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言語AI「GPT-3」とは? メリットやデメリット、活用例、今後の展望など

「GPT-3って何?」「どんな役に立つの?」などと興味を持っていませんか。これは自動で文章を作ってくれるAIツールで、世界中で話題です。
ビジネスに導入されれば、仕事の効率化を果たせるかもしれません。

今回はGPT-3を学んだり、使ったりしたい人のために、その意味や活用例などをまとめました。この記事から文章を作るAIの魅力がわかるでしょう。

1. GPT-3とは何か?

まずはGPT-3の基本的な意味や特徴を解説します。自動文章生成ツールとして高い機能を誇るほか、多くの実業家を味方につけている点も印象的です。ここでは3つのポイントに分けてまとめました。

(1) 人間が書いたような高精度の文章を作り出す

GPT-3で多くの人が注目しているのは、高精度の文章を作り出すことです。人間が書いたような自然な言葉を生み出すことが多く、世界中で話題になっています。

特定の単語に対して、次にくる言葉の予測を繰り返すことで、自然な言葉を作れる仕組みです。言語モデルの徹底的なディープラーニングによって、人間が考えるようなことを多く文章化できるようになりました。

GPT-3は文章生成能力が高いので、ビジネスや新製品開発などで役に立つでしょう。

(2) Microsoftやイーロン・マスクなど多数の企業・実業家が関係

GPT-3はMicrosoftとの提携や、イーロン・マスク氏からの投資など、多くの関係者が味方についています。

マスクはアメリカの電気自動車メーカー「テスラ」のCEOで、世界的な影響力が強い人物です。2015年にはAI研究グループである「OpenAI」を創設しました。

Microsoftは2020年にOpenAIとの提携を明かしました。MicrosoftはGPT-3ディープラーニングモデルに対する独占ライセンスが与えられています。GPT-3を巡っては、ビジネス現場で次々と新しい展開が生み出されているのです。

(3) 巨大なデータセットやネットワークを見方にハイレベルな学習

GPT-3がハイレベルな文章を作り出せるのは、巨大なデータセットやネットワークのおかげです。
学習対象のテキストデータは約45テラバイトに及びます。従来品であるGPT-2は40ギガバイトなので、ケタ違いの能力です。

2020年6月にはOpenAIによって、GPT-3のAIモデルをAPIを通して使える商品を発表しました。OpenAIの巨大ネットワークを生かした学習で、正確な文章を作れるのです。

2. GPT-3のメリットとは?

GPT-3のメリットは作業効率を上げられる可能性です。おかげでライターの負担を減らせるなど社会的な効果が期待できます。
大手企業との提携を受けているので、信頼性の高さも強みになるでしょう。

(1) 文章作成の作業効率を上げられる可能性

GPT-3には文章作成の作業効率を上げることを期待できます。本格的なディープランニングを受けているおかげで、状況に合わせて適切な文章を繰り出せるからです。

仕事で文章を書く必要がある人にとっては助かるでしょう。自身で文章を考え、キーで打つよりも、自動生成の方が効率がよいといえます。GPT-3の利便性が世界的に浸透すれば、喜ぶ人が増えるでしょう。

(3) ライターの負担を減らせる

GPT-3のおかげでライターの負担を減らせるのもポイントです。とくにITや情報関連の仕事で文字を打つ人にとっては役に立つでしょう。

パソコンと向かいあいながら文字を打つ作業は、ひとつ仕上げるだけでも時間がかかります。ずっと同じ姿勢で疲れてしまう人もいるでしょう。

しかしGPT-3があれば、効率良く作業を進められるため、ライターの負担軽減に役立ちます。仕事に対するモチベーションが上がったり、体調管理がスムーズにできたりするのです。

(3) 情報共有もスムーズ

GPT-3で文章を生み出せれば、情報共有も簡単です。手動で文章を作ると時間がかかるので、上司や相手先との素早い情報共有が厳しいときもあるでしょう。

しかし自動生成でできた文章なら、スピーディに仕上げられます。情報共有もスムーズなので、納期までの時間に余裕をもって終わらせることも可能です。仕事の流れをスムーズにするうえで、GPT-3は重要なツールと考えられます。

(4) 大手企業との提携で信頼性が高い

信頼性の高さもGPT-3の強みでしょう。テスラでおなじみのイーロン・マスクから出資を受けているほか、Microsoftとの提携も進んでいるからです。
とくにMicrosoftはOpenAIとの提携により、GPT-3言語モデルのライセンスを独占的に得ています。

世界的な企業が活用を表明しているとなれば高い需要につながるでしょう。これから文章生成ソフトを使いたい人が安心するからです。

3. GPT-3のデメリット

GPT-3には、懸念されるデメリットも4つあります。機械を使っているためにオリジナリティを出しづらいことや、フェイクニュースに利用される可能性などに注意です。
4つのデメリットをまとめました。

(1) オリジナリティは出しづらい

GPT-3は、オリジナリティの出しづらさが難点です。人間には状況に合わせて細かい表現を正確にできる能力があります。
しかしGPT-3のような、AIがベースになっているシステムだと、表現の限界にぶつかりがちです。

