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AWSとは? 導入するメリット・デメリットや、代表的なサービスの種類や導入事例等を紹介

今回は、AWS(Amazon Web Service)の概要や全体像がつかめるように、サービスの特徴、AWSを利用するメリット・デメリット、そしてAWSの代表的なサービスや実際の導入事例などについて紹介していきます。

AWSという名前はよく見聞きするが、実際のところ具体的にどういったサービスなのか分からないという人や、ローカルからクラウド環境にシステムの移行を検討されている方などは、ぜひこちらをチェックしてみてください。

1. AWSとは

AWSはAmazon Web Serviceの略称で、クラウドコンピューティングサービスの中でもシェアが一番多い、特に人気のサービスです。ストレージ、データベース、分析環境、開発者用のツールなど、様々な種類の製品を幅広く利用できるのが特徴です。

クラウド・コンピューティングは、アプリケーションなどをダウンロードして利用するサービスではなく、ユーザーがインターネットなどを通じてサービスを利用する仕組みのことです。
WEB上のリソースや様々な種類のアプリケーションなどを月額課金制で提供するサービスが多くなっています。

ちなみに、利用するメリットとして特に大きいのは、コストや生産性の面に関してで、サービスを利用するにあたり、ハードウェアやソフトウェアなどを購入する必要がなく、機能や容量などの追加も容易に出来るようになっているため、初期費用や導入・運用コストを最小に抑えることが可能となっていることです。

▼参考記事:クラウドサービス(IT用語集)

2. AWSを利用するメリット・デメリット

AWSを利用するメリット・デメリットについても確認しておきましょう。

(1) AWSを利用するメリット

  • 最初の導入コストがとても低いので、初期資本のない個人でもサービスが利用可能。
  • サービスを開始してから10年以上の実績があり、なおかつ利用シェアもNO.1のため、安心して利用できる。
  • ビッグデータ分析、ストレージ、サービス系アプリなど、取り扱っているサービスの種類がとても多く、幅広い用途で利用できる。
  • セキュリティー面の知識など、専門知識がない人でも利用しやすい。

(2) AWS利用に際するデメリット

  • 最初の導入コストは低いが、毎月のランニングコストは高い( オプションを色々つけていくと高額になってしまう )。
  • 保守や運用面などの自由度が低い( オンプレミス環境に比べて、カスタマイズできる範囲などに制約がある )。

3. AWSの代表的なサービスを紹介

(1) Amazon EC2( Amazon Elastic Compute Cloud )

EC2は、AWS上に仮想サーバーを作成するサービスのこと。AWS上でアプリケーションを開発する際にまず必要となるもので、オンプレミスのシステムをそのままクラウドサービスに移行する際にも利用できる。

(2) Amazon EBS(Amazon Elastic Block Store )

Amazon EC2とセットで利用するもので、EC2のデータを保存するためのブロックストレージ。EC2にもデータを保存する領域はあるようだが、EC2サーバーを停止してしまうと、データが消えてしまう仕様になっているため、リスクがかなり大きいとのこと。
しかし、EBSをセットで利用すれば、サーバーを停止してもデータが消えないので安心して利用できるとされている。

(3) Amazon S3( Simple Storage Service )

名前からも分かるように、こちらもストレージサービス。上で紹介したEBSとの違いは容量の大きさで、S3の場合は容量が無制限。そして料金に関してもS3の方がEBSより安い。
ちなみにアクセス頻度が高いデータはEBS、バックアップなどのデータはS3に置く、という使い分けをするのが理想とのこと。

(4) Amazon RDS( Amazon Relational Database Service )

クラウド内に簡単にリレーショナルデータベースを作成できるサービス。MySQL、PostgreSQL、Oracleなど、6つの使い慣れたサービスから選択できる。

(5) Amazon Simple Email Service

クラウドベースのメール送信サービス。マーケティング担当者や開発者が、お客さんにメールで購入情報の確認をしたり、出荷状況などをお知らせする際に利用できるサービス。フレキシブルで可用性が高く、価格も手頃な設定になっているとのこと。

