- 富士通の最新決算を知りたい!
- 富士通ってどんな会社なのか?
- 富士通の業績は今後どうなる?
2023年1月31日に発表された富士通の最新決算は気になりませんか?
今回の最新決算で営業利益が過去最高収益を記録した富士通ですが、営業利益の赤字や最新決算で明らかになった本業への懸念など課題を残しています。
そこで、IT×M&Aに関連して一連のアドバイスと契約成立までの取りまとめ役を担ってきた「パラダイムシフト」が、富士通の最新決算や富士通株式会社について、営業利益が赤字だった原因、本業への懸念などを解説します。
具体的には、
- 富士通の最新決算(2023年3月期)
- 富士通株式会社はイノベーションにより社会に信頼をもたらす会社
- 営業利益が赤字だった原因は「部材価格の高騰」
- 過去最高益を記録するものの本業に懸念
- 富士通の業績予想
を解説します。
この記事を読むことで、富士通の最新決算が把握できM&Aを持ちかける相手先かどうか分かります。
目次
富士通の最新決算を公開!(2022年3月期)
2023年1月31日に富士通が発表した、2022年度第3四半期(2022年4月1日~12月31日)の連結業績は以下の通りです。
2022年3月期第3四半期 | 2023年3月期第3四半期 | 増減率 | |
売上収益(百万円) | 2,543,537 | 2,636,735 | +3.7% |
営業利益(百万円) | 146,668 | 173,285 | +18.1% |
税引前利益(百万円) | 158,422 | 204,633 | +29.2% |
当期純利益(百万円) | 124,283 | 112,749 | -9.3% |
基本的1株当たりの四半期利益(円) | 627.51 | 627.51 | ー |
希薄化後 〃 (円) | 626.81 | 626.81 | ー |
資産合計(百万円) | 3,331,809 (2022年3月期) | 3,133,142 | ー |
資本合計(百万円) | 1,715,749 (2022年3月期) | 1,717,205 | ー |
※本業の営業利益は1517億円となりました。
富士通株式会社はイノベーションにより社会に信頼をもたらす会社
2023年3月期第3四半期決算が上々な富士通ですが、実際はどんな会社なのでしょうか。
富士通株式会社の会社概要や事業分野などを解説します。
会社概要
富士通の会社概要は以下の通りです。
会社名 | 富士通株式会社 |
本社所在地 | 〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター |
設立 | 1935年6月 |
代表取締役社長 | 時田隆仁 |
事業内容 | ・テクノロジーソリューション ・ユビキタスソリューション ・デバイスソリューション |
従業員(連結) | 124,200人 |
事業分野
富士通が取り組んでいる事業は7つの分野に分かれます。以下の表に7つの分野名と概要を示します。
事業分野名 | 事業概要 |
Sustainable Manufacturing | これまでのICTとDXパートナーとしての経験と、これからのAIやハイパフォーマンスコンピューティングなどの革新的なテクノロジーを組み合わせて、製造業を中心としたサプライチェーン全体の可視化とトレーサビリティを実現していきます。 |
Consumer Experience | 富士通のテクノロジーとサービスを組み合わせて、新しい体験と持続可能な社会の両立を実現することで、消費者に新たな価値を提供していきます。 |
Healthy Living | 先端技術を誰もが使える社会の実現にむけて、生活者・医療機関・企業・行政などをつなげ、身体や精神などが健康で誰もがイキイキと活躍できる世界を実現します。 |
Trusted Society | 人々が豊かに安心して暮らせる社会の実現をするために、地球環境に配慮しつつ私たちの社会生活を守り、より良くしていく都市づくりを考えていきます。 |
Digital Shifts | 富士通は変革を継続するとともに、持続可能な社会に向けて業種や国を越えて、企業の変革と人々の働き方や暮らしを支えていきます。 |
