M&A

M&Aにおける「ブティック」とは?国内市場の解説

高齢化社会の到来やウィズコロナの時代、会社の規模にかかわらず、M&Aは成長戦略や事業承継を実現する選択肢のひとつです。 M&Aは買い手と売り手が合意すれば成約自体は可能なものの、リスクを回避してシナジー効果を最大化するためには、法務や財務、ビジネスなど各分野の専門知識が必要です。

したがって、M&Aの各プロセスをスムーズに遂行し、成功に導くには、専門家である「M&Aブティック」のサポートが欠かせません。 新聞やテレビでも取り上げられるような大企業のM&Aでも、必ずと言っていいほどM&Aブティックが関わっています。

今回はM&Aにおける「ブティック」の特徴や業務について解説するとともに、国内市場で活用されているM&Aブティックをご紹介します。

1.M&Aにおけるブティック

M&Aにおける「ブティック」とは、M&Aのサポートを専門的に取り扱う集団のことです。おもにM&Aに関して支援や助言を行う銀行、証券会社、税理士法人などの士業事務所、コンサルティングファームなどがM&Aブティックに含まれます。

M&Aブティックは基本的にアドバイザリー形式と呼ばれる買い手側、売り手側のどちらかの立場でM&Aの業務を行いますが、なかには仲介形式で買い手と売り手の双方が利益を最大化できるようM&Aを支援するブティックもあります。
つまり、M&A仲介会社もM&Aの専門家集団という意味では、M&Aブティックと同じと考えられます。

パラダイムシフトもM&Aブティックのひとつであり、豊富な知識と実績を持つ弁護士や会計士、アドバイザーが在籍しています。

(1)M&Aブティックのサポート内容

M&Aブティックのおもな業務は、以下のとおりです。

①M&Aマッチング業務
②バリュエーション業務
③デューデリジェンス業務
④各種契約書作成業務

①M&Aマッチング業務

M&Aブティックのなかには、M&Aの相手探しや交渉など、仲介業務のサポートを行うところもあります。専門家がノウハウと経験を活かし、相手探しや売り手との交渉、アドバイスなどを行います。

買い手か売り手のいずれかの立場で業務を行うアドバイザリー形式の場合、会社がもっともシナジー効果を発揮できることを優先します。一方、第三者的な立場で業務を行う仲介形式は、買い手と売り手がお互いにとって公平な取引となるよう交渉を進めます。

②バリュエーション業務

バリュエーションとは、買収価格を決めるうえで最も重要な企業価値を算定するプロセスのことです。

売り手側は「なるべく高く会社を売りたい」、買い手側は「なるべく安く会社を買いたい」という思惑があり、両者の話し合いでは解決しません。M&Aブティックは買収価格の公平性を期すため、売り手と買い手の双方の意思を把握しながら、第三者の立場で企業価値を算定します。

バリュエーションについてはこちらの記事もご参照ください。 M&A交渉の肝「バリュエーション」の種類と内容を解説

③デューデリジェンス業務

バリュエーションとは、買収価格を決めるうえで最も重要な企業価値を算定するプロセスのことです。
売り手側は「なるべく高く会社を売りたい」、買い手側は「なるべく安く会社を買いたい」という思惑があり、両者の話し合いだけでは解決しません。M&Aブティックは買収価格の公平性を期すため、売り手と買い手の双方の意思を把握しながら、第三者の立場で企業価値を算定します。

④各種契約書作成業務

M&Aでは、基本合意契約書や秘密保持契約書といった重要な契約書を作成する必要があります。M&Aブティックは各種契約書の作成をサポートします。

(2)M&AブティックとM&Aアドバイザーの違い

M&Aアドバイザーは、M&Aのサポート業務を行う専門家個人を指します。
依頼する側からすれば、法人に依頼するか・個人に依頼するかの違いなので、どちらに依頼してもM&Aの各種手続きを代行してもらうことができます。
ただし、M&Aブティックには実績が豊富なM&Aアドバイザーや士業などが実績しているため、「大は小を兼ねる」サポートが受けられます。

2.日本国内の代表的なM&Aブティック

前述したように、銀行や証券会社、士業事務所、経営コンサルティングファーム、M&A仲介会社といった機関がM&AブティックとしてM&Aのサポート業務に携わっています。
ここでは、日本国内の代表的なM&Aブティックをご紹介します。

