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企業におけるAR技術の活用例8選! 活用するメリットの解説

「AR技術って何?」「ビジネスにとってどのような効果があるの?」などと気になっていませんか。
これから起業して新しいアイデアを世に出そうとしている人にとって、AR技術は重要なキーワードです。この記事を読めば、基礎知識を学べるでしょう。

今回は新しいデジタル技術に興味がある人のために、ARの定義やメリット、活用例などをまとめました。お客さんを喜ばせる新しい方法が、この記事をきっかけに見つかるかもしれません。

1. AR技術とは何か

AR技術は、現実世界にCGを組み合わせることで、オリジナルの表現を作り出すものです。日常の世界にいながら非日常を味わえたり、イメージがわかりやすく伝わったりして、ユーザーにとっては便利な印象を与えられます。
基本的な特徴をまとめました。

(1) 現実世界の中に仮想空間を作ること

ARとは「Augmented Reality」の略です。現実世界に仮想の映像を組み合わせて、ひとつの新しい表現を生み出します。現実に対して、オリジナルの映像や画像を組み合わせることで、新しい視覚映像を与えるのがコンセプトです。

何もない状態から新しい映像を作るのではありません。現実の空間を使ってアートやイメージを描き、その様子は「現実を拡張する」と呼ばれます。以上からARは「拡張現実」として、ビジネスやマーケティング業界に浸透しているのです。

(2) 90年代から本格的に使われる

AR技術は90年代から開発が本格的に進められるようになりました。1992年にアメリカ空軍のArmstrong研究所が「Virtual Fixtures」というARシステムを開発し、話題になったからです。

それ以降、2000年代にはAR技術を使ったゲームが次々と登場しています。撮影機器でも、2009年に日本から「セカイカメラ」が登場しています。GPS機能を使って、追加した表現物や映像を特定の場所に固定する「エアタグ」を用いたカメラアプリです。

2010年代前半にはAR技術を使ったウェアラブルデバイスが人気になりました。たとえば2015年にマイクロソフトから発表された「HoloLens」は、ゴーグルのような形で、かけると現実の視覚にオリジナルのイメージが加わります。機械作業のしくみや仕事の流れを視覚でわかりやすく受け取れるのがメリットです。

2016年には『Pokemon GO』がヒットし、AR技術は全世界にとって欠かせない存在になりました。現実世界の中にキャラクターが現れるゲームアプリの代表的存在です。このようにAR技術は進化の一途をたどっています。

(3) VRやMRとの違いは?

似たような技術にVRやMRがありますが、それぞれARとは異なる概念です。

VRは「Virtual Reality」の略です。専用ゴーグルによって仮想空間を体験させ、それがまるで現実のように見せます。ここでARのように現実空間をベースとせず、完全に仮想で成り立っているのです。

MRは「Mixed Reality」の略になります。ユーザーは専用ゴーグルを着用しますが、目の前に映るのは現実空間に仮想情報を合わせたものです。その状態で仮想情報に直接触れての操作が可能です。複数人で同じ合成画像を体験したりもできるため、ARを発展させたといわれています。

このようにARはVRとは違う技術で、MRのベースになった概念です。

2. AR技術活用のメリット

AR技術を使うことで、ユーザーにとっても企業・開発側にとってもメリットがもたらされます。ここでは4つのポイントをまとめました。

(1) 非日常を求める層の話題になる

AR技術を使えば、非日常を求める層が喜ぶかもしれません。『ポケモンGO』のように現実世界にキャラクターが現れるようなファンタジーの要素があれば、注目を引きやすいからです。

現実と仮想を組み合わせた新しい視覚情報は、普段の生活では味わえない刺激を与えます。日常に退屈していた人も、AR技術を使ったゲームやエンターテイメントを見れば活力を取り戻せるかもしれません。

事業者はAR技術を使った製品を売り出すことで、顧客に新しい体験を与え、高い満足度を得るチャンスです。

(2) ユーザーにとって便利

AR技術によってユーザーが利便性を感じやすくなります。現実に対するサブの情報として仮想の要素を組み合わせることで、求めていた視覚情報をわかりやすく得られるからです。

たとえば地図アプリなら現実の場所に対し、目的地までの正しい方向や距離を示すことで、移動がしやすくなります。試着アプリなら、自身の立ち姿に商品の服を合成することで、着用のイメージを受け取れるという具合です。

AR技術は楽しみだけでなく、発展した視覚情報を与えて社会の役に立ちます。

(3) 人手不足を解消できる

AR技術のおかげで人手不足を補えるでしょう。ARが作業のサポートや指示の役割を果たし、少ない人数でも効率的に仕事がはかどるからです。新人教育時にもARを使って、教えたいことを正確に伝えられます。

研修での指導がうまくいかないと、新しく入った従業員が仕事についていけず退職にいたるかもしれません。仕事のやり方をわかりやすく伝えるうえでも、AR技術はカギになるでしょう。

