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日本ではiPhone 世界ではAndroid 人気端末が違う社会的背景とは?

日本ではスマートフォン端末市場でiPhoneの人気が目立ちますが、世界的にはシェアが大きいのはAndroidです。なぜ日本と世界でスマートフォン市場の情勢が異なるか気になる人もいるでしょう。そこには各端末の機能や各国の社会的背景の違いが関わっています。

そこで今回はグローバルな視点からスマートフォン業界を知りたい人のために、国によって人気の端末が異なる理由を解説します。これを読めば世界的なスマートフォン業界の全体像をつかめるでしょう。

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1.日本で人気のスマホ端末は?

日本ではiPhoneが人気です。シンプルで使いやすいことから日本で多大な支持を受けていますが、最近ではAndroidの追い上げも目立ちます。日本におけるスマートフォン市場の現状を解説します。

(1)日本ではiPhoneが長らく人気

日本のスマートフォン業界ではiPhoneの活躍が目立ちます。2017年まではシェア率でAndroidなどを大きくリードするなど、スマートフォンといえばiPhoneと認識する日本人が多い印象です。

しかしiPhone自体は世界的なシェアが少なく、日本での使用率が飛び抜けているのです。

iPhoneは2007年1月9日に当時のApple社のCEOだったスティーブ・ジョブズが発表しました。日本初のiPhoneとして「3G」が2008年6月9日に発売となって以来、シンプルで使いやすいとの評判からトップクラスの国内シェアを築いています。

以上からiPhoneは日本人に親しみやすいスマートフォンとして、今でも国内で多くの支持を集めているのです。

(2)iPhoneの魅力は?

iPhoneの魅力はシンプルで使いやすく、相場が安いことです。スッキリとした見た目で利便性に優れていることから、それまで機械に慣れていない人でも使いやすいという利点があります。

Androidより価格相場が安いことも、iPhone人気を後押ししています。そのため老若男女誰でも手が届きやすい商品として、多くのカスタマーを呼び込んでいます。

ほかにもアプリが質と量ともに充実していることもポイントです。iPhoneに悪質なアプリが入ってしまわないように、Appleが独自審査でアプリを選定していることがクオリティを高めています。

AirPlayという機能でオーディオとつなげば車の中で音楽が聴けるなど、iPhoneには使い勝手に優れた機能があります。こうした機器を格安で手に入れられることが日本人気の要因でしょう。

(3)近年はAndroidがiPhoneの対抗馬に

近年はAndroidのシェア率が国内で上昇しており、iPhoneの対抗馬として話題です。2017年に日本におけるAndroidのシェア率トップを記録したシャープ「AQUOS」を筆頭に、iPhoneとの差別化による勢力拡大の動きが高まる状況です。

Android自体のシェア拡大が目立ち始めたのも2017年です。AQUOS以外にもソニーの「XPERIA」、韓国のサムスンによる「Galaxy」などさまざまなシリーズが知名度を上げてきています。これにiPhoneがどう迎え撃つかに注目が集まります。

2.なぜiPhoneは日本で人気なのか?

iPhoneは日本国内で独自の人気を確立し続けてきました。その理由には3つあり、経済成長の歴史、国内での販売ルートの充実、日本ではお得に手に入れやすいことです。この章では日本におけるiPhone人気の背景に迫ります。

(1)日本の経済成長の歴史

iPhoneの日本での人気は、同国における経済成長の歴史が背景と考えられます。1970年代の高度経済成長期から、日本は90年代前半までGDPを伸ばし続けました。バブル崩壊後の2000年前後をはじめ、成長が停滞した時期もありましたが、それでも先進国としての水準は保っています。

世界的にはiPhoneは「高級品」との呼び声がつくほど相場が高く、発展途上国では手に入りづらい印象です。しかし経済成長を経た日本では、割引制度などの助けもあって多くの人が手に入れやすくなっています。

以上から日本の経済成長が、iPhoneを受け入れる素地を固めたと言えます。

(2)日本での販売ルートが豊富

日本国内における販売ルートの豊富さもiPhone人気を後押ししています。現在国内ではソフトバンク、au、docomoなど多くの携帯電話事業者がiPhone製品を展開しています。そのため自宅近くの携帯電話ショップでiPhoneを手に入れられる人が多い状況です。

大手の携帯電話事業者がこぞってサービス競争をした結果、相場が下がり、カスタマーがお得にiPhoneを手に入れられる状況が整いました。サービス競争には割引制度の充実やキャンペーンなどが挙がります。

近年はワイモバイルやUQモバイルなどの格安スマートフォンも話題となっていますが、いずれもiPhone製品です。このように日本ではiPhoneをプッシュする動きの高まりから、知名度でAndroidなどに差をつけています。

(3)日本ではAndroidよりもお得に提供しやすかった

日本国内ではiPhoneの方がAndroidよりもお得に売りやすいと言えます。iPhoneはシンプルな機能や構造によりユーザーが使いやすいだけでなく、携帯電話ショップの従業員にとっても説明しやすく、商品をプッシュする雰囲気が整っています。

割引制度や格安スマホなどの充実により、現在では多くの人がiPhoneを求めている状況です。

一方でAndroidはiPhoneが日本に流通した当時は機能性に優れていませんでした。そこでAndroidを手がける日本のメーカーがiPhoneとの差別化を図るべく、おサイフケータイや赤外線通信などの独自機能を入れました。

しかしこの結果、製造コストが高まりiPhoneよりも相場が高くなることがありました。世界的にはAndroidの相場はiPhoneよりも安かったのですが、日本ではこの持ち味が生かせませんでした。 以上から、日本ではiPhoneがお得というイメージです。

3.世界的に人気なスマホ端末は?

