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今話題のClubhouseのセキュリティはどうなっている? 概要・特徴・脆弱性への対応策とは

Clubhouse(クラブハウス)が話題です。
「自分も使ってみたい」「セキュリティは大丈夫?」などと気になる人もいるでしょう。

Clubhouseはユーザーがつながって、会話したり聞いたりするアプリです。声を使ってコミュニケーションが可能です。しかし新しさゆえに、セキュリティ上のトラブルにも気をつける必要があります。
今回はClubhouseの概要や特徴に加え、セキュリティ対策もまとめました。これを読めば、Clubhouseを正しく使う準備ができます。

1. Clubhouseとは音声が流れるチャットルームのようなもの

Clubhouseとは、音声を流すタイプのSNSです。チャットルームでは、言葉によるやりとりが中心ですが、Clubhouseではメインの手段が文字ではなく音声になります。 配信者はスケジュールを組み、他のユーザーに知らせることも可能です。
ユーザー同士が集まっておしゃべりを楽しむのがClubhouseです。聞くためだけでもルームに入れます。ラジオのような配信を、世界中の誰もが流せるのがClubhouseです。

2. Clubhouseの特徴

Clubhouseは実名招待制です。
Clubhouseにアカウントを登録すれば(Roomを持てば)、有名人の配信を聴取できるなど、ユーザーが好きに使えます。
以下に基本的な特徴をまとめました。

(1) 実名招待制

ClubhouseはSNSとしては珍しく招待制です。招かれるには、スマートフォンの連絡先に相手の情報が載っていなければなりません。そのため実名を要します。 TwitterやInstagramのように、匿名では入れないのがポイントです。招待枠は2名までなので、大勢で盛り上がるよりは、決まった人たちだけで会話を楽しむイメージでしょう。
Clubhouseに入るには実名で招かれる必要がありますが、その代わり密室性が高いといえます。

なお、条件は不明ながら招待枠は増えることがあります。弊社従業員の中には、Clubhouseの招待枠がなぜか8まで増加した者もおります。

(2) 有名人の配信や対話を聞けるチャンス

Clubhouseでは有名人のお話を聞けるかもしれません。誰でも好きな形で使えるため、有名人の参加も自由です。
成功した人の体験や、人生のためになる話を聞けば、素敵な経験になります。有名人に会えるチャンスはあまりないので、直接触れ合えるのが楽しみという人もいるでしょう。 Clubhouseでは、世界中の多くの有名人も実際に使っています。彼らの配信にアクセスすれば、充実した体験ができるかもしれません。

(3) ながら再生にも対応している

Clubhouseではながら再生も可能です。「バックグラウンド再生」という機能で、聞きっぱなしができます。
同じSNSでもTwitterは画面をスクロールしなければ、一人のユーザーの複数の投稿をチェックできません。しかしClubhouseなら家事や仕事に集中しつつ、音声を耳で聞き続けられます。
スマートフォンひとつだけで、ラジオ感覚で楽しめるのもClubhouseの魅力です。忙しいときでも気を紛らわせるでしょう。

(4) アーカイブ配信がないため、音声情報は貴重である

Clubhouseには録音機能がないため、アーカイブ配信は不可能です。従って、ClubhouseのRoomで配信された音声はリアルタイムで聞く必要があり、聞き逃したとして後から聞き返すような運用はできません。
規約でも配信内容は他の人に知らせてはいけません。録音やメモも違反になります。Clubhouseの内容は、ルールによって厳重に守られているのです。 以上の背景からClubhouseの音声配信には、リアルタイムかつ希少価値の高い情報が多いでしょう。これまでのSNSのように手軽に情報共有ができないという意味では、ユニークです。

3. 友人から招待を受けると参加できる

Clubhouseで友人から招待されると、自身の電話番号あてにショートメールが送られます。アプリを起動すれば、サインインとログインで招待に同意するしくみです。
招待を受けられるかは、相手の意思に委ねられます。気づいてもらえなければ、希望のルームにはいつまでも入れません。少しでも気づかれやすくするには「Waitリスト」に登録しましょう。
Clubhouseでは2つまで招待枠があるので、枠が空いている人を探し、受け入れてもらう手もあるでしょう。このSNSへの参加方法は、相手からの指名が主になります。

4. 自分でルームを作って相手を招待するのもあり

Clubhouseでは、ユーザーが自分でルームを作れます。ここでのルームとは配信用のページという意味です。自身で新しい音声チャットをスタートすれば、逆に友人やお気に入りのユーザーを招待できます。 ルームを作る手順は以下のとおりです。

  1. 「Start a room」というボタンを押し、タイトルや公開範囲を決める
  2. ルームの公開範囲を決める。「Open」で誰でも入室でき、「Social」ではフォロー中のユーザーのみ、「Closed」では自身が指名したユーザーだけを招待できる
  3. フォロワーにルーム通知が届くので、参加を待つ

