M&A

そもそもIT領域のM&Aってどんなメリットがあるの?

国内のM&Aのうち、全体の3分の1はIT業界が関係しています。

どんな業界・業種であっても、ITと切り離して考えることはできず、企業のIT化が進まなければ、変化する顧客ニーズに対応できない、いつまでも業務効率化が図れないなどの弊害が起きてしまいます。

今回はIT・ソフトウェア領域のM&Aが買い手企業にもたらすメリットや、成功事例について解説します。
自社のIT化を模索されている経営者の方は、ぜひご参考になってください。

1.IT・ソフトウェア領域のM&Aのメリットとは

自社のIT・ソフトウェア領域を強化する目的で行うM&Aには、どのようなメリットがあるでしょうか?

(1)優秀な技術者を獲得できる

買い手の最大のメリットは、何と言っても「優秀な技術者を獲得できること」でしょう。

近年、業界を問わずIT・ソフトウェア領域の課題が浮き彫りになっていることから、IT・ソフトウェアに関する豊富な知識やノウハウ、技術をもった人材の需要が高まっています。

これまでIT領域にリソースの多くを注力してこなかった企業の場合、一から技術者を育てるには資金も時間もかかります。

優秀な技術者のいるIT企業を買収すれば、経験豊富な人材をM&Aにかかるコストだけで獲得、自社の発展を加速度的に進めることができます。

近年では、システム開発ができる「システムエンジニア」や、システム開発プロジェクトの全体を見渡せるリーダーシップを持った「プロジェクトマネージャー」など、専門的知識や技術、経験のある人材を獲得する目的で、M&Aが行われるケースが増えてきています。

今後もさまざまな業界で技術革新が進んでいくことが予想されるため、技術者獲得を最優先課題とするM&Aは今後も増え続けていくことでしょう。

(2)新技術の獲得によるシナジー効果

M&Aによって自社が持っていない新技術を獲得することで、シナジー効果に期待できます。

たとえば、紙ベースの書類のやりとりが多い企業であれば、帳簿や勤怠管理を電子化することにより、作業効率アップや業務コストの削減、本業の生産性の向上も狙えるでしょう。

近年は、スマートフォンの普及やキャッシュレス化の推進を筆頭として、企業におけるIT・ソフトウェア領域は重要度を増しています。

自社のIT・ソフトウェア領域の強化=市場における競争力の強化と言っても過言ではありません。この激流についてくためには、最新技術やその技術を使いこなすためのノウハウが、業界を問わず必要になってきます。

(3)新規事業や未開拓の営業ルートを拡大できる

IT・ソフトウェア企業をM&Aで買収することにより、新技術を活用して新規事業に参入したり、買収した企業の顧客を取り込んで未開拓の営業ルートを拡大したりすることができます。

本来であれば、新規事業への参入には従業員の教育や取引先の開拓、組織の再編など莫大なコストがかかるところを、M&Aでは一気に事業の拡大に持っていけるというメリットがあります。

(4)第4時産業革命に対応できる

近年、第4次産業革命と呼ばれる技術革新・デジタル化の潮流が、国内外の全産業に波及しています。

たとえば、自動車業界ではITベンチャー企業との資本提携により、自動運転技術の開発に注力しています。

今後、海外企業も含めた競争に勝つためには、他社や大学、地方自治体、起業家など、異業種・異分野の持つ技術やアイデア、ノウハウなどを組み合わせ、革新的なビジネスモデル、商品・サービスの開発につなげる「オープンイノベーション」が、すべての業種で求められます。

経済産業省では、令和2年度税制改正において、オープンイノベーション促進税制を創設しました。

本税制改正の目的は、第4次産業革命に伴う急激な事業環境変化に対応すべく、既存企業とベンチャー企業とが連携して行うオープンイノベーションを促進することにあります。

2020年4月1日から2022年3月31日までの間に、中小企業の出資の場合は1件あたり1,000万円以上であれば、出資額の25%を所得控除して、税負担を軽減することができます。

2.さまざまな業界におけるIT領域のM&A事例

国内外における異業種×IT企業のM&Aの事例をいくつかご紹介します。

(1)トヨタとLINEの協業による「LINEカーナビ」の開発 |事例1

従来の車載カーナビは年数を経ると地図データが古くなるため、そのたびに更新費用を支払って、データを更新する必要がありました。

2019年にトヨタはLINEとの協業により、「LINEカーナビ」を開発しています。

LINEカーナビはLINEの独自AIアシスタント「Clova(クローバ)」と、トヨタの高精度なナビエンジンを融合させたカーナビアプリで、Clovaの持つ高精度の日本語音声認識、音声合成技術を活用した音声インターフェースと、トヨタのハイブリッドナビエンジンの豊富な走行データをもとに最適な情報を提供します。

