フィンテックにおけるM&Aのメリットとは？初歩から徹底解説します！

近年、フィンテックという言葉がトレンドになっています。しかし、フィンテック企業といっても活用しているテクノロジーは企業によって違います。

M&Aの効果を最大化するためにも、フィンテックを正しく理解しておく必要があります。また、革新的なサービスなので動向も必ずチェックしておきましょう。

この記事では、M&Aの観点からフィンテックのM&A動向やM&Aを成功させるポイントについて解説します。

フィンテックとは

フィンテックという言葉は、日本銀行のウェブサイトでは「FinTech（フィンテック）とは、金融（Finance）と技術（Technology）を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指しています」と解説されています。

フィンテックと聞くと、あまり身近に感じることがないかもしれませんが、キャッシュレス決済や仮想通貨などもフィンテックです。

フィンテックに対する知識を深めるためにも、もう少しフィンテックの基本情報について見ていきましょう。

フィンテックの成長背景

日本ではもともと現金主義の傾向がありましたが、様々な利便性の高いサービスがどんどん提供されていく中で次々と普及し始めています。コロナウイルスが流行り、現金での取引をさけようとする傾向もあり、伸びている市場の１つです。

今後、金融サービスに関する法律などが整備されてくると、それに後押しされて、まずます成長していくと考えられています。

金融業界とは

金融業界とは、金融サービスを扱う金融機関や企業が属する業界のことです。そして金融とは、「お金を持っている人が、お金が必要な人に対して融通する」という意味を持つ言葉です。

もちろん、お金の貸し借り以外にも金融商品や保険の販売なども金融業界の一部です。基本的には、利ざやや手数料を得るビジネスモデルとなっています。

フィンテックの市場規模

矢野経済研究所によると「Fintech系ベンチャーの2018年度の国内市場規模は2145億円でしたが、2022年度は1兆2102億円に拡大する見通し」となっています。

日本国内ではキャッシュレス決済などが流行し始めていますが、今後は、資産運用などの規模の大きい事業も伸び続けると予想されています。

世界規模で成長を続けているフィンテックは、海外の影響をうけながら、今後さらなる勢いで成長し続けていくでしょう。

フィンテックのM&A動向

フィンテックのM&Aを検討するうえで、動向をチェックすることはとても重要です。そこで、フィンテックのM&A動向についてみていきましょう。

新しいサービスが求め続けられている

フィンテックにおいては、新しいサービスを世に出すためにM&Aが行われています。近年、金融サービスの利用者は手数料の値段だけではなく、利便性の高さを非常に重視しています。

そのため、ユーザーが安心して利用できるだけでなく、使いやすくなるようなサービスを考える必要があります。

日本企業のM&Aによる海外進出が増えている

日本企業のM&Aによる海外進出が増えている傾向があります。その理由として、グローバル競争が激化していく中で、日本企業が戦略的に成長するための手段としてM&Aが選ばれていることが挙げられます。

銀行業界を中心に業界再編を目的としたM&Aが増加傾向

銀行業界を中心に業界再編成を目的としたM&Aが頻繁に行われています。以前まで厳しかった規制が、1990年代後半から2001年にかけて行われた金融ビッグバンによる大規模な規制緩和によって取り払われたことが理由です。

今後もこの流れは続き、フィンテックの技術を手にするためにM&Aを行い、業界を変えるようなサービスも増えてくるでしょう。

フィンテックM&Aメリット

フィンテック企業がM&Aを行うメリットは数多く存在しています。M&Aのメリットを最大限享受するためにも、今回ご紹介するメリットは必ず把握しておいてください。

新規の顧客と取引先を獲得できる

フィンテックM&Aを行うことで新規顧客や取引先を手にできます。M&Aをした際は、買収した企業の顧客や取引先をそのまま引き継ぐケースが多いので、両者の顧客基盤を活かして経営をすることができます。

新規の顧客を集めるのには非常にコストがかかるので、M&Aによって新規の顧客と取引先を同時に獲得できるのはとても魅力的な点でしょう。M&Aを行う際はそのあたりも必ずチェックしておくようにしましょう。

新技術をスピーディーに自社に組み込める

フィンテックM&Aのメリットは、新技術をスピーディーに自社に組み込める点です。通常通り、自社で0から開発するとなると膨大な資金と時間が必要になるだけでなく、それらが上手く機能してくれるとは限りません。

しかし、M&Aを行えば事業に必要な技術や人材をまとめて取得できるので、短時間で新技術を自社に取り込むことができます。M&Aを上手く活用してスピード感をもって事業を成長させていきましょう。

