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近年話題のオンライン診療やデジタル薬の解説|日本や海外での医療DX化事例

「オンライン診療って何?」「デジタル薬ってどんな治療法なの?」と気になっていませんか。近年は医療業界でもデジタル・DX化の波が起きています。これからの生活においても、誰がいつ病気になるか分かりません。

今後デジタル化が進んだ病院に戸惑わないためにも、医療のオンライン化に対する理解を深めておきましょう。今回はオンライン診療やデジタル薬をはじめとして、医療現場のDX化の現況をまとめました。

1.オンライン診療とは何か?


医療のデジタル・DX化の基本としてオンライン診療が挙がります。現代社会ではインターネットに接続するだけで、画面の向こうにいる医者に健康状態を相談したり、診察を受けたりできるようになりました。その基本的な定義を覚えましょう。

(1).インターネットを通じて診察や治療方法決定を行うこと

オンライン診療とは、病院で行う手続きやサービスをインターネットで完結させることです。

予約は病院側が提供するアプリや公式サイトの専用フォームで済ませられます。診察代の決済は銀行口座の情報を入れれば進められるでしょう。

画面の向こうに医師や看護師が現れて、相談の理由について話したり、具体的な診察を受けたりできます。ビデオ通話で医師とコミュニケーションするようなイメージです。

2020年の新型コロナウイルスの感染拡大では、院内感染も相次いでいるので、他の病気に巻き込まれない意味でもオンライン診療は重要です。インターネットで診察を受けられる恩恵は大きいでしょう。

(2).病院に行かなくても診察してもらえるので便利

オンライン診療における最大のメリットは、病院に行かなくても診察してもらえることです。体調が悪くなって病院に行かなければと思っても、移動が面倒に感じる人もいるでしょう。

しかしオンライン診療が使えれば、自宅から医師に相談できます。病院を訪れたときに起きる待ち時間を省略できるメリットがあります。さらに薬を自宅に届けてもらえることもあります。

病院へ足を運ばずして体調不良の解決につなげられるのが、オンライン診療の魅力です。

(3).パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでも受けられる

オンラインといえばパソコンのイメージが強いようですが、近年はスマートフォンやタブレットでも診察を受けられます。

特にスマートフォンからなら、ケガや病気による通院が必要だったとしても、オンラインで済ませられることが多いでしょう。仕事をしながらでも医師に相談できる手軽さがポイントです。

病院の予約や決済も指によるタッチ操作で進められます。ペンを使った筆記式よりも手軽に手続きを済ませられます。

このようにスマートフォンやタブレットを通して診察を受けられることもオンラインならではの魅力です。

2.デジタル薬とは何か?

オンライン診療だけでなくデジタル薬も以上のDX化を支えるポイントです。医薬品に情報技術を取り入れているので、患者にとっても利用しやすくなりました。デジタル化による新しい健康問題解決の取り組みを紹介します。

(1).情報技術を取り入れた医薬品


治療方法に機械的な要素を入れたのがデジタル薬で、「情報技術を取り入れた医薬品」と呼んでもよいでしょう。別名「デジタル・セラピューティクス」とも呼び、医療のDX化におけるジャンルとして注目を受けています。

デジタル薬の開発のために、国内外の複数社が提携するなど動きも盛んです。医療業界に属する会社がデジタル技術の開発を助けてもらうために、他のジャンルの企業から協力を受けるケースもあります。

デジタル薬の開発は、うまくいけば従来の医薬品製造コストをカットできるメリットもあります。医療の利便性を上げるキーワードとしてデジタル薬も重要でしょう。

(2).医療のDX化により患者の健康を改善できる

デジタル薬のおかげで医療のDX化が進み、より多くの患者の健康を改善できるでしょう。医者の目視や従来の機械で見えなかった病気の原因が、デジタル技術で分かり、より多くの患者を救えるからです。

たとえば発達障害ならゲームアプリをプレイさせて、脳の大脳皮質を刺激し、注意力を改善する効果を期待できます。このアプリは塩野義製薬が2019年に治験を進めており、今後の動向にも注目です。

