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「ネット証券の特徴と種類」と「私設取引」「ミニ株」の解説【投資初心者必見】

投資をしたいと思いながら、手間がかかりそうだと感じて二の足を踏んでいる方は、「ネット証券」を利用してみてはいかがでしょうか。
株式投資や投資信託などを始めるには証券会社に口座を開設しなければならないのですが、ネット証券なら口座の開設から実際の投資、利益や損失の確定まで、インターネットで完結します。
しかもネット証券の手数料は、総合証券のそれより低く設定されています。

また、日中は投資ができない人には、夜間取引ができる「私設取引」があります。
そして、投資に使える資金が少ない人には、少額から始められる「ミニ株」があります。

この記事では、投資初心者の方に向けて、投資のハードルを下げる「ネット証券」「私設取引」「ミニ株」について解説します。

1. ネット証券の特徴と種類

ネット証券とは、インターネットだけですべての手続きや取引が完結する仕組みを持っている証券会社のことです。のちほど紹介するSBI証券や楽天証券などは、ネット証券です。
一方、野村證券や大和証券などの一般的な証券会社もインターネットでの取引サービスを提供していますが、こちらは実店舗を持ったり、営業担当者が顧客対応をしたりと、ネット証券とはサービス内容がかなり異なります。

(1) なぜ最初はネット証券のほうがよいのか

ネット証券と一般的な証券会社は、どちらがよい・悪いということはありません。サービス内容が異なるので、個人投資家は自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶとよいでしょう。

ただ、普段から仕事やプライベートでインターネットを多用していて、投資情報もネットで調べることができる人は、ネット証券からスタートしたほうがよいかもしれません。手続が簡単ですし、手数料も低額だからです。

一般的な証券会社は、店舗を持ち、営業担当者が顧客対応をするので手厚いサポートが魅力ですが、その分コストがかかっているので、手数料が高くなっています。億円単位の資産を運用するのであれば、一般的な証券会社のほうがよいかもしれません。
しかし、過剰なサービスを必要としない人にとっては、一般的な証券会社の利用は、手数料の高さがネックになるでしょう。
若いうちはネット証券で「少額から気軽に」投資を進めてはいかがでしょうか。

(2) ネット証券各社の手数料の比較

代表的なネット証券であるSBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社を比較していきましょう。
現物取引を行ったときの手数料は次のようになっています(*1、2、3)。 現物取引とは、株式取引なら、ある銘柄の株を買ったり売ったりすることです。表中の約定とは、売買成立のことです。

<3社の手数料の比較>(税抜)

     SBI証券 楽天証券 マネックス証券
1つの注文の約定代金に対する手数料 50円(5万円以下)~973円(3,000万円超) 50円(5万円以下)~973円(3,000万円超) 100円(10万円以下)~1,000円または1,500円(100万円以下)~約定金額の0.10%または0.15%(100万円超)
1日の約定代金に対する手数料 0円(100万円以下)~1,162円(200万円以下)(以降100万円増加ごと:400円ずつ増加) 0円(100万円以下)~3,000円(300万円以下)(以降、100万円増加ごと:1,000円ずつ増加) 100万円以下:500円(以降、300万円ごとに2,500円ずつ増加)

SBI証券が若干その他の2社より安い印象がありますが「激安」という印象はありません。

*1:https://site3.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_home&cat1=home&cat2=price&dir=price&file=home_price.html
*2:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/commission/
*3:https://info.monex.co.jp/service/fee/stock/course-explain.html

(3) 「売り」の比較

手数料がそれほど違わないのであれば、どのような基準でネット証券を選んだらよいのでしょうか。

基準の1つは各社の「売り」になります。ネット証券各社は、自社の強みを自己PRしていますので、それを紹介します。ここでも、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社で比較してみます。

●SBI証券の売り(*4)

  • ネット証券口座開設数、No.1(530万人以上に選ばれている)
  • ダントツのIPO取扱銘柄数(2020年3月期、全92社中86社を取扱った)
  • Tポイントが使え、貯まる
  • 豊富な投資情報を提供

●楽天証券の売り(*5)

  • 楽天ポイントが使え、貯まる
  • 楽天銀行の普通預金金利が0.1%になる
  • 楽天証券と楽天銀行の口座間の入出金手数料が無料
  • 豊富な投資情報を提供

●マネックス証券の売り(*6)

