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アフリカのFinTechの状況は?普及した背景や注目したい7つのサービスを紹介

今回の記事では、FinTechとはそもそもどんなものかに触れつつ、アフリカのFinTechの状況や、普及した背景、そして実際に注目を集めている7つのサービスについて紹介していきます。

1.FinTechとは?

「FinTech」は、Financial(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語になります。利便性や安全性を高めることを目的に、新しい技術を既存の金融サービスへ活用したサービスのことを指しており、こういったサービスを提供するFinTech Companyも増えています。

ちなみにこのFinTechに使われている具体的な技術は、仮想通貨のシステムの土台になっているブロックチェーン、QRコード決済の技術、携帯電話の通信技術などです。これらの技術を使って、決済・送金・融資などの金融サービスが提供されています。

2.アフリカのFinTech事情

FinTech普及率第1位の国は中国ですが、実はアフリカでも、プリペイド式モバイル口座や、モバイルを使った送金サービスなど普及が進んでおり、FIntechの投資先として、有望な国のひとつとも判断されています。

ちなみに特に産業の勃興と成長がみられるのは、南アフリカやナイジェリアなどで、Partech Venturesが発表したレポートによると、アフリカのスタートアップへの投資額は、2017年で、およそ600億円に達したとされています(投資額の増加は2015年からはじまっており、2016年は約400億円、2015年は約300億円という結果になっています)。

数値参照:
https://theatlas.com/charts/S1dpnqcDz

3.アフリカでFintechが普及している理由

アフリカでFInTechが普及している理由は、大きく4つ考えられます。

(1)「銀行口座は持っていないが、携帯電話はもっている」という人が多い

アフリカは、銀行口座普及率のデータそのものがない国や、普及率が2割を下回る国もあります。しかしそういった状況のなかでも、携帯電話は持っているという人が多いため、携帯電話をつかったプリペイド式の決済・送金などは、より受け入れ易い身近な方法になっています。

ちなみにアフリカの農村地域の住民も、携帯・スマートフォンは高い確率で所有しているといわれており、2015年のITUの調査によると、アフリカの特に沿岸諸国での携帯普及率は75%を超えているともいわれています。具体的な数字であらわすと、約7億5000人の人が持っているとされています。

なぜ、アフリカでこんなにも携帯電話やスマートフォンが普及しているのだろう?と疑問に思う人もいるかもしれませんが、これは携帯電話メーカーのNOKIAが、過去2000年代初頭〜中盤に、途上国での端末普及に力を入れていたからです。

(2)経済成長・人口増加が続いているから

アフリカのサブサハラ地域(サハラ砂漠以南地域)や、海沿いの諸国が、特に経済成長率のポテンシャルが高いと注目されており、後者の場合、2010年以降、経済成長率は5%を超えるかたちとなっています。

そして経済成長率だけでなく、人口増加の割合が大きいことも特徴です。例えば、サブサハラ・アフリカは、人口増加率3.4%という数字が、2010年から続いており、このペースは2050年まで続くとみられています。ちなみに国連の見通しでも、2050年までにアフリカ全体の人口は21億人まで増えるとされています(現在は13億人)。

(3)治安が不安定で、現金を持ち歩きにくいから

アフリカは、治安がよくない地域が多く、盗難にあいやすいため、現金を持ち歩くことはリスクが大きくなります。そういった状況の中では、現金を常に持ち歩くよりも、QR決済や、モバイル口座から送金するほうが安心度が高いといえます。

(4)先進国のTech CompanyがFintechの投資先を探しているから

先進国が、発展途上国に積極的に投資していることも理由のひとつです。特に貧困層に向けて金融サービスを提供する動きが増えており、ゲイツ財団なども、貧困撲滅のためにFinTechに投資するとしています。

4.アフリカのFinTechサービスや、プラットフォームなどを7つ紹介

(1) M-PESA

M-PESAは、ケニアの通信会社safaricomと南アフリカ共和国のボーダコムによるサービスで、アフリカで最も成功しているFinTechサービスです。アクティブユーザーは3億7000万人以上いるとのことで、アフリカ地域だけでなく、インドやヨーロッパなどの地域にも進出しています。

利用することにより、携帯を利用しての個人間の送金や出金(受け取り)、支払いなどが可能になります。ちなみにお店の利用率も高く、ケニアにあるお店の多くは、このM-PESAを使って支払いできるようになっているようです。

また買い物での利用の他にも、請求書の支払い、給与の受け取り、短期ローンの取得など、様々な用途で利用可能となっています。

M-PESA

(2) BitPesa

BitPesaは、仮想通貨による決済や、銀行を介さない国際送金を可能にするケニアのサービスです。会社は2013年に設立され、現在はアフリカの5ヵ国(ケニア、ウガンダ、タンザニア、コンゴ、ナイジェリア)でサービスを展開しており、これまでに行われた取引きは5億ドル以上にものぼるとされています。

