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分身ロボットの可能性を解説! メリットや人気モデルなどをチェック

「分身ロボットって何?」「使うとどんな良いことがあるの?」などと気になっていませんか。
分身ロボットによって、テレワークや介護などさまざまな作業を効率化できます。興味のある事業者は、採用してみませんか。

今回は分身ロボットを知りたい方のために、その魅力や人気モデルをまとめました。この記事で事業者は基本的な知識がわかり、採用判断のヒントを学べるでしょう。

1. 分身ロボットとは何か?

分身ロボットとは人間の代わりに行動してくれる機械です。ロボットは人工知能搭載のイメージが強いですが、OriHimeのように搭載していないタイプもあります。分身ロボットの基本的な特徴を確かめてみましょう。

(1) 人間の代わりになる機械

分身ロボットは、人間に代わった活動を目的としています。仕事や病気などさまざまな事情でやりたいことができないとき、代わりに役目を果たしてくれるからです。

自身が動かなくても、ロボットを仕事やボランティアなどの現場に向かわせることで、社会貢献が可能です。その利便性から、テレワークの重要ツールとしても注目されています。体が不自由な人や、スケジュールが合わない人を助けられるでしょう。

分身ロボットは人間の活動の限界を押し広げる存在として、多くのビジネス関係者から支持を受けています。

(2) 人工知能非搭載型もある

分身ロボットには、人工知能非搭載型もあります。オリィ研究所が開発している「OriHime」シリーズが代表例です。こちらは直感的な遠隔操作でロボットが動きます。

近年開発されているロボットは、人工知能である「AI」を搭載し、必要なデータを学習したタイプが多い状況です。データ学習の結果、その場に合わせた最適な行動を決めます。

しかしOriHimeは人間とロボットのコミュニケーションが目的で、シンプルな操作と感情表現がメインです。このようにAIに頼らず動くタイプにも注目しましょう。

2. 分身ロボットのメリット4つ

分身ロボットには次の4つのメリットがあります。行動の一部を代わってもらえる利便性や感情表現、体の不自由な人でも遠隔操作で働けること、孤独の解消です。それぞれの詳細を見ていきましょう。

(1) 行動の一部を代わってもらえる

分身ロボットは、人間がそのときできない行動の一部を代わってもらえるのがメリットです。スケジュールや健康の問題で必要な行動ができない人は世の中に多くいます。そうした人の生活を手助けするうえで、分身ロボットは重要です。

遠隔操作で動けるロボットは、不自由を埋めます。たとえば単身赴任や子育て、急な出社などのスケジュールの都合があるとしましょう。ロボットに仕事の代行をさせたり、別の場所にいる人に大切な連絡をしたりできます。

体の不自由や体調不良など、健康的な事情にも対応できます。本人が動けないときに、ロボットに家の中のものを取りに行ってもらえるでしょう。このように行動のサポートを目的とした分身ロボットは、新しい日々のきっかけになります。

(2) 感情表現が可能

メディアで注目されている分身ロボットの多くは、感情表現を手に入れています。遠隔操作で手足や首などを動かし、人間との意思疎通に役立てるのです。

動きをプログラミングすることで、感情表現が可能になります。たとえばOriHimeなら、拍手の動作や、手を広げて喜びを表現したりといったことが可能です。

人間とある程度コミュニケーションが取れることは、分身ロボットの大きな可能性でしょう。生活のサポートだけでなく、さみしさを紛らわせるツールとしても注目です。

(3) 体の不自由な人も遠隔操作で働ける

分身ロボットのおかげで、体の不自由な人でも働ける可能性があります。病院や自宅からの遠隔操作で、接客や会議に参加できるからです。この場合はロボットをタブレットと紐づけることで、操作者とのコミュニケーションができます。

体が不自由な人でも、ロボットを使えば接客業務に参加できます。パイロットによる遠隔操作でお客さんと話せるからです。その結果ロボットが商品をお客さんに届けることもあるでしょう。体の不自由な人を社会に受け入れる意味でも、分身ロボットは重要なツールといえます。

(4) 孤独の解消

分身ロボットの存在は孤独の解消にも役立ちます。一人ぼっちで誰とも話さないよりも、ロボットとコミュニケーションを取ることで、最低限のメリハリある生活が送れるでしょう。

体が不自由だったり、精神疾患があったりすると社会への参画が難しいとされます。そのため社会で孤立した感覚になりやすいでしょう。また家族と離れて一人暮らしだとさみしかったり、生活でできることに限界があったりします。

以上のような問題を解決するうえでも、分身ロボットが役立つとされます。生活のサポートにより、日々に実りが生まれるかもしれません。

3. 分身ロボットのデメリット4つ

分身ロボットには次の4つのデメリットもあります。テレワークではない対面業務には対応できないことや、ロボットのための作業が増えることが挙がるでしょう。他にも不正アクセスの危険性や故障など、機械ならではのトラブルも懸念されます。

(1) 対面業務には対応できない

分身ロボットは対面業務には対応できないなど、機能性に限界があります。仕事現場にコミュニケーションができるロボットを導入していても、取引先が対面を希望することがあるでしょう。相手側にテレワークの体制が整っていないことが考えられます。

そのような場合、ロボットは機能しません。社員が取引先のいる場所に直接向かう必要があります。

また建設業では屋外の作業が多いといえますが、雨が降っているときにロボットは使えません。すべて手作業でこなすことになる可能性を考えたいところです。このように機械を導入しても、その機能の限界を見極め、使いどころを事前に決めておきましょう。

