近年は数多くの動画配信サービスが台頭しており、スマホやタブレットさえあれば、いつでもどこでも様々な動画を楽しむことができるようになっています。わざわざレンタルビデオ店に足を運ぶ必要がない時代なのです。
この記事では、各サービスの特徴や今後の課題などについて、詳しく説明していきたいと思います。(本記事内の情報は2021年7月現在のものです)
1. 紹介する動画配信サービス
この記事で紹介するのは、以下の動画配信サービスです。
- U-NEXT
- Hulu
- Amazonプライム・ビデオ
- Netflix
2. 業界最大級のラインナップが魅力のU-NEXT
U-NEXTは、株式会社U-NEXTが2007年よりスタートした定額動画配信サービスです。その最大の魅力は、作品ラインナップの充実度。有料のコンテンツも含めて、多数の動画を扱っていることです。
(1) 対象作品を見放題で楽しめる
U-NEXTに登録していれば、見放題対象の作品ならば、個別課金の必要なく、見放題で視聴を楽しむことができます。 しかし、新作など一部の作品については個別課金対象となっています。
(2) 月額料金は1990円(税抜き)
U-NEXTの1カ月間の利用料金は税抜きで1990円と少し高めです。他の動画配信サービスでは、1000円を割るのが一般的ですので、どうしても割高さを感じてしまう人はいるかもしれません。
(3) 毎月1200円分のポイントを付与
U-NEXTに登録していれば、毎月1200円分のポイントを付与されます。このポイントは、U-NEXTの有料コンテンツの視聴に利用することができるものです。 つまり、個別課金が必要な有料コンテンツも、このポイントを使えば余計に課金する必要がないということです。ポイントの有効期限は180日間あります。そのため、現時点で観たい作品がないならば、貯めておくという選択もできます。 その他、電子書籍の購入や映画の割引チケットとして、ポイントを利用することも可能です。
(4) 無料お試し期間が31日間ある
U-NEXTは最初の31日間を無料で利用することができます。いきなり月額料金1990円を支払うということに、ためらいがある方は、是非こちらを利用しましょう。 無料期間でも600円分のポイントを受け取ることができます。そのため、個別課金が必要な作品でも、1~2作品程度は視聴を楽しむことができるでしょう。
(5) 【U-NEXT】今後の課題
取り扱っている動画の本数で言えば、圧倒的な充実度を誇るU-NEXTですが、見放題対象の作品の比率がそれほど大きくないという難点があります。Huluは個別課金が一切なし、Amazonプライム・ビデオはほとんど個別課金が不要という中で、「見放題」という点では、どうしてもU-NEXTは見劣りする部分があります。
月額料金自体も割高ですので、ポイントなどのオプションサービスの充実度は維持しつつ、どれだけ見放題対象作品の幅を広げられるかが、U-NEXTの課題と言えるでしょう。
3. 全ての動画が定額見放題のHULU
Huluはアメリカで誕生した動画配信サービスで、2011年に日本国内にも進出してきました。Huluに登録すれば、取り扱っているすべての作品を、いつでもどこでも視聴することができます。
(1) 全ての作品が見放題
Hulu最大の魅力は、全ての動画が定額で見放題ということです。U-NEXTなど他社サービスでは、有料作品について個別課金を求められることもありますが、Huluではその必要はありません。 どれだけ動画を見すぎてしまっても、追加料金は一切なし。分かりやすい料金設定となっています。
(2) 月額料金が933円(税抜き)と安い
Huluは月額料金が安いということも魅力。たったの933円です。これだけ払えば全ての動画を見放題で楽しめる訳ですから、ドラマファンや映画ファンならば、十分にペイできるでしょう。 業界でも圧倒的なコストパフォーマンスを誇る動画配信サービスです。
※ただし、iTunes Store決済の場合には1,050円(税込)となります。 ※Huluストアの作品は対象外となり、別途課金となります。
(3) ほぼ全ての作品のダウンロードが可能
「動画を見すぎると通信制限が不安」といった悩みをお持ちの方もいるでしょう。Huluではその心配も不要です。なぜなら、作品のダウンロードができるためです。 観たい作品をダウンロードしておけば、オフラインでの視聴が可能で、通信容量を圧迫することもありません。また、地下鉄や飛行機内など、電波状況の悪い環境でも、問題なく動画を視聴できます。
(4) 初回2週間の無料視聴期間がある
Huluでは、最初の2週間を無料視聴期間としています。いきなり月額料金を払っても、元を取れるか不安と考えている方は、是非利用してみましょう。
(5) 【HULU】今後の課題
Huluは、海外作品の取り扱いが充実していないという難点があります。そのため、洋画好きにとってはそれほど魅力的ではないサービスとなっているのが実情です。また、最新作の配信も他社と比べると遅くなりがちです。 この辺りは、個別課金を要しないからこその問題と言えるでしょう。料金体系は維持しつつ、どれだけ取り扱う作品の幅を広げられるかが課題です。
4. 激安料金が魅力のAMAZONプライム・ビデオ
Amazonプライム・ビデオは、大手ECサイトのAmazonが提供している動画配信サービスです。Amazonプライム会員に登録すれば、そのオプションの1つとして動画視聴も楽しめます。
(1) 料金が激安
Amazonプライム会員になれば、そのオプションの1つとしてAmazonプライム・ビデオの視聴ができます。Amazonプライム会員は、以下の月額料金で利用できるプランです。 •月額制:500円(税込) •年額制:4900円(税込)→1か月あたり408円 料金プランは2種類が選択可能です。月額制でも毎月たったの500円、お得な年額制を選べば1か月当たり408円という金額で利用ができるのです。
(2) AMAZONプライム会員で受けられるお得なサービス
