「BtoBマーケティングって何?」「どんなものを使っているのか知りたい」など、進化したビジネス形態を学びたい人もいるでしょう。BtoBマーケティングは、企業同士の取引をスムーズに進めるためのマーケティングで、現在では多くの事業者が取り入れています。
今回はBtoBマーケティングのいろはを知りたい起業志望者のために、定義を解説します。4つのタイプとそれぞれのおすすめツールも紹介するので、基礎知識をマスターしましょう。
1. BtoBマーケティングとは何か
BtoBマーケティングは、企業同士の取引をスムーズに進められるように間を取りもつマーケティング活動です。
商品をすすめる企業が相手をするのは個人の消費者ではなく同じ事業者です。「欲しい」という感情を呼び起こすだけではなく、相手の業績アップや労働環境の改善などにつながるように、合理的な説明で納得してもらう必要があります。
BtoBマーケティングはかんたんに費用対効果を測れない分野ですが、企業向けの取引を成立させるヒントを与えるために、専用ツールが多数開発を受けています。
2. そもそもBtoBマーケティングが必要な理由は?
BtoBマーケティングでは、商品を買う企業側のニーズが時代ごとに大きく変化するため、タイムリーな情報をもらう機会が大切です。
営業マンの活動に頼らない新規開拓により、コストや移動の手間をかけないで企業に商品やプランなどを売り込み、商談を成立させるきっかけにもなるでしょう。以上を踏まえてBtoBマーケティングの必要性を解説します。
(1) 顧客企業がものを買うプロセスは時代で変わる
BtoBにおいて、商品を買う側のニーズは変化しています。国内だけでなく、世界の文明も年を追うごとに変わっているので、時代に乗り遅れないための解決法を求めて企業は新しい商品を求めます。
従来はお得意先の営業担当者から集めた情報をもとに、商談を進めることが主流でした。しかしパソコンやスマートフォンが当たり前になった今は、インターネットの検索を通したり、マッチングサイトに向かったりした人の印象に残るプレゼンが重要です。
IT化により事業の種類も多様化しているため、ターゲットを正確にしぼりながら商談を成立させるためにも、BtoBマーケティングの重要性が上がっています。
(2) 営業マンの活動に頼らない新規顧客の開拓
従来は会社の営業担当が外へ出向き、他の企業を訪れて事業内容などのプレゼンを行っていました。現在でも同じ形で活動しているサラリーマンは多いでしょう。
しかしインターネットが発達した現在では、企業側もGoogleなどの検索を通してほしいものや解決法を求める傾向です。現代のBtoBマーケティングでは、営業マンの活動に頼らずして、商品を気に入ってもらうという企業努力がものを言います。
企業がWebサイトから集客を行う過程で事業者のアクセスを受け、商品を買ってもらうモデルを確立することが大切です。以上からインターネットを使ったBtoBマーケティングが、今では重要な意味をもっています。
3. BtoBマーケティングのタイプ4つと各代表例2つ
BtoBマーケティングには、以下の4つの形式があります。
- CRM
- SFA
- MA
- ABM
初めてBtoBマーケティングを学ぶ人にとっては見慣れない言葉ばかりですが、事業者としての悩みを解決するうえで、上の4つの特徴や違いを勉強することは大切です。それぞれのポイントや代表的プレイヤーを以下にまとめました。
4. CRM
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、企業と顧客のつながりをデータ管理するしくみです。顧客との関係に注目したり、お得意様を引きつけるヒントを得たりできます。
営業活動やメール配信などに対する顧客のアクションをリアルタイムでチェックできることがポイントです。顧客への素早い反応を促してくれるので、自社の業績アップのきっかけとしてさまざまなCRMツールが役立つでしょう。
(1) Oracle CRM
アメリカのOracle社が提供するソリューションです。20種類以上にわたる業務別のツールを用意してあり、企業特有の専門性にも対応できます。
さまざまなデバイスから情報を管理できるセールスクラウド、顧客ターゲットをしぼれるのがポイントです。情報を効率よく行き届かせるマーケティングクラウドサービスなど多種多様なツールを利用できます。
CRMとして世界トップクラスのシェア率を誇っており、自社の商品の魅力を行き届かせたい事業者に向いているでしょう。医療、保険、自動車などあらゆるジャンルの企業が使っており、現在注目のソリューションです。
(2) Microsoft Dynamics 365
世界的なIT企業で、さまざまなインターネットツールを送り出したMicrosoft社によるCRMソフトです。AIを取り入れているので、スムーズに顧客との関係性をデータ化できます。社内管理も効率的に行いやすく、仕事のスタイルをよい意味で変えられるシステムでしょう。
Office365をはじめMicrosoftではおなじみのさまざまなツールとも連携します。多種多様な機能を営業活動に生かして、インターネット越しに自社のセールスポイントをアピールしましょう。
豊富な機能が魅力ですが、数の多さからCRM初心者には使いこなせない可能性にも注意が必要です。
5. SFA
SFAとは「Sales Force Automation」の略で、顧客としての企業情報や、商談化案件のデータ化を望めます。企業を成長させるための大切な情報をひとまとめにできるので、紙の資料を探す手間が省ける重要なソリューションです。