(2) ロボットのために作業が増える

ロボットは機械である以上、調整やメンテナンスが必要です。そのための作業が新しく業務に加わるのはデメリットでしょう。従業員が機械に対応しなければいけなくなったり、専門の技術者を雇う人件費が経費に加わったりするからです。

たとえば仕事中でも、会議時に専用の部屋に移動させる手間もかかります。ロボットは人間のように動きが早くないので、理想の時間に仕事をスタートできないこともあるでしょう。ロボットならではの不自由な点も考慮してあげてください。

(3) 不正アクセスの危険性

ロボットは機械である以上、不正アクセスの危険性もつきまといます。外部からハッキングを受けると、ロボットが誤作動させられたり、内部のデータを盗まれたりするかもしれません。

分身ロボットは、自宅からの遠隔操作も想定したモデルが多いといえます。このためハッキングにより、プライバシーの侵害にいたるリスクにも注意です。ウイルス対策ソフトをロボットに組み込む対策が重要でしょう。

(4) 故障による業務への悪影響

ロボットの故障による業務への悪影響を考えなければいけません。機械である以上、いつどこで壊れるかわからないからです。

誤作動や停止によって業務に悪影響が及ぶほか、修理に出している間はロボットを使った活動ができません。

人間の行動の一部を代わってもらえる点では便利ですが、故障すると目的を満たせないのが難点です。少しでも早く解決できるように、トラブルのチェックや修理方法などをマニュアル化する必要があります。

4. 分身ロボットのモデル3選

分身ロボットのモデルを3つ紹介します。OriHime、NIN_NIN、TELESAR Vといったものが話題です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

(1) OriHime

OriHimeは分身ロボットの代表的存在で、オリィ研究所が開発しました。人工知能非搭載の分身ロボットです。そのためAI搭載で機械的に行動を判断するタイプよりもリアリティのあるコミュニケーションを期待できます。

体の不自由な人や、精神的な問題により自宅から出られない人などの社会参画にも役立つとされます。たとえばロボットによる遠隔操作を通して、学校に通えない人でも教室で勉強ができます。

体の不自由な人でもロボットに行動を代わってもらえば、カフェやショップで接客ができるでしょう。このようにさまざまな行動の制約を解決できる可能性を秘めています。

(2) NIN_NIN

NIN_NINはボディシェアリングロボットと呼ばれており、身体機能の他人とのシェアがテーマです。こちらの開発にもオリィ研究所がかかわっています。

NIN_NINがターゲットにするのは、手足や目が不自由な人です。たとえば目が不自由な人のために、カメラ機能で視覚をサポートします。行動のサポートにより、体が不自由な人や、精神的な問題のある人の雇用を促進するのが狙いです。

身体機能に限りがある方をサポートすることで、生活面の不自由をカバーできるのがNIN_NINの強みといえます。

(3) TELESAR V

TELESAR Vは視覚・聴覚・触覚を通した遠隔体験がテーマで、「テレイグジスタンスロボット」と呼ばれています。

たとえば触覚なら、布のようなものを触ったときの感覚を詳細に伝えられます。このように人間の感覚に近い状態を実現したロボットです。

実用化はまだ先のようですが、体の不自由な方を中心に多方面の行動サポートが期待できます。これから企業や教育機関での導入例が増えていくでしょう。

5. 分身ロボットの主な活用例

分身ロボットの活用例を紹介します。すでにOriHimeを中心に、接客業務を代行しているほか、医療や教育といったさまざまな分野に進出している状況です。分身ロボットの活躍の一部を参考にしてみましょう。

(1) 接客・会議などのコミュニケーション業務

分身ロボットはOriHimeを中心に、接客や会議といったコミュニケーション業務に導入されています。カフェやショップなどジャンルも多岐にわたる状況です。

神奈川県庁のように公的機関で分身ロボットが採用された例もあります。ALS患者が共生社会アドバイザーに就任し、OriHimeを使って会議に参加することもありました。

OriHimeをはじめとした分身ロボットは、社会問題となっている人手不足や、体の不自由な人の社会活動制限などを解決できるでしょう。

(2) 医療分野

OriHimeは医療分野でも重宝されています。医療現場は毎日さまざまな業務に追われていますが、分身ロボットが働く人や患者の負担を和らげる可能性があるでしょう。

主に医療施設のスタッフや、入院している人とのコミュニケーションに役立ちます。たとえば新型コロナウイルス感染拡大時、神奈川県ではOriHimeが感染者の宿泊療養施設に導入されました。

スタッフの感染を避けながら、患者とのコミュニケーションを取れるのが遠隔操作ロボットのメリットです。神奈川県での活用例は、遠隔交流の可能性を示したでしょう。

(3) 教育分野

教育分野でもOriHimeが役立つケースがあります。愛知県豊橋市で導入されたOriHimeは、不登校児童への支援が目的です。分身ロボットが不登校児の代わりに授業に参加します。子どもはロボットが示す映像を通して学習できる仕組みです。

近年小中学生の不登校のケースが増加傾向なので、社会的な影響が懸念されます。しかしOriHimeを教育機関が使いこなせば、不登校による学力への影響を解決できるでしょう。  

6. まとめ

分身ロボットはOriHimeを中心に、さまざまなモデルが開発されています。人間の行動の限界を押し広げる機能が期待されているのです。

スケジュールの都合で行きたい場所に行けなかったり、体が不自由だったりする人には役立つでしょう。分身ロボットによってその場でやりたくてもできない行動を代わってもらえるからです。

現在事業を営んでいて、分身ロボットによるサポートを考えているなら、今回の記事を参考にしてみましょう。生活や業務の流れを変えるヒントを学ぶチャンスです。

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