Business Applications | 富士通の最新のアプリケーションは、企業が持続的な価値提供と成功を実現するためにスピードや生産性、業務の高度化などを実現します。 |
Hybrid IT | 富士通はヒトやデータ、モノ、サービスをシームレスで安全に繋ぐことで、都市運営の効率化、製品やサービスのパーソナライズ化など、ビジネスの潜在能力を最大限に引き出す支援をします。 |
サービス
富士通はクラウドやセキュリティ、デジタルテクノロジーなどに関するさまざまなサービスを展開しています。
以下の表に富士通が提供する代表的なサービスや概要、詳細サービスを3つご紹介します。
サービス名 | 概要 | 詳細サービス |
5G | 富士通は「ローカル5G」の普及により、多くの企業がデジタル革新をスタート・促進できるようになったため、全国のサービス事業者のインフラ構築を支援します。 | ・プライベートワイヤレスマネージド ・プライベートワイヤレスクラウド |
クラウド | 富士通クラウドは、顧客業務の促進やデータセキュリティ、運用サポートをコンセプトに最大限の信頼性を追求します。また、顧客のニーズに応えて最適なクラウド環境提供に努めています。 | ・FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud ・FUJITSU Hybrid IT Service for Microsoft Azure ・FUJITSU Hybrid IT Service for AWS ・FUJITSU Hybrid IT Service for Google Cloud |
Fujitsu ネットワーク サービス | クラウドサービスの利用が拡大し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展や働き方改革の推進が加速しているなか、ヒト・モノ・コトをいつでもどこでもシームレスにクラウド環境とつなぐネットワークサービスを富士通が全力でサポートしていきます。 | ・SDN ・WAN ・モバイル ・ワイヤレスソリューション ・セキュリティ ・インターネット ・コラボレーション ・その他 |
富士通が描く技術と未来社会のビジョン
富士通が描く技術と未来社会のビジョン「Fujitsu Technology and Service Vision」では、環境・社会・経済の進め方や、テクノロジーが切り開く未来ビジョンを掲げています。
富士通が掲げる具体的な変革テーマ「3つのMODULE」は以下の通りです。
MODULE1 サステナビリティ トランスフォーメーション | 現代における経営は、サステナビリティが最も重視すべき喫緊の課題の一つとなっており、世界のビジネスリーダー達が最も重要なこととしてあげたのが、サステナビリティを志向した企業パーパス(社会における存在意義)を定め、CEOが自ら情熱を持ってパーパスを実現するために行動することを従業員に促すリーダーシップです。 |
MODULE2 テクノロジービジョン | (1) ボーダレス・ワールド:リアルとデジタルが融合し、ヒューマンセントリックなエクスペリエンスを実現することにより、一人ひとりの可能性を最大化。 (2) ダイナミック・レジリエンス:不確実な未来のシナリオをデジタル空間で検証し、ビジネスや社会のレジリエンスを構築。 (3) ディスカバリー革命:コンピューティングパワーや次世代AIを活用して人とテクノロジーが創造的にコラボレーションし、イノベーションを加速。 (4) すべてにトラストを:人・データ・システムなどを安心・安全につなぐ分散型トラストテクノロジーにより、再生型社会をサポート。 |
MODULE3 ビジネスと社会の変革 | 富士通は、社会課題を解決するクロスインダストリーの4つの分野と、それらを支える3つのテクノロジー基盤からなる7つのKey Focus Areas(重点注力分野)における重要課題の解決に取り組み、パートナーとしてデジタルイノベーションによるサステナビリティ・トランスフォーメーションを推進します。 |
富士通が大切にしていること
富士通が大切にしていることは「パーパス」「大切にする価値」「行動規範」の3つです。
なかでも富士通が最も大切にしている「パーパス」についてご紹介します。
パーパスとは、世界中の富士通社員が力を合わせて「何のために日々仕事をするのか」を表す富士通の根幹の考え方です。
