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IT業界・企業のM&Aについて解説|IT会社M&Aのメリットとは?

IT業界のM&Aは将来的に活況であると予想できます。理由は、今後起こり得る人材不足を補ったり、海外展開を目指したりするためにM&Aを活用する企業が増加するからです。

また、日本国内のM&Aのうち、全体の3分の1はIT業界が関係していると言われています。第4時産業革命時代とも呼ばれる昨今、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)も進んでいます。そのため、IT技術は企業成長に欠かせない存在なのです。優秀なIT部門を取り込むためのM&Aも増加するのではないでしょうか。

今回の記事では、IT・ソフトウェア領域のM&Aが買い手企業にもたらすメリットや、成功事例について解説します。自社のIT化を模索されている経営者の方は、ぜひご参考になってください。

【最新】IT業界の国内市場の動向とM&A

まずは、IT業界の成長率における最新動向とそれに関するM&Aの関係について見てみましょう。

2022年は前年比4.5%増

ITおよび通信分野に関する調査や分析をするIDC Japanは、2022年の国内IT市場予測が前年比の4.5%増で20兆962億円と予測しました。

この予測は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とロシア・ウクライナ戦争による影響を考慮している。コロナ禍によりリモートワークが定着化していく中で、企業システムのクラウド化が加速したことが主な影響といえるでしょう。

しかし、ロシア・ウクライナ戦争の影響も大きく、原材料の不足による価格高騰や調達先変更によりさまざまな場面で影響を及ぼしています。

これに対して、IT業界ができることは、予測不可能な危機や環境変化にも柔軟な対応ができるようにエコシステムを整えていくことであるといえるでしょう。

市場規模の拡大によるM&Aの増加が予想される

IT業界でM&Aが増加する要因には、産業レベルでの成長や収益性が向上している点にあります。技術進歩や規制緩和が実施されたことにより、産業の競争を促した結果、さまざまな企業が短期間で事業を拡大しようとM&Aが活発になります。

IT業界はとくに、目覚ましい技術革新が産業の成長や収益性の向上によい影響を与えて、市場は拡大するとともに、企業間のM&Aだけでなく、特定の事業でのM&Aも増加するでしょう。

IT業界のM&Aは将来的に活況である理由

近年、IT業界のM&Aは活発化しており、今後、さらに勢いが増すと考えられています。初めに、IT業界のM&Aが将来的に活況である理由を解説します。

人材不足になるから

最も大きな理由としてあげられるのが人材不足です。新卒採用や中途採用では追いつかず、現在も深刻な人手不足です。

経済産業省が委託して実施した調査によると、IT人材の需要と供給の差は、2030年には45万人に拡大すると予測されます。

IT 人材需給に関する調査

出典:IT 人材需給に関する調査|みずほ情報総研株式会社(経済産業省委託事業)

IT産業は、AIビックデータなど第四次産業革命により、今後さらに需要が見込まれますが、人口減少が予測される若年層を中心に人材不足が深刻化する見込みです。

M&Aでは、自社にない技術や経験のある人材を獲得すること、教育に時間を割かずとも優秀で即戦力になる人材を獲得できる可能性が高まるため、M&Aを実施しようとする動きが活発化しているのです。

海外進出を目指すICT起業が多いから

経済産業省のデータによるとIT企業の市場規模は拡大するとされていますが、人口減少により全体的な国内市場は先細りになる可能性もあります。そのため、海外へ進出するICT企業が増えると予想されます。

人口減少時代のICTによる持続的成長

出典:人口減少時代のICTによる持続的成長|総務省

総務省が公開したデータによると、平成30年における日本のICT企業の海外展開率は29%ですが、今後は10%増加することが見込まれています。

また日本は他の主要国と比べると、海外進出するICT企業の割合が少ない状態です。他の主要国と同程度まで海外進出をする企業が増加する余地がある点を考えると、海外のM&A案件は増加するのではないでしょうか。また海外の企業を買収すると、海外の技術や人材、販路などの獲得の近道となるため、新技術の獲得のためにも海外企業のM&Aが活発になると予想されています。

経営基盤を強化できるから

さらに、経営基盤を整えることを目的としたM&Aも盛んです。融資を受けづらく、資金繰りが難しいベンチャー企業や中小企業は、大手資本に参入したり、譲渡企業の資源や資産を得ることで経営基盤を整えます。

これにより、事業の拡大へつなげることができます。

新技術の獲得に役立つから

M&Aを実施することで新たな技術を獲得することに役立ちます。近年のITトレンドとして以下のものがあります。

  • 5G
  • エッジコンピューティング
  • HRテック
  • キャッシュレス化

これらの技術は、開発や研究に多くの時間や費用を費やします。そのため、M&Aでこれらの新技術を獲得できれば、時間と費用の削減となります。

IT・ソフトウェア領域のM&Aのメリットとは

自社のIT・ソフトウェア領域を強化する目的で行うM&Aには、どのようなメリットがあるでしょうか?

