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ゲーム会社主要11社の2020年4-6月期決算 | 家庭用ゲームが好調

今、いちばん儲かっているゲーム会社を知りたくありませんか。ゲーム会社主要11社による4-6月期の決算がまとまりつつあります。多くの企業でプラスの業績を挙げており、特に家庭用ゲーム機を中心に展開しているところが売り上げを大きく伸ばしたようです。

今回はゲーム業界の動向が気になる方のために、主要11社の4-6月期の決算内容から、業界のトレンドを探ります。今後のゲーム市場の動きを予測するヒントにもなるので、マーケティングを学んでいる人もぜひ読んでみてください。

1.2020年4-6月期の業績まとめ

日本にはさまざまな家庭用ゲームの企業がありますが、2020年の4-6月期で目立った結果を出したのはどこか気になる人もいるでしょう。以下が同時期における主要11社の業績です。

社名概算売上高最終損益
バンダイナムコホールディングス1450億円131億円
スクウェアエニックスホールディングス870億円143億円
セガサミー483億円-33億円
コナミホールディングス528億円41億円
カプコン237億円78億円
コーエーテクモホールディングス113億円66億円
ガンホー222億円45億円
グリー149億円-20億円
コロプラ103億円13億円
DeNA300億円99億円
ミクシィ293億円48億円

2.同時期最高益を誇った3社は?

黒字を計上した大手ゲーム会社が目立ちますが、中でも4-6月期に行なった決算で最高益を誇ったところが3社あります。それぞれの特徴とともにまとめました。

(1)スクウェア・エニックス・ホールディングス

スクウェア・エニックスは、東京都新宿区を拠点にしたゲーム会社です。『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』など、異世界をテーマにしたRPGの名作で有名になっています。

2020年4-6月期では、870億円の売り上げを誇り、最終損益は前年同時期と比べて3.5倍と驚異的な数字を叩き出しています。新型コロナウイルス流行の影響で多くの企業がゲーム開発の停滞を余儀なくされていたことを考えれば、優れた業績でしょう。

(2)コーエーテクモホールディングス

コーエーテクモは、神奈川県横浜市を拠点に活動する会社です。現在も愛される競馬ゲームの傑作『ウイニングポスト』シリーズに加え、『三國志』や『信長の野望』といった歴史を題材にしたゲームで知った人も多いでしょう。

2020年4-6月期は113億円ですが、これは前年同時期と比べて1.5倍です。さらに最終損益の66億円は、前年同時期より3倍も増えており、コーエーの歴史の中で凄まじい業績を記録しています。人気シリーズのコアなファンを中心とした支持は、今も根強いでしょう。

(3)カプコン

カプコンは大阪府大阪市の拠点にしたゲームメーカーで、『ストリートファイター』や『バイオハザード』などの名作シリーズを世に送り出しています。スリリングなアクションを伴う作品が多く、ストレスを忘れて楽しむためにカプコンのゲームを選ぶ人も多いでしょう。

2020年4-6月期の決算では237億円の売り上げを記録し、最終損益は78億円です。前年同時期と比べて144%を記録していますが、カプコンの4-6月期としては最高の業績になりました。

自粛期間で外に出られないストレスをアクションゲームで発散したいという、消費者心理がはまったとも考えられます。

3.大手ゲーム会社より2020年に活躍したゲームコンテンツ

2020年も大手ゲーム会社からさまざまなコンテンツが活躍しました。『ファイナルファンタジー』や『バイオハザード』など、人気シリーズの最新作を中心に業界が盛り上がった印象です。

(1)スクウェア・エニックス『ファイナルファンタジーVII リメイク』

『ファイナルファンタジーVII リメイク』は、2020年4月10日発売のプレイステーション4用ゲームです。VIIはもともと1997年1月に初代プレイステーション専用ソフトとして世に出ましたが、23年越しのリメイクが世間から注目を集めました。

発表自体は2015年で、約5年もかかったために待ち焦がれたファンも多いでしょう。ゲーム内容自体はオリジナルから大きく変わっていませんが、最新式のグラフィックやアクション性のアップなど、現代向けに本格化した仕様が高評価を受けています。

おうち時間を異世界冒険で楽しみたい人にとっては、満足度の高い作品だったでしょう。

(2)カプコン『バイオハザード RE:3』

『バイオハザード RE:3』は、2020年4月3日にプレイステーション4対応で発売されたシリーズ最新作です。ゲームソフトとしては珍しく、「RE:3」と「レジスタンス」の2作品を同時収録しており、ぜいたくに楽しめる点がファンの心をつかんだようです。

1999年9月発売の『3 LAST ESCAPE』のリメイク版として、多くの注目を集めていました。現代のゲーム技術を手に入れて蘇った名作に、ユーザーの満足度が高かったと考えられます。 ジル・バレンタインやカルロス・オリヴェイラなどのおなじみのキャラクターも健在で、退屈なおうち時間にスリルを楽しんだ人も多いのではないでしょうか。

(3)セガ『龍が如く7 光と闇の行方』

『龍が如く7 光と闇の行方』は、プレイステーション4専用ソフトとして、2020年1月16日に発売されました。裏社会をテーマとした人気シリーズなので、刺激がほしい人にとっては、満足なおうち時間を望めるものとしてヒットしました。

主人公がそれまでの桐生一馬から春日一番に変わっていましたが、『龍が如く』シリーズの新しい一面を引き出すものとして、高評価する人も多いようです。

他にもバトルシステムの変化など、いちゲームとして楽しみやすい仕掛けが多かったことから、セガの業績に貢献しています。

(4)DeNA『スラムダンク』

『スラムダンク』はもともと1990年代前半にブレイクしたアニメシリーズですが、2013年にMobageより携帯電話のゲームとして蘇っています。現在は中国や香港などアジア圏でもスマホゲームとしての配信がスタートしており、爆発的な人気です。

アニメさながらのスリリングな試合展開に加え、主要キャラクターを操作できる喜びが、当時のファンの心をつかんだでしょう。原作アニメの名シーンを連想させる場面が多く、違和感なく楽しめることもポイントです。

4.黒字のゲーム会社が続出した背景は?

