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【比較!】オンプレミスとクラウドのメリット・デメリット / 移行した事例も紹介!

この記事では、オンプレミスとクラウドサービスそれぞれのメリット・デメリットや、 オンプレミスからクラウドに移行する際の注意点などについて紹介していきます。

また実際にオンプレミスから、Amazonのクラウドサービスに移行した会社の事例(目的や具体的にどのような効果があったか)も紹介していますので、クラウドを検討中の方は参考にしてみてください。

1.オンプレミスとはなにか?

オンプレミスは、データセンターやサーバーなどのハードウェアを自社に設置して、独自に情報システムの運用を行う管理形態のことです。基本的に外部のサービスへ依存しないので、自社に必要なシステムや環境をゼロから自由に設計・構築することができます。

まずは、オンプレミスのメリット・デメリットについて紹介していきます。

(1)オンプレミスのメリット

ア.自社で管理・維持するため、自由にカスタマイズできる

クラウドサービスの場合、外部のシステム・機能を一部利用してサービスを提供することになるため、自社のシステムを拡張していくにも、基本的には利用する外部サービスの仕様に沿って進める形になります。

そのため、開発内容が一部制限されてしまうケースも考えられますが、オンプレミスの場合は、基本的に全て自社内で完結するので、そういった心配がありません。

イ.他社の影響を受けないため、情報セキュリティーの面で安心度が高い

繰り返しになりますが、クラウドサービスの場合、外部のシステム・機能を利用してサービスを提供することになり、それ自体に欠陥がある場合も考えられます。
よって問題の発生を未然に防いだり、問題が発覚した際に対処するのが難しいというリスクもあります。

一方、オンプレミスの場合は、基本的に全て自社内で完結するシステムになっているので、そういったリスクに対する安心度を出来るだけ高めることが可能といえます。

(2)オンプレミスのデメリット

ア.利用開始までにある程度時間が必要で、導入する際のコストもかかる

オンプレミスの場合、ゼロからシステムを設計して環境を構築していくことになるので、利用したいと考えてから実際に利用を開始するまでに、ある程度時間が必要になりますしお金も多くかかります。(ちなみにもう一方のクラウドは、目的に応じて、すでに用意されているシステムやサービスを選んで利用する形になります)。

またそれに伴って、オンプレミスな環境を構築できる専門的な知識や知見を持った人も必要になります。会社の業務を行う際のベースになるシステムなので、しっかりとした知識や技術、そして責任感のある人に任せなければ、トラブルにつながるリスクが大きくなるので注意しましょう。

イ.インフラの維持や管理が必要になる

システムのバージョンアップデートなどの定期的なメンテナンス作業や、システム環境を変更する際など、ある程度の準備や変更などの作業が必要になります。

クラウドサービスの場合、こういった作業は全てサービス側が対応してくれるので、その分の手間を省くことができます。

2.クラウドとはなにか?

一方のクラウドはインターネット上の仮想環境のことで、主に外部のサーバーやシステムを利用して、サービスの提供を行う際に利用される仕組みのことです。

インターネット通販サイトとして有名なAmazonも、このクラウドサービスを提供しており、実際に採用している会社も多くなっています。

続いてクラウドサービスのメリット・デメリットを紹介していきますが、基本的にクラウドのサービスは、上で紹介したオンプレミスのデメリットを補う形になっています。

(1)クラウドのメリット

ア.登録をして、すぐにサービスを利用できる

オンプレミスと違い、最初からサービス側が用意してくれたインフラを利用できるので、すぐにサービスを利用することができます。

必要なのは自社のニーズや検討項目を事前にしっかりと整理し、それに沿ったサービスを比較・検討・選択することだけです。

イ.必要な初期費用が少なく、利用した分に応じて料金を支払う形が多い

クラウドサービスは、月額制や利用した分に応じて料金を支払う形になっているため、最初に必要な設備 / 環境投資などが必要ありません。

ちなみにAmazonが提供しているAWS(アマゾンウェブサービス)のサービス料金ですが、基本的に最初の12ヶ月は無料(もしくは無期限で無料)となっており、それぞれ以下のような値段設定になっています。

  • Amazon EC2(クラウド内の仮想サーバー):最初の12ヶ月は、毎月750時間分が無料。超過分は、選択するOSやメモリなどに応じて変化するが1時間あたり約2円ほど

  • Amazon S3(ストレージ):最初の12ヶ月は、毎月5GB分が無料。こちらも選択するサービスによって変わってくるが、1GBあたり約10円ほど

  • データ転送(AWSを利用するために発生するデータ転送料金):1GBあたり約20円ほど

値段に関しては、以下のNTTのページを参照しました。AWSの料金体系や利用する際の注意点について、より詳しくまとまっています。

https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/column-36.html

ウ.運用面での効率性が高い

WEB上のサービスは、定期的なアップデートが必要になりますが、クラウドサービスを利用する場合、そういった更新作業の手間が必要なくなります。

(2)クラウドのデメリット

ア.セキュリティー面でのリスク

オンプレミスの箇所で説明した内容と重複しますが、基本的なシステムを外部に依存する形になるため、利用しているシステムに欠陥がある場合、自分たちではどうしようもできない、というリスクがあります。

イ.カスタマイズ性の低さ

基本的にすでに出来合いのシステムを利用する形になるため、オンプレミスと比較するとカスタマイズ性が低いという面もあります。

3.オンプレミスからクラウドに移行したほうがいい会社や業種は?