優秀な技術者を獲得できる

買い手の最大のメリットは、何と言っても「優秀な技術者を獲得できること」でしょう。

近年、業界を問わずIT・ソフトウェア領域の課題が浮き彫りになっていることから、IT・ソフトウェアに関する豊富な知識やノウハウ、技術をもった人材の需要が高まっています。

これまでIT領域にリソースの多くを注力してこなかった企業の場合、一から技術者を育てるには資金も時間もかかります。

優秀な技術者のいるIT企業を買収すれば、経験豊富な人材をM&Aにかかるコストだけで獲得、自社の発展を加速度的に進められます。

近年では、システム開発ができる「システムエンジニア」や、システム開発プロジェクトの全体を見渡せるリーダーシップを持った「プロジェクトマネージャー」など、専門的知識や技術、経験のある人材を獲得する目的で、M&Aが行われるケースが増えてきています。

今後もさまざまな業界で技術革新が進んでいくことが予想されるため、技術者獲得を最優先課題とするM&Aは今後も増え続けていくことでしょう。

新技術の獲得によるシナジー効果

M&Aによって自社が持っていない新技術を獲得することで、シナジー効果に期待できます。

たとえば、紙ベースの書類のやりとりが多い企業であれば、帳簿や勤怠管理を電子化することにより、作業効率アップや業務コストの削減、本業の生産性の向上も狙えるでしょう。

近年は、スマートフォンの普及やキャッシュレス化の推進を筆頭として、企業におけるIT・ソフトウェア領域は重要度を増しています。

自社のIT・ソフトウェア領域の強化=市場における競争力の強化と言っても過言ではありません。この激流についてくためには、最新技術やその技術を使いこなすためのノウハウが、業界を問わず必要になってきます。

新規事業や未開拓の営業ルートを拡大できる

IT・ソフトウェア企業をM&Aで買収することにより、新技術を活用して新規事業に参入したり、買収した企業の顧客を取り込んで未開拓の営業ルートを拡大したりできます。

本来であれば、新規事業への参入には従業員の教育や取引先の開拓、組織の再編など莫大なコストがかかるところを、M&Aでは一気に事業の拡大に持っていけるというメリットがあります。

第4時産業革命に対応できる

近年、第4次産業革命と呼ばれる技術革新・デジタル化の潮流が、国内外の全産業に波及しています。

たとえば、自動車業界ではITベンチャー企業との資本提携により、自動運転技術の開発に注力しています。

今後、海外企業も含めた競争に勝つためには、他社や大学、地方自治体、起業家など、異業種・異分野の持つ技術やアイデア、ノウハウなどを組み合わせ、革新的なビジネスモデル、商品・サービスの開発につなげる「オープンイノベーション」が、すべての業種で求められます。

経済産業省では、令和2年度税制改正において、オープンイノベーション促進税制を創設しました。

本税制改正の目的は、第4次産業革命に伴う急激な事業環境変化に対応すべく、既存企業とベンチャー企業とが連携して行うオープンイノベーションを促進することにあります。

2020年4月1日から2022年3月31日までの間に、中小企業の出資の場合は1件あたり1,000万円以上であれば、出資額の25%を所得控除して、税負担を軽減できるでしょう。

自社のIT領域のM&Aにマッチングする企業を探す方法

自社のIT領域における課題を克服できる企業を探すためには、以下の方法が推奨されます。

(1) M&Aのマッチングサイトを利用する
(2) M&A仲介会社に依頼する

M&Aのマッチングサイトを利用する

M&Aのマッチングサイトでは、全国のさまざまな案件が紹介されており、相手企業を探すだけでなく、検討から成約までを全体的にサポートしてくれるサービスもあります。

マッチングサイトを利用すれば、収集できる情報に限りのある地方企業でも、効率的にマッチング相手を見つけられます。

M&A仲介会社に依頼する

M&A仲介会社を利用すれば、依頼者の希望に沿った企業をピックアップしてくれるため、買収先選びでかかる時間を短縮できます。

また、M&Aに精通した公認会計士税理士、弁護士などと提携しているため、M&Aにおけるさまざまなトラブルに即時対応してもらうことも可能です。

IT関連のM&Aにおける仲介業者を選び方

次にIT関連のM&Aを実施する際の仲介業者の選び方について紹介します。

  • IT関連の専門知識があることを確認する
  • M&Aに関する深い知見と経験を備えている
  • 料金体系が明瞭
  • 担当スタッフが信頼できる
  • 自社規模に相応の案件の取扱いがあることを確認する
  • M&Aの目的を明確して仲介業者を選ぶ