さらに大塚製薬ではアプリによってさまざまな顔写真を人に見せ、短期記憶改善からうつ病を治す取り組みを展開中です。

デジタル薬は安価に開発できるうえ、さまざまな悩みを抱えた人々に寄り添った解決法を実現できるため、DX化を支えるカギになるでしょう。

(3).アプリだからできる健康管理の方法

デジタル薬はアプリとしてできあがり、使っている人に適切な健康管理を促すことも可能です。アプリの文章や映像などが、見ている人の脳に刺激を与えるからです。感覚器官から情報が取り込まれ、行動意識を変える効果を望めるでしょう。

このようにアプリの力で患者の健康を改善する取り組みは世界中で展開しています。タバコへの依存や肥満などの生活習慣に関わる悪い要素も、アプリによる働きかけで改善できるでしょう。

このようにデジタル薬はアプリとして、多くの人々の健康管理や改善に働きかけられます。

3.日本での医療のDX化は遅れている?

オンライン診療やデジタル薬の話題をニュースで聞くと、日本ではどれだけ進んでいるのか気になる人もいるでしょう。結論からいうと、日本は世界デジタル競争力ランキングで上位に入れていないことから、まだ理解が進んでいないととれます。

しかし最近は新型コロナウイルスの感染拡大により、不要不急の外出自粛が推奨されたことから、医療のデジタル利用への理解度が高まりつつあります。日本の医療業界におけるDX化の現状をまとめました。

(1).日本は世界デジタル競争力ランキングで23位

2019年の世界デジタル競争力ランキングにおいて、日本は23位です。ここから見ると日本の医療業界におけるDX化は、世界的に進んでいるとは考えづらいでしょう。

日本のデジタル技術発展度における位置づけは、アジアに限ってもシンガポールや香港などに劣ります。ここから見ても、医療業界におけるDX化には課題が多いとイメージできるでしょう。

最近は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、さまざまな業界でのオンライン活用が推し出されています。しかしオンラインの機械を使い始めたからといって、すぐに運営体制が改善するわけではありません。

以上から日本の医療のオンライン化にはまだまだ問題がありそうです。

(2).旧来の運営体制を改善できず、DXの要素を入れられない

日本のDX化が進まない理由として「レガシーシステム」が挙がります。これは経済産業省が2018年に公開したレポートである『2025年の崖』でも取り上げられました。

出典: https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf

レガシーシステムとは、DX化以前に作った旧型のシステムを改められず、機材や体制などが古くなることです。新しいスタイルを取り入れられないことで経営に影響が出ることもあります。

企業内に運営体制が変わることを望まない役員やスタッフなどがいて、意見がまとまらないことからデジタル化を見送るケースもあるでしょう。

旧態依然の企業環境を改善できないため、医療業界のDX化も遅れているという指摘も見られます。

(3).コロナ禍でオンライン診療などデジタル化への理解は進んでいる

2020年の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、院内感染を防ぐためとしてオンライン診療の体制整備が進んでいます。同年10月30日には政府によりかかりつけ医のオンライン診療初診を解禁する動きも明らかになりました。

このように自宅にいながら診察を受けられるシステムは、コロナ禍をきっかけに日本でも理解が進んでいます。10月の政府の動きを見る限り、今後はさまざまな病気や事情において、オンライン診療を認める流れが確立しそうです。

世界的な有事をきっかけにしたものではありますが、日本でも医療のオンライン活用への理解は進んでいます。

4.日本における医療DX化の事例3つ

日本でも大手企業を中心に、医療のオンライン活用を進める事例が多くなりました。代表的な3つの事例を以下にまとめています。

(1).LINEを通して医師に相談できる「LINEヘルスケア」

LINEは日本で人気の通話アプリですが、「LINEヘルスケア」として医師に通話相談もできるようになりました。その名のとおり、LINEを通して医師に健康に関する相談を行えます。