(6) Amazon Cloud9

こちらのCloud9は開発者向けのサービス。WEB上に手軽にWEBサイトやWEBサービスの開発環境を構築できて、なおかつプログラミングのコードを複数人で共同で編集することも可能です。
PHP、Ruby、Wordpressなど、主要な言語・システムのほぼ全てに対応していて、とても便利なサービスのひとつ。

▼参考記事:AWS初心者入門 「まずはこれだけ押さえるべし!AWSの基本サービスって?」(Managed Cloud with AWS)

4. AWSの導入事例


ここからは実際にAWSを導入した企業の事例を紹介していきます。

(1) ANA

ANAは、データ分析基盤を強化するために、オンプレミス環境からクラウドに、データ分析基盤を移行しました。

当初ANAでは、人工知能・ロボット・AR / VRなどのデジタル技術とANAが所有するビッグデータを融合して、新たなビジネスの創出につなげていきたいと考えていたようですが、ディスク容量に限界があったり、追加開発やディスクの増設などにリソースを取られるなどして容易に対応できずにいたため、AWSへの移行を決定したようです。

ちなみに複数のクラウドコンピューティングの中からAWSを選んだ決め手は、「豊富な導入実績に裏付けられたセキュリティーの高さ」と「ノウハウを持つAWSパートナーの数が圧倒的に多かったこと」の2つとされています。

▼参考記事:AWS導入事例 「全日本空輸株式会社」(AWS公式サイト)

(2) 大日精化工業株式会社

大日精化工業株式会社が、AWSに移行することによって得られた効果は、大きく「基幹系システムのリソースの増強や、障害対策などから解放されて精神的に楽になったこと」と「大規模障害や災害時にビジネスが停止するリスクから解放されたこと」の2つとされています。

ちなみにAWSを導入するまでは、東京・関西・東海の各事業所それぞれで個別に最適化が進んでしまっており、運用なども属人化しているため、意思決定にも影響が及んでいたようです。

大日精化工業株式会社がAWSを選んだ決め手は「安定稼働の実績がしっかりとあること」「気軽に一時的な利用ができること」「従量課金制になっているため、コストを抑えられること」の3つとなっています。

▼参考記事:AWS導入事例 「大日精化工業株式会社」(AWS公式サイト)

(3) 株式会社ビデオリサーチ

こちらのビデオリサーチは「誰が、いつ、どの番組を視聴したのか」などのデータを地域ごとに取得して、その分析結果などを提供している会社です。

オンプレミス環境からクラウドのAWSに移行されたようですが、分析基盤を使わない時間帯にサービスを自動的に停止したり、無駄なリソースを使わないようにAWSを運用することで、結果的にオンプレミス環境の時よりも、5年間のトータルの運用コストを50パーセント以上も削減することができたとされています。

ちなみにAWSに決めた理由は、「実質無制限の拡張性の高さ」と「他システムとの連携性の良さ」の2つで、将来的に分析範囲を拡大したくなった際も簡単に拡大できることなどを評価して採用したとされています。

▼参考記事:AWS導入事例 「株式会社ビデオリサーチ」(AWS公式サイト)


5. AWS以外のクラウド・コンピューティング

AWS以外のクラウド・コンピューティングとして、「Microsoft Azure」「Google の GCP( Google Cloud Platform )」「IBM Cloud」の3つのサービスを紹介します。

(1) Microsoft Azure

  • Microsoftが提供するハイブリッドクラウドサービス。オンプレミスサーバー(自社で保有し運用するサーバーのこと)との親和性が高い。
  • Microsoft製品との連携などがスムーズ。
  • Azure MarketPlaceに様々なアプリケーションが用意されており、機能拡張を容易に行うことができる。

Microsoft Azure 公式サイト

(2) Google の GCP( Google Cloud Platform )

