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近年のIT業界で行われた資本業務提携の事例10選!

資本業務提携には低リスクでかつ迅速に「増資を受けられる」「経営ノウハウの共有ができる」というメリットがあります。
そのため変化の早いIT業界では資本業務提携が頻繁に行われているのです。
そこで今回の記事では2020年にIT業界で実現した資本業務提携を紹介し、両者の意図や今後の展望について解説します。

1. 「マイナビ」と「ALBERT」

2020年12月21日、株式会社マイナビと株式会社ALBERT(アルベルト)の間で資本業務提携が結ばれました。この締結ではマイナビは投資ファンドが保有していたアルベルト株式(165,800株)を譲受します。

マイナビは昭和48年に設立されました。そして現在では就職や転職支援サービスの他、進学やニュースなど多岐にわたる情報サービスを展開しています。一方でアルベルトはAIを活用したコンサルティングや情報分析サービスを展開しています。

この資本業務提携によってマイナビは同社が今後展開する事業のAI化や既存事業のAI分析を進めます。さらにグループ内のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくとのことです。

日々進歩するIT技術をいち早く導入し活用することは、IT企業にとって生命線です。さらに2020年は新型コロナウィルス感染拡大がテレワーク化などIT技術の活用がさらに押し迫られる課題となりました。その中で、マイナビは資本業務提携を使って自社のIT化を急ピッチで構築することと目指したのだと推測できます。

2. 「ロゼッタ」と「オルツ」

2020年11月27日、株式会社ロゼッタと株式会社オルツの間で資本業務提携が結ばれました。資本の譲受は第三者割当増資で行い、ロゼッタが250百万円で引き受けます。

ロゼッタは2004年2月、機械翻訳の技術開発を目的として創業しました。「日本人が海外で仕事をするには英語が必要」という常識を覆すべく様々な翻訳ツールを開発してきたのです。

一方オルツは2014年に設立されました。オルツの目指すところはP.A.I(パーソナル人工知能)の開発です。パーソナル人工知能とはインターネットクラウド上に自分自身の分身を構築します。そして自分がそこにいなくてもクラウド上でコミュニケーションをとることができるのです。

両社が資本業務提携することで、ロゼッタの自動翻訳技術がオルツのパーソナル人工知能に必要な言語処理能力に応用されることが決まっています。これによって自分の代わりに人工知能が仕事をしてくれる時代が近づくことになるでしょう。

3. 「SBI」と「じもとHD」

2020年11月20日、SBIホールディングス株式会社と株式会社じもとホールディングスとの間で資本業務提携が成立しました。株式の譲受はじもとホールディングスによる第三者割当増資です。この結果SBIホールディングスは1株につき958円で、3,653,500株を引き受けることになります。そしてSBIホールディングスはじもとホールディングス株式のうち17.34%を保有することになるのです。

じもとホールディングスは宮城県と山形県の地方銀行が経営統合して生まれた企業です。しかし人口減少やマイナス金利による地域経済の縮小に苦戦を強いられています。そしてコロナショックによる経済停滞が追い打ちをかけたのです。

そのような状況においてじもとホールディングスはSBIホールディングスが得意とするIT/FinTech技術を導入することを目指しました。そして両社協議の上で、資本業務提携を結ぶことになったのです。

この資本業務提携でSBIホールディングスはじもとホールディングスへの本業支援を行います。具体的にはSBIホールディングスの金融商品提供、共同でのファンド立ち上げ、そして運用資産の受託などです。

4. 「フューチャー」と「日本テクトシステムズ」

2020年9月3日、フューチャー株式会社と日本テクトシステムズ株式会社との間で資本業務提携が成立しました。資本移動に関する情報は公開されていません。

フューチャーはITコンサルティング事業とビジネスイノベーション事業を展開する持株会社です。一方で日本テクトシステムズは認知症に対する研究をIT技術と融合させたサービスを行っています。

今回の資本業務提携では高齢化社会にともなう認知症問題の解決がキーワードとなっています。認知症は介護負担や社会保障費の増加が懸念される一方で、その診断や正しいフォローや支援を判断することが難しい病気です。そのような状況において日本テクトシステムズはヘルスケアアプリの開発など、認知症対策に注力してきました。

一方でフューチャーは企業や社会にIT技術を迅速に浸透させることをビジネスとしてきました。両社が資本業務提携することで日本テクトシステムズの開発力が向上し、IT技術を活かした認知症対策がより一層広まることが期待できるのです。

5. 「コムチュア」と「センシンロボティクス」

2020年6月23日、コムチュア株式会社と株式会社センシンロボティクスの間で資本業務提携が結ばれました。この締結ではコムチュアが第三者割当増資を300百万円で引き受けたのです。

コムチュアは1985年に設立した独立系ソフトウェア会社です。クラウドサービスやビッグデータの活用を支援することで事業を拡大してきました。一方でセンシンロボティクスはドローンを活用した企業の課題解決を支援する企業として2015年に設立されました。

