M&A

M&Aを行うには資格が必要?

本日はM&Aに関連する資格を中心にM&A実務において考慮すべき点について解説したいと思います。
専門家が実行するイメージの強いM&Aですが、その技術を裏付ける資格などについて紹介していきます。
それぞれの資格の特徴などについてご理解をいただき、M&A実務を行なう上で重要となる点についても解説いたします。

1.M&Aを行うには資格が必要か

さて、まずはM&Aを行なうには資格が必要かという点について説明したいと思います。
まず結論から述べると回答はNoです。M&Aを実行(仲介)するにあたって、必須となる資格はありません。

一方、M&Aの実行には様々な知識が必要となります。この知識を持っているかを証明する手段として、様々な機関がM&Aに関する資格を認定・運営しています。

必須の資格ではありませんが、こういった資格を持っているかでその人がM&Aに関する体系的な知識を保有しているかを確認することが可能となります。

2.M&Aに関連する資格

それでは、具体的にM&Aに関連する資格について見ていきたいと思います。
先ほども申しあげたとおり、様々な機関が資格を認定しておりますので、国家資格と民間資格にわけて代表的なものを紹介していきます。

(1)国家資格編

まずは、国家資格編です。国家資格では、M&Aに特化した資格というものはありませんが、国が資格を認めている様々なものでM&Aに関連する業務のプロフェッショナルが存在しています。

ア. 弁護士

最初に紹介したいのが弁護士です。当然のことながら、弁護士は法務の専門家です。
M&Aの実務では様々な法務に関する作業が発生します。例えば、売買契約書の作成や締結などがあります。また、契約に瑕疵があった場合のトラブル対応を法的な側面から支援するなどの業務もあります。

M&Aにおける法務関連全般の相談先として、非常に有益な資格者が弁護士です。弁護士資格を取得するのは非常に難しいですが、その分有資格者には多くの信頼が寄せられています。

イ. 公認会計士

次に、公認会計士です。公認会計士も弁護士同様に難関国家試験の一つと言われています。
公認会計士のM&Aにおける役割としては、デューデリジェンスと呼ばれる資産査定や株式評価など様々なものがあります。企業の会計・財務のプロフェッショナルとしてのサービスが期待できます。

また、公認会計士の中には、M&Aのコンサルタントやアドバイザーを担っている方々も多く、M&A戦略の立案から実行まで一気通貫のサービスも提供しています。こういった方々は、ファイナンシャルアドバイザー(FA)と呼ばれています。

ウ. 税理士

税理士もM&Aに関わる国家資格として有名です。
税理士は税務のプロフェッショナルであり、M&Aの実務においては資産査定の中でも税務に関するアドバイザリーを行ないます(法人税や企業売却時の所得税など)。なお、税務に関する業務は税理士の独占業務と規定されています。

また、中小企業では税理士との関係が深いところも多く、M&Aの相談先として気軽に相談ができるところの一つと言えます。

エ. 司法書士

司法書士は一般的には不動産登記業務のスペシャリストと認識されています。
しかしながら、近年では企業法務に強い司法書士がM&A関連業務に進出しています。中でも、事業譲渡における不動産移転や株式譲渡の登記などで活躍するケースが多いです。

司法書士は国家資格の中でも非常に難しいと言われている試験でもあり、資格保有者の知識は非常に高いとされています。こういった方々が今後もM&Aにおけるサポートを展開していくことが期待されています。

(2)民間資格編

国家資格に続いて、民間が認定しているM&A関連資格についても紹介したいと思います。
先述したとおり、M&Aの実務においては各国家資格保有者が活躍する場が多くありますが、民間資格保有者にも同様の機会があります。

ア. M&Aスペシャリスト資格

民間資格の最初として紹介するのは、一般社団法人日本経営管理協会が運営・認定しているM&Aスペシャリスト資格です。
本資格では、M&A・事業継承・再生などの知識を学び、座学で収まらない実務での活躍が期待できる専門家であることを証明しています。養成講座では、M&Aの最前線で活躍をされている実務家が教鞭を取っており、実務に即した知識を得ることができます。

また、資格取得後も年に1・2回程度の研修等が開催されており、学びを再確認しつつ、M&A関係者とのコネクションを作ることが可能です。

イ. JMAA認定M&Aアドバイザー

次に、JMAA認定M&Aアドバイザーについて紹介します。

本資格は、名称のとおりJMAA(一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会)が認定・運営しています。

資格取得には、協会が実施する養成講座を受講し、その後修了試験に合格する必要があります。修了試験の合格後に、入会資格に関する審査もあります。全ての工程をクリアすると、JMAAの正会員となり、本資格が認定されることになります。

こちらもM&Aスペシャリスト資格と同様に、資格取得後も年に二回程度のイベントや協会からの手厚いサポートを受けることができます。

エ. M&Aエキスパート認定資格

M&Aエキスパート認定資格は、一般社団法人金融財政事業研究会と株式会社日本M&Aセンターが共同で企画・運営しています。

本認定制度には三つのランクが設定されています。
認定制度の入り口となっているのが、「事業承継・M&Aエキスパート試験」であり、M&Aの基礎知識について学び、合格者にはその知識が備わっていることが証明されます。
その上位資格となるのが、「事業承継シニアエキスパート認定試験」と「M&Aシニアエキスパート試験」です。