GPT-3はゼロから機械学習を受けています。大規模なラーニングを受けているといっても、学んだ範囲でしか言葉を組み合わせられません。

一方で自然とされる文脈は、題材や状況によって異なります。GPT-3にまかせても、正確な文章を出しきれない可能性があるのです。

(2) フェイクニュースに使われる

GPT-3には、フェイクニュースに利用される可能性が懸念されています。文章をスムーズに出せることから、好き勝手な文章をあたかも本物のニュースのように書いて、サイトに載せる人が現れるかもしれません。

事実と異なる内容を書いて世間を混乱させる人は、過去に何人も現れています。GPT-3のように手軽なツールは、犯罪者の格好の道具になる危険性を秘めているのです。

従来品であるGPT-2も、開発時にはソースコードが公開に時間がかかりました。フェイクニュースに使われるおそれが指摘されたからです。
GPT-2から進化したGPT-3でも、多くの人が悪用するかもしれず、対策が求められます。

(3) 料金がかかる

GPT-3は導入にコストがかかります。正確な料金はまだわかりませんが、「エクスプローラー」「クリエイト」「ビルド」「スケール」という4つのコースに分かれます。

コースの違いは、利用可能なサービスの範囲が異なることを意味します。良質なサービスほど高価なことも想定されるでしょう。

GPT-3に限らず、文章を自動で作れるシステムは、導入にお金がかかることが多いといえます。経済的な状況から長く使えるかを検討しましょう。

4. GPT-3の活用例

すでにGPT-3を使ったシステム開発の例が見られます。ここでは代表的な3つをまとめました。

(1) Microsoft Power Apps

Microsoft Power Appsは、アプリケーションの構築を支援するプラットフォームです。近年はプログラミング初心者でも手軽にアプリを開発できるケースが目立ちます。

2021年5月にMicrosoftは、Power AppsにGPT-3を組み入れることを明かしています。
アプリ内では説明文や案内などに文章を要するのですが、それらを自動で作れるのは大きいでしょう。プログラミング初心者にとっては大きな味方です。

世界的な影響力の強いMicrosoftがGPT-3を製品に組み入れたとなれば、アプリ開発へのモチベーションも高まるでしょう。

(2) Viable

Viableは顧客からのフィードバックの内容を確かめるツールです。GPT-3が組み入れられたことで、チャットやレビューなどからカテゴリーを決め、ユーザーに正確な情報を与えます。

以上の結果Viableを使う事業者は、アクセスしてきた人に対し、事業のスムーズな利用に向けたアドバイスを与えられます。文章の自動生成を使うことで、お客さんにとってわかりやすい情報をまとめられるのです。

Viableはマーケティングがわからない人にとって、売上アップのきっかけを与えられるでしょう。お客さんとのコミュニケーション能力を上げられるからです。

(3) Fable Studio

Fable Studioは、仮想の人物を生み出し、現実のユーザーと自然な会話を作れるシステムです。GPT-3のおかげで、状況に応じた正しい言葉を組み合わせられます。

2019年にはFable Studio制作の映像作品『The Wolves in the Walls』がエミー賞を受賞しました。主人公の少女とプレイヤーのコミュニケーションをメインとしたVRゲームです。このようにGPT-3はエンターテイメントでも影響力を発揮しています。

5. GPT-3の今後は?

GPT-3はビジネスを大きく変える可能性を秘めており、将来性は高いでしょう。一方でフェイクニュースのような弊害にも注意しなければなりません。

(1) ビジネスのDX化を後押しする

GPT-3はビジネスのDX化における重要なツールになるでしょう。DX化とはデジタル設備の導入を通して、仕事の流れや人々のライフスタイルを良い意味で変えることです。

ハイスペックな文章自動生成ツールが導入されれば、ひとつの文書をまとめる時間が短縮されます。1日で消化できる仕事量が多くなったり、短時間で仕事が済むことで残業を避けたりできます。GPT-3による働き方改革の後押しに期待しましょう。

(2) 利用者はフェイクニュース対策が重要

GPT-3は手軽であるからこそ、フェイクニュースのような悪用に注意が必要です。スムーズに文章を作れることで、人の興味を引くウソを流す人が現れるかもしれません。

我々もウソのニュースに対して、いっそうの警戒が必要です。ブログやSNSの情報は鵜呑みにせず、公的機関のような信頼できるところをチェックしましょう。サイトの評判をネットで調べることも大切です。

GPT-3のような高機能なシステムは、これから社会のあらゆるところに浸透するでしょう。事業者側でもTwitterがフェイク画像や動画と思われるものに警告を示したり、Facebookが一次情報を優先的に示せるようニュースリストのアルゴリズムを作り変えたりするなど、対策を強めています。

便利なシステムの裏に潜む弊害を理解し、対策を進めることが肝心です。

6. まとめ

GPT-3は文章の自動作成ツールですが、クオリティの高さが世界的な注目を受けています。

ビジネスへの導入により、仕事の流れがスムーズに変わるでしょう。しかしフェイクニュースへの悪用が懸念されます。事業者やユーザーがそれぞれ注意深く情報を扱ったり、社会人としての規範を意識しながら使うことが大切です。

それでもGPT-3は社会に浸透すれば、働き方を大きく変える武器になるでしょう。

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