富士通社員は日頃から以下のようなストーリーを理解・意識して仕事に取り組んでいます。
背景となる世界認識 | ・世界がより複雑に結びつき、急速に変化する不確実な時代を迎えています。 ・わたしたちは長年にわたりテクノロジーを通じてお客様に価値を提供してきたグローバル企業として、社会の変革に主体的に貢献する責任があります。 ・この時代に世界の困難な課題を解決するためには、新たな方法で立ち向かう必要があります。 |
わたしたちの価値創造 | ・わたしたちは、人をデータやモノと結びつけることによって、ヒューマンセントリックなイノベーションを生み出していきます。 ・人がより創造的に働くことができるようエンパワーし、お客様の成功を支えていきます。 |
わたしたちの変革 | ・わたしたちの一人ひとりのすべての行動は、パーパスを起点としています。 ・人々が抱える課題に共感し、スピード感をもって協力して解決策を生み出し、環境・社会・経済により良いインパクトをもたらしていきます。 |
引用:Fujitsu Way(パーパス・大切にする価値観・行動規範)
営業利益が赤字だった原因は「部材価格の高騰」
富士通は、部材価格の高騰が原因で2022年第1四半期は営業利益がマイナススタートでした。
第2四半期も部材供給の影響が続いたものの、国内外ともにSI/サービスを中心にした受注が拡大傾向になり、第3四半期に入ってSI/サービスに続き、テクノロジーソリューションが堅調に推移をはじめました。
第3四半期は部材供給遅延の影響のリカバリーや採算性の改善が着実に進み、力強い積み上がりが見られました。
第3四半期累計は売上収益でマイナス362億円、営業利益ではマイナス204億円となったものの、富士通CFOを務める磯部武司取締役執行役員は、「第3四半期からはプラスに転じ、部材供給影響をほぼコントロールできる状況になった」とコメントしています。
過去最高益を記録するものの本業に懸念
富士通は2022年第3四半期決算で過去最高益を記録したものの、セグメント別に見ると本業の「テクノロジーソリューション」の営業利益率が4.8%と、富士通がかねて目標にしていた10%が未達で終わっています。
欧州を中心とした海外事業が伸び悩んだほか、プロダクトビジネスにおける部材価格の上昇やユーロ安が影響して営業利益を押し下げました。
為替の影響を除けば10%を達成できたとも言えますが、富士通は他力本願な考え方はしないです。
富士通がこれまで手掛けてきた構造改革により、全体の収益構造がしっかりしたものに変わってきて収益の拡大に結び付いている実感があるため、焦る必要はないのです。
富士通の業績予想
富士通の2023年3月期(2022年4月1日〜2023年3月31日)の連結業績予想は以下の通りです。
通期(対前期増減率) | |
売上収益(百万円) | 3,750,000(+4.5%) |
営業利益(百万円) | 375,000(+71.1%) |
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) | 255,000(39.6%) |
基本的1株当たり 当期利益(円) | 1,306.77 |
※直近に公表されている業績予想からの修正の有無:有
まとめ:一時期赤字だった富士通に復活の兆し!2023年から上昇傾向
富士通は、2022年第1四半期に部材価格の高騰を大きく受けて営業利益がマイナスからスタートしました。
第2、第3四半期と部材供給の影響が続いたものの、国内外ともにSI/サービスを中心にした受注が拡大傾向、さらに本業であるテクノロジーソリューションが堅調に推移をはじめました。
富士通がこれまで手掛けてきた構造改革により、全体の収益構造が変化していたので収益拡大に結び付いたと言えるでしょう。
2023年は、伸び悩んでいた海外事業や部材価格の高騰、ユーロ安がコントロール可能な状況になると予想されるので、2022年に低迷していた富士通はこれまで以上に発展することが期待できます。
パラダイムシフトは2011年の設立以来、豊富な知識や経験のもとIT領域に力を入れ、経営に関するサポートやアドバイスを実施しています。
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