紹介するのは以下の6つです。詳しく見ていきましょう。

IT関連の専門知識があることを確認する

まずは、その仲介業者にITの専門知識があるのかどうか確認しましょう。専門知識がなければ、自社が希望する企業を仲介してもらえなかったり、異なる領域の企業を紹介されてしまう可能性があります。

IT関連の案件をどれだけ経験しているか、これまでにIT企業に勤めていた経験のあるアドバイザーは在籍しているかどうかなどを重点的に確認することをお勧めします。

M&Aに関する深い知見と経験を備えている

M&Aの業務には、会計や法律に関わることなど広い範囲の専門知識を必要とします。さらに多くの経営者と交渉できるような実務経験やコミュニケーション能力の他、人脈も必要です。

仲介業者にM&Aのアドバイザーを依頼する際には実務経験の豊富なアドバイザーに依頼するようにしましょう。

料金体系が明瞭

M&Aの料金形態は、手数料相談料、成功報酬など、多くの種類があり複雑です。料金形態の仕組みを理解しないまま契約してしまうと、想定外の料金を支払うことになる可能性があります。

できる限り、料金形態のわかりやすい仲介業者を選ぶようにし、契約前には正確な料金を把握するようにしましょう。

担当スタッフが信頼できる

M&Aは担当者の能力により結果が左右される特徴があります。担当者との相性やと相性が良ければ満足の行くM&Aの結果が出る可能性も高くなります。

契約前にどの方が自分の担当者となるのか、事前に確認することをおすすめします。

自社規模に相応の案件の取扱いがあることを確認する

依頼する仲介会社に自社と同じ規模の案件を取り扱っているのかどうか確認しましょう。

これまでに同じ規模の案件を取り扱ったことのある場合、リスクへの対処や、どのように交渉すれば良いのかなどを認識しているため、スムーズにM&A取引きをすすめてもらえるでしょう。

M&Aの目的を明確にして仲介業者を選ぶ

最後に重要な点として、自社がM&Aをする目的を明確にするようにしましょう。

M&Aは今後の会社の行く末を左右する重要な取引きであり、手続きの期間は長期的になります。日々の業務をこなしていくうちに目的がM&Aを実行することに変わってしまう可能性があるので注意しましょう。

また、目的を明確にすることで、解決すべき課題が見えやすくなり、仲介業者にもわかりやすく自社の希望を伝えられます。

IT領域に特化したM&Aアドバイザリーに依頼する

IT領域のM&Aを検討の際にはその領域に特化したアドバイザリーに依頼するのがお勧めです。M&Aの契約には、仲介契約とアドバイザリー契約の2種類があります。

仲介業者が買い手企業と売り手企業、双方と契約を結ぶ仲介契約に対してアドバイザリーは、買い手企業と売り手企業、どちらか一方の企業と契約をします。さらにアドバイザリーの立ち位置により、仲介とアドバイザリーで違いが生じます。

M&Aアドバイザリーと仲介会社の違い

上述の通り、アドバイザリーは買い手企業か売り手企業、どちらか一方と契約しているため、報酬もどちらか一方から支払われることとなります。それに対し、仲介会社はM&Aが成立した際に、成功報酬として双方からの報酬を受取ります。そのため、仲介会社は中立的な立場にあることが多くなります。

以上の点を考慮した場合、アドバイザリーは自社の利益を第一に考えてくれるため、希望する条件でM&Aを実施できる可能性が高くなると言えるでしょう。

IT領域に特化したM&Aアドバイザリーの特徴

IT領域に特化したM&AアドバイザリーはIT業界を熟知しているため、業界の動向流行に敏感です。このように、ある業種に特化したアドバイザリーに契約することで、リスクを抑え、最大の利益でM&Aを成功させることができるでしょう。

IT業界のM&Aは活況!IT領域に強い仲介業者に依頼しよう

現在は第4次産業革命時代とも呼ばれており、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)も加速しています。そのため、シナジーによる企業成長を期待してIT企業を買収する企業は、今後ますます増加するのではないでしょうか。

パラダイムシフトは2011年の設立以来、豊富な知識や経験のもとIT領域に力を入れ、経営に関するサポートやアドバイスを実施しています。

パラダイムシフトが選ばれる4つの特徴

  • IT領域に特化したM&Aアドバイザリー
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