自身だけでなく、家族の体調不良についても医師がアドバイスしてくれるのが大きいでしょう。病名の特定や薬の処方まではできませんが、健康問題を解決するヒントはつかめます。

LINEヘルスケアは、手軽な健康相談サービスとして注目です。

(2).精神疾患解決のヒントを与えるデータベース「Watson」

Watsonは大塚デジタルヘルスが開発する精神科医療ソリューションです。病気の原因や実態について正確につかみづらい精神疾患ですが、Watsonを使えばデータベース化できます。これは精神科医療に関するクラウドデータシステムです。

データベース共有により、精神疾患にかかった患者の症例を検索できることがポイントです。Watsonから導き出した最適な治療法は、広い意味でのデジタル薬として注目でしょう。

(3).医療のオンライン化を支援する「株式会社メドレー」

株式会社メドレーは、オンラインプラットフォームを提供することで、医療現場のDX化を助けています。

提供しているシステムもオンライン診療を実現する「CLINICSオンライン診療」、データベース共有型のデジタルカルテである「CLINICSカルテ」などバラエティに富んでいて注目です。

他にも「オンライン専門外来ネットワーク」として、病気についてセカンドオピニオンまでネットで受けられるシステムも展開中です。医療業界のDX化を支える企業として、メドレーの今後の動向も見逃せません。

5.海外における医療DX化の事例3つ

海外でもオンライン診療やデジタル薬を使ったDX化について、日本よりも本格的な取り組みが進んでいます。その実例を3つ見ていきましょう。

(1).アルコールや薬物中毒をアプリで解決するアメリカの「Reset」シリーズ

アメリカの「ピア・セラピューティクス」はアルコールや薬物の依存症を解決するアプリとして「Reset」シリーズを展開しています。依存症向けには「Reset」、オピオイド中毒向けには「Reset-O」を配信中です。

アプリという身近なものを治療法に使えることで、多くの人を依存症から救える可能性があります。医師の患者への介入を短時間で済ませられるだけでなく、慢性疾患の進行抑制が進むことで保険会社のコストも軽くなることを望めるそうです。

アメリカで問題になっている依存症を解決するカギとして、「Reset」シリーズは今後も活躍するでしょう。

(2).中国独自の遠隔診療システム「ワンミニッツ・クリニック」

中国でも医療のDX化は発達していますが、それを極めたものとして「ワンミニッツ・クリニック」という無人診療所があります。証明写真を撮影するボックスのような見た目をしていて、AIが音声を発したり、入った人を撮影したりして医療診断を行います。

これを受けて医師が別の場所から利用者の状態を確認し、処方箋まで出してくれるそうです。ボックスの近くには多くの種類の薬も置かれており、手軽に診察を終えられます。

中国独自の遠隔診療システムとして「ワンミニッツ・クリニック」が活躍中です。

(3).ヨーロッパでは国境を越えた遠隔診療の可能になった

ヨーロッパでは近年、国境を越えた遠隔診療が話題になっています。「EUの機能に関する条約」において、加盟国同士でサービスを提供しあい、市民も別の国からサービスを受けられるからです。

たとえばフランスに住んでいる人が、ベルギーにいる医師からオンライン診療を受けることも可能です。EU圏はもともと、IT技術を使って診察やアドバイスを患者に届ける「eヘルス」の市場規模が大きく、国境を超えた診断の可能性が経済効果につながっているでしょう。

EU圏が展開する別の国からのオンライン診療は、医療のDX化の代表例として今後も注目を受けそうです。

6.まとめ

日本や海外における医療のDX化事例から、オンラインやデジタル技術を使って健康問題や病気を解決できる可能性を知りましょう。オンライン診療やデジタル薬で、健康問題を解決できるパターンが増えたことで、多くの人が安心して長生きできそうです。

新型コロナウイルス感染拡大で医療現場でもオンライン活用が進んでいる背景も大きくなっています。医療のDX化は日本においてまだまだ課題は残りますが、うまくいけば多くの人の健康を改善するきっかけにもなるでしょう。

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