Amazonプライム・ビデオの視聴は、あくまでもAmazonプライム会員の追加オプションです。 そのほかにも、Amazonプライム会員ならば ・Prime Music聴き放題 ・対象のKindle本(雑誌、マンガ、Kindle Singlesを含む)が読み放題 ・お急ぎ便・お届け時間指定便が無料 ・会員限定先行タイムセールに参加可能 といった様々なサービスを受けられるのです。それもすべて、月額500円(もしくは408円)で利用できるわけです。 他の動画配信サービスと比較しても、圧倒的にコスパが良いサービスです。
(3) AMAZONプライム・ビデオでしか観られない作品がある
他社では取り扱いのない、Amazonプライム・ビデオ独自の作品も視聴することができます。「バチェラー」「ドキュメンタル」などが有名ですね。 独自の番組でも、コンテンツの質はかなり高いので、十分に視聴を楽しむことができるでしょう。
(4) 同時に3台まで視聴可能
Amazonプライム・ビデオは、最大3つまで、複数の端末から動画を視聴することができます。家族や友人同士で1つのアカウントを共有しつつ、別々の動画を楽しめるという訳です。 もちろん、一切の追加料金など必要ありません。
(5) 【AMAZONプライム・ビデオ】今後の課題
Amazonプライム・ビデオでも、他社と同じように30日間の無料会員期間があります。しかし、ユーザー側が契約を延長しない手続きをしないと、自動的に31日目から有料会員に移行してしまう点には注意が必要です。
他社サービスの場合は、自動的に更新されず、入会のために再度の手続きが必要になるのが通例です。無料登録後、そのまま放置していると、気づかぬ間に有料会員へと移行してしまい、料金を払っていることもあるので注意が必要です。 この辺りのユーザー目線に立ったサービス設計を充実させるのが、Amazonプライム・ビデオの今後の課題と言えるかもしれません。
5. 世界最大級のサービスNETFLIX
Netflixは、Netflix株式会社が運営する動画配信サービスです。全世界に2億760万人を超えるユーザーを抱えています。
(1) 自分に合った料金プランを選択できる
Netflixには、以下の3種類の料金プランがあります。 ・ベーシック:月額990円(税込) ・スタンダード:月額1,490円(税込) ・プレミアム:月額1,980円(税込)
それぞれのプランに応じて、以下のような特徴があります。
ベーシック | 同時視聴不可/SD画質でのみ視聴可能 |
スタンダード | 2つの端末まで同時視聴可能/HD画質で視聴可能 |
プレミアム | 4つの端末まで同時視聴可能/4K画質で視聴可能 |
自分のスタイルに合わせて、プランを選べるのは嬉しいですね。 例えば、4人家族で全員がNetflixを利用したい時、プレミアムプランを選択すれば、1人当たり495円という金額で登録できることになります。
(2) 動画は全てが定額見放題
上記で紹介した3つのプランのいずれを選択しても、Netflixで配信されている動画はすべて定額見放題です。常時数万タイトルの作品がジャンルを問わず配信されています。 どの動画を視聴するとしても、一切の追加料金を支払う必要がありません。とてもシンプルな料金体系なのは、非常に分かりやすいですね。
(3) パーソナルレコメンド機能が便利
パーソナルレコメンド機能とは、簡単に言えば「あなたへのオススメ」を表示してくれる機能です。これまでユーザーが視聴してきた動画や行動を踏まえて、最適な作品をNetflixが紹介してくれるのです。
この機能の優れているのは、ユーザーの全ての行動が分析の対象となっている点です。 具体的には、 •動画の再生パターン(停止・巻き戻し・中断など) •検索履歴 •評価スコア •視聴時間 •視聴日時 •視聴場所 •Netflixサイトの閲覧・スクロール履歴
などがその対象となっています。これらすべての行動を分析することで、次にユーザーが視聴すると考えられる動画を推測し、紹介しているのです。 これは他の動画配信サービスには、なかなか搭載されていない機能で、非常に便利です。
(4) 海外作品の充実度が抜群
Netflixは特に海外の作品を豊富に取り扱っています。海外の作品を視聴したいのであれば、やはり日本発のサービスよりも海外発のサービスの方がオススメです。 また、Netflixオリジナル作品もコンテンツの質が高く魅力的です。Netflixでしか見ることができないオリジナル作品も数多く配信されているので、様々な動画の視聴を楽しむことができるでしょう。
(5) 【NETFLIX】今後の課題
Netflixは2015年に日本に上陸したばかりとあって、まだまだ日本国内のコンテンツは充実度が低めです。 日本に限らず、全世界190か国の人々が日々Netflixに登録しているので、今後は全世界向けにコンテンツの充実を図っていくことが期待されます。もちろん、日本人向けのコンテンツも拡大することが期待されますが、国内専用の動画配信サービスと比較すると、やや劣る面は否めないかもしれません。
6. 今後の動画配信サービスの展望
今回紹介した動画配信サービス以外にも、ディズニーデラックスや、ビデオマーケット、TELASA(テラサ)、FODなど様々なサービスがあります。
一部のサービスについて、月額料金が高く設定されていますが、基本的には500~1000円程度の範囲で収まっており、今後劇的に安くなるということはないでしょう。そのため、いかにコンテンツの質やサービスの充実度を高められるかが、各社の競争のカギになっていくはずです。 今後も、各社のユーザーファーストの視点に立った経営戦略が期待されます。
なお、これらの動画配信プラットフォームは海外からでは視聴できませんが、VPNというサービスを利用すれば海外からの視聴も可能になります。詳しくは、VPN Lifeがまとめている(海外から日本の動画コンテンツを見る方法)をご覧ください。
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