SES企業のM&Aを成功させるために知っておきたいこと！メリット・注意点も解説

SESを含むIT業界は今後ますます伸びていくと予想されています。とはいえ、人手不足などで課題を抱えている人も多いのではないでしょうか。

それらの課題を解決するためには、M&Aはとても有効な手段の内の1つです。

そこで、本記事では、SESの概要からM&Aする際のメリット、M&Aを成功させるためのポイントを解説していきます。

SESとは

SESとは、クライアントの特定の業務に対して、エンジニアを派遣することをさします。契約形態はクライアントの要望によって異なり、SES契約・派遣契約・請負契約の3種です。

SESの事業内容もクライアントの要望により異なりますが、システム開発・環境構築・運用を担うことが多くあります。

SES業界の現状

SES業界を含むIT業界は、深刻な人材不足という問題を抱えています。今後もこの流れは加速していくと予想されているため、それらを解決することが今後、事業を成長させるうえでのカギになることは間違いないでしょう。

そしてそれらの問題を解決するために、M&Aという手法が存在しています、

SES会社がM&Aを利用して事業を売却するメリット

SES会社がM&Aを利用して事業を売却するメリットは数多く存在しています。売却のメリットを最大限享受するためにも、今回ご紹介するメリットは必ず把握しておいてください。

事業承継に繋がる

SES会社をM&Aによって売却することで、後継者がいなくても事業を継続できます。多くのSES会社は後継者の不足に頭を抱えている状態です。

事業は好調にも関わらず、後継者がいないことを理由に廃業のリスクを抱えるのは非常にもったいないことです。

自社の技術力を途絶えさせずに、雇用している技術者を守るためにも、後継者に悩んでいるのなら売却も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

SES会社をM&Aすることで売却・譲渡益を獲得できる

SES会社を売却すれば、売却資金としてまとまった資金を獲得できます。売却益は数年分にのぼるため、新しいことにチャレンジしたり、抱えている負債を返済したりと、さまざまなことに利用できるでしょう。

廃業と比較すると、比べ物にならないほどの資金を獲得できるので、多少納得できなくても売却を検討してみるのもいいかもしれません。

安定した経営を行える

SES会社を売却することで、安定した経営が行えるようになるでしょう。理由は、売却先の会社には、会社を買収できるほどのさまざまなリソースが十分に確保されている可能性が高いからです。

そのため、社員の待遇も向上したり、利用できる予算が増えたりとさまざまな恩恵を享受することができます。

売却に関してマイナスな社員も多くいるかもしれませんが、経営が安定するという点は非常に社員にもメリットが多いことなので、心配を与えないように十分に説明をしてあげると良いかもしれません。

SES事業会社のM&Aにおける売却手法

SES事業会社を売却する際には、大きく2つの売却手法があるので解説していきます。

SES事業会社のM&Aにおける売却手法～株式譲渡～

株式譲渡とは、会社が保有している株式を譲渡することで、経営権を渡す手法です。M&Aではよく用いられる手法で、社名や取引先などを簡易的な手続きで簡単に引継ぐことができます。

一般的には、株式譲渡をした際には、株主だけでなく社長も交代することは念頭においておいてください。

SES事業会社のM&Aにおける売却手法～事業譲渡～

事業譲渡とは、会社にあるすべてまたは一部の事業を譲渡する手法のことで、「全部譲渡」と「一部譲渡」と呼ばれています。特定の事業を取得することができるので、必要な事業だけを取得し、効率よく事業を拡大することができます。

ただし事業譲渡は、対象の資産や設備を移すたびに手続きが必要になるので、手続きが煩雑になる傾向があります。

SES事業をM&Aで売却する際の注意点

ここまで解説した通り、SES事業をM&Aで売却した際には恩恵を享受できます。しかし同時に注意点も存在するので、失敗しないためにも把握しておきましょう。

売却する際は細かく相手を見極める

SES事業を売却する際は、細かく相手を見極めるようにしましょう。基本的に企業は買収を通してシナジーを発生させて、大きな利益を獲得しようとするため、買収先の企業も大事にする傾向にあります。

そのため、Win-Winの関係を築きやすいのですが、中には買収先の企業の社員をぞんざいに扱う企業もあります。自分の社員を守り、取引先に迷惑をかけないためにも、売却先の企業はしっかりと選びましょう。

十分な準備をしたうえで売却をする必要がある

SES企業に関わらず、売却を成功させるためには十分な準備をする必要があります。売却の際には自社の魅力を再度洗い出したり、買い手の企業を探したりとやるべきことがたくさんあります。