BitPesaを利用することにより、GHS、NGNなどのアフリカの通貨を、直接BTCに交換できるようになるので、海外向けの送金ももちろん可能になりますし、BitPesaを利用すれば、各国で普及しているモバイルマネーを使った決済も可能になります(例えばケニアのモバイルマネーと中国のモバイルマネーをつないだりなど)。

ちなみにビジネスは為替レートによって成立しており、送金手数料は発生しないとされています。

BitPesaの開発者へのインタビュー記事

BitPesa

(3) Easy Equities

Easy Equitiesは、小額から株式投資ができる、南アフリカ発のサービスです。2018年に「Southern Africa Startup Awards FinTech & Startup of the Year」、2016~17年に「InvestTech company Fintech Africa」を受賞するなど、アフリカで注目されているFinTechのひとつです。

株式口座を簡単に開設できること、投資の練習をするためのデモ口座も用意されていること、Tax Freeで利用できることなどが特徴で、投資初心者が抱くハードルを、とにかく低くして、多くの人に投資を経験してもらおうとしているサービスです。

実際の利用者からは「自分が応援したい南アフリカの企業をサポートできて、南アフリカの経済に貢献していることが感じられる」「Easy Equitiesはとても簡単に利用できて、利用料も安い」といった声が寄せられています。

Easy Equities

(4) Zoona

Zoonaは、安全で信頼できる金融サービスを、アフリカ全土のサービス不足のコミュニティに提供できるようにする、ザンビアのサービスです。

主にユーザーは、家族の通院や子供の学費、その他の必要経費の支払いなどにこのサービスを利用しており、これまでの取り扱い金額は10億米ドルを超えたとされています。

また、金融サービスなどを提供する起業家や小規模事業者は、先端技術を利用するためのプラットフォームとしても利用可能で、生計を立てる機会が限られている若者たちが、就労機会を増やす場としても機能しているようです。

Zoona

(5) Tala

Talaは個人向けに融資を行うローンサービスです。現在、世界中で400万人以上のユーザーに利用されていて、Paypalなども投資を行っています。ちなみにローンの範囲は10ドル〜500ドルとなっています。

利用方法は、Google Play Storeからアプリをダウンロードし、そのアプリ上で個人情報を入力してローン申請を行うかたちになっています。融資を受けるにあたり、様々な審査が必要になる銀行とは違って、より簡単に審査・融資が受けられることが特徴です。

実際の利用者の声を見てみると、子供に教育の機会を与えることや、ビジネスの持続と成長、そして大学を卒業するための必要資金の融資など、様々な用途で利用されていることがわかります。

ケニアの他に、フィリピン、メキシコ、インドなどにも拠点を構えています。

Tala

(6) Zidisha

Zidishaは、起業家に直接小額のお金を貸しだす、マイクロファイナンスサービスです。ビジネスではなく、慈善活動のプラットフォームとなっています。

お金を貸して欲しい個人は、自分の顔写真、具体的なビジネス内容、お金の具体的な使い道と返済方法などを、自分のページで説明できるようになっており、お金を貸す人はその内容を見て実際に貸すかどうか判断します(企業家と直接やり取りすることも可能となっています)。

具体的なプロジェクトとしては「食料品店を拡大するために150ドルを貸してほしい」「フェイスマスクをつくるためにお金を貸してほしい」「養鶏ビジネスのために、お金が必要」など、様々なプロジェクトが立ち上がっています。

また支援を受けたあとも、企業家は支援を受けた人に対し、プロジェクトの進行状況を文章や写真などで共有するかたちになっているため、自分の貸したお金が実際に役に立っているか状況を確認することも可能です。

ちなみにケニアでは、実際の融資と返済の取引きは、一番最初に紹介したM-PESAを利用して行われています。

Zidisha

(7) M-KOPA

M-KOPAは、太陽光発電キットなどを提供するサービスです。ケニアの首都ナイロビのスタートアップによるサービスで、ケニア、ナイジェリア、ウガンダなどの電力供給網が届いていない地域に住む低所得者の人に、手頃で高品質なエネルギーソリューションを提供することを支援しています。

キットのひとつを紹介しますと、

  • 8Wのソーラーパネル
  • 充電式FM / USBラジオ
  • コントロールユニットとリチウムバッテリー
  • 4つのLED電球(1.2W)
  • 電話充電ケーブル
  • カスタム充電ケーブル
  • 充電式LEDトーチ

などが全部セットになって提供されており、最初に頭金を支払った後、最大1年間にわたって、支払いを分割して行うことも可能になっています。

(M-KOPAはFinTechサービスではありませんが、こちらもM-Pesaを通じてサービス料金の支払いが行われています。)

M-KOPA

5.さいごに

パラダイムシフトは、IT領域のM&Aに強みをもつ企業として、新規事業開発サービスも提供しています。

普段のM&A業務で得た、様々な情報とビジネスモデルの知識、そしてM&Aを通して獲得した広く深いネットワークによるサポートなど、パラダイムシフトならではの価値を提供することが可能です。

FinTechにまつわる新規事業を検討中の方や、様々な新しい情報を必要としている方は、こちらのページもチェックしてみてください。

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