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ベンチャーキャピタルの種類と、各種上位5社の特徴を解説します

ベンチャーキャピタル(以下、VC)は、日本において202社(2018年)※あり、増加傾向にあります。今回は、VCの種類を紹介し、その種類ごとに各種上位5社の特徴を紹介していきます。

※日本ベンチャーキャピタル協会資料より
https://www.mof.go.jp/financial_system/tt2material3.pdf

1. 金融機関系VC

金融機関VCとは証券会社や銀行が母体となっているベンチャーキャピタルです。大手金融機関がバックにいることで、投資数や投資金額が大きくなる傾向にあります。

(1) 三菱UFJキャピタル https://www.mucap.co.jp/

三菱UFJキャピタルは、三菱UFJグループが母体となっており、約40年に渡る投資実績があります。IPO実績も800社超あり、直近では日本インシュレーション(2020年3月19日)、AI inside(2019年12月25日)の実績があります。シード、アーリーステージから、ミドル、レイターステージまで幅広いフェーズで、特定の業種に偏ることなく投資を行っているのが特徴です。

(2) SMBCベンチャーキャピタル http://www.smbc-vc.co.jp/

SMBCベンチャーキャピタルは、三井住友フィナンシャルグループが母体となっており、2010年以降、累計500社超、300億円超の投資実績があります。IPO実績は403社、スタートアップとアーリーステージへの投資が全体の64%を占めており、若い企業への投資が多いことが特徴です。

(3) みずほキャピタル https://www.mizuho-vc.co.jp

みずほキャピタルは、みずほフィナンシャルグループが母体のVCです。IPO実績は840社あり、ビザスク(2020年3月10日)やスペースマーケット(2019年12月20日)などが上場しています。成長支援ファンド、ライフサイエンスファンド、グロースファンド、FinTechファンド、事業承継ファンドのように、ファンドごとに投資対象を絞り込んでいる点が特徴的です。

(4) ニッセイキャピタル https://www.nissay-cap.co.jp/

ニッセイキャピタルは、日本生命系列のVCです。ニッセイアクセラレーションプログラムという起業家向けプログラムを提供していることが特徴的です。2018年度には42社に58.9億円の投資実績があり、累計で1,509社への投資を行いうち257社がIPOしました。全てのステージ、業種に幅広く投資を行っています。

(5) SBIインベストメント http://www.sbinvestment.co.jp/

SBIインベストメントは、SBIグループ企業で成長分野に集中投資することが特徴的なVCです。成長分野とは、IT、バイオ、ライフサイエンス、環境、エネルギー、と定義しています。現在まで累計909社への投資を実行し、うち150社のエグジット(IPO:108社、M&A:42社)を達成しました。

2. 独立系VC

独立系VCとは特定の親会社がおらず、独自の資本にて運営しているベンチャーキャピタルのことを意味します。独立系VCごとにそれぞれ特徴があり、近年、日本でも投資成果が目立ってきているVCです。

(1) ジャフコ http://www.jafco.co.jp/

ジャフコはもともと野村グループ系列のVCでしたが、2017年11月に完全自立を公式発表しており、独立系VCとして紹介していきます。ジャフコはVCの中では珍しく上場もしており、2020年5月15日現在、約1,100億円の時価総額があります。累計投資社数4,015社、累計投資先上場社数1,006社と国内において最大規模のVCです。2019年にはChatworkのIPOがありました。日本、アメリカ、アジアと国内だけでなく海外展開を行っていることが特徴的です。

(2) グロービス・キャピタル・パートナーズ https://www.globiscapital.co.jp/ja/

グロービス・キャピタル・パートナーズとは、1996年に設立された日本初の本格的ハンズオン型VCです。ハンズオン型とは投資実行後に、経営陣を派遣するなどして経営の意思決定にも関与し投資先のバリューアップをサポートすることを言います。現在までにIPO34社、M&A17社、合計51社のエグジット実績があります。ハンズオン型VCですので、投資先数はそこまで多くはありませんが、ランサーズ、メドレー、メルカリ、ユーザーベース、アカツキといった有名企業に投資してきた実績が光ります。

(3) グローバルブレイン https://globalbrains.com/

グローバルブレインは、「グローバルに活躍するベンチャーを何社創出できるか」というビジョンをもとに活動している独立系VCです。現在までに総額1,000億円を超える規模のファンド運用を行っています。現在までに、IPO17社、M&A48社の合計65社のエグジット実績があります。大企業とのつながりも深く、IPOよりもM&A実績が多いことが特徴的です。

(4) 日本アジア投資 https://www.jaic-vc.co.jp/

日本アジア投資は、通称JAIC(Japan Asia Investment Company)で呼ばれており、ジャフコと並ぶ上場している独立系VCです。1981年設立と創業40年の歴史があり、中国への投資ファンドも運営しています。中国だけでなく、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムとアジア各国にネットワークがあることが特徴的なVCです。

(5) Wil https://wilab.com/

Wilは2013年に伊佐山元氏が設立した独立系VCです。もともと米国大手VCであるDCMにてパートナーとして活躍していましたが、独立して更なる活躍を続けています。東京オフィスの他にシリコンバレーにもオフィスを構えており、日本にベンチャー精神を普及させるという思いが強いVCという点が特徴です。現在のポートフォリオとして、キャスター、キャディ、エブリー、SmartHR、など有名スタートアップに投資実行しています。