M&Aシニアエキスパート試験では、M&A実務や企業評価実務、M&Aの法務・会計・税務などに関する知識について問われます。
M&Aシニアエキスパート養成スクールでは、日本のM&A業界で長年のノウハウを有している日本M&Aセンターが講師を派遣しており、実務に沿った学びを得ることができます。

オ. 事業承継士

最後に紹介するのが、事業承継士です。本資格は、一般社団法人事業承継協会が運営・認定しています。

名称のとおり、事業承継にフォーカスをした資格であり、事業承継業務に必要とされる知識を学ぶことができます。
事業承継士は単独での業務に留まらず、本記事でも紹介した国家資格保有者などの専門家をコーディネーターとしてまとめることが期待されています。

3.M&A実務において考慮すべき点

さて、ここまででM&A実行時の資格要否やM&Aに関連する資格の紹介などを行なってきました。
M&Aに関連する資格は有益なものですが、資格だけを信じて会社や従業員の命運を左右するM&Aを任せる先を決めてしまってよいのでしょうか。
本項では、資格だけでは判断できないM&A実務において考慮すべき点について触れていきたいと思います。

上記で説明した有資格者はM&Aのアドバイザーとなり、M&Aの買い手もしくは売り手と契約を行ない、契約先のM&Aに関する支援を行ないます。
M&Aの実務において、もう一つ重要な役割を担っているのが、M&A仲介会社です。アドバイザーとは異なり、買い手と売り手をつなぐことが業務となっています。そういった役割を担うため、買いたい企業・売りたい企業の情報を多く持っています。

M&A実務においてはアドバイザーだけでなく、有力な仲介会社をパートナーとして選ぶことが非常に重要になってきます。

4.M&A仲介会社を選ぶ上で重要なチェックポイント

それでは、M&A仲介会社(とその担当コンサルタント)を選ぶにあたってどういった点を注意すればよいでしょうか。
M&A仲介会社はM&A実務において多面的な役割を果たすため、色々な側面からその能力をチェックする必要がありますが、主なポイントについて紹介したいと思います。

(1)経営者との折衝の巧拙

まず、最初にお伝えしたいポイントは、経営者との実際の折衝における担当コンサルタントの技術です。
M&Aは企業同士の合併ですので、極めて情報の秘匿が重要視される分野です。したがって、買い手と売り手も中小企業であれば経営者自らが交渉を行なうことが多々あります。

M&Aコンサルタントは熟練の企業経営者の意図・要望をしっかりとくみ取って相手側へつなぐという重要な役割を担います。この技術は一朝一夕では身に着けることが難しいものであり、M&A仲介会社とそのコンサルタントを選ぶ際には、経営者として交渉を任すに足る能力があるのかを見極めることが重要です。

(2)対象企業の事業に対する深い理解

M&Aは企業と企業との結婚です。したがって、結婚相手がどういう人なのかをしっかりと理解して伝えるという仲人の役割が必要となります。
人と人との結婚であれば性格などが判断材料ですが、企業と企業との結婚においてはその企業が展開している事業の特徴を深く理解して、買収企業の事業とのシナジーをしっかりと考えることが重要になります。

M&A仲介会社とその担当コンサルタントが対象企業の事業について深い理解を持ち合わせているか、それを基にM&A後の姿を考えているかが重要な判断材料となります。

(3)業界動向の読み

M&A後の姿を考えるには、対象企業の事業理解だけでは足りないことが多々あります。
どんなに素晴らしい事業を展開している企業であっても業界自体が利益をあげることの難しい業界では、長期的な繁栄は難しいのが実際です。

したがって、M&Aコンサルタントは担当する業界動向にも精通している必要があります。

(4)顧客接点数に基づく保有情報量

M&Aの買い手と売り手をつなぐという役割を果たすためには、当然ですが保有している情報量も重要な判断材料となります。

実際に、仲介会社によっては十分な情報量を確保できていないため、良い案件を紹介できないというケースもあり得ます。また、情報量自体だけでなく、それに加えて顧客接点数も重要なポイントです。

単なる書面上の情報ではなく、数多くの買い手・売り手と接点を持つことによって、顔の見える案件を多く保有していることが極めて重要です。

5.M&Aを成長の武器として活用しよう

本記事では、M&A関連の資格を中心に、M&A実務において考慮すべき点について解説いたしました。
ここで紹介した有資格者や仲介会社を選ぶポイントを踏まえて、是非M&Aを成長に向けた企業戦略の一つとして活用していただければ幸いです。

弊社はIT領域特化型としてのM&A件数では国内最大であり、所属するコンサルタントも深い知識と経験を有しております。弊社をM&A検討時のパートナーとしてご検討頂ければと思います。

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