この記事では、サーバーはそもそもどんな役割をするもので、ざっくりどういった仕組みで機能しているのか、サーバーの種類にはどんなものがあるのか、そしてサーバーと合わせてよく耳にするドメイン/ IPアドレスの役割や仕組みなどについて説明していきます。
また合わせて、ホームページやWebサービスを自社で制作する場合と制作会社に依頼する場合、それぞれのメリット・デメリットや、M&Aによって開発・制作力をカバーした実際の事例などについても紹介していますので、今後新しくWEBサービスなどをリリースしたいと考えている人は参考にしてみてください。
1. サーバーとは
サーバー(Server)は、文章や画像、プログラムが記述されたファイルなど、様々なデータが保管されている倉庫のようなもので、受け取ったリクエストに対して、正しい反応を返すことがサーバーの基本的な役割です。普段私たちが見ているWebページの内容は、パソコンやスマホなどの通信機器とWebサーバーがやり取りした結果の表示となっています。
ちなみにデータを要求する側の機器(パソコンやスマホなど)をクライアント、その要求に応える役割を担う機器をサーバーと呼んでおり、インターネット回線を通じてデータのやり取りが行われています。
※ Webサイトを閲覧する際に利用しているブラウザ(Google Chrome、Safari、Firefoxなど)は、サーバー側からクライアント側に送信されたデータを制作者が意図するように翻訳する役割を担っており、ブラウザのおかげで、私たちは様々なコンテンツや買い物などを楽しめるようになっています。
2. ドメイン/ IPアドレス とは?
サーバーと合わせて、一緒にドメインやIPアドレスについても理解しておきましょう。
ドメインについて
ドメインは「https://www.yahoo.co.jp/」といった「https: //」などから始まる文字列のことです。それぞれのWebサイトごとに、個別のドメインが設定されていて、インターネット上の住所と呼ばれたりもします。
IPアドレスについて
ドメインやリンクをクリックした際、実は最初に、それぞれのドメインに対応した「183.22.58.2○○」などのIPアドレスを特定し、そのIPアドレスの情報から、目的のWebサイトにアクセスする仕組みになっています。ちなみにIPアドレスに直接アクセスしてWebサイトを閲覧することも可能ですが、数字の羅列で覚えにくかったりするため、個別のIPアドレスそれぞれにドメインを設定する形になっています。
3. サーバーの種類について
Webサーバー
Webサーバーの基本的な役割は、一般ユーザーが利用するPCやタブレット機器からの要求に、インターネット回線を通じて応えることです。普段、私たちが閲覧しているWebページは、Webサーバーにある情報(画像や文章など)を、インターネット回線を通じて取得した結果の表示となっています。
DNSサーバー
DNS(Domain Name System)サーバーは、IPアドレスとドメインを紐付ける役割を担っています。より詳しく説明すると、PCやスマホなどのクライアント機器から、まず最初に、DNSサーバーに対して目的のドメインに対応したIPアドレスの問い合わせを行なってから目的のWebサイトを表示する、という仕組みになっています。
データベースサーバー
データベースサーバーは、ユーザー情報などを保存・管理するためのデータベースシステムを持つサーバーのことです。「MySQL」というシステムが特に有名で、Webサービスの会員情報や購入情報などは、こういったデータベースサーバーと連携して管理されており、WebサイトやWebサービスなどを運営する際に、特に重要なシステムになります。
メールサーバー
メールサーバーは、メールを送受信する際に機能するサーバーのことです。GmailやYahooメールなど、様々なメールサービスがありますが、やり取りの内容などは、それぞれのサービスが用意しているメールサーバーに保管される仕組みになっています。
Webサーバーの種類について
一つ目のWebサーバーは、大きくレンタルサーバー(共用サーバー)、VPS(Virtual Private Server)、専用サーバー、クラウドサーバーの4つに分けられます。
ちなみにレンタルサーバー(共用サーバー)は、企業サイト(ブログ)や個人サイト向けのサービスです。値段も手頃で簡単に利用を開始できますが、ホームページや商品の紹介ページなど、限定した用途でしか利用できず、大規模なWebサービスの運用などには向いていません。
本格的に、Webサービスの運用を考えている際は、より自由にカスタマイズできる、VPS(Virtual Private Server)、専用サーバー、クラウドサーバーなどを利用するのが一般的です。
4. ホームページやWEBサービスの公開を考えている場合
サーバーの基本的なことについて知りたいと考えている人の中には、今後、新しく会社のホームページやブログメディアを開設したり、WEBサービスのリリースなどを検討している人もいると思いますが、方法は大きく、自社で制作する方法と、制作会社などに依頼する方法の2つに分けられます。それぞれの方法のメリット・デメリットなどについて整理していきますので、検討中の方は参考にしてみてください。