3. 政府系VC・大学系VC

政府系VCとは公的資金をもとに投資しているVCであり、大学系VCとは大学発のスタートアップを支援するVCです。有名ITスタートアップへの投資というよりは、技術力や産業維持などを重視投資する点で、他のVCとは異なっています。

(1) DBJキャピタル https://www.dbj-cap.jp/

DBJキャピタルとは、日本政策投資銀行による100%出資のVCです。1996年設立の後、120億円超の投資実行をしています。シード、アーリー期への投資が基本ですがミドル、レイター期への追加投資に取り組んでいる点が特徴です。また、日本政策投資銀行グループが有する全国のネットワークをもとに、投資案件を日々発掘しています。

(2) INCJ https://www.incj.co.jp/

INCJとは、2018年9月、既存の官民ファンドである株式会社産業革新機構から新設分割する形で発足したVCです。日本の産業構造転換期に必要な中長期のリスクマネーの出し手がいないという課題解決を図るため、民間ファンドでは出来ないリスクテイク機能を持っている点が特徴です。現在まで144社に投資実行し、うち62社のエグジットを実現させました。

(3) 地域経済活性化支援機構(REVIC) http://www.revic.co.jp/

REVICとは、2008年秋以降の急速な金融経済情勢の悪化に伴い、地域経済の再建を目的として設立されたVCです。観光産業支援ファンド、ヘルスケア産業支援ファンド、地域中核企業支援ファンド、ベンチャー・成長企業支援ファンド、災害復興・成長支援ファンドの5種類のファンド運営を行っていることが特徴です。

(4) 東京大学エッジキャピタル https://www.ut-ec.co.jp/

東京大学エッジキャピタル(UTEC)は2004年に創業した東京大学が承認する「技術移転関連事業者」として、優れた知的財産・人材を活用するベンチャー企業に対して投資を行うVCです。現在までに累積投資額543億円となる4本のファンド運営を行っており、100社以上に投資し、そのうち11社がIPO、11社がM&Aの合計22社のエグジットを果たしています。東京大学などの大学や研究機関との関わりが深く、技術力に強みをもった企業に投資している点が特徴です。

(5) 大阪大学ベンチャーキャピタル https://www.ouvc.co.jp/

大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC)は、2014年に設立された国立大学法人大阪大学が100%株主のVCです。総額125億円のファンドを運営しており、大阪大学の研究成果を活用したスタートアップ、アーリーステージの会社に主に出資を行っています。大阪大学との繋がりが強く、ロボット・人工知能、再生医療、省エネなど様々な最先端分野に投資実行していることが特徴です。

4. 地域系VC・事業会社系VC

地域系VCは、特定の都道府県、市町村にある企業を対象に投資実行するVCです。その地域ならではの企業に投資を行うという点で、他のVCと大きく異なっています。事業会社系VCとはCVCとも呼ばれており、事業会社が母体となったVCです。

(1) 北海道ベンチャーキャピタル http://www.hokkaido-vc.com/

北海道ベンチャーキャピタル(HVC)は、下記の合計4本のファンドを運営している北海道発のVCです。

  • どさんこ地域活性化投資事業有限責任組合
  • ほっかいどう地方創生資事業有限責任組合
  • 道銀どさんこ3号投資事業有限責任組合
  • 道銀アグリビジネス投資事業有限責任組合

現在までに投資先から16社のIPOが実現しており、ファイバーゲート(2018年3月)、エコモット(2017年6月)などに投資していました。特に業種は決めずに幅広く投資していますが、道銀アグリビジネス投資事業有限責任組合に関しては、農林漁業を主体した企業にのみ投資している点が特徴です。

(2) 新潟ベンチャーキャピタル https://niigata-vc.co.jp/

新潟ベンチャーキャピタルは、日本のシリコンバレー「新潟」を創出するというビジョンを掲げているユニークなVCです。原則、新潟県内にある企業に投資実行しており、note株式会社のような有名企業にも投資実行しています。

(3) YJキャピタル http://yj-capital.co.jp/

YJキャピタルはヤフーの完全子会社で、5本のファンド運営、ファンド規模は約700億円のVCです。将来的にはヤフーグループの有力パートナーとしての協業機会を積極的に狙っている点が特徴です。日本だけでなく、アメリカ、アジア、イスラエルのテクノロジー関連企業に対して幅広く投資実行しています。

(4) 電通イノベーションパートナーズ http://dentsu-ip.co.jp/

電通イノベーションパートナーズは、電通の完全子会社で100億円規模のファンド運営を行っているVCです。Kaizen Platform、ヘイ、Viibar、Kyash、お金のデザインなど数多くのテック系有名スタートアップに投資している点が特徴です。

(5) STRIVE https://strive.vc/

STRIVEはGREE系列の投資ファンドです。GREEはゲーム事業で稼いできたお金をベンチャー投資に回しており、事業の柱として成長しています。日本、東南アジア、インドにも投資しており、13社のエグジット実績があります。

5. まとめ

以上のように、金融系VC、独立系VC、政府系VC、大学系VC、地域系VC、事業会社系VCと複数種類のベンチャーキャピタルを紹介してきました。VCごとに特徴が大きく異なっており、どの投資家から資金調達するかによって、IPOの成功確率も大きく変わってきます。これから資金調達を考えている場合は、VCごとの特徴をとらえてメリデメを比較検討の上、慎重に選ぶようにしてください。

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