今回の記事では、プラットフォームビジネスの特徴や仕組みと、実際のプラットフォームサービス10個を、ピックアップして紹介していきます。
また、最後に、新規WEBサービスを検討中の人に向けた事業開発サービスや、M&Aの事例なども紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
1.プラットフォームビジネスとは?
プラットフォームビジネスは、Amazon、Apple、Google、楽天、LINEなどの企業が行っているビジネスで、簡単にいうと「ビジネスや取引きなどを行う場を、ネット上で提供するビジネスのこと」です。
Amazonや楽天の場合は、個人から企業など様々な規模のお店が、プラットフォーム上で商品を販売できるようにし、より多くの消費者に、できるだけ多くの商品を購入してもらえるような環境を提供しています。
プラットフォームビジネスを展開する側のメリットとしては、プラットフォームを整備して参加者が増えていき1度軌道に乗れば、ほぼ自動的に収益が発生することです。
Amazon・楽天は、プラットフォーム上で購入された代金の何パーセントかを出店手数料としてもらう仕組みになっており、他のGoogleやAppleの場合は、Google Play Storeや、App Store上で様々なアプリやゲームを提供し、開発元の企業や個人から手数料をもらう形になっています。
実際にプラットフォームを利用して商品やサービスを提供する側としては、集客力のUPや、販売システムの構築が不要になるなどのメリットが期待できます。
ビジネスの内容にもよりますが、プラットフォームを提供する企業としては、プラットフォーム上でビジネスを行う企業と、プラットフォームをサービスとして利用するユーザー双方のことを考慮した上で、サービスを提供していくことが重要といえます。
2.様々な種類のプラットフォームサービスを10個紹介
ここからは、実際にある、具体的なプラットフォームサービスを紹介していきます。様々なジャンルから紹介していますので、自社のビジネスのヒントになるものがないか、チェックしてみてください。
(1)メルカリ
1つ目はすでに大人気の「メルカリ」です。ユーザー間で値段や商品などを自由に設定して販売・購入ができるオンライン上のフリマサービスで、ビジネスモデルはC to C(Customer To Customer)のプラットフォームになっています(メルカリがもらう販売手数料は売れた商品の10%)。
フリマというと、洋服や雑貨などの小物というイメージが強いですが、「こんなものも売れるのか?」という商品がとても多いことがメルカリの特徴です。トイレットペーパーの芯やゲームソフトの箱など、本当に様々なものが販売されています。
プラス、圧倒的に使いやすいUX(User Xperience = サービスの使いやすさや快適性)も、メルカリが大ヒットした要因のひとつと考えられます。無駄なこと、わかりにくいことを可能な限り排除し、できるだけ簡単に利用できるようにサービスが設計されています。
(2)Airbnb
2つ目の「Airbnb」も、メルカリと同じ「C to C」のプラットフォームサービスで、こちらはユーザー間で家の貸し借りができるサービスとなっています。ホテルに泊まるよりも安い値段で宿泊できたり、自分好みの部屋に泊まって気分転換をしたいなど、様々なニーズを満たすことができます。
ただし、こういったサービスは、コロナウィルスなどの影響を受けやすいサービスです。日本だけでなく、海外でも利用できるサービスでしたが、当分の間は人の移動も大きく減ると考えられます。いつ収束するかわからない目に見えない問題なので、同じような方向性のサービスを考えている方は慎重に検討する必要があります。
なお、部屋を貸し出すホストがAirbnbに支払う手数料は3%となっています。
(3)ランサーズ
3つ目は「ランサーズ」というサービスです。一般的には「クラウドソーシングサービス」
と呼ばれていますが、こちらもプラットフォームサービスのひとつです。
企業や個人間での仕事の依頼・やり取り・遂行を、できるだけスムーズに行えるようにしたサービスとなっており、できるだけ安全かつ快適に仕事のやり取りができるような仲介システムを提供することで収益をあげています(システム手数料は5~20%。依頼する仕事の金額によって異なる仕様になっています)。
見知らぬユーザー間の直接取引だと、報酬未払いのリスクがあったりなど、仕事を依頼する企業側としては、本当に依頼内容を遂行できる人なのか不安といった心配がありますが、ランサーズは出来るだけそういったリスクを低減したり、多様な仕事情報の提供することをウリにしています。
(4)Freelance Basic
こちらの「Freelance Basic」は、確定申告の効率化、資産形成のサポート、託児所の割引きサービスなど、フリーランス向けの様々なサポートサービスをまとめて提供しているプラットフォームです。
こちらも先ほど紹介したLancersが運営しており、フリーランスに様々なサポートサービスをまとめて紹介すること、プラットフォームにサービスを掲載する企業側には、ランサーズ を利用している多くのユーザーにサービスを認知してもらえることが、サービスの価値となっています。
