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メディアサイトのM&Aで重要な7つのKPIについて

今回はメディアサイトのM&Aを検討する際に、買収金額を決する、特に重要な以下の7つのKPIについて説明していきます。

メディアサイトのM&Aを検討している人は、しっかりとチェックしておきましょう。

1. 重要な7つのKPIについて

  1. PV
  2. UU
  3. セッション数(訪問回数)
  4. CVR
  5. 記事数
  6. 収益
  7. 利益

    さっそく、それぞれのポイントを整理していきましょう。

(1) PV (ページビュー)

1つ目はPV(ページビュー)数です。

こちらはメディアの記事やコンテンツが、どれくらいの回数閲覧されているのかを表す指標です。

もちろん絶対数が多ければ多いほどメディアの価値は高くなりますが、PV数がそこまで多くなくても、一人のユーザーがたくさんのページを閲覧している場合もあり、その場合はメディアのコンテンツの価値が高いと判断できるので、結果だけでなく、数字の内訳までしっかりと見る必要があります。

例えば、仮に1万PVのメディアでも、来訪者数が1000人であれば、1人あたり平均10Pのコンテンツをチェックしていることになり、ユーザーに質の高いメディアだと評価してもらえている可能性が高いですし、モチベーションが薄いユーザーよりも、より濃いユーザーの方がCVRにつながるハードルも低いといえます。

またPVは、「30万PVなら10万円」「100万PVなら50万円くらいだろう」など、だいたいの収益を予測しやすく、メディアの価値を判断しやすい特徴もあります。

(2) UU

2つ目はUU(ユーザー数)です。

PV数がそれぞれのページが表示された回数なのに対し、UUはメディアに訪れたユーザーの数を表す指標になります。

こちらも数が多ければ多いほど良いですが、ユーザーの性別や年齢別の割合、海外ユーザーの割合など、しっかりと数字の中身までチェックしておく必要があります。

例えばマンスリー100万UUのメディアでも、蓋を開けてみればそのうちの8割が女性で、自社が男性向けのサービスを提供している会社だった場合は、高いお金を出してメディアを購入してもほぼ意味がなく、無駄な買い物になってしまいます。

(3) セッション数 ( 訪問回数 )

セッション数は、ユーザーがサイトに訪問した回数を表す指標です。

つまりこの数値 によって、ユーザーがメディアのリピーターになってくれているかどうか、メディアの内容がユーザーの役に立っているかどうかを判断できます。

仮にPVやUUが多くても、セッション数が極端に少ないメディアであれば、その後のGoogleのアルゴリズムの変動で一気に圏外に飛んでいってしまう可能性があるため注意しましょう。

メディアに限ったことではありませんが、リピーターのお客さんが多ければ多いほど、商品の価値が高いと判断できます。

(4) CVR

資料請求、お問い合わせ、申し込みなどのCVR(コンバージョンレート)も大事です。

特にPV数・UUが少ないのにCVRが高いページがある場合は、ポテンシャルがとても高く、まだまだ数字が伸びるかもしれません。

逆にアクセスは充分あるのにCVRが低い場合は、内容を修正したりする必要があり、購入後の対応工数などもそれだけ多くなる可能性があります。

(5) 記事数

5つ目は「記事数」です。

記事数が少ないにも関わらずPV数が多い場合は、対策できるSEOキーワードが、まだまだたくさんある可能性が高いですし、逆に記事数が多い場合は、修正や管理などのコストが大きくなる可能性もあります。

※ 基本的に「渋谷 レストラン」のような1つのキーワードごとに、1記事ずつ記事を作成します。よって記事数が少ないということは、その分カバーできているSEOのキーワードが少ない状態で、他のキーワードにもたくさんアプローチできる可能性が高いと判断できます。

つまり記事数が多いからいい、少ないからダメというわけではなく、購入した後の目的や運用体制などによっても変わってくるということです。

記事数が少なくて、今後のポテンシャルも高いが、運用工数があまりとれない場合は、今後の伸び代と一緒に、運用を外注する場合の費用なども含め、判断するほうがいいでしょう。

(6) 収益

6つ目は収益です。

一番分かりやすい指標なので、説明不要だと思いますが、他の項目と同様に、表面的な数字だけでなく、収益の内訳や中身までしっかりと確認する必要があります。

例えば、メディアの収益方法は

  1. 自社広告の販売による利益
  2. Google Adsenseによる広告収入
  3. アフィリエイト広告による収入
  4. 記事広告による収入
  5. 自社商品の販売収入

    このようなものになりますが、イ・ウの割合が多くて、なおかつSEOからの流入が多い場合は、Googleの検索エンジンの変動で、一気に収益が下がるリスクがあります。

    またエの場合も、毎回作成する手間が発生しますし、そもそも運営者や作成する人が変われば依頼が減る可能性もあるので、あまり当てにはできません。

    それぞれの内訳のバランスがいいほうが、リスクヘッジしやすくなります。

(7) 利益

最後は利益です。

収益だけでなく、メディアを運営するための費用(人件費、雑費、商品の購入費用など)がたくさんかかっている場合は、利益が少なくなるので、収益と合わせてチェックするようにしましょう。

2. まとめ

  1. PV
  2. UU
  3. セッション数(訪問回数)
  4. CVR
  5. 記事数
  6. 収益
  7. 利益

    今回紹介したこちらの7つのKPIは、どれも重要なものばかりです。忘れずに覚えておきましょう。

    メディアサイトのM&Aの一般的な相場は、利益の2〜3倍ですが、これをベースに、今回紹介したようなKPIの数値によって金額が変わってきます。

    そしてかつ、どのKPIをどこまで重視するかは買い手企業によっても変わってきます。

    例えば「利益はなくても良いので、PV/UUの多いメディアサイトを買収し、とにかく自社サイトへの集客につなげたい」というニーズがあるようなバイサイド企業様であれば、PV / UUの項目を特に重視し、数字の高いメディアに対して、利益の4〜5倍という金額を出す場合もあります。

    分かりやすい指標だけでメディアの価値が判断されるわけではなく、売却を考えている側の、予想以上の値段になる可能性もあります。

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