新サービスをスムーズにローンチできる

M&Aを行えば新サービスをスムーズにローンチできます。フィンテックに関わるAIやブロックチェーンに関わるサービスを0からローンチするとなると、かなりの時間を要します。

しかし、既に形になっているサービスを運営している企業をM&Aすると、自社の技術と組み合わせることで、最短で新サービスをローンチできます。

スピード感をもってサービスをローンチするだけでも、他社よりも優位に立てるのでM&Aを上手く活用していきましょう。

フィンテックにおけるM&Aを成功させるためのポイント

ここまで解説してきた通り、フィンテック企業のM&Aには様々なメリットがあります。しかしM&Aが失敗してしまっては、それらのメリットを享受できません。

そこで、フィンテックにおけるM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。これらのポイントは必ず意識してM&Aに取り組んでください。

動向をチェックしてタイミングを見逃さない

フィンテックに関係するM&Aを行う際は、必ず動向を把握する必要があります。フィンテックの中には今までの常識を打ち壊すような革新的なテクノロジーもあります。

今後もどんどん市場が伸びていくことは確実ですが、タイミングを間違えると大きな損失を抱える可能性も十分にあります。そのため、M&Aをする前に必ず動向をチェックするようにしてください。

M&Aの専門家に相談する

フィンテックにおけるM&Aを成功させるためにもM&Aの専門家に相談しましょう。M&Aには煩雑な手続きが多く、自分一人でこなそうとすると時間や労力がかかります。

特にフィンテックは市場の変動が激しいので、それらに詳しいM&Aの専門家に相談することがM&Aを成功させるためのポイントになります。

M&Aの目的を明確にしておく

M&Aの目的を明確にしておけば、M&Aの成功確率が高まります。M&Aには様々なメリットがありますが、それらを最大限享受するためにはM&Aの目的を明確にする必要があります。

自社にどのような技術を取り込み、どのようなサービスを作りたいのかなどを考えたうえでM&Aを検討するようにしましょう。

差別化ポイントを明確にする必要がある

差別化ポイントを明確にしなければ、フィンテックにおいてM&Aを実施することは難しいです。今までの金融サービスであれば、手数料や支店数の多さで差別化ができていました。

しかし、フィンテックでは機能性が全体的かつ大幅にボトムアップされるため、優位性を得ることが非常に困難になります。そのため、もしM&Aを成功させたいなら競合をしっかりと分析したうえで、自社の強みが活かせるようにしましょう。

フィンテックのM&Aにおける今後の課題

ここまでフィンテックにおけるM&Aのメリットや成功させるためのポイントについて解説しました。

フィンテックにおけるM&Aには様々なメリットがありますが、まだまだ課題が多く散見されます。これらを解決しなければ、長期的に利益をあげることが難しくなるので、必ず確認しておいてください。

手数料で利益を出すことが難しくなる

今後は手数料で利益を出し続けることは難しくなるでしょう。規制緩和によって参入がしやすくなり、次々と利便性の高いサービスが増えているため、利用者は自分の利用するサービスを数ある中から選ぶことになります。

そのため、手数料が高いと利用者に選ばれない可能性があります。今後は手数料ではなく、新たなキャッシュポイントを生み出す必要があるでしょう。

セキュリティ面の対策が必要

セキュリティ面は、フィンテックにおけるM&Aを行う上では必ずチェックしておきましょう。たしかにキャッシュレス決済など利便性は高まりましたが、ハッキング詐欺などのリスクも同時に高まっています。

キャッシュレス決済ではワンタイムパスワードなど、様々な対策が行われているものの、日々新しい犯罪などの被害がでているのが現状です。

特に金融に関わる問題に関しては、利用者はシビアに判断をしているので、一度の顧客情報の流出などの失敗が短期的にも長期的にも大きな被害の原因となることを深く理解しておく必要があります。

ネットリテラシーの低い人でも犯罪による被害を受けないようにするなど、セキュリティ面は慎重に考えてM&Aを行いましょう。

まとめ：動向をチェックして適切なM&Aを行おう

この記事では、フィンテックにおけるM&AのメリットやM&Aを成功させるためのポイント、フィンテック市場の動向を初歩から解説してきました。

フィンテック市場は今後も伸びていくことは確実ですが、従来の金融システムを大きく変革させてしまうような市場です。

そのため、特に動向を注視しながらM&Aを活用してください。

フィンテックのM&Aについて、さらに詳しく知りたい場合には株式会社パラダイムシフトに相談しましょう。

株式会社パラダイムシフトは、2011年創業のIT業界特化型M&Aアドバイザリーファームです。