カーナビ市場において、スマホにインストールすれば基本無料で使えるLINEカーナビの登場は、「台頭と言うよりも爆発的」と賞されています。

(2)ビール工場へAIを活用した濾過計画システムを導入 |事例2

NTTデータ通信は、設立当時から国内最大手のSIer(システムインテグレーター)としてM&Aを積極的に活用、業界を牽引し続ける存在です。

同社はNTTデータセキスイシステムズとキリンビール株式会社ビールとの共同で、ビールを製造する醸造工程において、AIを活用して最適な濾過計画を立案するシステムを開発しました。

従来は、熟練のスタッフでも1回につき6時間以上はかかっていた濾過計画の立案が、この濾過計画システムが導入されたことで、最短55分までの短縮に成功しています。

システムを導入したキリンビール3工場では、濾過計画システム導入で年間最大約2,500時間程度の時間短縮を見込み、創出された時間でビール品質向上に向けた取り組みや、若手への熟練者からの技術伝承等を進める計画です。

(3)キャッシュレス決済環境の整備を目的とした買収|事例3

日本国内のキャッシュレス決済比率は、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を契機にインフラが整備されたものの、まだまだ諸外国に比べて大きな遅れを取っている現状です。

大和ハウス工業は、2018年4月27日に株式会社ロイヤルゲートを子会社化しました。ロイヤルゲートは、キャッシュレス決済サービス「PAYGATE(ペイゲート)」を提供する会社です。

大和ハウスはペイゲートを、取引先約4,000社のテナント企業に提供、キャッシュレシュ決済への対応を加速させたことにより、顧客満足度の向上や経理作業の効率化、コスト削減などに成功しています。

同社は今後も、新しい技術を積極的に社会に提案することにより、事業を通じた社会課題解決に取り組む姿勢です。

(4)ビッグデータを活用して地方創生支援を加速|事例4

地方創生のプラットフォームの役割を担う「社会貢献型企業」として、出版事業やWEB・ソリューション事業を展開しているサイネックスは、2018年4月2日、ビッグデータを活用したインターネット関連ソリューション提供のバズグラフの株式を取得し、子会社化しました。

同社がバズグラフを子会社化したことにより、ビッグデータを活用したインターネットソリューションの提供、ウェブ上のクチコミ解析等の活用により、さらにきめ細かな提案が可能となります。

今後はeコマース事業、ふるさと納税支援事業のマーケティング、地方自治体や中小事業者向けのソリューションを強化し、地方創生支援を加速していくと公表しています。

(5)小売業界のオムニチャネル化を支援|事例5

日本国内の通販サイトやECサイトなど、EC市場の規模が急速に拡大するなか、店舗や倉庫の在庫を同期させ、リアルタイムに管理することは非常に負荷が高い作業です。

さらに、小売業界では、小売店が消費者のニーズを的確にとらえていくために、ネットとリアルを融合した「オムニチャネル化」が進んでいます。

デジタルマーケティング分野をはじめ幅広い分野で小売店を支援してきた凸版印刷は、2018年8月1日付けで、在庫管理システムやEC構築システムで小売業務全般を支援するMonoposを完全子会社化しました。

早くからIoTやビックデータ活用に取り組んできた両社が連携することにより、流通・小売業界のさらなるデジタルサービスの強化、オムニチャネル化の推進に期待が寄せられています。

3.自社のIT領域のM&Aにマッチングする企業を探す方法

自社のIT領域における課題を克服できる企業を探すには、以下の方法が推奨されます。

(1) M&Aのマッチングサイトを利用する (2) M&A仲介会社に依頼する

(1)M&Aのマッチングサイトを利用する

M&Aのマッチングサイトでは、全国のさまざまな案件が紹介されており、相手企業を探すだけでなく、検討から成約までを全体的にサポートしてくれるサービスもあります。

マッチングサイトを利用すれば、収集できる情報に限りのある地方企業でも、効率的にマッチング相手を見つけられます。

(2)M&A仲介会社に依頼する

M&A仲介会社を利用すれば、依頼者の希望に沿った企業をピックアップしてくれるため、買収先選びでかかる時間を短縮することができます。

また、M&Aに精通した公認会計士や税理士、弁護士などと提携しているため、M&Aにおけるさまざまなトラブルに即時対応してもらうことも可能です。

4.まとめ

今次の新型コロナウイルス禍では、外出自粛が叫ばれているなか、リモートワークに対応できない、書類の提出にわざわざ出社しなければならないなど、中小企業のIT化の遅れが浮き彫りとなっています。

IT化が遅れている原因を探ってみると、その多くは人間の心理や人材の確保、業務内容の変化に不安を感じることが中心のようです。

しかし、IT化を避けていると、変化する顧客ニーズに対応できない、業務効率化がいつまでも進まないなど、課題解決ができないまま取り残されてしまいます。

IT化の重要性を意識しながら、不安があるためになかなか着手できないという中小企業の経営者の方は、ぜひパラダイムシフトにご相談ください。

パラダイムシフトは、IT領域において豊富なPMIの実務経験をもとに、企業様のM&Aを成功に導く徹底したサポートをご提案させていただきます。

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