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J-Startup企業とは?概要、目的、今後の活動

「J-Startup企業って何?」「どんな目的があるの?」などと気になっていませんか。
これは経済産業省が新しくできた企業の育成をサポートするプロジェクトで、主に海外展開を後押しします。

政府施策の後押しを受けられるJ-Startupを知りたい人のために、概要や目的、今後の活動などをまとめました。この記事を読んで、J-Startupの基礎知識を学べます。



1.J-Startupの概要は?

J-Startupとは、経済産業省主導の企業支援プロジェクトです。新しくできた企業である「スタートアップ企業」のサポートをメインとしており、強力なコミュニティを築きながら世界と戦えるグループの創成を目指しています。

J-Startupの基本的な定義をまとめました。

(1).経済産業省による新しくできた企業の支援プロジェクト

J-Startupとは、2018年6月に経済産業省が立ち上げた企業支援プロジェクトです。支援対象は主にベンチャー企業になります。

世界と戦えるスタートアップ企業を作り出すのが、J-Startupの目的です。海外の展示会への出展サポートを受けられたり、企業経営者が経団連のような経済界の要人と交流したりできます。他にもスタートアップ企業に対する入札機会を広げてもらえるなど、充実した支援体制が魅力です。

新しくできた企業が世界にアピールできるように、経済産業省がサポートを行うのがJ-Startupというプロジェクトです。

(2).「J-Startup企業」は政府からの厳正な審査で選ばれる

J-Startup企業は、経済産業省のJ-Startupプロジェクトに認定され、支援を受けられるグループです。オリジナリティのあるコンセプトを掲げた新興企業を対象に、認定企業を選ぶためのルールがあります。

J-Startup企業の候補は、まず企業からの推薦が必要です。推薦するのはトップベンチャーキャピタリスト、大企業のイノベーション担当、アクセラレーターなど企業成長のプロフェッショナルになります。

推薦を受けた企業は外部審査委員会から厳正なチェックを受け、審査に合格すればJ-Startup企業として認められるしくみです。

ベンチャー企業はコンセプトが優秀なら、企業成長のプロから推薦に始まり、政府からのサポートを受けられる可能性があります。

(3).強力な企業支援コミュニティ

J-Startupでは、政府から認められた企業を支援するための強力なコミュニティを展開します。J-Startup企業は政府機関、サポーターとのつながりを確立してもらえるのです。

コミュニティの構築にはさまざまなグループが協力します。民間支援機関、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)など権威のあるグループが複数関わる形です。

会社の成長には他のグループとのつながりも大切ですが、J-Startup企業に選ばれれば、企業関係構築のサポートも望めます。

(4).最近では地方にも展開中

J-Startupは最近において地方にも展開中です。これまで「J-Startup HOKKAIDO」として札幌市、「TOHOKU」では仙台市、「KANSAI」では大阪府や大阪市、京都府、京都市など7自治体が参画しています。

地方拠点にしているベンチャー企業にもチャンスがあるのがJ-Startupです。今後さらなる地域展開を計画しているので、起業者として興味のある人はチャレンジしてみましょう。

2.J-Startup企業が受けられるサポートは?

J-Startup企業として認定を受けると、政府や民間から支援を受けられます。海外展開を目指していれば、政府から海外のコネクションを築くサポートを受けられます。さらに政府が海外起業家を日本に招き、企業側がアドバイスを受けられる機会もあります。

J-Startup企業が受けられるサポートを4つにまとめました。

(1).政府からの支援

J-Startup企業に認定されれば政府からの支援を受けられます。政府が決めた制度を使うときに順番を優先してもらったり、加点制度を設けたりすることで、サポートを受けやすくなるのです。

具体的にはJ-Startupロゴの使用、国内外メディアへのPR、大規模イベントへの出展など、企業活動に関するさまざまな支援を受けられます。J-Startup企業というステータスを存分に生かしながら、会社が作った商品やプロジェクトを多方面に宣伝できるのです。

政府からのサポートを見方につけることで、J-Startup企業は多くのアピールチャンスをもらえます。

(2).海外展開支援プロジェクト

J-Startup企業に選ばれれば、海外展開でも政府からのサポートを受けられます。

「JERTOグローバルアクセラレーションハブ」「Startupツアー」などで、海外進出するスタートアップ企業に対し、現地での活動をサポートしてもらえます。

現地の窓口に案内してもらえ、コミュニティ構築や現地情報の提供などを受けられる形です。

J-Startupは選ばれた企業に対し、海外進出のノウハウを授けます。国内企業の海外進出では苦労も多いといえますが、政府からのサポートがあれば、自社だけで活動するよりも負担は小さいでしょう。

(3).海外起業家を日本に招く活動も

J-Startupでは海外起業家を日本に招く活動も展開しています。

国内のスタートアップが海外企業に進出するには、海外の文化やビジネスへの理解が不可欠です。ここ数年は日本を訪れる旅行客が多く、世界中の多くの国が日本に注目しています。

