「チャットアプリが流行っていると聞いたけど、どんなもの?」「開発の参考として、市場規模を知りたい」「ビジネスに役立つ有名ツールを教えてほしい」などと考えていませんか。現在は最先端の交流ツールとしてチャットアプリが国内外で話題です。
今回はチャットアプリ業界の全体像を学びたい人のために、基本的な定義から市場規模、代表的なプレイヤーまで紹介します。読めば最先端のコミュニケーションツールを取り巻く環境を基礎から勉強できるでしょう。
1.チャットアプリとは何か?
チャットアプリとは、全国、ひいては全世界の人々とオンラインでの会話を楽しむためのアプリです。人気ツールの多くはパソコン、スマートフォン両方からアクセスできます。
ひまつぶしの会話に使えるだけでなく、異性との出会いから仕事で必要なコミュニケーションまで用途もさまざまです。場所を問わず手軽にコミュニケーションを取れることから、多くの国で生活の一部として定着しています。
チャットアプリ業界を知ることで、人々がどのようなコミュニケーションの取り方を求めているかなどのヒントを探れるでしょう。
2.チャットアプリの市場規模は?
チャットアプリ業界は、世界全体で経済効果を年々高めています。市場規模が広がり続ける背景をまとめました。
(1).ビジネスチャット導入企業が増加中
チャットアプリが人気なのは、セキュリティ、使いやすさ、業務の効率化などが理由で、ビジネス現場での使用例も増えています。パソコンを使ったデスクワークが多い企業ならSkypeやFacebook、スマートフォンやタブレットの使用企業はLINEなどが人気です。
ビジネスチャット導入企業は、国内全体で見るとまだ多くはないようですが、利用例は年々増えており注目度が高まっています。
(2).チャットアプリの注目度は2016年から高まった
2016年にFacebookとLINEがAPIをオープン化したことで、チャットアプリの浸透が本格化しました。それまでプライベートなメッセージのやり取りがメインだったLINEなどの用途が広がり、企業による利用例が増えはじめています。
LINEなどがオープン化しているAPIは、ソフトウェアより、パソコンやスマートフォンなどのハードウェアのアクセスを許可するためのリソースです。オープン化は世界中誰でも利用できることを意味するため、コミュニケーションツールの用途拡大に役立ちました。
オープンAPIなら、特別なプログラミング知識や使用料なしでも利用可能なので、チャットアプリの利便性向上につながっています。
(3).国によって人気のチャットアプリも異なる
世界的なシェア拡大を見せるチャットアプリですが、国によって人気のツールが異なる点にも注目しましょう。たとえばアメリカや欧米ではFacebook MessengerやWhatsAppなどが人気です。
しかしアジアでは日本ならLINE、中国ではWeChatやQQ、韓国ではKakao Talkと定番が異なります。ロシアでは同国が開発したTelegramがセキュリティレベルの高さなどから話題です。以上のように国によるチャットアプリ事情も異なることに留意しましょう。
3.国内発の有名チャットアプリ4選!
日本で開発を受けて話題になっているチャットアプリの代表例を4つ紹介します。それぞれの使いやすいポイントを確かめるとよいでしょう。
(1).LINE
LINEは、国内におけるチャットアプリのスタンダードです。子どもでもスマートフォンを持つ機会が増えたことから、トップクラスの需要を誇ります。LINE Payという支払い機能、ゲームなどのサービスも充実しているので注目です。
無料通話ができるほか、スタンプなどで文字だけでは伝わらない感情を表せるなど、柔軟な会話を行えます。災害時の安否確認など、どうしても必要な連絡にも利用可能です。コミュニケーションのパターンが多いことから、仕事でのちょっとした連絡にも有用でしょう。
(2).チャットワーク
チャットワークとは、ビジネスコミュニケーションを目的とした日本発のツールです。リモートワークやインターネットを使った仕事の一環として、チャットワークに親しんでいる人もいるでしょう。
個別チャット機能では、特定スペース内の利用者を制限することで、機密情報をめぐるやり取りがかんたんです。グループチャット機能もあり、インターネット会議や社内連絡などをスムーズに進められます。
Wordや画像などのファイルアップロードもできるなど、本格的な業務用ネットツールとして将来性は高いでしょう。
(3).ORCA
ORCAは、オンラインチャットができるSNSとして話題です。気軽なお話ができるものの、実際の出会いを求める書き込みは、出会い系サイト規制法により禁止なので注意しましょう。あくまでもネット上の友達を探すためという位置づけです。
ランダム通話機能でメッセージを送りあえるほか、特定の趣味で盛り上がれるなど、さみしさを紛らわす手段として使えます。単純な暇つぶしとしてのコミュニケーションに特化したサービスであり、チャットアプリを開発したい人にとっても、ネット交流の基礎を学ぶうえで注目です。
(4).KIZUNA
ファンとアスリートがコミュニケーションを取れるSNSとして、KIZUNAも話題です。アスリートをフォローすることで、本人の生の気持ちなどを知れます。
ライブチャットでの投げ銭などによる課金を行えるほか、サポーターズクラブにも入れるなど、スポーツ選手との交流を深める取り組みが多いことも特徴です。このような特定のジャンルに絞ったチャットアプリは珍しいといえます。
4.海外発の有名チャットアプリ6選!
