今回は、IT技術の発展に伴って普及してきた「デジタルマーケティング」の解説と、そのサービスを提供している主な会社をご紹介していきます。
なお、WEBマーケティングの概要につきましては、過去のコラムで掲載させていただいておりますので、併せてご参照ください。
「Webプロモーションの種類とそれぞれの概要について」
https://paradigm-shift.co.jp/column/80/detail
1. デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングとは、インターネットやIT技術などを活用したマーケティング手法のことです。従来は、不特定多数へのアンケート調査などをベースにした集団へのマーケティングが主流でした。
しかし昨今では、インターネットやデジタルデバイスの普及により、従来よりも個人に対してアプローチすることが容易になってきました。
さらに、実際の店舗やインターネット上での購買履歴などを、ビックデータ技術や人工知能を活用することにより、個人の行動や趣向を分析して各個人に合ったマーケティングを行うことが可能になってきています。
この技術により、従来では認識することのできなかったあらゆるタイプの顧客に対して個別にアプローチできるようになり、さらなるマーケティングの効率化が期待されています。
マーケティングファネルについては、こちらの記事で詳しく解説されています。
あわせてご確認ください。
参考:【実例付き】マーケティングファネルとは? マーケ現場での活用方法も紹介 | 徹底的にSEO・コンテンツマーケティングするならランクエスト
2. 主なデジタルマーケティング会社
ここからは、デジタルマーケティングを活用している主な会社と、その会社の提供するサービス内容、特徴や強みをご紹介していきます。
(1) アクセンチュア株式会社
アクセンチュア株式会社は、デジタルマーケティングをはじめとして戦略的コンサルティングも行なっている会社です。
例えば、石油・ガス業界において新たなデジタル戦略を用いて、石油会社における業務を改革し、業務改善に貢献しました。他にも、最先端の神経科学に基づいた研修プログラムを構築することにより、新入社員が成長に必要な習慣を効率的に身につけることを可能にしました。
アクセンチュア株式会社の強みは、大手企業に向けて展開するデジタルマーケティング戦略です。
既存のデジタルマーケティングのチェックや評価を行ったうえで、最適な戦略を提案します。顧客のマーケティング責任者と密にコミュニケーションをとることで、成果を最大化することを可能にしています。
さらにはメディアプランニングや、顧客への適切なアプローチが強みと言えます。
アクセンチュア株式会社HP https://www.accenture.com/jp-ja
(2) 株式会社アイ・エム・ジェイ
株式会社アイ・エム・ジェイは、デジタルマーケティングにおける戦略的立案、コンテンツ制作、データ分析、運用、改善を支援している会社です。
例えば、日本コカ・コーラ株式会社のサービス「Coke ON」では、サービス企画、UXデザイン、アプリ開発、キャンペーン運営、データ解析といった総合的な支援がされました。
「Coke ON」で取得できるユーザーの購買データ、アプリ内やオンラインメディアでの行動データを収集、分析して、日本コカ・コーラ株式会社のマーケティング活動を支援しました。
株式会社アイ・エム・ジェイの強みとしては、上記の日本コカ・コーラの例のように独自性が高いwebサービスを豊富に取り扱っていることが取り上げられます。
また、デジタルマーケティングのデータ活用度合いが判断できる「DMIQ」、スマートフォン向けの電子スタンプサービス「PlusZone/Stamp」といった、独自のツールも豊富にあります。
株式会社アイ・エム・ジェイHP https://www.imjp.co.jp
日本コカ・コーラ株式会社HP https://www.cocacola.co.jp
(3) 株式会社電通テック
株式会社電通テックは、デジタルマーケティングやプロモーションを支援する会社です。
具体的なサービスとして、WEBサイトのアクセスログや購買データ、キャンペーンデータなどを、消費者の行動に基づいたあらゆるデータ分析を行うアナリティクスマネージャーが、今まで見えなかったことを見える化し、課題解決のための企画まで実行します。そこでは、PDCAサイクルをまわし続け、効果の最大化を可能にします。
株式会社電通テックの強みは、デジタルマーケティングにおいて独自性が高いサービスを提供する点です。
例えば、プラットフォーム「chalk_spreAD」では、ユーザーの所有するスマートフォンの位置情報を活用してリアルタイムで広告を配信することができます。また、リーズナブルな料金体系で、専門知識がなくても更新しやすいインターフェースを扱っています。
さらに、プロモーションやキャンペーン領域のシステム開発においては、生活者行動の把握、最適なタイミング、内容での情報発信など、アクティベーションを促し顧客化につながるソリューションを開発、提供できることも強みと言えます。
株式会社電通テックHP https://www.dentsutec.co.jp
(4)株式会社リブ・コンサルティング
株式会社リブ・コンサルティングは、経営、M&A、組織開発などのコンサルティングを中心に、デジタルマーケティングも支援している会社です。
具体的なサービスとして、デジタルマーケティング戦略立案、営業採用方式のデジタル化、営業育成方式のデジタル化、営業マネジメント方式のデジタル化などがあります。
ここでは、マーケティングセールス活動で効果を最大化するデジタル化戦略の立案が行われます。その際に課題になりやすい、マーケティング組織と営業組織の連携の戦略を決めることで、成果につながる実践的なマーケティングが可能になります。
株式会社リブ・コンサルティングの強みは、課題解決力です。特に、採用とコーチングに重点を置いてデジタルマーケティングを行っています。効果的なコーチング計画の作成支援や、即戦力として活躍できる営業マンの採用基準の構築を支援します。
その際には、デジタル技術を活用することで、採用やコーチングに明確な基準を作り、成果を出しやすい営業組織の構築を可能にしています。
株式会社リブ・コンサルティングHP https://www.libcon.co.jp
