズ2:会社を法的に消滅させる清算手続き
清算手続きは、会社の財産を整理し、最終的に法人格を消滅させるための最終段階です。清算人が中心となって、会社に残された法律関係をすべて整理していきます。
1. 財産目録・貸借対照表の作成と株主総会での承認
清算人は就任後、速やかに会社の財産を調査し、解散日時点での財産目録と貸借対照表を作成します。これらの書類は、会社の全財産と負債を正確にリストアップしたものであり、その後の清算業務の基礎となるものです。
作成した書類は株主総会に提出し、承認を得る必要があります。
2. 債権者保護手続き(官報公告・個別催告)
債権者保護手続きとは、会社にお金を貸している債権者(金融機関や取引先など)に対して、会社が解散したことを知らせ、債権を申し出るよう促す手続きを指します。これは、債権者が知らないうちに会社が消滅し、債権回収の機会を失うことを防ぐための重要な手続きです。
具体的には、国の新聞である官報に解散公告を掲載するとともに、会社が把握している個別の債権者には書面で通知(催告)します。この公告・催告では、債権者が債権を申し出るための期間を最低でも2カ月以上設けなければなりません。
3. 債権の回収・債務の弁済・残余財産の分配
債権申出期間が終了したら、清算人は具体的な清算業務に入ります。まず、会社が持つ売掛金などの債権を回収し、会社の資産を現金化します。
次に、その現金を使って、買掛金や借入金などの債務を債権者に支払う流れです(弁済)。すべての債務を支払い終えて、なお会社に財産が残った場合、残余財産を株主の持株比率に応じて分配します。
4. 決算報告書の作成と株主総会での承認
すべての清算業務が完了したら、清算人は経過と結果をまとめた決算報告書を作成します。この決算報告書を株主総会に提出し、承認を得ることで、会社の清算が正式に結了(完了)するのです。
この承認をもって、会社の法人格は実質的に消滅します。
5. 法務局への清算結了登記
株主総会で決算報告書が承認された日から2週間以内に、法務局へ清算結了登記を申請します。この登記が完了すると、会社の登記簿は閉鎖され、法的に会社が完全に消滅します。
| 登記の種類 | 提出期限 | 提出先 | 必要な登録免許税 |
|---|---|---|---|
| 清算結了登記 | 株主総会の承認から2週間以内 | 本店所在地を管轄する法務局 | 2,000円 |
6. 清算確定申告
残余財産が確定した日から1カ月以内に、清算期間中の所得に関する最終の確定申告(清算確定申告)を行います。この申告をもって、税務上の手続きもすべて完了します。
法人の廃業手続きにかかる費用|相場と内訳を完全解説
法人の廃業には、最低限必要となる法定費用と、手続きを専門家に依頼する場合の報酬が発生します。本章では、内訳と一般的な相場について解説します。
登記費用(登録免許税):41,000円
法務局で登記手続きを行う際に、国に納める税金が登録免許税です。廃業手続きでは、合計で3回の登記が必要となり、費用は以下のとおりです。
| 登記の種類 | 登録免許税 |
|---|---|
| 解散登記 | 30,000円 |
| 清算人選任登記 | 9,000円 |
| 清算結了登記 | 2,000円 |
| 合計 | 41,000円 |
官報公告掲載料:約40,000円
債権者保護手続きのために、官報へ解散公告を掲載する費用です。掲載する行数によって料金は変動しますが、枠公告(1段)で掲載する場合、1枠あたり40,000円程度が目安です。
これは法律で定められた手続きであり、省略はできません。
参考:兵庫官報販売所「官報公告料金表(掲載にかかる費用総額)」
専門家への依頼費用:どこまで任せるかで大きく変動
廃業手続きは複雑で専門的な知識を要するため、司法書士や税理士などの専門家に依頼するのが一般的です。報酬は、依頼する業務の範囲によって大きく異なります。
| 依頼する専門家 | 主な業務内容 | 報酬の相場 |
|---|---|---|
| 司法書士 | 登記申請、株主総会議事録の作成など | 15万円〜 |
| 税理士 | 解散確定申告、清算確定申告など | 15万円〜 |
| 司法書士・税理士 | 登記から税務申告までの一連の手続き | 40万円〜90万円 |
上記以外にも、在庫の処分費用や、事務所を借りていた場合の原状回復費用などが発生する場合もあります。廃業を決断する際には、これらの費用をあらかじめ見積もっておくことが重要です。
廃業手続きは自分でできる?専門家への依頼も賢い選択
廃業手続きは、自分自身で行うことも不可能ではありません。しかし、手続きは非常に煩雑で、多くの時間と労力を要します。
本章では、自分で手続きを行う場合と専門家に依頼する場合のメリット・デメリットを比較し、どのような場合に専門家へ相談すべきかを整理します。
自分で手続きを行う場合と専門家に依頼する場合|メリット・デメリット比較表
| 比較項目 | 自分で手続きを行う場合 | 専門家に依頼する場合 |
|---|---|---|
| メリット | 費用を抑えられる(法定費用のみ) | 手続きが正確かつスムーズに進む 本業の整理や次の準備に集中できる 法的なリスクを回避できる 精神的な負担が軽減される |
| デメリット | 膨大な時間と手間がかかる 手続きの漏れやミスが発生するリスクがある ミスがあった場合、過料などのペナルティを受ける可能性がある 精神的な負担が大きい | 専門家への報酬(費用)がかかる |
自分で手続きを行う最大のメリットは、専門家への報酬がかからない点です。しかし、法務局や税務署など複数の役所を回り、慣れない書類を大量に作成する必要があり、負担は計り知れません。