クラウドに移行する会社が多くなってきていますが、個人情報や機密情報、外部に漏れてはいけない会社の業務情報などがある場合(金融機関など)は、無理にクラウドのサービスを採用せず、今まで通りオンプレミスの環境で業務を行うのもひとつです。

もしくは、会社によっては、一部の業務内容をクラウドで行い、それ以外の重要情報に関してはオンプレミスで行う、という形をとるのもひとつです。

上述したように、それぞれの特徴は大きく異なるため、会社の業務内容の性質に応じてどちらを採用するべきか、慎重に判断する必要があります。

4.オンプレミスからクラウドに移行する注意点やハードルは?

ここまで、オンプレミスとクラウドそれぞれの特徴について紹介してきました。
クラウドはとても便利な仕組みで、簡単に利用を開始できるとはいえ、実際にオンプレミスからクラウドに移行して運用していく際には、上で紹介したセキュリティー面やカスタマイズ性の低さという課題に加えて、実際にサービスの内容を理解して使いこなせるだけのITリテラシーを持った人材が必要なので注意しましょう。

なんとなく流行っているから、便利そうだから、無料だから、という理由だけで移行してしまうと、会社の業務内容によっては、お客さんからの信頼を失う事故につながってしまうなど、大きなダメージを負ってしまう危険性があります。

「なぜクラウドが必要なのか、クラウドのどのような部分が魅力的なのか、実際にオンプレミスからクラウドに移行した際に、社員の作業効率は低下しないか」など、事前に検討すべき項目は沢山あります。

またクラウドのメリットとして、初期段階で必要なコストを削減できることを挙げましたが、事業内容によっては、短期的な視点でみてみると必要なコストが増えたり、オンプレミスの場合とそこまで変わらないことになる可能性も場合によってはありえます。

自社の事業内容・今後の展望・現在のシステム環境など、クラウドを導入する際は、こういった点について、ひとつずつ整理し、その上で採用するべきかどうか、実際に採用する際はどういったサービスがいいのか判断するようにしましょう。

5.クラウドサービスを利用している会社の事例

実際にAWSのサービスを利用している会社の事例を3つピックアップして紹介します。ベンチャー企業~大手企業まで紹介していますが、移行の背景やサービス規模などによって、得られる結果も変わってくるので注意してください。

(1)株式会社ロコガイド

ロコガイドは「トクバイ」というチラシサービスを運用する会社です。ビジネスのスピードを落とさないこと、コストの削減を目的にAWSを採用し、※スポットインスタンスを活用することで、実際にインフラコストを約3割削減することに成功しました。

https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/tokubai/

※ スポットインスタンスとは、未使用のサーバーを静止状態にして、料金を節約できる機能のことです。

(2)クックパッド株式会社

クックパッドは、早いビジネスのスピードに対応していくこと・アクセス数の増加に対する対応・海外でのサービス展開(オンプレミスの場合、現地にデータセンターを設置する必要がある)を目的に、AWSのサービスを採用しました。

実際に利用すると、ストレージの管理が楽になり、障害の頻度が激減。ただしコスト面に関しては、移行前後で、そこまで変化はないそうです。

https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/cookpad/

(3)全日本空輸株式会社

ANAは、これまでの業務で蓄積されたデータを移行して次世代のデータ分析基盤を構築し、分析業務の大幅な効率化・高度化することを目的にAWSを採用しました。

その結果、サーバーの調達時間を最大5ヶ月から最短1.5ヶ月に短縮し、バッチ処理の性能も最大で100倍向上したようですです。

https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/ana

6.会社のIT面に課題が多い場合は、M&Aで補強を行うのも選択肢のひとつ

オンプレミスからクラウドに移行したい、もしくは移行すべきかどうか迷っている、しかし、相談できる人が会社にいないといった場合は、M&Aを行い、IT / WEBの分野に強い会社の力を借りるのもひとつです。
業務の効率化につながるだけではなく、新しい領域での新規事業につながる可能性もあります。

パラダイムシフトは、IT・WEB領域のM&Aを得意とする会社で、これまでの事例の数も100件以上と豊富です。
事例毎に、M&Aにいたる背景や難航した点などを整理してまとめていますので、興味のある方は参考にしてみてください。

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https://paradigm-shift.co.jp/case/

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