(5)株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング
株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングは、システム開発やデジタルマーケティング、RPA(ロボットによる業務の自動化)などのサービスを提供している会社です。
例えば、株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングでは、タクシー業界においてデジタルマーケティングを取り入れました。タクシー業界では、これまでドライバーの経験や勘に基づいて需要の予測がなされてきましたが、時期や時間帯、場所、天候などの情報と乗車状況を、人工知能とかけ合わせることにより乗車需要の予測を行っています。
これにより、経験の浅いドライバーでも長距離利用や雨天時利用などの需要見込みエリアを把握できるため、配車効率向上と収益拡大が可能になります。また、国土交通省により導入検討が始まっているダイナミックプライシングにも需要予測の人工知能が活用されています。
株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングの強みは、デジタルマーケティングにおける戦略の立案です。企業が競合の企業よりも優位に立つために、データやテクノロジーを効果的に活用しています。
株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングHP https://www.bigtreetc.com
(6)株式会社アイレップ
株式会社アイレップは、SEO対策やデジタルマーケティングを手がける会社です。
例えばデジタルマーケティングでは、ブランド認知、関心、検討、購入までの全ての行動段階に対して、消費者の動きを的確に把握することで、効果的なPDCAサイクルを回しています。
これは、従来のダイレクト領域、ブランド認知領域だけで回されていた、部分最適のマーケティングとは一線を画するものです。株式会社アイレップは、購買の段階で正しい評価指標を設定し、運用することで長期的なブランドの構築を可能にしている会社です。
株式会社アイレップの強みは、運用型広告で、国内トップシェアを誇ります。また、企業が抱える本質的な課題を見つけ出し、具体的な計画を示し、有効な施策を打ち出して企業を支援していくことも、株式会社アイレップの強みです。
その根底には、デジタルとマーケティングに対する豊富な知見があります。
株式会社アイレップHP https://www.irep.co.jp
(7)株式会社アクアスター
株式会社アクアスターは、イラストやデジタルコンテンツ制作を手がける会社です。株式会社アクアスターの強みは、「企業が伝えたいメッセージ」を「生活者に伝わるコンテンツ」に変換して届けることで、企業や生活者の継続的な「つながり」を作ることができることです。
例えば、株式会社アクアスターでは、デジタルマーケティングに漫画やアニメを活用しています。
イラストを手がける会社のため、デジタルマーケティングにおいても漫画やアニメを活用したデジタルクリエイティブを立案し、ユーザーに価値あるブランド体験の提供を行っています。
株式会社アクアスターHP https://aqua-star.co.jp/
3. デジタルマーケティング業界の今後の展望
ここまでご紹介してきたように、昨今では新たなマーケティング手法としてデジタルマーケティングが活用されてきました。
その背景として、IT技術、とりわけスマートフォンの普及が大きな要因となっていました。現代では、たくさんの消費者がスマートフォンを常に手にし、24時間365日、時間も場所も関係なく気になる商品やサービスを検索しています。このような時代では、デジタルマーケティングの導入は避けて通れないテーマでした。
そして今後デジタルマーケティングは、人工知能とともにさらに発展していくことが期待されています。では、人工知能によって、デジタルマーケティングがどのように発展していくのかを説明していきます。
デジタルマーケティングと人工知能と組み合わせることで、複雑な消費者行動をさらに正確に予測することができるようになると期待されています。
例えば、消費者の趣向や行動、不満点を蓄積、分析することで、従来よりも的確に問題に対処することができるようになります。これは従来であれば、人の経験と勘に頼ってしまうことが多いことでした。
しかし、人工知能によるデータ蓄積と分析によって、人の経験や勘に頼ることなく、より正確な対処を一瞬にして行うことが可能になります。さらには、従来の人の経験を人工知能と組み合わせることで、さらに効率的なマーケティングを行うことができると期待されています。また、人工知能が対処することにより、人件費削減や業務の効率化を期待することもできるでしょう。
デジタルマーケティング成功のカギについては、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:デジタルマーケティング成功のカギ!仕事内容と必要スキル - 岡筋耕平 公式サイト
Webマーケターの仕事内容や必要なスキルについては、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:Webマーケターとは|仕事内容から必要スキル、年収、将来性まで解説│cody
4.まとめ
今回は、デジタルマーケティングの解説と、そのサービスを提供する会社をいくつかご紹介しました。
デジタルマーケティングは、IT技術の発展とともに新たなマーケティング手法として活用されてきました。今までも様々なマーケティング手法が用いられてきましたが、IT技術の発展により、時代のニーズに沿ったマーケティング手法を活用していくことが必要です。
従来の方法に固執せず、時代の変化に合わせて柔軟に対応していくことが、企業には求められていくのではないでしょうか。
デジタルマーケティングのおすすめ資格については、こちらの記事で詳しく解説されています。
合わせてご確認ください。
参考:デジタルマーケティングのおすすめ資格「ウェブ解析士」【デジマ初級者向け】|ウェブ解析士合格レポ
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