ちなみに基本機能は、全て無料で利用可能となっています。
(5)CAMPFIRE
クラウドファンディングサービスとして有名な「CAMPFIRE」も、プラットフォームサービスのひとつです。実現したいことのために、必要な資金の提供を呼びかける発案者と、発案者の考えや思いに共感して、資金のサポートを行う支援者をつなぐサービスです。
優れたアイディアや考え、社会的な意義のある計画であるにもかかわらず、お金がないというだけで断念せざるを得なかった様々なことが、CAMPFIREを通して、たくさん実現されており、社会的な意義がとても大きいサービスといえます。
実際に、最近のコロナの問題で苦しむ経営者や飲食店の方にも多く利用されていて、たくさんの支援金額が集まっていることを確認できます。
(6)ホームプロ
6つ目の「ホームプロ」というサービスは、リフォームを検討中の人と、リフォーム会社とをマッチングするプラットフォームサービスです。これまでに80万人以上の利用実績があるそうです。
利用するユーザーには、審査をクリアしたリフォーム会社をまとめて比較できるというメリットがあり、一方の掲載する企業にとっては、より多くの人に自分の会社を知ってもらう機会になる、というメリットがあります。
このサービスは「リフォーム」という領域に特化したサービスですが、WEB上で、より分かりやすい形で情報を比較・検討したいというニーズは、どんなジャンルにもあるので、先行性が重要になりますが、ビジネスに応用しやすい事例のひとつといえるでしょう。
なお、掲載する企業は、初期登録料や紹介手数料などを支払う仕組みになっています。
(7)Cansell
「Cansell」というサービスは、通常の料金よりもお得な値段で宿やホテルを予約できるサービスです。中には50〜60%OFFの予約もあり、かなりお得感が高いサービスです。
なぜこれが可能かというと、一度は予約したものの、急な予定変更でキャンセルすることになった宿・ホテルを扱っているからです。宿の予約の販売と購入、どちらも可能となっており、宿によりお得な値段で泊まること、キャンセルで発生する損を抑えることが、サービスを利用することで可能になります。
(8)minne
「minne」は、個人のクラフト作品や手芸作品などの、ハンドメイド作品を売買できるプラットフォームです。アクセサリー、バッグ、ぬいぐるみなど、様々な種類の作品が販売されていて、それぞれから作り手の温度も感じられるプラットフォームサービスです。
なお、これまでは個人の作品を扱っていましたが、ものづくりにとことんこだわったブランドやメーカーの商品も販売できるようになりました。
ちなみにアプリのダウンロード数は1000万DL以上、年間流通額は120億円、販売手数料は税抜き9.6%となっています。
(9)TABETE
TABETEは、フードロスの削減に貢献するサービスであり、よりお得な値段で食事を購入できるプラットフォームサービスです。お店は、まだ美味しく食べれのにもったいない、と思いながら廃棄することになる食事を、TABETE上で販売することができます。
なお掲載するお店は、初期費用・ランニングコスト0円で、かつ1品から、TABETEを通して食事の販売ができるようになっており、新規顧客の開拓というメリットもあります。
なおTABETEは、いまのところ東京都中心のサービスですが、地方でもこういったニーズや課題感は同じようにあると思われます。
(10)MENTA
「MENTA」は、プログラミングを教えたい人と教わりたい人とをマッチングする、教育形のWEBサービスです。自分のレッスンに申込みをしてくれた人に対して、プログラミングを教えることでお金を稼ぐことができます(値段や条件などは各自で設定可能)し、教わる側も、通常のスクールよりも、よりリーズナブルな値段で学ぶことができます。
ちなみにこちらは個人のエンジニアの方が開発されたサービスで、ユーザー数は13000人、契約数は5000件以上となっており、手数料(5~20%に設定)という形で収益を得るビジネスモデルになっています。
3.さいごに
株式会社パラダイムシフトは、IT領域のM&Aに強みをもつ企業ですが、新規事業・サービスの開発サポートも、サービスとして提供しています。M&Aの業務を通して得た最新情報やビジネスモデルに関する知識の提供だけでなく、M&Aを通じて得られた広いネットワークを活かしたチーム編成が、大きな特徴です。
新規サービスを開発するにあたって、M&Aによって他社の力を借り、自社の弱みをカバーしたいと考えている人や、ビジネス開発の部分からサポートが欲しいという方は、以下のページもチェックしてみてください。
・M&Aの事例について(背景や合意にいたるまでのポイントなどを紹介)
https://paradigm-shift.co.jp/case/
・ビジネス開発について
https://paradigm-shift.co.jp/service/development
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