今回の資本業務提携においてコムチュアは自社の顧客が課題を解決する手段としてセンシンロボティクスの技術が必要だと述べています。なぜなら設備点検や災害対策にドローンを活用することが人材不足やコストの問題を解決すると注目されているからです。

一方センシンロボティクスはコムチュアとの資本業務提携と同時にENEOS系列や伊藤忠系列企業など計9社から第三者割当増資を受けることになりました。その結果、合計22億円の資金調達ができたのです。ドローン技術が産業界にとって大きなイノベーションになることが期待されています。

6. 「アクロディア」と「ダイコーホールディングス」

2020年6月12日、株式会社アクロディアと株式会社ダイコーホールディングスで資本業務提携が結ばれました。この締結でダイコーホールディングスはアクロディアの株式522,000株を取得し、持ち分比率1.98%の第2位の株主になったのです。

ダイコーホールディングスは2010年に設立された持株会社です。傘下にはフィンテックやブロックチェーンを用いたサービスを展開する企業があります。一方アクロディアはIoTを活かしたスポーツ技術の分析ツールやスマホゲームの開発などが主な事業です。またアクロディアはブロックチェーン技術にも実績があります。

この度の資本業務提携では両社が持つブロックチェーン技術を融合させることで、サービス開発の高速化を図りたいとしています。

具体的には生活が逼迫している人たちに給与の立て替え払いをブロックチェーンやAI技術を用いて行います。さらには企業の資金調達を円滑にするためのファクタリングやSTOシステムの構築を協業で実現する計画です。

7. 「クシム」と「レジストアート」

2020年6月8日、株式会社クシムと株式会社レジストアートの間で資本業務提携が合意されました。クシムは1997年設立のIT企業です。e-learningなど教育事業やバーチャル株主総会の支援などDXに向けたシステム構築を行っています。一方でレジストアートはブロックチェーン技術を用いて、アート作品の所有権を管理する事業を展開しています。

両社はともにブロックチェーン技術を活用した技術を有しています。クシムは資本業務提携によって自社のブロックチェーン技術を活用することでレジストアートの事業拡大に寄与することができると考えています。

8. 「日本サードパーティー」と「日商エレクトロニクス」

2020年5月29日、日本サードパーティー株式会社と日商エレクトロニクス株式会社との間で資本業務提携が締結されました。この締結において日商エレクトロニクスは第三者割当増資で日本サードパーティーの株式を470,000株引き受けます。(出資額423百万円)そして日商エレクトロニクスは日本サードパーティーの株式の7.81%(議決権では8.47%)を保有することになるのです。

日商エレクトロニクスはIT基盤の構築や保守・運用サービスを国内外で展開しています。一方で日本サード・パーティは海外メーカーの日本参入時のサポートを行う企業として設立されました。そして近年ではメーカー中心のサービスを個人ユーザーに広げていたのです。

両社の資本業務提携によって、日商エレクトロニクスが持つ個人ユーザーへの企画・提案力と、日本サード・パーティがもつサポート力を合わせて業績の向上を目指すとしています。

9. 「LINE」「セプテーニHD」と「ピアラ」が次世代アイドルを支援

2020年5月27日、LINE株式会社エンターテイメントカンパニーと株式会社セプテーニホールディングス、そして株式会社ピアラの3社がある会社と資本業務提携を結びました。提携先企業はSprootといい、3社は第三者割当増資にてSprootに出資する形をとったのです。

SprootはアイドルグループHKT48やNGT48を運営する企業の親会社です。そして資本業務提携した3社はそれぞれインターネット上のマーケティングやファンとのコミュニケーションツールを展開しています。

4社による資本業務提携によってSprootはアイドルグループの活動領域においてオンライン/オフラインの境界を無くした、新たな展開を目指すとしています。

10. 「ギフティ」と「KINCHAKU」

2020年5月21日、株式会社ギフティと株式会社KINCHAKUとの間で資本業務提携が結ばれました。この提携ではKINCHAKUが発行する新株にギフティが第三者割当増資で受け入れることになったのです。

ギフティは2010年に設立後、メールやLINEを使ってプレゼントとメッセージを送ることができるサービスを展開しています。一方でKINCHAKUは2018年に設立され、中小企業を中心に販促やマーケティング支援を事業としています。

この資本業務提携によってギフティはKINCHAKUが持つウォレット機能や、スタンプカード/会員証システムを自社に活用することを目指しているのです。

11. まとめ

今回紹介した資本業務提携は全てIT関連でかつ、上場企業が関係しているものです。したがってIT業界では資本業務提携が活発に行われていることが分かります。この流れは今後も続くと予想されます。そして自社のIT化をスムーズに実現するには資本業務提携を選択肢に入れることがますます重要になっているのです。

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