日本では「営業支援システム」という呼び名もあり、営業担当など商談に関係する社員との情報共有に役立つでしょう。商談から商品受注までを管理できるので、発注ミスのリスクも抑えられます。
(1) eセールスマネジャー Remix
eセールスマネジャー Remixは、SFAソリューションとして国内でトップシェアを誇ります。操作手順がシンプルで、画面も見やすいことから、初めてSFAをインストールする起業者にも使いやすいといえます。
インストールを終えたあとも、設定を自身の好みにカスタマイズできる点にも好感を持てるでしょう。1ユーザーあたり月額で3,000円~かかりますが、無料デモもあるので、お金をかけずに使い慣れができることにも要注目です。
(2) Zoho CRM
Zoho CRMはコストパフォーマンスの高さを期待できる営業支援システムです。顧客との初コンタクトから商談、商品受注までをスムーズに進められるソリューションとして注目でしょう。
データ管理の際も、設定や操作方法が分かりやすく、初心者でもスムーズに動かせるのが魅力です。活動開始から受注までのプロセスを可視化できるのもZohoの強みで、仕事を効率よく進めるきっかけになりえます。
基本ランクであるスタンダードコースで月額1,440円になり、初期費用は無料なので、ローコストで使えることも助かるでしょう。
6. MA
MAとは「Marketing Automation」の略で、見込み客としての企業との関係性を育てたり、ターゲットの選別などを自動化できるツールです。
自身の企業と切磋琢磨し、成長につなげるためのお得意先を直感的にデータ管理できるのがポイントです。顧客の行動データを追跡できるので、アクションから自身の商品の売り込みに役立つヒントをもらえるでしょう。
レポーティングなどのアフターケアもMAツールで行えるので、企業の次に進むべき道や反省点などもブラッシュアップできます。
(1) マルケト
マルケトはMAツールとして6,000社以上の導入実績を誇ります。導入や活用を助けるサービスパートナーや、関連ツール販売のテクノロジーパートナーも数多く、ソリューション提供にとどまらないサービス内容にも定評があります。
BtoBマーケティングのソリューションとしては珍しく、オフラインでもツールを動かせるなど、柔軟な使い方を実践できます。
ターゲットの行動を素早くキャッチし、メールやデジタル広告などの情報をピンポイントで発信できるなど、お客さんを逃さない努力を実らせるきっかけになるでしょう。
(2) Pardot
PardotはSFAソリューションで有名なSalesforce社が提供するMAツールなので、セットで使うとお得です。
顧客のスコアリング機能をベースにターゲットを決めたり、商品のプレゼン方法などをまとめたりできます。自動マーケティングでプロジェクトのビジョンや現在地を確かめられる優れたツールです。
7. ABM
ABMとは「Account Based Marketing」の略です。あらかじめターゲットを決めたら、ニーズにかなうように積極的に情報を伝える使い方が可能です。商品を売り込む相手を決める努力は必要ですが、一度決まったら魅力を伝えるために多くのツールを活用できます。
自社製品の完成度に自信があるものの、想定したターゲットに情報を届ける方法が分からないときは、ABMを使ってアピールのきっかけを作るとよいでしょう。ターゲットの追跡もスムーズに行えるので、無駄な努力を省く効果を期待できます。
(1) FORCAS
FORCASは多数のデータベースを備えているBtoBソリューションで、ターゲットへのアプローチを強力にサポートしてくれます。自社商品について成約の可能性が高そうなターゲットをFORCASが決めてくれるので、営業活動の効率化に役立つでしょう。
顧客データにまつわる精度が高く、自動分析機能も備えたすぐれものです。自信がある自社製品で失敗したくないときは、FORCASを使って、正確なターゲットから売り込みの計画を定めていく手もあります。
(2) ユーソナー
ユーソナーは顧客データ統合ツールとして人気を集めており、顧客情報の整理などに役立ちます。自社製品を売り込みたい相手企業の行動形態をつかむことで、商談成立の可能性を上げられるでしょう。
取引先のデータ統合や分析が本格的かつ分かりやすく、新規顧客の可能性を意味するホワイトスペースの可視化にも役立ちます。
SFAやMAとの連携使用にも有用です。ユーソナーで顧客情報を整理し、SFAを使った営業活動をスムーズに進められます。MAに残るターゲットの選別も、ユーソナーの顧客データから間違いのリスクを減らせるでしょう。
8. まとめ
BtoBマーケティングは、企業相手の取引をスムーズに進める手助けを行う活動です。企業側はBtoBマーケティング向けのソリューションをインストールすれば、自社または顧客のデータをさまざまな角度から分析でき、営業活動の発展に役立てられるでしょう。
これから起業を考えている人にとっても、BtoBマーケティングの基礎知識は必要不可欠です。今回紹介したソリューションとともに、ビジネス現場でいつでも役立てられるよう備えるとよいでしょう。
マーケティングの成功事例については、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:【要チェック】マーケティングの成功事例10選!戦略を成功させる5つのポイントに必要な考え方やツールも紹介 | ワンダフルワイフブログ
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