以上でコミュニケーションの準備は整います。ルームは削除方法も簡単で、ルーム内の画面右上のメニューボタンを押し、「End Room」を押すだけで充分です。単純な方法でルームを作ったり消したりできる点も便利でしょう。

5. Clubhouseのセキュリティには問題がある?

Clubhouseは新しいSNSとして人気ですが、セキュリティの問題も指摘されています。音声データが中国に流出しているのではないかとの指摘もあり、対策が不可欠です。自身でも情報を悪用されないように注意しましょう。

(1) 音声データが中国当局に漏れるかもしれない

Clubhouseの音声データが中国当局に漏れるかもしれないという指摘があります。 専門家によると、開発者であるAlpha Explorationが利用しているサーバーは、上海拠点のソフトウェア企業「Agora」のものです。加えてAgoraからAlphaが展開する音声データに触れられる可能性があるとしています。トラフィックを調べることで、各チャットルームの様子を把握できることが、音声を盗むきっかけになりえるからだそうです。
会話のメタデータを見ることで、中国当局が音声データをコピーし、国家安全保障の名目で政府に提供する可能性があると専門家は指摘しています。
実際には、Agoraは上記の指摘を否定しており、専門家もAlphaがAgora以外の企業を利用する根拠はないとのことです。
現在のところ政府に音声が流れる心配はありませんが、音声が流出しないために、運営側やユーザーによる対策が重要でしょう。

(2) 招待詐欺が起きている

Clubhouseを使った招待詐欺に引っかからないように注意しましょう。業者を名乗る人物から招待コードを入手するためにお金を払わされ、その後の連絡が来なくなるというトラブルが起きています。
詐欺をした人物は、お金をもらった相手をブロックし、アカウントを消して行方がわからなくなることもあります。招待コードの代金もPayPayのようなキャッシュレスシステムを使って成立するので、手軽にお金をだましとられるリスクもあるのです。
以上から招待コードのために代金を請求する誘いには、断じて乗らないようにしましょう。

(3) 個人情報の悪用にも注意が必要

Clubhoseでも他のSNSと同様に、個人情報を悪用されるケースがあります。招待を受けるには電話番号が必要ですが、それを以下の目的で悪く使われるかもしれません。

  • 受け取った電話番号にマルチ商法などの誘いがくる
  • 電話番号を売買する
  • 詐欺の犯人に連絡先として確保される 自身から招待をかけるには、相手にショートメールを送らなければなりません。このときにお互いの電話番号が明らかになり、悪用のきっかけになるおそれがあります。本当に信用できる相手にしかショートメールを送らないなどの自衛が重要です。

    6. Clubhouseのセキュリティ対策

    Clubhouseでのトラブルを避けるには、セキュリティ対策が重要です。自身でできることや、企業の取り組みをまとめました。

    (1) 個人情報をうっかりバラさないように注意

    Clubhouseでは、個人情報をうっかりバラさないように注意しましょう。リアルタイム配信では編集がなく、一度声に出したことは不特定多数に聞かれる可能性が常にあります。会話する内容に個人情報を含ませないよう、言葉を選ぶことが大切です。
    また、他人の秘密を暴露することで、トラブルになる可能性もあります。Clubhouseで個人情報を話すことで、聞いた相手が悪用するかもしれません。自身から他のユーザーに招待するときも、信頼できる相手にしかショートメールを送らないように、個人情報を守りましょう。
    デリケートな情報はなるべく口にしたり、余計なところで見せたりしない方が賢明です。

    (2) 運営側は暗号化措置を決めている

    Clubhouseを運営するAlpha Explorationでは、情報の暗号化の措置を決めています。文字による明確なデータよりも、暗号で交信する方が、第三者に盗まれにくいからです。 人気のあるサイト運営者の多くは、SSL通信などを使い、データを暗号化しています。ハッカーにデータを悪用され、サイトを荒らされたり、銀行口座の資産に危害を加えられたりしないためです。
    Alphaも中国国内のサーバーに情報が漏れないように、暗号化に取り組んでいます。これにより中国からのデータ取得は難しくなり、トラブルのリスクを抑えられる見通しです。

    7. まとめ

    Clubhouseは音声でコミュニケーションがとれる新しいSNSです。完全招待制で、プライベートな会話も楽しめます。著名人による配信では、貴重な話も聞けるでしょう。
    ただしClubhouseの利用には注意点もあります。音声のメモや他人への口外も禁止されているとはいえ、常にリアルタイム配信なので、個人情報を漏らさないように気をつけましょう。
    運営側のAlphaは情報を暗号化したり、漏えいにつながる行為を禁止したりして、トラブルのリスクを抑える取り組みを展開しています。新しいSNSだからこそ、我々もセキュリティへの意識を強くする必要があるでしょう。

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