そのなかで海外起業家からのアドバイスやサポートを受ければ、日本企業ならではの強みの活かし方や、異文化への理解が深まるでしょう。

J-Startupを通して海外から招かれた起業家との交流は、グローバルな活躍のきっかけになるでしょう。

(4).民間からの支援

J-Startup企業に選ばれれば、民間からの支援も受けられます。こちらも優先して受けられる項目があるので、アドバンテージを生かせるでしょう。

たとえば備品の料金を優遇してもらえたり、事業スペースの提供を優先して受けたりできます。他にも顧客や関係会社を紹介してもらえ、専門家によるアドバイスがあるなど、さまざまなサポートを企業成長に役立てられます。

政府だけでなく民間から手厚い支援を受けられるのも、J-Startup企業のアドバンテージです。

3.J-Startupができた目的は?


J-Startupが活動する目的は、世界と戦える新興企業の育成です。IoTや社会問題解決など具体的にカテゴリーを絞っていますが、グローバル社会への貢献を通して企業成長させるのがプロジェクトのメインコンセプトでしょう。

数値目標としては2023年までに成功したベンチャー企業を20社生み出すことを掲げています。J-Startupの目的について、4つのポイントから見ていきましょう。

(1).世界と戦える新興企業の育成

J-Startupは、世界と戦える新興企業の育成をメインの目的としています。

背景には第4次といわれるスタートアップのブームがあり、これを受けて政府も動き出しました。J-Startupでは、官民による徹底的なサポートがあり、その内容は海外進出の支援も視野に入れています。

政府はベンチャー企業に対する幅広いサポートを通し、世界と戦える企業の育成を目指しています。

(2).主に3つのジャンル発展を目指している

J-Startupが想定する企業のタイプは主に3つです。ディープテック型、SDGs型、プラットフォーム型です。

ディープテック型とは、IoTをはじめ時代の最先端を行く技術を開発する企業です。SDGs型は、社会のさまざまな課題を解決するためのプロジェクトが当てはまります。プラットフォーム型は、GoogleやFacebookのように、世界中のお客さんに優良なサービスを施すデジタル技術を提供するタイプです。

以上の3つのジャンルを中心に、J-Startupはさまざまなサポートを展開しています。

(3).2023年までに時価総額10億ドル以上か上場ベンチャー企業20社を目指す

J-Startupでは、2023年までに成功したベンチャー企業20社を生み出そうとしています。具体的には、時価総額10億ドル以上か、上場企業への成長を果たせば成功です。

J-Startupが定めた成功企業の定義は、国内外の社会貢献を通してどこまで有名になったかという基準でしょう。

スタートアップ企業にとっては、政府からの手厚いサポートをもってしても、億単位の時価総額は難しいといえます。また時価アップや上場だけを目的にすると、人の役に立つという本来の企業の目的を見失うかもしれません。

企業に求められているのは、世界中の社会貢献を通した成長です。これが果たされることで、時価や上場という結果もおのずとついてくるでしょう。

4.J-Startupの今後の活動予定

J-Startupは今後、地方を拠点とした企業の支援を本格化させることです。東北や関西のスタートアップ企業の支援準備が進んでいるほか、新潟でもプロジェクトをスタートさせる予定があります。今後の活動予定についてまとめました。

(1).東北・関西など地方拠点の企業を支援する

2020年にJ-Startupは、10月に関西、11月に東北地方を拠点とする企業から支援対象を決めています。

10月22日には「J-Startup KANSAi」として、支援対象企業31社を決めています。11月13日には、「J-Startup TOHOKU」認定企業として34社を選びました。このように2020年のJ-Startupは、地方からでもベンチャー企業がグローバルにチャレンジできる機会をアピールしています。

関西や東北を拠点としたベンチャー企業から、どのようなアイデアが世界に受け入れられるかに期待しましょう。

(2).新潟でもプロジェクト開始予定

J-Startupは新潟でもプロジェクトを始める予定です。新潟県では関東経済産業局と公益財団法人にいがた産業創造機構との共同で支援対象を選びます。

新潟県内から優良なベンチャー企業を選び、官民連携による徹底的なサポートを行うことで、飛躍的な成長を目指すのです。選定する企業の数は20~25社を見込んでいます。

新潟県からも斬新なプロジェクトをもったベンチャー企業が現れることでしょう。

5.まとめ

J-Startupは経済産業省が展開するベンチャー企業支援プロジェクトです。政府が優良と認めた新しいコンセプトをもった企業には、政府や民間から手厚い支援が届きます。スムーズな企業展開や、国内外へのマーケティング戦略を望めるでしょう。

J-Startupは東北や関東、北陸など地方拠点としたベンチャー企業にも支援を拡大中です。関東地方に限らず、さまざまな地域から世界に挑む機会を与え、起業家たちの希望となっています。

政府が掲げる企業成長プロジェクトから、どのようなグループが活躍するかを見守っていきましょう。

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