2020年4-6月期は、新型コロナウイルスの影響により、全国のさまざまな企業が業績を落としました。しかしゲーム業界では多くの企業が黒字で乗り切っています。以下の3つの背景を考えてみました。

(1)新型コロナウイルス拡大による巣ごもり消費の増加

新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした活動自粛にともなう巣ごもり消費に、ゲームはマッチしていたのでしょう。不要不急の外出を避けるため、多くの人が一日を家で過ごすことが多くなりましたが、ひまつぶしの手段としてゲームは最適と考えられます。

現在はネットショップにアクセスすればゲームを買えることもあり、ストレス発散の目的でも楽しみやすいでしょう。おうち時間に刺激をもたらすうえで、ゲームは理想のツールであることから、巣ごもり消費の代表例に挙がります。

(2)ゲームによる新しいコミュニケーションの確立

ゲームは新しいコミュニケーション手段として、現代社会に確立しています。新型コロナウイルスの感染拡大により、不要不急の外出自粛から、直接他人と出会っての交流が少なくなりましたが、ゲームならオンラインで他のユーザーとつながりながら会話もできます。

『ファイナルファンタジー』や『バイオハザード』といった人気シリーズでもオンラインモードが入り、他のプレイヤーと交流できる環境が整いました。うっそうとした日々を忘れる楽しさを他人と共有できる喜びが、ゲーム業界を盛り上げたのでしょう。

(3)ダウンロードコンテンツなら生産ストップにも影響しない

DeNAの『スラムダンク』のように、スマートフォンからダウンロードできるゲームは、配信会社にとっても自粛期間に売り込みやすいツールです。自粛期間は多くの企業が休業状態になるため、ゲームソフトなどの生産にも影響します。

しかしスマートフォンで遊べるゲームはオンライン配信なので、接客なしでユーザーに入手してもらえるのが特徴です。以上からダウンロードコンテンツは巣ごもり消費中心の社会状況にマッチし、DeNAなどの黒字につながったのでしょう。

5.アミューズメント施設を展開する企業は損失が目立つ

多くのゲームソフトやダウンロードコンテンツが巣ごもり消費を受ける中、ゲームセンターなどのアミューズメント施設は需要が大きく下がりました。

新型コロナウイルスの感染が拡大している最中は、不要不急の外出対象になりやすいため、施設を展開する企業にとっては大きな損失です。

今回紹介した企業の中では、セガサミーが活動自粛による打撃をもっとも大きく受けました。全国にゲームセンターを展開しているセガサミーですが、緊急事態宣言などでほとんどが長期の休業になったことから、赤字決算につながっています。

6.今後のゲーム市場の変化は?

2020年4-6月期ではゲーム業界の活躍が目立ちましたが、今後の市場変化も見逃せません。プレイステーション5の発売が控えていることもあり、あわただしい展開になるでしょう。

(1)PS5の発売予定

プレイステーションが5代目を迎えることで、多くのゲーマーから注目を受けています。前代のPS4にはなかった8K対応で、鮮やかな画面を楽しみながらゲームを楽しめることがポイントです。さらにPS4時代のソフトもPS5が適応できるなど、遊びの幅が広がる可能性を秘めています。

将来性の高いゲーム機が発売すれば、大手ゲーム各社からさまざまなヒット作品が出ることも考えられます。『ファイナルファンタジー』や『バイオハザード』などももとはプレイステーション用ソフトなので、PS5とのマッチングに期待がかかります。

(2)メディアミックス型ゲームの活躍に期待

DeNAの『スラムダンク』のようなメディアミックス型ゲームの発展にも期待がかかります。特にアニメ原作のスマホゲームを多く展開しているDeNAに期待がかかります。『ポケモンマスターズ EX』や『ONE PIECE サウザンドストーム』など、幅広い世代が楽しめるコンテンツが話題だからです。

セガからは2020年9月に『Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories』というライトノベル原作のスマホゲームが出るなど、今後もメディアミックスの発展は広がっていくでしょう。

好きな作品がゲーム化することで、スマホゲームに新規参入するユーザーがますます増えそうです。

(3)ゲームセンターなどのアミューズメントは停滞か

ゲームセンターなどのアミューズメントは、今後しばらく発展が難しいのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大防止により、ほとんどの施設内ではソーシャルディスタンスの確保を推奨される状況です。入場制限を受ける可能性があり、入れても周囲に気をつかわなければいけないので、アミューズメントの需要回復は、今年いっぱいは難しそうです。

今後は外に出て体験するゲームよりも、自宅で気軽に楽しめるコンテンツの活躍が目立つでしょう。

7.まとめ

新型コロナウイルス感染拡大防止による対策が経済に影響を与えるなか、ゲーム業界は巣ごもり商品などで快進撃を見せる企業が目立ちます。2020年4-6月期を見ても、決算で黒字を計上した企業が多いなど、世間のゲームへの注目度が高まっているようです。

今後はPS5の発売などにより、ゲーム業界のさらなる発展に期待がかかります。2020年の下半期ではどの企業が大きな話題を振りまくのでしょうか。

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