そのため、準備をせずに動き出してしまうと、実際の価値より低い額で査定されたり、買い手先の企業が見つからないという自体に陥ってしまうのです。

自社を適切な価格でスムーズに取引するためにも、早い段階から準備を始めて、万全の状態で取り組めるようにしておきましょう。

情報公開は売却が完了してからにする

M&Aに関する情報公開は売却が完全に完了してからするように注意する必要があります。売却に対してマイナスのイメージを持っている人も多いので、不安を抱えて転職を視野に入れる社員がでてくる可能性があります。

売却前に転職されてしまうと売却価格の低下に繋がることもあるので、自分のためにも社員のためにも情報は隠しておきましょう。

従業員のことを大切にしてくれる売却先であれば、売却後も今以上に働きやすい環境が用意されることもあるので、従業員の人も安心できるはずです。

自社の強みを洗い出しアピールする

SES企業の売却を成功させるために、自社の強みを洗い出して適切にアピールしましょう。
売却金額はある程度計算などによって決められますが、最終的な価格は交渉によって決まります。

どれだけ魅力的な会社だとしても、それを伝えることができなければ、納得のいく価格で売却することは困難でしょう。

買収先の企業は何を求めているのかを考えつつ、自社のアピールポイントを洗い出して置くことをおすすめします。アピールする際には、会社への気持ちや熱量も大事ですが、客観的に判断ができる数字をベースにアピールできると、適切な価格で売却ができるでしょう。

SES事業のM&Aにおいて高値で売却するためのポイント

SES事業のM&Aをする際には、考えるべきことがたくさんあり、高値で売却するためには最低限のポイントを押さえる必要があります。

売却を成功させるためにも、今回ご紹介するポイントは必ず理解しておいてください。

可能な限り黒字化させておく

SES事業を高値で売却するために、可能な限り事業を黒字化させておきましょう。売却額の算出方法はいくつかありますが、基本的に営業利益が大きいほど高い価格で売却される傾向にあります。

赤字でも買い手側の企業が求めているものがあれば、売却自体は成功する可能性がありますが、アピールポイントが弱く、納得のいく価格での取引ができない可能性もあります。

自分の理想とする売却額に近づけるためにも、最低限黒字化させておくようにしておきましょう。

優秀な技術者を雇用する

優秀な技術者を多く雇用することで、SES事業を高値で売却できる可能性が高まります。前述の通り、SES事業を含むIT業界では人手不足が課題となっており、今後もその傾向が高まると予想されています。

そのため優秀な社員は多くの企業が求めているものの、0から育成するとなると費用や時間がかかる上に、教育環境が整っていない企業が多く存在しています。

それらの課題を解決するために、M&Aを検討している企業が多いため、高値で売却するためにも、優秀な技術者を可能な限り確保しておくといいでしょう。

大手企業や海外企業など幅広い取引実績を増やす

高値で売却するためにも、大手企業や海外企業など幅広い取引実績を増やすことをおすすめします。

買い手側の企業は、売り手側の企業の取引先や顧客を引き継ぎます。それらを目的に買収をする企業もあるので、大手企業との取引や海外進出を検討している企業には高値で売却できる可能性が高まるでしょう。

特に海外進出は難易度が高くリスクもあるので、それらの取引実績があると優遇されるはずです。

SES業界に詳しいアドバイザーに相談する

SES事業を高値で売却したい人は、SES業界に詳しいアドバイザーに相談してみましょう。M&Aにはさまざまな準備や煩雑な手続きが必要になるので、自分１人でこなすのは困難です。

たとえ自分でできたとしても、実際の価値より低い価格で売却をすることになったり、売却に時間がかかる可能性があります。

無駄な時間や労力をかけないためにも、適切な価格で売却するためにも、アドバイザーを上手く活用することをおすすめします。

まとめ：M&Aのポイントを押さえてSES事業を高値で売却しよう

この記事では、SES企業の概要からM&Aをするメリット、高値で売却するポイントについて解説しました。

SES業界を含むIT業界は、今後の成長が見込まれている反面、課題も数多く散見されている状態です。

それらの課題をM&Aによって解決しようと検討している企業に、適切にアピールするために、大切なポイントは必ず把握しておいてください。

そうすればきっと、あなたが納得できる価格での売却が成功するはずです。

SES事業の売却を検討している場合には株式会社パラダイムシフトに相談しましょう。

株式会社パラダイムシフトは、IT領域特化型M&Aアドバイザリーであり、SES事業に関わるM&Aについても豊富な知見があります。