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楽天の注目動向! iPhone取扱開始とテンセントからの出資の意味とは?

「楽天でiPhoneが買えるって本当?」「テンセントから出資完了は何を意味するの?」など、楽天の最近の動きについて気になっていませんか。現在、テンセントからの出資をめぐる動向が物議になっているため、心配する人は多いでしょう。

楽天側からの公式発表では、テンセント出資によっても、経営状態は大きく変わらないとのことです。しかし世論では、情報が流出するのではという懸念が高まっています。

今回は楽天の最近の動向について、2つの要素に分けてまとめます。1つは携帯電話市場での活動、もう1つは中国企業からの出資をめぐる騒ぎです。この記事で情報を整理し、楽天の今の状況を正しく認識できるでしょう。詳細を知れば、今後の買い物の参考にもなります。

1. 楽天の最近の動向

2021年の春は楽天の大きな動きが目立ちました。携帯電話部門でiPhoneの販売を始めたほか、日本郵政やテンセントからの出資が話題になっています。それぞれの概要を見ていきましょう。

(1) 楽天モバイルでiPhoneが買えるようになった

楽天モバイルでiPhoneの取り扱いがスタートしています。国内でも大きなシェアを誇る種類が、新しい場所で買えるようになったのは大きいでしょう。

最近の携帯電話業界では、KDDI、docomo、ソフトバンクの各社による「格安スマホ」の発売が話題です。しかし楽天も独自に商品ラインナップを広げてきました。同グループのヘビーユーザーで、携帯電話の買い替えを計画している人にとっては朗報でしょう。

楽天でiPhoneを買えば、お得な条件で新しい生活を実現できるかもしれません。

(2) テンセントや日本郵政との資本提携

楽天は資本提携の拡大も話題にしています。テンセントや日本郵政から出資を受けたからです。

日本郵政は物流を手がける「日本郵便」、金融部門の「ゆうちょ銀行」、生命保険の「かんぽ生命」など有名な事業を複数手がけています。テンセントは中国で話題のIT企業で、「WeChat」というメッセージアプリや、多数のゲームなどをヒットさせてきました。

有名な企業である2社から出資を受けることで、楽天は携帯電話部門の事業拡大を狙っています。豊富な資金を味方につけたことで、2021年以降の動きが楽しみという人もいるでしょう。

本記事ではiPhoneの発売開始と資本提携の2つに分け、それぞれの詳細を解説します。

2. 楽天のiPhone購入でできること

楽天でiPhoneを買うと、キャンペーンがついてきます。既存のiPhoneで楽天回線を利用できるなど、実用面でのメリットにも注目です。利用価値についてチェックしましょう。

(1) キャンペーンに参加できる

楽天モバイルでは、iPhone購入にあたりキャンペーンを設けています。還元ポイント数は最大2万ポイントです。

内訳は「Rakuten UN-LIMIT VI」というSIMに初めて申し込めば5000ポイント、そのときiPhoneを買えば1万5000ポイントをもらえます。付与日当日から6カ月を過ぎると期限切れなので、有意義に使いましょう。

ポイントのレートは1円1ポイントです。SIM申込分は2020年12月8日、iPhone購入分はインターネットで2021年4月23日、ショップでは4月30日からスタートしています。いずれのキャンペーンも終了日は決まっていません。

特典に魅力を感じたことで、楽天でiPhoneを注文する人もいるでしょう。

(2) ポイント還元対象のiPhone

最大値である2万ポイント還元対象の商品は決まっています。「iPhone 12 Pro Max」「iPhone 12 Pro」など5G対応の4種類、第2世代であるiPhone SEの計5種類です。

5G対応のiPhoneは、最新機能を搭載していることから、いくらか支払額が大きくなっています。しかしポイント還元により、割引のようなお得感を覚えられるでしょう。

価格と使いやすさのバランスを考えながら、理想の一品を決めてください。

(3) ポイントを取るための手順

ポイントを取るための手順は、大きく分けて3つです。

最初は楽天モバイルへの申し込みです。申請時は本人確認書類や楽天会員のアカウント、クレジットカードや銀行口座の情報を用意しましょう。他社から楽天へ乗り替えるなら、契約者名義のMNP予約番号も必要です。

すべての用意が終わったら、「Rakuten UN-LIMIT VI」へ申し込んでください。乗り替えの場合は、メンバーズステーションから移行申請を進めます。いずれの方法でも、モバイルの開通手続きが必要です。

次はiPhoneの初期設定です。プラン利用開始で必要なので、SIMカードとeSIMどちらを使う人も対応を進めましょう。最後はRakuten Linkアプリの使用です。楽天モバイルが独自展開するメッセージサービスで、こちらを通してiPhoneを使えば国内通話のかけ放題になります。

楽天モバイルへの申し込み、iPhoneの初期設定、Rakuten Linkアプリの使用の3段階を経て、2万ポイントをもらえます。

(4) お得プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」

楽天モバイルに欠かせない要素に、「Rakuten UN-LIMIT VI」があります。データ無制限でかえるプランで、最大金額は20GB超えで月額税込3278円です。

他の携帯電話なら、20GBを超えると速度制限がかかります。検索がしづらくなったり、アプリが不便になったりなどがデメリットです。しかしUN-LIMITなら速度制限を受けません。月額が高くなるだけでiPhone自体は通常どおり使えます。