ホームページ、ブログ、新商品の紹介ページなどを自社で制作する場合
ホームページなどを自社で制作する利点は、制作費を抑えられることや、ちょっとした内容の変更・更新などをよりスピーディーに行えることです。
ただし一方で、紹介したようにサーバーやデータベースに関する知識はもちろんですが、WEBデザインの知識やスキル( IllustratorやPhotoshop、HTML、CSS、Wordpressなど)も必要になるため、社内に専門的な知識をもった人が必要になります。
制作会社などに依頼する場合
一方で、ホームページなどを制作会社に依頼する利点は、クオリティーの高いWebサイトがつくれることです。デザイン、システム、マーケティングなど、専門的なスキルをもった様々な職種の人が制作に関係するので、出来るだけ短期間でしっかりと効果の得られるサイトが完成する可能性が高いといえます。
ただ一方で、高い費用が発生することや、制作会社の選定を慎重に行うなどの必要もあるので注意しましょう。事前に制作会社についてしっかりとリサーチするのはもちろんですが、その際に、ある程度Web制作に関する基本的な知識を持っていないと、自社の目的と相性のいい会社かどうか判断するのが難しいので、事前にブログや書籍などで勉強しておくことをおすすめします。
新規WEBサービスやアプリなどを自社で制作する場合
新規WEBサービス、ECサイト、アプリなどを自社で制作する場合も、ホームページの場合と同様に、専門的な知識やスキルが必要になります。ただしWEBサービスやアプリなどの場合は、リリースしてからも、データを見てスピーディーに改善を重ねていくことが重要になるため、開発・制作〜リリース、そして運用まで、全てを自社で行っている会社が多くなっています。
制作会社などに依頼する場合
ただし、WEBサービスやアプリの内容によっては、制作会社に依頼するケースもあります。ある程度の費用は発生しますが、様々な種類のサービスを担当してきた経験のあるプロに制作してもらえるので、より高品質なサービス・アプリの完成が期待できます。
また、デザインだけ、企画だけなど、制作の一部分だけを依頼することも場合によっては可能です。
5. M&Aで開発・制作力をカバーする方法も
新しくホームページやWEBサービスをリリースしたいが、社内に専門的な知識をもった人がいない、ただ今後はしっかりと注力していきたいので、出来るだけ自社で開発・制作を進めていきたいという場合は、M&Aで足りない部分をカバーする方法もあります。
これまで、IT領域のM&Aを多く担当してきたパラダイムシフトの事例から、Web制作などに関する事例を3つピックアップしてまとめましたので、参考にしてみてください。
6. パラダイムシフトが担当してきたM&Aの事例
東証一部上場企業子会社による、WEBサービス開発企業の買収
譲受会社の東証一部上場企業子会社は、Web事業を強化する目的でM&Aを検討しており、会社に関連する事業を運営する企業を約30社リストアップしていた。そのリストをもとに、パラダイムシフトは、譲渡対象の会社名等を明かさないノンネームでアプローチを行った。交渉にあたり、運営しているメディアの規模感、運営人員(個数)、著作権などのリスクの把握を行いながら譲渡時の詳細条件を決定していき、約半年程でクロージングに至った。
ウェブサービス開発企業 => 東証一部上場企業子会社の事例について
https://paradigm-shift.co.jp/news/77/detail
東証マザーズ上場企業による、システム・アプリ開発企業の買収
譲渡会社のシステム・アプリ開発企業は、受託開発案件を中心に業務を行う体制から、より自社サービスの開発に専念して取り組める体制をつくるためにM&Aを検討していた。パラダイムシフトは、譲受会社の開拓からクロージングまでを担当し、数社と交渉の末、結果、双方のビジョンが最も合致する東証マザーズ上場企業と資本業務提携を結ぶことになった。
システム・アプリ開発企業 => 東証マザーズ上場企業の事例について
https://paradigm-shift.co.jp/news/71/detail
大手人材企業による、Web制作会社の買収
譲渡会社のWeb制作会社は、大手企業の傘下に入って技術面に専念していきたいという意向をもっていた。パラダイムシフトは候補先の企業をリストアップしてアプローチを開始し、結果、ITを使い人と仕事を結びつける仕組みをつくっていきたい、という大手人材企業と株式譲渡契約の形で合意にいたった。
Web制作会社 => 大手人材企業
https://paradigm-shift.co.jp/news/95/detail
これら3つの他にも、ホームページ上でたくさんの事例を公開していますので参考にしてみてください。
https://paradigm-shift.co.jp/news/category/2?page=1
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