世界的な活躍を見せる海外のチャットアプリが日本語対応した結果、国内でも人気を得ているケースがあります。海外の代表例を6種類にまとめました。
(1).Slack
Slackは、ビジネス向けチャットとして世界的な人気を誇ります。2013年にリリースしてから多くの国で高評価を得て、のちに日本語にも対応し国内でも人気になりました。
リアルタイムでのコミュニケーションを大切にしたしくみなので、クライアントなど相手からのお知らせにすぐに反応しやすいメリットなどで、多くのビジネスマンを助けています。
過去の連絡事項の保存や検索などのきめ細かい配慮にも注目しましょう。画像やテキストなどのファイル共有もできることから、仕事の効率化にふさわしいチャットアプリです。
(2).Discord
Discordは、ゲーマー向けのチャットアプリです。ゲームをしながらでもリアルタイムでコミュニケーションが取れるように配慮したしくみで人気があります。
チャットツールながら、「ボイスチャンネル」という通話機能が使えることから、コントローラーを手放さずして通話ができる点が魅力です。以上からチームプレイでのコミュニケーションにも最適でしょう。
サーバーは完全招待制で、秘密にしたい情報が外部に漏れる心配もありません。手軽さと機密性を高次元でまとめたツールとして、開発者側にとっても参考になりそうです。
(3).Skype
Skypeも、気軽にコミュニケーションを取れるアプリとして人気です。無料で音声やビデオによる通話を行えるのがウリで、従来の電話をリアルタイム化したと思えばよいでしょう。
かんたんなインストールやアカウント作成だけで使えるので、複数人によるビジネス会議の準備もスムーズに進められます。ファイルもクリックだけでセットして相手に送れるなど、直感的な操作で多くの機能を使いこなせるでしょう。
(4).Messenger
Messengerは、ショートメールサービスやビデオ通話、グループビデオチャットなどで、オンラインで自由なコミュニケーションを取れるサービスです。
Facebookから直接メッセージ機能を利用でき、友だちなどとリアルタイムな交流を行えるなどの利便性があります。スマートフォン版ではFacebookとは別にMessengerの専用アプリが必要ですが、交流パターンの多さから状況を問わずに使いこなせるでしょう。
最大50人の同時参加が可能で、大規模なリモート会議にも役立ちます。家族のコミュニケーションだけでなく、別企業との商談などもスムーズに進められでしょう。柔軟性の高いしくみから、欧米を中心に人気を誇っています。
(5).WeChat
WeChatは「中国版のLINE」という呼び声が高く、2011年のリリースよりグローバルに活躍中です。2018年には月間ユーザーが10億人を超えました。
中国ではLINEが使えないという背景もあり、コミュニケーションの不便を取り除くツールとして人気が出ています。LINEと同じく吹き出しのメッセージなど、分かりやすい画面と使いやすさに定評があります。
(6).ZOOM
ZOOMはリモート会議の定番として成長を続けるツールです。新型コロナウイルス流行による外出自粛が全国に広がったときも、テレビ番組などにおける出演者同士のコミュニケーション手段として話題になりました。
スマートフォンやパソコン、タブレットなど、参加に必要なデバイスを選ばず、手軽にミーティングを始められるのが特徴です。自宅だけでなくどこからでも参加できるだけでなく、オンライン通話機能により、顔を見ながらの交流ができることもポイントでしょう。
移動を省きながら充実のコミュニケーションを望める点で、オンラインでの営業活動などにも役立ちそうです。
5.自力でチャットアプリの開発もできる?
既存のメッセージ機能を取り入れ、シンプルな形でチャットアプリを作り出せます。該当するサービスには、PIECEやYAPPLIなどの話題性が高いものもあるので注目しましょう。
LINEやFacebookとの連携で、イチからアプリを作る手間を省け、多くのチャンネルからの情報をひとまとめに管理できます。チャットボット作成ツールを使えば、AIによる自動会話機能を中心に、運営をシンプルに進められます。
既存のコミュニケーションツールとの連携により、プログラミング知識がなくても、リアルタイムでの情報処理をこなせるでしょう。開発後もあとからアプリやサイトへの埋め込みなどができることから、顧客情報の変化への対応も期待できます。
6.まとめ
今回は日本または世界で人気のチャットアプリ10選を紹介しました。パソコンやスマートフォンで手軽にコミュニケーションを取れることから、現在もチャットアプリ業界は拡大を続けています。今回紹介したものの中にも、あなたが実際に利用しているものもあったでしょう。
友だちなどとのたわいもないコミュニケーションから、仕事で大切な連絡まで、チャットアプリの使い方も多様化しており、生活の一部といえます。
スマートなコミュニケーションツールの事情をとらえながら、ビジネスでの活用や、アプリ開発などのヒントをつかんでもらえれば幸いです。
7.関連記事
■リモートワークに役立つツール10選 | パソコングッズから椅子に使うものまで
再び緊急事態宣言が発令される中、リモートワークを快適に過ごしたい人のために、便利グッズを10種類まとめました記事です。これを読んで、自身の仕事に使えるアイテムがないか確かめましょう。
■なぜ「ビデオ会議のZoom」は「暗号化技術のキーベース」を買ったのか
Zoomを運営するアメリカ企業のズーム社は、2020年5月に暗号化技術が得意なアメリカのセキュリティ企業「キーベース」(以下、キーベース社)を買収しました。
表向きはセキュリティの脆弱性が露呈したズーム社が、社会的な批判をかわすためにキーベース社を買収したことになっていますが、この買収の意図を深掘りした記事です。