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新規参入続出! eスポーツビジネスの動向や事例を紹介

「最近のeスポーツビジネスの事情を知りたい」「これからの発展のポイントがわからない」などと考えていませんか。近年のeスポーツの隆盛により、関連ビジネスを始めるケースが増えています。

市場規模拡大中のeスポーツでは、他のジャンルが事業内容をうまく結びつけることで、多くの人に受け入れられるかもしれません。今回はeスポーツビジネスに興味がある人のために、最近の動向や事例などをまとめました。

この記事を読めばeスポーツを取り巻くビジネスの環境を確かめ、次のアイデアのヒントをつかめるでしょう。

1. eスポーツの歴史と最近の動向

まずはeスポーツの全容を知るため、大まかな歴史を知りましょう。以上を踏まえたうえで、日本を中心とした最近の動向を解説します。この章からeスポーツ業界における日本の立ち位置や、世界の事情を知るとよいでしょう。

(1) 起源は1972年のアメリカ

eスポーツの起源は、1972年のアメリカとされています。アメリカのスタンフォード大学で、PCゲームの大会が開催されたのがきっかけのようです。

1990年代からPCやファミコン、プレイステーションといったゲーム機が多様化しており、家庭への普及が進みました。これによりゲーム人口も世界的に増え、先進国を中心に大会が作られていったとされます。

ゲームの隆盛にしたがって、その技術を競ったり楽しんだりする人が増えていきました。彼らのためのビジネスも確立されていくうちに「eスポーツ」という呼称が定着していきます。

(2) 2018年が日本のeスポーツ元年といわれる

日本では2018年がeスポーツ元年とされています。アメリカでは1997年ごろからゲームの大会が開かれるようになりました。2000年代はドイツや韓国でeスポーツの機運が高まりましたが、日本では2016年ごろまで認知されていなかったのです。

2018年にeスポーツが流行語大賞の候補に選ばれてから、全国区に知れわたりました。これをきっかけにプロ野球や吉本興業など大手企業が次々と関連ビジネスに加わります。以上から日本のeスポーツの歴史はまだまだこれからという印象です。

(3) 日本のeスポーツの市場規模はまだ発展途上

以上の背景もあり、日本のeスポーツの市場規模はまだ発展途上といえます。KADAKAWA Game Linkageが2020年2月13日に出したレポートでは、2019年時点で約61億1800万円です。

しかしeスポーツの市場規模シェアでは、北アメリカがリードしており、中国や韓国がそれに続いています。ドイツの調査会社であるStatistaは、2019年の世界中におけるeスポーツ市場規模を約9億5750万ドル(約1053億円)としています。日本はそのうちの約6%程度のシェアしかありません。

日本のeスポーツ産業は軌道に乗るのが遅れ、世界的に見るとシェアが少ないといえます。

(4) 世界的には市場規模が拡大中

世界的には市場規模が拡大しており、今後も急速な発展が期待されています。Statista社によると、2021年の市場規模が約10億8410万ドル(約1193億円)です。2024年には約16億1770万ドル(約1780億円)まで伸びる見通しとなっています。

ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンや、アメリカのファーストフード大手のマクドナルドなど、世界的な企業が参入を決めてきました。こうしたグループが、大会やeスポーツチームのスポンサーとして次々名乗りを上げています。

アメリカでは小売大手のウォルマートが店舗内にeスポーツ施設を導入するなど、既存企業のeスポーツビジネスも活発化しているところです。世界的企業が次々と関心を示すことで、eスポーツ産業が発展しています。

2. eスポーツのビジネスモデルを紹介

eスポーツにはさまざまなビジネスモデルがあります。選手やチームとしての活躍だけでなく彼らをサポートしたり、受け入れる施設を作ったりなど、ビジネスの形が多様化しているのです。

(1) 選手・チーム

eスポーツで稼ぐ人として真っ先に思い浮かぶのは、選手やチームでしょう。選手やチームは大会に勝利することで賞金をもらえるほか、スポンサーによる収入も得られます。動画配信による広告収入を得るケースもあるでしょう。

eスポーツ選手として有名になれば、芸能活動や広告とのタイアップなどにより、さらなる収入も考えられます。大会の主役になりうるポジションなので、このジャンルではもっともスタンダードなビジネスモデルです。

(2) スポンサーや広告

企業がチームや選手のスポンサーを務めたり、eスポーツのコンテンツに広告を提供したりするケースがあります。彼らはeスポーツの関係者を支援するためにお金を提供する形です。

選手のユニフォームや大会の会場の一部分にロゴが掲出されることで、eスポーツを見る人への宣伝になります。直接的な収入はありませんが、スポンサーや広告、CMなどを見た人が興味を示す可能性があるのです。その結果、企業の売上アップを狙えます。

(3) 大会主催者・プロモーター

eスポーツの大会を開く側です。興行主としてチケットやグッズの収入を目指します。会場を借りることや賞金の準備をはじめ、開催には諸経費がかかりますが、収入が経費を上回れば成功です。