(1)メガバンク系M&Aブティック

①三菱UFJフィナンシャルグループ

国内メガバンクのひとつである三菱UFJ銀行は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と協働で国内外企業・事業部門のM&Aのアドバイザリー業務を行っています。対象企業の選定に関するアドバイスおよびアプローチから、情報公開(ディスクロージャー、パブリシティー)に関するアドバイスまで、ワンストップのサポートが受けられます。

②みずほフィナンシャルグループ

みずほ銀行は買い手・売り手のどちらかについてサポートを行うアドバイザリー業務の豊富な実績があります。国内外のクロスボーダーM&Aにも積極的で、ニューヨークやロンドンなど世界の主要都市4箇所に拠点を置き、産業調査や事業提案を実施しています。また、大企業へのアドバイザリー業務に限らず、中小企業の事業承継ニーズへのアドバイスも行っています。

③三井住友フィナンシャルグループ

三井住友銀行のM&Aアドバイザリー業務は、M&Aの戦略立案・調査から最終契約締結までワンストップのサービスとなっています。依頼のあった企業に対し、M&Aでのシナジー効果・案件の実現性・アプローチ方法などを検討したうえで案件の企画・提案、企業評価やデューデリジェンス、条件・契約交渉など各プロセスにおいて的確なアドバイスを行います。

(2)士業事務所系M&Aブティック

①西村あさひ法律事務所

西村あさひ法律事務所はM&A分野における日本最大手のリーディング・ファームであり、国内外を問わず、あらゆる事業分野における企業のM&Aでのアドバイスを提供しています。法規制におけるアドバイスだけでなく、各分野の専門家や学者、関係機関と連携して、難易度の高い案件に対しても戦略的かつ実践的なサポートを受けられます。

②アンダーソン・毛利・友常法律事務所

アンダーソン・毛利・友常法律事務所は国内外のあらゆる事業分野のM&Aに高度なリーガルサービスを提供する法律事務所です。案件規模・取引手法にかかわらず、事業や業界への深い知見と豊富な実務経験のある専門家が、M&Aのあらゆるステージで助言を提供しています。

(3)経営コンサルティングファーム系M&Aブティック

①デロイトトーマツコンサルティング

デロイトトーマツコンサルティングは、日本の4大監査法人のひとつに数えられるデロイト トウシュ トーマツの主要メンバーファームのひとつです。M&Aのアドバイザリー業務においては、クライアントの目標達成のためにベストな専門家チームを編成、万全の体制で臨んでいます。

②PwCコンサルティング

PwCコンサルティングは、デロイトトーマツと並び、日本の4大監査法人の一角を担う大手コンサルティングファームです。戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供、M&Aの各プロセスでクライアントが直面する課題にグループ全体で連携して解決へと導きます。

③パラダイムシフト

弊社パラダイムシフトは、企業評価が難しいとされるIT領域に特化したM&Aアドバイザリー業務を提供しています。また、アドバイザリーでありながら専門知識とトレンドを熟知したチームを有し、強固なネットワークを活用して自らも事業開発を行うプレイヤーでもあります。日本を代表する企業からベンチャー企業まで、M&Aに関連する一連のアドバイスと契約成立までの取りまとめ役を担っています。

(4)M&A仲介会社系M&Aブティック

①M&A総合研究所

M&A総合研究所は年間12,000件のM&A相談実績と、最短3ヶ月というスピード成約を可能にする完全成功報酬型のM&A仲介会社です。さまざまな業種の中堅・中小企業の仲介実績が豊富で、それぞれの案件に応じたM&Aアドバイザーがサポートします。

②日本M&Aセンター

日本M&Aセンターは成約実績ナンバーワンを誇るM&A仲介会社です。成長戦略の推進や後継者問題の解決など、クライアントの抱える経営課題に対して、士業専門家や金融機関とのネットワークを活かし、最適なソリューションを提供しています。

3.まとめ

メディアなどでたびたび報道されるような有名企業同士のM&Aには、必ずと言っていいほどM&Aブティックの存在があります。

ベストマッチングと言える相手企業を見つけたり、買い手・売り手双方のシナジー効果を最大化したりするためには、M&Aブティックとの連携が必要不可欠です。

しかしながら、小規模なM&Aほど「お金をかけたくない」「時間をかけたくない」といった理由から、買い手と売り手だけで手続きを進めてしまい、結果的にM&Aが失敗に終わるという例も少なくありません。

M&Aを成功に導くには、専門家の知識とノウハウ、交渉力が必須です。あくまでもM&Aは経営戦略のひとつであり、ゴールではなく新たなスタートですので、M&Aブティックと連携しながら進めることをおすすめします。

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