近年は外国人労働者も増えており、言葉の壁が気になる事業者も多いといえます。しかしAR 技術を使えば、言葉ではうまく伝えられないことも正確にわかってもらえるでしょう。ここから人材確保や仕事の効率化につなげるチャンスです。

3. AR技術の企業による活用例7選

最近では多くの有名企業がAR技術を使っています。ここでは話題になった実例を7つにまとめました。

(1) Niantic, Inc.『ポケモンGO』

ポケモンGOは、現実世界にキャラクターを投影したゲームアプリのひとつです。『ポケットモンスター』というゲームが有名ですが、こちらも基本ルールは「ポケモン」というキャラクターを捕まえ、バトルや交換をします。

通常のARモードではカメラで映した風景に、ポケモンが登場するだけです。「AR+モード」で、ポケモンに近づいたり、後ろに回ったりできます。ゲームで人気の世界観を現実で体感できることが、世界的なヒットにつながりました。

ポケモンGOのヒットにより、映画『ハリー・ポッター』やアニメ『妖怪ウォッチ』など、AR技術で現実世界にキャラクターが登場するゲームアプリが増えました。ファンタジーを疑似体験させる典型例として今後も語り継がれるでしょう。

(2) 小松製作所

小松製作所はAR技術を使って、作業状況を確かめられるアプリを開発しています。小松と株式会社カヤックの共同制作で、「Tango」という名前です。

施工中の場所に完成イメージを投影して出来具合を確かめるのが主な使い方です。他にも作業予定の現場にショベルカーやダンプカーを出現させられます。大型重機は場所によって進入できないことがあるので、AR技術で出現させれば作業できる可能性を探れるのです。

2021年6月時点ではまだ開発中のようですが、リリースされれば建築業界を変えるアプリとして期待できます。

(3) Snap Inc.『Snapchat』

SnapchatはAR技術を使ったカメラアプリです。顔認証によって見た目を合成で変えられます。画面の中では大人の顔を子どものように、男性の顔を女性のように合成で作り変えられます。髪の毛の色も変えられるなど、合成のバリエーションは豊富です。

Snapchatで作ったスクリーンショットは10秒経つと消えます。合成した顔が中傷のもとになるおそれへの配慮でしょう。しかし現実にない顔を、実在のものをベースに生み出せる面白さから、若者を中心に人気です。

(4) NTTドコモCS東海&愛知工科大学『Disaster Scope2』

NTTドコモCS東海と愛知工科大学は共同でDisaster Scope2を作りました。AR技術を使って水害を疑似体験できます。

スマートフォンのカメラに映った場所に、画面の中に限り水やガレキが流れてくるしくみです。水位の設定もでき、リアリティにあふれた災害を表現できます。

日本は地震や洪水のような災害が多いため、防災に対する意識が強いのが特徴です。AR技術を使ったアプリを通して、新しい防災教育が広まるでしょう。

(5) ニトリ『RoomCo AR』

大手家具販売店のニトリからは、RoomCo ARというアプリが開発されています。インテリアの試着アプリで、部屋の中に商品の設置イメージを移せます。

家具はサイズが大きいことが多く、買っても希望の場所に収まらずに悩む人もいるでしょう。RoomCo ARでは設置イメージをアプリで確かめられるので、部屋の構造に合ったサイズを自宅にいながら検討できます。

ニトリ開発のアプリのおかげで、ジャストサイズの家具を見つけやすくなったのは、顧客にとってのメリットです。お客さんに購入後のイメージを体感させるサービスは、満足度を上げるカギになります。

(6) NIKE FIt

NIKE Fitは、NIKEの公式アプリの中にあります。スマートフォンのカメラ機能で自身の足を映し、サイズをデータとして保存できます。ジャストサイズで理想の靴を買うきっかけをもらえます。

靴を買いに行くときは、自身の足のサイズが重要な情報です。最近ではネットショップで靴を買う人も多くなってきました。そうした購入スタイルの変化から、自身のサイズを記録する重要性が高まっています。

NIKE Fitのように商品を買う前に大切な情報を把握できるツールは、お客さんのためになるでしょう。

(7) ZEPPELIN『ARaddin』

ZEPPELINはネットショップにAR技術を組み合わせたアプリです。AIも組み合わせていることから「3次元マーケティングプラットフォーム」とも呼ばれます。

現実の場所をスマートフォンに映すと、ネットショップが出現するしくみです。そこへ商品が合成され、その場で注文も可能です。

ZEPPELINはアプリの機能を使い、巨大広告を出現させるなどバラエティに富んだ計画を進めています。AR技術をフルに使ったマーケティングが、多くの人を楽しませるかもしれません。

4. まとめ

AR技術は多くの企業が注目し、実際に商品に組み合わせて開発した例も多いといえます。ポケモンGOをはじめ、多くのアプリが現実と仮想の組み合わせで新しいライフスタイルを提案しています。

エンターテイメントによる楽しみだけでなく、商品の使用イメージを体験できるように現実的な利便性を感じられるアプリもあります。使う立場だけでなく、開発者としても新しい体験を喜べるでしょう。

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