他にもeスポーツにかかわるメディアから放映権を収入としてもらえます。メディアに大きく宣伝してもらったり、集客力が強かったりすると収入が大きくなるでしょう。

(4) 大会の放映

eスポーツでは主に動画配信サービスが大会の放映をします。配信する側がスポンサーの支援を受けたり、視聴者から月額で料金を払ってもらったりして収入を得るのです。

スポンサーは自社のCMを動画配信サービスで流してもらう代わりに、放映料を配信会社へ払います。これが配信会社にとっての広告収入になるのです。世界的に注目度の高いeスポーツを放映すれば、広告収入も大きく期待できるでしょう。

(5) 既存スポーツのeスポーツ部門

近年は野球、サッカー、F1など世界的なスポーツがゲームにかかわることが多くなりました。各分野のゲームの大会を開催し、最強のプロゲーマーを決める機会を見られるのです。

たとえば2018年にはプロ野球を開催する日本野球機構、Jリーグがeスポーツを主催するようになりました。長らく活躍していたチームがeスポーツ部門を作るなど、ゲームへの関心は高まる一方です。

現実のチームがゲームでもしのぎを削る姿は、新しい時代を感じさせます。

(6) eスポーツの練習・体験施設

eスポーツに特化した施設もビジネスモデルとして確立されています。選手のための練習施設や、純粋に楽しみたい人の体験施設が例です。

プロゲーマーが使う練習施設には「ゲーミングハウス」があります。ゲーム用のパソコンや高速のインターネット回線を備えた専用の不動産物件です。一般層が楽しむものにはeスポーツカフェやバーなどがあります。

このようにeスポーツの練習や体験に特化した施設も、新しいビジネスモデルとして注目です。

(7) ファンや選手への飲食サービス

eスポーツのファンや選手への飲食サービスも今や欠かせません。飲食業界は時代に合わせて変化しており、アイデア次第ではゲーマーの人気も得られます。

たとえばeスポーツカフェなら軽食とゲームをともに楽しめるでしょう。ゲームの大会に参加する選手や関係者のために、ケータリングサービスを提供しても稼げるかもしれません。

このようにeスポーツのファンや関係者を意識した飲食ビジネスも、参入価値があります。

3. eスポーツビジネスの事例を紹介

日本国内におけるeスポーツビジネスの導入例を紹介します。さまざまな立場からゲーム業界にかかわる事業者のアイデアを見ていきましょう。

(1) eBASEBALLプロリーグ

日本野球機構とコナミデジタルエンタテインメントが提携した野球のeスポーツです。モバイルゲーム「プロ野球スピリッツA」や「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」などを題材にしています。

現実の野球同様にシーズンを戦ったり、オールスター戦をしたりするので、リアリティのある戦いが楽しめます。セ・リーグとパ・リーグに分かれているのも現実と同じで、交流戦もあるのが特徴です。

現実の野球のフォーマットをゲームの世界に移し、ファンの関心を集めています。

(2) 全国都道府県対抗eスポーツ選手権

日本にあるすべての都道府県対抗によるeスポーツ大会です。2021年は自動車レースゲーム「グランツーリスモSPORT」、サッカーの「eFootballウイニングイレブン2021」、パズルゲームである「ぷよぷよeスポーツ」など6つのカテゴリーがあります。

さまざまな人気ゲームによる迫力の戦いを楽しめるのが魅力です。全国から集まった腕自慢による激しい攻防も見どころでしょう。日本ではトップクラスのeスポーツ大会なので、今後の動向にも注目です。

(3) eスポーツジム

東京メトロとゲシピが共同開業したeスポーツ専用のトレーニング施設です。単純にゲームを楽しみたい人から大会を目指している人まで、幅広く利用できます。

施設には間接照明のプレイングスペースがあり、落ち着いた雰囲気で楽しめます。コンクリートと木材の組み合わせによって、リラックスしやすい空間になっているのもポイントです。

ゲーマーが取り組みやすい雰囲気は、これから施設を作る人にも参考になるでしょう。

(4) Red Bull Gaming Sphere Tokyo

エナジードリンクのブランドであるRed Bullがプロデュースするゲーミングスペースです。現実の店舗だけでなく、それを再現したバーチャル空間も提供するなど、本格的なサービス内容が見逃せません。

実際に施設の雰囲気を楽しむのもよいといえますが、VR空間なら自宅から移動しなくても臨場感を味わえます。店に来てもらうだけでなく、自宅でも独自のサービスを楽しんでもらう仕掛けはビジネスモデルとして有用です。

(5) PwC Japanグループ

PwC Japanグループは、eスポーツビジネス向けのコンサルティング会社です。世界各国にeスポーツの専門家を設けており、関連ビジネスの構築や成長を見据えたアドバイスをしてくれます。

eスポーツ事業参入のサポート、チーム強化、セカンドキャリア支援などさまざまな観点からコンサルティングを務めます。これからeスポーツビジネスへの参入を考えている方も、こうした組織に頼ってみませんか。

4. まとめ

eスポーツ市場は近年、世界的に大きくなっています。選手やスポンサーだけでなく、関連施設、コンサルティングなど、さまざまなビジネスモデルも作り出されました。これからeスポーツ関連のビジネスを作ろうとしているなら、成功例をぜひ参考にしてみましょう。

eスポーツは選手や観客だけでなく、彼らを支えるさまざまな事業があって成り立ちます。自身ならどのように役立つか考えてみましょう。

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