万が一、登記申請の期限を過ぎたり、申告内容に誤りがあったりすると、後々大きなトラブルに発展する可能性もあります。
相談先ごとの役割と依頼できること
廃業手続きを専門家に依頼する場合、主に司法書士や税理士、弁護士が相談先として挙げられます。それぞれの専門家が持つ役割は異なり、会社の状況に応じて適切な専門家を選ぶことが重要です。
各専門家の得意分野を理解し、最適な選択をしましょう。
司法書士:登記手続きの専門家
司法書士は、法務局への登記申請のプロフェッショナルです。廃業手続きにおける解散・清算人選任・清算結了の各登記手続きを代行してくれます。
煩雑な手続きをスムーズに進めるために、登記のエキスパートである司法書士への依頼は非常に有効です。
また、登記に必要となる株主総会の議事録など、各種書類の作成も依頼できます。書類作成の負担を軽減し、正確な書類を作成してもらうことで、後のトラブルを未然に防げます。
税理士:税務申告・財務整理の専門家
税理士は、税金に関する手続きの専門家です。廃業に伴う解散確定申告や清算確定申告といった、複雑な税務申告を正確に行ってくれます。税務申告は専門知識が必要となるため、税理士に依頼すると、税務署からの指摘やペナルティのリスクを減らせます。
また、会社の財産整理や会計処理に関するアドバイスを受けることも可能です。廃業時の財産評価や未払い税金の処理など、税務に関するあらゆる疑問に対応してくれます。
弁護士:法的トラブル・債務整理の専門家
弁護士は、法律問題全般に対応できる専門家です。特に、会社の負債が資産を上回っている債務超過の状態で、破産や特別清算といった法的な整理が必要な場合には、弁護士への相談が不可欠と言えます。
法的整理は複雑な手続きを伴うため、弁護士のサポートなしに進めることは困難です。
また、取引先との間に法的な紛争を抱えている場合などにも頼りになる存在です。契約解除、損害賠償請求など、法的紛争の解決をサポートしてくれます。
どの専門家に依頼すべきか迷う場合は、複数の専門家に相談し、見積もりを取ることをおすすめします。また、初回相談無料の事務所も多いので、積極的に活用しましょう。
廃業は最終手段|事業と従業員を守るための代替案も検討しよう
廃業は、これまで築き上げてきた事業の歴史や従業員の雇用、取引先との関係をすべて失うことを意味します。この決断は経営者にとって非常に辛く、社会的な損失も大きいと言えます。
廃業を決断する前に、本当に他の選択肢はないのか、一度立ち止まって検討することが重要です。安易に廃業を選択するのではなく、事業と従業員を守るために、以下の選択肢を検討してみてください。
選択肢1:M&A(事業譲渡・株式譲渡)で第三者に事業を託す
M&Aは、会社や事業を第三者に売却することです。後継者がいない場合でも、他社に事業を引き継いでもらうことで、事業の存続や従業員の雇用の維持、取引先との関係継続などが可能です。
M&Aには、事業譲渡と株式譲渡の2つの主要な形態があります。事業譲渡は、特定の事業部門や資産を譲渡するもので、株式譲渡は、会社全体の株式を譲渡するものです。
どちらを選択するかは、税務上の影響や譲渡の目的によって異なります。
また、経営者は会社を売却した対価(創業者利益)を得られ、引退後の生活資金や新たな挑戦への資金とする選択も取れます。M&A仲介会社やアドバイザーを活用すると、適切な買い手を見つけ、有利な条件で交渉を進められます。
選択肢2:親族・従業員への事業承継
親族や会社の役員・従業員の中に、事業を引き継ぐ意思と能力のある方がいれば、その方に事業を承継させる方法もあります。この方法のメリットは、経営理念や企業文化を維持しやすく、社内外の関係者から理解を得やすい点です。
親族内承継の場合、後継者候補の育成を早期から始めることが重要です。従業員承継の場合、従業員のモチベーション向上や、承継後の組織運営の安定化につながる可能性があります。
ただし、後継者の育成には時間がかかりますし、株式の譲渡や相続に関する税金の問題も考慮する必要があります。専門家(税理士、弁護士)に相談し、適切な事業承継計画の策定が重要です。
事業承継税制を活用すると、税負担を軽減できる場合があります。
選択肢3:事業再開の可能性を残す休眠会社の選択
すぐに廃業するのではなく、いったん休眠させるといった選択肢もあります。将来、経営環境が好転したり、事業を再開したくなった際に、スムーズに事業を再スタートできるのが大きなメリットです。
休眠会社を選択する際には、事業再開の可能性を考慮し、必要な手続きや準備を怠らないことが重要です。ただし、休眠中も法人住民税の均等割の負担や役員変更登記の義務は残るため、完全に放置はできません。
休眠期間中の維持コストや手続きについても、事前に確認しておく必要があります。また、休眠期間が長くなると、事業再開が困難になる場合もありますので、注意が必要です。
まとめ:廃業手続きを確実に進め、新たな一歩を踏み出そう
本記事では法人の廃業手続きを中心に、流れから費用、必要書類、そして廃業以外の選択肢までを網羅的に解説しました。廃業は、経営者にとって人生の大きな節目となる決断です。
手続きは複雑で多岐にわたりますが、一つひとつのステップを確実に踏んでいけば、円滑に完了させられます。
手続きを進める中で不安や疑問が生じた際には、決して一人で抱え込まず、専門家に相談しましょう。自身の状況に寄り添い、最適な道筋を示してくれます。
本記事が、皆様の不安を少しでも和らげ、新たな一歩を踏み出すための助けとなれば幸いです。
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