世界的にはiPhoneよりもAndroidが人気である国が多い状況です。グローバルな視点で開発が進んでいるため、中東・アジア圏や欧米諸国などでAndroidを使う人が現れています。この章ではAndroidの世界的なシェアの高まりや、製品としての特徴を解説します。

(1)世界的にはAndroidが人気

グローバルな視点で見るとAndroidがスマートフォン市場をリードしています。主にインド、中国、韓国などの中東・アジア圏、イタリア、フランス、ドイツなどのヨーロッパ圏で人気を得ています。

アメリカやカナダではiPhoneも人気ですが、Androidもひけを取らない状況です。このように世界的なシェアはAndroidが大きく占めています。

Androidは2008年9月にアメリカから「T-Mobile G1」が登場して以来、世界的に開発や発売が進むようになりました。日本でも2010年にAndroidのスマートフォンが流通を始めていますが、iPhoneほどの人気は得られない状況でした。

しかし世界的に見ると、世界中のさまざまな大手メーカーがAndroid系スマホの売り上げを伸ばしています。

(2)Androidの魅力は?

Androidの魅力は品ぞろえの豊富さと、機能性の充実にあります。Androidのスマートフォンは世界中でさまざまなメーカーから発売しており、相場の安さも手伝って、世界中の人々の手に届きやすい存在として認識を受けています。

機能面でも2画面、3D撮影、高音質音楽再生など独自の機能が充実しています。iPhoneではできないホーム画面やアイコンなどのカスタマイズも可能で、自由度の高いスマートフォンといった印象です。

最近ではシンプルかつ高い機能性のシニア向けスマートフォンも話題になっています。こちらも多くはAndroidです。

以上からAndroidスマートフォンは、世界中誰でも使いこなせるとして、高い知名度を誇っています。

4.なぜ世界ではAndroidが人気なのか?

世界的にAndroidが人気である背景には3つあります。開発や販売に世界的な企業が多く関わっていること、低価格で買える可能性、国際的な販売ルートの確立です。この章では世界的なAndroid人気の背景を探ります。

(1)世界の多くの大企業がプロデュースに関係している

Androidのプロデュースには世界的な大企業が多く関わっています。Android端末の開発や普及を目的とした「OHA」という団体があり、こちらにはシステムの提供元であるGoogleをはじめ、ファーウェイ、モトローラ、LGといった世界的な携帯電話、端末、半導体などの各メーカーが提携しています。

日本からもNTTドコモやKDDIなどの大手通信キャリアが関係しており、Androidのプロジェクトの壮大さがうかがえます。

このようにAndroidは多くの大企業からのバックアップを受けているため、クオリティに優れながらお得なスマートフォンを作れる環境が整っています。

(2)世界的にはAndroidの方が安く価格設定されている

日本国内ではiPhoneをお得に感じる人も多いようですが、世界的にそれは高級品であり、Androidの方がお得に手に入りやすいという認識です。

世界的には日本よりも賃金相場や物価が安い国が多く、手に入りやすいスマートフォンといえばAndroidというイメージです。スマートフォン自体への憧れは世界中の誰もが考えていますが、物価の安い国で手に届きやすい商品といえばAndroidという状況でした。

以上の背景からインドや韓国など、日本よりも物価が安い国ではAndroidのシェア率が大部分を占めています。またほかの国でも白人より世帯収入相場が低いアフリカ系やヒスパニック系の間でもAndroidのシェア率が高い状況です。

こうした人々にとってiPhoneは高すぎて手に入れにくいですが、Androidなら低価格なので需要が大きいと言えます。

(3)無料でメーカーに提供できる

Androidは無料でメーカーに提供できる強みがあり、これが世界的な販売ルートの充実につながっています。AndroidはGoogleが開発しており、スマホメーカーは本体だけを作り、そこにAndroidをインストールすれば事足ります。

システム開発をGoogleにまかせれば作業時間やコスト削減もできます。この点がAppleによるiPhoneの独自開発との違いです。

無料でメーカーに提供できることから、さまざまな会社からAndroidスマートフォンが店頭に並び、世界中の人々の目にとどまっています。このような世界的な販売ルートの広さが、Androidのシェア拡大の要因です。

5.日本と世界で人気のスマホ端末が違う理由は?

日本でiPhone、世界ではAndroidとトップシェアの端末が違うのは、各国におけるスマートフォン市場に対する考え方が異なるからと言えます。

日本ではiPhoneというシンプルで機能性が高いものが注目を受けています。2008年の日本への流通開始当時、大手通信キャリアの各社は機能性の高いスマートフォンを求めており、それにふさわしいのがiPhoneでした。

一方世界では、物価の安い国の人でもスマートフォンを手に入れられるように、相場の安いAndroidへの需要が高まっていました。Androidスマホは開発コストが低く、多くの国への流通ができたので、グローバルな販売ルート確立につながりました。

以上から日本と世界で人気のスマートフォン端末が違うのは、各国の販売スタンスの違いが理由と言えます。

6.まとめ

日本と世界で人気のスマートフォン端末が違うのは、各国におけるスマートフォンへの注目ポイントが異なるからです。機能性を求めた日本はiPhone、お得感を求めた世界はAndroidを求める雰囲気が強い状況でした。

このように世界的な市場情勢の違いを知ることでも、スマートフォンの奥深さを学べるでしょう。

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