これからiPhoneを使う人は、Rakuten UN-LIMIT VIの活用を考えてみましょう。

(5) もとのiPhoneでも楽天回線に対応

新しく携帯電話を注文しなくても、もとのiPhoneで楽天回線に対応できるようになりました。対象はiPhone 6s以降です。古いタイプから買い替えたくない人でも手軽に対応できます。

手順はiPhoneの新規申し込みと変わりません。楽天モバイルに対応できる携帯電話なら、すぐにRakuten UN-LIMIT VIが使えます。既存の種類で国内通話を自由に使えるのは、大きなメリットでしょう。

3. 楽天の資本提携

楽天では、資本提携も大きなニュースになっています。日本郵政とテンセントという2つの大企業から資金援助を受けているからです。それぞれの会社の特徴や提携の詳細をまとめました。

(1) 日本郵政

2021年3月12日に日本郵政は楽天グループとの提携に合意しました。日本郵政は郵便局の運営や物流ネットワークの管理などを手がける会社です。ゆうちょ銀行やかんぽ生命といった有名企業も、日本郵政グループに入っています。

日本郵政との提携により楽天は、多方面における協力を計画しています。共同の物流拠点の確保、郵便局内における楽天モバイル申し込みカウンターの設置などが代表例です。楽天にいるDXに詳しい人材を、日本郵政グループに派遣することも挙がっています。 日本郵政と楽天の相互作用に期待です。

(2) テンセント

同時期に楽天は、テンセントとの業務提携も発表しています。テンセントはチャットアプリ「WeChat」やゲームなどを展開しており、中国で急成長を見てる会社です。

テンセントなどからの出資を受け、楽天は基地局の強化を進める方針です。これまでの楽天は、基地局の問題がネックでした。大都市圏に回線エリアが集中しているほか、該当地域でも屋内では携帯電話が圏外になりやすかったからです。

海外の大企業からの出資は、携帯電話の利便性を高めるうえで重要といえます。日本郵政との提携による物流ルートの整備に加えて、インフラの強化にテンセントからの出資を役立てるのが、楽天の狙いです。

4. なぜテンセントとの提携が問題なのか

楽天のテンセントからの出資は、政府や世論が問題視しています。情報流出の懸念があるからです。楽天の行動の何が問題なのか、慎重に確かめてみましょう。

(1) 情報流出の懸念

テンセントとの提携で、楽天からの情報流出を心配する人が多いようです。業務提携の名目で、テンセントが楽天側の情報を見られるという懸念が広まっています。

楽天が受けた出資額において、テンセントの比率は3.65%です。日本の法律では3%以上の比率でお金を出したグループは、会計帳簿の閲覧及び謄写請求権を持ちます。テンセントはこの法律により、楽天の財務状況や関連資料をチェックできるのです。

契約書や伝票などは会社のお金の動きに関係する資料なので、以上に当てはまります。ここから「楽天側の顧客の個人情報がテンセントに流れてしまう」という懸念が生まれたのでしょう。

(2) 日本政府が好意的に評価していない

楽天とテンセントの業務提携は、日本政府も好意的に評価していないようです。日経の15日報道によると、日本政府関係者がアメリカ側に、安全保障の問題をめぐってテンセントの動きを監視することを伝えました。

出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE034LU0T00C21A4000000/

以上の報道は16日に行われた日米首脳会談に先がけた動きです。海外企業からの大規模出資を受けて、日本政府も情報漏洩の警戒を示したといえます。このように楽天とテンセントの提携は、国民だけでなく政府も注意深く見守っているのがわかるでしょう。

(3) アメリカではテンセントへの投資が禁止されている

アメリカでは政府が同国民に対し、テンセントへの投資を禁止しています。WeChatを通した情報漏洩の懸念があるからです。ユーザーのデータが中国政府に漏れることを、アメリカ政府も警戒しています。

以上から楽天と中国企業の提携については、日米関係を尊重する日本にとっても好ましくないと思われたのでしょう。先進国でタブーになっている中国企業とのコミュニケーションにより、楽天のイメージを良く思わない人が多くなった印象です。

(4) 三木谷社長は「影響なし」との見解

楽天モバイル代表取締役会長兼CEOの三木谷浩史氏によると、テンセントとの提携は経営に影響を与えないとのことです。

三木谷会長は2021年4月30日に、同社でのiPhone発売開始セレモニーに登場しました。そこでの囲み取材では騒動について「まったく意味がわからない」と懸念がないことを強調しています。

出典:https://mainichi.jp/articles/20210430/k00/00m/020/026000c

テンセントはこれまで楽天以外にも、アメリカの電気自動車メーカーのテスラをはじめ多数の企業に出資した実績を誇ります。この経緯から三木谷社長はテンセントが健全と判断しているのでしょう。

しかし懸念されている情報漏洩は、いつどのような形で起きるかわかりません。パスコードの設定や、アプリを通した連絡先へのアクセスのオフなど、ユーザー自身による一定の対策は重要です。

5. まとめ

2021年に楽天は日本郵政、テンセントといった大企業からの出資を受けたことを発表しました。同時期にはiPhoneの取り扱いを始めています。楽天のサービスを使っていた人にとっては、便利なiPhoneを手に入れられるチャンスです。

しかしテンセントからの巨額の出資により、情報漏洩の懸念が高まっています。三木谷会長は問題ないとしていますが、どのような形で有害事象が起きるかはわかりません。これまでのスマートフォンやアプリからの情報漏洩の教訓を踏まえ、ユーザー自身によるセキュリティ設定が重要です。

それでも楽天がiPhone市場に乗り出したことで、多くの人の生活が変わるでしょう。

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