  • 手数料をキャッシュバック
  • 米国株も取り扱う
  • 開設口座数188万件、預かり残高4.3兆円
  • 投資信託は100円から積立できる

この3社に限らず、著名なネット証券はどこもサービスのよさを売りにしています。どこを使っても、大きな損得は発生しないでしょう。
そのため、ネット証券のサイトの使いやすさや、ポイントの使い勝手などで選んでもよいかもしれません。
2、3のネット証券に口座を開いて、実際に使ってみて、取引しやすいところを集中的に使うという方法も有効です。

*4:https://site3.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&burl=search_home&cat1=home&cat2=begin&dir=info%2F&file=home_merit.html&getFlg=on&OutSide=on
*5:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/service/point/
*6:https://info.monex.co.jp/merit/index.html

2. 夜間取引ができる私設取引とは

私設取引とは、特定の証券会社を通して、株式、債券、投資信託などの有価証券の取引を行う仕組みです。
通常の有価証券取引は、東京証券取引所などの証券取引所を通す必要がありますが、証券取引所が開いている時間しか取引できない欠点があります。
そこで1998年に法律が改正され、私設取引が合法化されました。欧米では私設取引は主力市場になっています。
私設取引はPTS(Proprietary Trading System)と呼ばれることもあります。

(1) なぜ夜間取引が必要なのか

東京証券取引所で取引できる時間は、平日の9:00~11:30と12:30~15:00の計5時間しかありません。これでは、平日の日中に仕事をしている人は株式取引に参加できません。株価は1日で10%近く動くことが珍しくないので、大損をしたり、大きな利益をあげるチャンスを逃がしたりしてしまいます。
しかし私設取引であれば、運営している証券会社が自由に営業時間(取引時間)を設定することができます。

例えば、ジャパンネクスト証券なら、日本の祝祭日を除く、16:30~23:59の時間帯で取引することができます(*7)。

通常の株式取引では、15時以降に大きなニュースが発表されても、翌朝9時まで待たなければなりません。株価が上がることや下がることが確実なのに、長時間にわたって売買できないのは不安です。
しかし夜間取引が行われていれば、15時以降のニュースの内容に応じて、即座に株式を売買することができます。
ビジネスパーソンも仕事が終わってからじっくり腰を据えて株式投資をすることができます。

*7:https://www.japannext.co.jp/ja/aboutus

3. 少額から始められるミニ株とは

一般的に株式投資をするには、手元の資金が10万円くらいは必要になります。それは、株式の売買は大抵、100株単位で行われるからです。100株での購入や、100株での売却しか、証券会社が引き受けてくれません。
売買する単位のことを「単元株」といい、ほとんどの銘柄の単元株数は100株に設定されています。

例えば、株価1,000円の銘柄があっても、100株買うとなると10万円必要になります。人気銘柄になると、トヨタ自動車は1株7,812円、ファーストリテイリングは1株84,610円、任天堂は1株60,410円となっています(2020年12月11日現在)。これらの企業の株に興味があっても、60万~90万円のお金がないとどうしようもありません。

そこで「株式ミニ投資」が誕生しました。通称、ミニ株といいます。
ミニ株は、それぞれの証券会社が独自に運営します。証券会社が証券取引所からある株式を大量に買い、それを分割して個人投資家に販売します。

証券会社が、「単元株数の10分の1の整数倍で売買する」と決めれば、10株や20株単位で買うことができます。
これならトヨタ自動車の株でも、最低78,120円(=1株7,812円×100株(単元株)÷10)で買うことができます。
ミニ株でも配当を受けることはできますが、議決権は原則行使できません。

4. まとめ~自分に合ったツールを使おう

あるネット証券の経営理念にこのような一節があります(*8)。

●金融イノベーターたれ
従来の金融のあり方に変革を与え、インターネットの持つ爆発的な価格破壊力を利用し、より顧客便益性を高める金融サービスを提供する

ほとんどのネット証券の関係者は、同じ気持ちを持っているのではないでしょうか。
株式や債券や投資信託は、かつては一部の富裕層の人たちの資産運用ツールでした。 しかしインターネットを使ったネット証券サービスが広がったことで、誰でも簡単に低額から投資できるようになりました。ネット証券は、価格破壊によって資産運用ツールを庶民に提供したといえます。

ただ、ネット通販が拡大してもリアル店舗の魅力がなくならないように、ネット証券ではない一般の証券会社もサービスに磨きをかけています。
個人投資家は、ネット証券を利用するときは、一般の証券会社のサービスも比較したほうがよいでしょう。そして複数の資産運用ツールを持っておき、賢く使いわけることが理想です。

*8:http://www.sbigroup.co.jp/company/information/concept.html

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