  • Googleが提供するパブリッククラウドサービス。
  • Googleのクラウド製品との連携が可能。
  • 機械学習を活用したビッグデータ解析を行いたい場合に特に向いている。

▼参考記事:Google Cloud Platform の概要(Google Cloud 公式サイト)

(3) IBM Cloud

  • IBMが提供するパブリッククラウドサービス。
  • 機械学習やAIなどの分野に強い。
  • 基幹システムやWatsonとの連携がスムーズ。

IBM CLOUD 公式サイト

(4) 補足

  • プライベートクラウド:特定ユーザーや企業のみに向けたコンピューティング環境。
  • パブリッククラウド:企業や個人など、不特定多数のユーザーに向けたコンピューティング環境。
  • ハイブリッドクラウド:オンプレミスとパブリッククラウド、プライベートクラウドとパブリッククラウドなど、異なるタイプを組み合わせたいいとこ取りの形態。

▼参考記事:

【2021年最新版】パブリッククラウド比較 GCP・Azure・IBM Cloud・Alibaba Cloud・AWS(ソフトバンクのビジネスWEBマガジン FUTURE STRIDE)

全部同じだと勘違いしていませんか? 4大クラウド徹底比較(AWS, Azure, GCP, IBM)(Workship MAGAZINE)

6. AWSの導入や運用に不安がある場合はM&Aを行うのも方策のひとつ

ここまでAWSの特徴、代表的なサービス、そして実際の企業の導入事例などを紹介してきましたが、そもそも自社で導入すべきかどうかの判断や、導入した後の運用面などに不安がある場合は、M&Aでシステム開発会社やWEB制作会社などを買収して、IT部門を強化するのもひとつの手段です。

もちろん、そこまで大規模なサービスの開発を想定していない場合や、まずはコンパクトにサービスの開発・運用をしていきたい場合などは、しっかりとしたシステム担当者などを1人採用して開発・管理を任せるのも一つですが、成長スピードを重視したい場合などは、M&Aを行って、一気に新規事業などに注力するほうが合理的な場合もあります。

M&AによってIT部門を強化するメリット・デメリットは概要、以下の通りです。

(1) メリット

  • 短期間で一気に開発力などを強化できる。
  • 開発力だけでなく、ビジネスに関する新しい知見なども手に入れることができる。
  • 会社に新しい人間が加わることより、既存の社員にいい影響を与えられる可能性がある。

(2) デメリット

  • 多額の費用が発生する。
  • 条件の合意など、調整に多くの時間がかかる。
  • 会社の文化の融合などが上手く行かない可能性もある。

それぞれこのように整理できます。

M&AによってIT部門を強化する方法とエンジニアなどの開発者を採用する方法、それぞれにメリット・デメリットがあるので、将来に対して、どういったビジネスのビジョンを持っているのか、まずはしっかりと整理することから始めてみましょう。

なお、パラダイムシフトではお客様の予算感や期間など個別のニーズに合わせ、ご要望を満たすようなM&Aの候補先企業様をご紹介致します。

売り手企業様・買い手企業様双方にご満足いただけるようにご支援を行なっておりますので、IT部門強化をお考えの場合は、ぜひパラダイムシフトにご相談ください。
明確なニーズが固まっておられなくても、 10,000社強のIT企業とコネクションを保有する弊社から、IT業界の最新情報の提供やスキームのご提案をさせて頂きます。

7. パラダイムシフトが担当した事例をいくつか簡単に紹介

パラダイムシフトは、特にIT・WEB領域のM&Aを得意とする会社で、これまでにもたくさんの会社の買収を担当してきました。

買収先・売却先の会社の種類や、そもそものM&Aの目的、そしてM&Aを行う際に特に苦労した点など、それぞれの事例ごとに重要なポイントをまとめていますので、M&Aに興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

M&Aの事例一覧 / パラダイムシフト

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